いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

完全無料化がセオリー。  theory of cost-free way

2010-02-03 20:15:38 | 日記
 高速道路無料化への世論の評価は低いと言われる。利益対象が自動車利用者に限定されて
いること、休日1000円システムでも渋滞が1.5倍増加して、物流業界(トラック)、競合する
輸送業界(鉄道、船舶、航空)の反対が根強く、環境汚染も指摘されている。

 市民生活の公平、不公平感というのは、ほとんどの場合存在するので、すべての人が公平
に利益を享受することは至難だ。より多くの人が受ける利益が、不利益を被る人にどう反映
されるのか、対象となるものの性質上の問題として、常に理解する必要がある。

 社会資本としての道路は、すべての国民にとって生活に掛け替えのない動脈。人の移動手
段には欠かせない行動生命線。そこにはまず人がいて、時間と量の効果的な移動ツールとし
ての自動車がある。

 人(歩行者)にとっては自動車が、自動車にとっては人が障害となる。そこで、一般的に
道路では人と自動車の棲み分けをしてレーンを区分して共存する。安全という利益で相反す
る両者(両方)が社会的利益(時間と量)という共益性で、それぞれが負荷を負担して共存
している。

 社会資本としての道路は、すべての国民の投資(税金)で維持されている。人も自動車も
利用する社会資本としての道路は、それ以外に利用者から特別に利用料を徴収するような個
別理由、性質のあるものではなく、広く国民全体の共益性の高いものだ。
 従って、ガソリン税のなかで道路特定の財源として、利用者からだけ徴収する方法は不自然
だ。道路は自動車だけのものではない、人と自動車の共益性のある負担とはあきらかに異なる。

 本来、道路利用にすべての国民の投資以外に別途料金を課すことが、理不尽なのだ。高速
道路料金は、ひとつは自動車だけにスムーズに移動できる手段としての便宜、価値に対する
等価が考えられるが、それは、一般道路でも人と自動車のレーンが完全に分離されていて同
質な条件ともいえて、むしろ膨大な建設費の回収目的のためのものだ。

 だから、高速道路建設にあたっては、建設費回収後は無料とすることを前提にした計画は
現実にある。
 高速道路無料化の理念(theory)には、正当性がある。

 正当性のある「理念」を現実の生活、政策のなかでどう実現していくのかだ。一般道路と
高速道路の合理的、効果的な利用方法の棲み分けを、自動車利用者と地域社会が考えて
構築していかなければ効果も少ない。
 負荷ばかりが立ちふさがるような考え方、捉え方というのは、パラドックス(paradox)として
の効果的な利用方法を見出さない、工夫しない裏返しなのだからだ。

 政府は、6月から高速道路無料化のケース・ワーク(case work)として、全国バラバラでの
小規模の地域限定の高速道路で社会実験を行う。
 ほとんどが交通量の少ない地域での小規模のケース・ワークのようで、実験効果は低いと
みられる。

 そもそも4月から高速道路無料化の完全実施が公約、基本政策のものを、その後の財源
不足問題により実施規模が後退したものだ。完全実施に赤信号もささやかれている。
 高速道路無料化の生活、経済、環境の効果、負荷については、利用者が考え、行動して、
スパイラル(spiral)に法則を見出していくものだ。

 政府も社会も、正当性のある理念にもとづく高速道路無料化の完全実施によるケース・ワ
ークを通して、スパイラルな法則、原則を構築していくことが求められる。
 

 
 

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