いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政権交代とアジア。 change of political power & asia

2012-11-19 19:57:21 | 日記
 (1)政権交代年(change of political power in a year)の長い1年があと韓国(12/19)とそして多分日本(12/16)の極東アジアで完結を迎える。
 北朝鮮の前総書記の死亡による世襲、ロシアの前大統領の約束復帰、米国の再選、中国の既定路線の踏襲とこれまで大きな変革は見られずに、中国の院政(歴代指導者の影響力)、日本の政権交代が米国、韓国を巻き込んだアジア圏外交にどのような影響を与えるのかが注目される。

 (2)中国指導者は歴代既定路線の踏襲、禅譲で一党独裁共産主義体制に変化が起こり得る政治環境にはないので、新体制でも現在の軍事、経済力を背景にした13億人社会維持の拡張路線を継続することは既定路線だ。
 東シナ、南シナ海での領有権問題に執拗に関与して国力を誇示して、アジア、アフリカ後進地域、新興国への経済援助など影響力を強めていくだろう。

 中国人民日報のネット調査で、国民が期待するものに大差で「民主政治」がトップ(報道)になった。この場合の「民主政治」が自由主義思想国家のものとグレードが同じものなのかは不明だが、同2位の「腐敗対策」と合わせて既定路線の踏襲、禅譲による権力者層の特権階級、格差社会への不満、批判の根強さが出たものだ。

 選挙期間中に日本を訪れた中国人観光客からは、国民が選挙で自由に議員を選ぶ日本政治システムへの願望、関心の高さが伺い知れた。しかし、歴代指導者の影響力の強い中国政府新体制では、当面は強い警戒感から国民への統制政策で締め付けが強化されるだろう。
 国内経済にも成長鈍化のきざしも見えて不安定に向かう中国社会の動向は、日本外交、アジア圏の安定成長にとっても懸念となるところだ。

 (3)北朝鮮はここに来て柔軟な対応が目に付くようになってきた。日朝赤十字関係者協議による日本人遺骨収集訪朝協力に始まって、先日の日朝局長級協議では今まで「解決済み」として応じなかった「拉致問題も協議した」と明言して、「拉致問題」も「(両国には)立場の差がある」と指摘して協議、論議を前提として「解決済み」とは言わなかった(報道)。
 当時の小泉首相訪朝の際に、北朝鮮の金総書記が日本人拉致を自らの国家的犯罪と認めた拉致問題について、あきらかに従前とは違う対応が見られる。

 今後アジアはかっての軍事独裁国家ミャンマーの民主化推進による開発、発展起爆が大きな影響力を示すのは間違いない。今、オバマ大統領が米国大統領として初めてミャンマーを訪問して歴史的な民主化を後押ししている。
 ミャンマーの豊富な資源と高い識字率文化、アジアの中心に位置するロケーション(location)から、アジア経済成長圏の推進力として北朝鮮にも変化と影響を与えることが期待される。このアジア経済成長圏でひとり北朝鮮だけが取り残されるからだ。

 (4)日本は、政治、経済低迷で国際的なイニシアティブ(initiative)を持つことは叶わずに、米国の強い影響下の中で覇権国家戦略に組み込まれていく懸念がある。
 実質、米国、米軍の治外法権化、占領政策の中にある沖縄は危険な米軍基地の恒常化が続き、今回の米兵による沖縄犯罪行為でも周知するとした駐留米兵夜間外出禁止はいつもの名目上のものだけで、その後も深夜、早朝の酔っ払い米兵による家屋侵入事件が続いている。駐日米大使が沈痛な顔で謝罪してみせたのは最初のことだけだ。

 (5)11月解散、12月16日投票の総選挙では、直近のメディア世論調査で「民主・自民以外の政党中心の政権」を支持するものが35%と最も多く、政治第三極勢力への期待感が強い。

 これは既成政党不信へのアンチテーゼ(anti these)であって、政権構想、理念、政策にもとづくものではない。現実として「民主・自民以外の政党中心の政権」構想など、今のところどこにも見当たらないし、存在しない現状だ。

 つまり、政権は「ここ(民主・自民)」だけは認められないという国民の意思表示だが、とても政治の混迷から抜け出すことなどむずかしい現実だ。
 まず政権には、同盟関係にある米国との関係、距離、理念で「理論的」に「交渉能力(negotiatory power)」のある資質が求められる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする