いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

尊敬されるスーパースター。長嶋茂雄 respectable super star

2013-05-06 19:46:57 | 日記
 (1)球場に流れる女性アナウンサーの落ち着いた口調の「4番、サード、長嶋」のアナウンス、響きは、野球にまったく興味のない人には理解してもらえないと思うけれども、これから起きるであろうスリリングなシーンが期待できる心の高揚感へのスイッチをオンにする、血沸き肉躍る不思議な魔力、魅力があった。

 長嶋氏本人も見られることを常に意識してたといわれるプレー、パフォーマンスのとおり、いかにもプレッシャーを楽しむかのようにまた気合いを込めた顔でバッターボックスに静かに向かい、ちょっと左肩をひねって入れて投手に対峙し、両手で構えたバットを右肩の前に掲げてそのまま両肩を上下させてリラックス、タイミングをとる仕草は、まさに「絵になる男」であった。

 (2)スラリと均整のとれた長身で、YGマークの野球帽、ヘルメット姿、膝までまくった黒のストッキングをほどよく出したユニフォーム姿のどれもがオシャレで抜群に格好のいい「燃える男」のスタイルであった。

 ただの闘志あふれる激しさ、野性味でもなく、ただ沈着冷静なものわかりでもなくて、一見やさしそうで激しさを奥に秘めたかのような爆発寸前の美形の休火山のような不思議な佇(たたず)まいの持ち主であった。

 (3)プレー同様にとても常識的な見方では把握、理解できないスケール破天荒のキャラクターの持ち主であった。
 エルビス、ビートルズ、ジャクソンとスーパースターは数々いるが、いつも目の前で実感できる日本人「唯一」のスーパースターだ。

 (4)その長嶋さんが04年に脳梗塞で倒れて懸命のリハビリ治療の結果、通常の3倍(担当医談)の回復を見せて、昨日の東京ドームでの国民栄誉賞受賞式で自らお礼のスピーチを行った。

 同時受賞の松井秀喜さんとお揃いの濃紺のスーツに水玉ネクタイ、ピンストライプのシャーツでオシャレに決めた長嶋さんは、現在も右半身不随の後遺症が残り右手をスラックスのポケットに入れたままで満足な状態とはいえないが、東京ドームに詰めかけた4万5千人と全国に向けて自らの言葉でお礼の意思、気持ちの伝わるスピーチを披露した。

 (5)長嶋さんの現役、監督時代を通じて多くの国民が劇的な感動を数多く味わってきたが、今日は同じ病気に苦しむ多くの人を含めた「さらに」多くの人に勇気と感動を与える永遠のスーパースター長嶋さんであった。
 これからは、あらたな病気境遇の人に対してのスーパースターとしての生きがいになることだろう。

 (6)「あの」長嶋さんが、今日は不自由な健康状態でありながら、自らがいちばんもどかしい思いをしながらも「あそこ」に自ら歩いて登場して毅然とした顔、態度で語りかけたことは、これからも永遠に「尊敬」されるスーパースター(respectable super star)であることを自ら示したのだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする