(1)村上春樹さんの3年半ぶりの長編小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が1週間で100万部売り上げのミリオンセラーとなった。
ここ数年ノーベル文学賞の有力候補に名前がのぼり、さらに発売日まで小説のタイトル、内容を意図的に公表しない読者の好奇心を刺激する、煽(あお)る出版業界の販売戦略も手伝って、そうでなくても村上春樹さんの久々の新刊本ということで、村上春樹文学ブランド(literary brand)、話題性が異常に高まってのまるで最近の最新ゲームソフト並みの発売日付の変わる前から行列のできる人気発売模様となった。
不況、不振の出版業界としては、高い固定読者層(村上春樹ブランド)を持つ数少ない作家の代表格といえる。
(2)村上春樹さんの作品は海外での翻訳も多くて、海外での評価も高く、それがノーベル文学賞の有力候補のひとつの要因だ。文学作家思想、信条は、最近の出版業界の戦略の「対極(polar)」にあるのが村上春樹さんの作品至上主義だ。
まったくと言っていいほど、メディア、大衆面前に登場し発言することはなくて、作品以外には知られることも少ないポピュラリティ(popularity)に迎合しない硬派(strong party)文学作家思想だ。
(3)インターネット、スマートフォン全盛時代の中で、近年の出版業界が構造不況に陥(おちい)って作家、作品のタレント並み扱いの露出過剰宣伝方法が目に付く中で、村上春樹さんは作品魅力だけで興味、関心、注目を集める話題の作家だ。
その独自観、神秘性がさらに村上春樹文学ブランドを高めている。その独自観、神秘性の村上春樹ブランドが、対極にある出版業界の戦略を後押しするという、相互利益関係の皮肉なパラドックス(paradox)現象でもある。
その文学作家思想、信条からして、作品(小説)が公になる前に作品評価より話題が先行しての人気に、出版業界の煽る発売手法も含めてそれは受け入れ難いのではないのか。
(4)その村上春樹さんが18年ぶりとかで京都大学で聴衆を前に対談講演会を行った。何を語るかはメディアを含めて興味が集まったが、村上さんのこれまでの主義、思想、信条のとおりメディア取材を認めない徹底した講演会で、会場が京都大学(河合隼雄さんとの交流)で取材殺到での混乱回避からもやむを得ないところもあった。
参加者からもれ聞くところ(ニュース)によると「魂を見る、魂を書く」というテーマで、現実と非現実の自らの文学作品の主張、思想、表現方法についてかなり具体的に真摯に語ったようである。
(5)それでは村上春樹さんが一般社会から隔絶して唯我独尊の世界に浸(ひた)っているかといえばそうではなくて、先日のボストンマラソン大会の爆弾事件に対して自らもマラソン愛好ランナー(報道)として米国メディアに強いメッセージを寄稿(報道)していることがわかって、独自観、神秘性が作為とは無縁の文学思想、哲学であることがわかる。
(6)パラドックスとして、村上春樹さんの文学思想、信条、独自観、神秘性は社会を映す鏡であり、時代、社会の「軽さ」へのアンチテーゼ(anti these)としての硬派思想、信条の意味、意義はある。
ここ数年ノーベル文学賞の有力候補に名前がのぼり、さらに発売日まで小説のタイトル、内容を意図的に公表しない読者の好奇心を刺激する、煽(あお)る出版業界の販売戦略も手伝って、そうでなくても村上春樹さんの久々の新刊本ということで、村上春樹文学ブランド(literary brand)、話題性が異常に高まってのまるで最近の最新ゲームソフト並みの発売日付の変わる前から行列のできる人気発売模様となった。
不況、不振の出版業界としては、高い固定読者層(村上春樹ブランド)を持つ数少ない作家の代表格といえる。
(2)村上春樹さんの作品は海外での翻訳も多くて、海外での評価も高く、それがノーベル文学賞の有力候補のひとつの要因だ。文学作家思想、信条は、最近の出版業界の戦略の「対極(polar)」にあるのが村上春樹さんの作品至上主義だ。
まったくと言っていいほど、メディア、大衆面前に登場し発言することはなくて、作品以外には知られることも少ないポピュラリティ(popularity)に迎合しない硬派(strong party)文学作家思想だ。
(3)インターネット、スマートフォン全盛時代の中で、近年の出版業界が構造不況に陥(おちい)って作家、作品のタレント並み扱いの露出過剰宣伝方法が目に付く中で、村上春樹さんは作品魅力だけで興味、関心、注目を集める話題の作家だ。
その独自観、神秘性がさらに村上春樹文学ブランドを高めている。その独自観、神秘性の村上春樹ブランドが、対極にある出版業界の戦略を後押しするという、相互利益関係の皮肉なパラドックス(paradox)現象でもある。
その文学作家思想、信条からして、作品(小説)が公になる前に作品評価より話題が先行しての人気に、出版業界の煽る発売手法も含めてそれは受け入れ難いのではないのか。
(4)その村上春樹さんが18年ぶりとかで京都大学で聴衆を前に対談講演会を行った。何を語るかはメディアを含めて興味が集まったが、村上さんのこれまでの主義、思想、信条のとおりメディア取材を認めない徹底した講演会で、会場が京都大学(河合隼雄さんとの交流)で取材殺到での混乱回避からもやむを得ないところもあった。
参加者からもれ聞くところ(ニュース)によると「魂を見る、魂を書く」というテーマで、現実と非現実の自らの文学作品の主張、思想、表現方法についてかなり具体的に真摯に語ったようである。
(5)それでは村上春樹さんが一般社会から隔絶して唯我独尊の世界に浸(ひた)っているかといえばそうではなくて、先日のボストンマラソン大会の爆弾事件に対して自らもマラソン愛好ランナー(報道)として米国メディアに強いメッセージを寄稿(報道)していることがわかって、独自観、神秘性が作為とは無縁の文学思想、哲学であることがわかる。
(6)パラドックスとして、村上春樹さんの文学思想、信条、独自観、神秘性は社会を映す鏡であり、時代、社会の「軽さ」へのアンチテーゼ(anti these)としての硬派思想、信条の意味、意義はある。