いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

仕事納めのドタバタ。 noisily year-end work

2011-12-29 20:09:14 | 日記
 (1)それぞれの「思い」を込めた仕事納め(year-end work)だった。①沖縄県庁では、住民団体にアセス(assessment)提出を実力行動で拒まれた防衛省が28日仕事納めに間に合わせようと未明にアセス評価書を県庁内警備室に搬入した。
 テレビでは取材メディアにこんな提出手続上のやり方を質(ただ)されて、多分従っただけの現地提出担当者が回答に窮していたシーンが映し出されていた。

 普天間基地移設先問題という日米外交防衛重要課題とのあまりにもかけ離れた姑息で滑稽な評価書搬入方法の「落差」に、いい大人が陣取り合戦に汲々としたあまりに幼稚なゲームを見る思いだった。伏し目がちにバツの悪そうな表情の現地提出担当者がちょっと気の毒にも見えた。

 防衛相が問責決議を受け、沖縄防衛局責任者が不適切発言で解任という統治崩壊の中で、防衛省が「届け先の事務所に到着したことで完了」(報道)と胸を張っても、現地提出担当者に「責任」を押し付けた無責任でまるで他人事のような防衛省の捉え方だった。とても国の安全を守る資質、責任感があるとは言えないものだ。

 ただ米国に追随しての今年中のアセス提出を公言しておきながらの、28日仕事納めに提出出来たのは条例の所定対数に8部足りないものだったと言うのも、組織業務として考えられないしかも懸案課題への認識、準備欠落を示すおそまつさだった。
 到底、沖縄の理解、協力を得られる政府対応、方法ではなくて、問題をただ混迷化する日本の防衛外交が米国の思いのまま、意のままという従属の政治力不足をただ思い知らされる。

 ②その民主党政権では、税と社会保障の一体改革にかかわる消費税増税論議、マニフェスト崩壊で10名近い民主党議員の離党の動きがあった。政権交代での基本テーゼ(these)である「4年間は消費税を上げない」、公共事業の見直し他にことごとく違反する政府の方針転換に、「うそ」をつく政権政党ではやっていけないというこちらはもっともらしい理由を付けての堂々たる離党届提出だった。

 ただし、財源不足、財政赤字国家の中でどうやってマニフェストを継続していくのか、そもそも当時の政策設計不備、不足があきらかとなっての中でのまさかこの期に及んでの国債(借金)増発、破たん国家でもあるまいし、自暴自棄の選挙を意識した格好付けの離党宣言だ。

 本来なら責任を持って政権、与党を建て直す気概が必要だった。年末の新党結成による政党交付金(前年末までの政党対象)目当ての自己保全のものだ。

 ③その消費税増税論議は民主党全議員対象の税調聞き取りで仕事納めの日に8時間以上論議してもまとまらずに、今日、首相も出席して首相の言う年内素案作りに再度論議を継続するという、賛成、反対の溝は深く、年内結論はむづかしいとの予測だ。(午後9時現在でも結論はまとまらない。)

 首相が、この問題は政府、与党、野党とか言っていられない国全体の将来にかかわる課題だと力説していながら、さっぱり国民的議論に展開しない、国民への説明責任(accountability)不在のパラドックス(paradox)政治だ。メディアの年内のとりまとめがむづかしいのではの問いかけに、「どうしてそんなことが言えるのか」と質問を遮(さえぎ)ってぶら下がり会見を打ち切った首相の姿勢が印象的だった。

 (2)東日本大震災、福島第1原発事故、円高不況に年末の北朝鮮独裁者死去と1年間の日本を取り巻く国内外の暗い世情の中、年末仕事納めの日に政局のドタバタ(noisily year-end work)、駆け込み清算には、この期に「何をやっているのか」の思いとともに、来年は国民の「主権者責任」の正念場ともなるであろう機会に、強い想いが起こってくる。

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