いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

大学新設騒動。 disturbance of new organized Univ.

2012-11-06 20:03:42 | 日記
 (1)大学新設の新担当大臣による不認可(disapproval)問題、どちらもどちらのおかしな話だ。岡崎女子大ほか2大学が大学設置審議会で設置認可が承認、答申されながら、内閣改造で交代した新文科相がいきなり現在大学教育環境を味方にしてか(正式な不認可理由の検証結果、説明はない)、決裁権限者としてこれらに不認可を表明した。

 わずかに文科相が口にしたのは、大学設置審議会の委員構成メンバーの多くが大学関係者で占められていることへの判断偏(かたよ)り懸念だった。

 (2)純粋に「決裁」行為の原理だけを見れば、文科相が大学設置審議会の答申を受けて判断することなので、その最終結論には手続き上問題はない。
 しかし、文科相の判断基準として専門家による大学経営、カリキュラム等の審査、設置審議の結論を受けて、総合的に判断する設置基準値を答申する「制度」なのだから、「特別」の理由でもない限り大学設置審議会の答申をくつがえすことは制度上は考えられないことだ。

 大学設置審議会の委員構成メンバーへの偏り懸念と合わせて、新大臣としてのメッセージ性、政治主導を意識した特に熟考、検証したわけでもない判断のパフォーマンス(performance)なのだろう。
 だから一斉に新設申請3大学からの反発、批判を買うと、今度は文科相は大学設置認可制度を見直す検討会を設けて、問題の3大学新設も含めて新基準で審査、審議することを表明している。

 (3)いきなり文科相の不認可発言は制度上から見れば「勇み足(miss shot)」だということを暗に認めていることになる。
 一方、一旦文科相から不認可表明を受けた3大学はそれまで正式決定もされていないのに、学生募集準備、新校舎の建設を進めていることを理由にいまさらの不認可に反発し、批判をしているが、これも理由にならない「勇み足(miss shot)」である。

 (4)現在の大学経営危機環境は、①18才人口の「恒常的減少」と②景気に左右されにくい大学経営の「利点」に③団塊世代時代からの大学等の設置「飽和」状態の中で、初めて在籍学生のいる大学の経営悪化による「解散命令」という異常事態発生の時代背景がある。

 12年統計で4年制私立大学の39%、短大67%が定員割れを起こしており(報道)、大学等の整理統合は避けられない事態だ。

 (5)文科省も国立大学の独立法人化による大学の自主経営の競争原理を導入して、私大には補助金配分の厳格基準化で健全経営化への整理統合を推進している。
 今更の大学新設など時代、社会の格別の要請でもない限り認めることなど「政策矛盾」する判断だ。
 今回のケースは既設の地方短大の4年制大学への改編であることから、若干事情は異なり地域発展性、経営性を慎重に検証しての判断であれば別問題だ。

 ただし、今回の新設認可、答申の大学設置審議会の検討、検証結果を公表して説明責任を果たすべきことだ。

 (6)どちらもどちらのおかしな教育行政、機関の話で、そこに教育の基本の情報公開、説明責任がスッポリと抜け落ちている不始末が「騒動」(disturbance of new organized niv.)の原因だ。

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