(1)安倍首相が1億総活躍社会を打ち出して世間の受け取り方は「よくわからない」だった。政治、経済、社会というのは光の当たるところがあれば、必ずそのあおりを受けて影となるところもあるのが常だ。
光の先をひろげて影の部分を少なくすることが必要だが、光ばかりで覆われることなどあり得ない現象だ。影の部分にどうして光のようなものを当てるのかは、それなりの工夫、戦略、判断が必要だ。
(2)それが1億総活躍社会ではあまりにも非現実的で政治の目指すところではない。アベノミクスは実体のない株価操作経済、景気の好循環で、大企業中心に業績回復効果を生んでその経済効果を地方、中小企業にも波及させるというものだが、円安株高現象はいつまで続くものではなくて、今年に入ってこれまで順調だった中国経済、新興国経済の停滞で円高株安に急転回して、今また英国のEU離脱決定で世界的な株安に見舞われている。
(3)国民の年金負担を基金とした政府機関の株式投資は、昨年5兆円の損失(報道)を受けたといわれて、こんなものまでマネーゲームに使われては考えものだ。
インターネットの世論調査「えらぽーと」では、年金について「給付水準が下がるのはやむを得ない」が54%で「国民の負担を増やしてでも給付水準を維持すべきだ」の30%を大きく上回っている。
社会保障制度の先進国北欧の高い消費税率負担で国民に年金、医療など社会保障政策を充実(high burden, high level of the social security system)させるという理念とはまったく逆の理論の日本国民の判断が見られる。
(4)多分に若い層の考えが反映していると見られて、それでも将来の政治課題として年金、医療(1位)への関心への高さが伺える中で、上述のような「給付水準が下がるのはやむを得ない」が過半数を占めているのは矛盾するところもあるが、社会保障の財源不足が深刻化して遠い将来の生活設計など現実的に受け取れない現実感を示すものだ。
若い人たちの労働形態も安倍首相が雇用改善成果を強調する中で、将来の社会保障が整備されていない非正規雇用が増えており、政府は同一労働同一賃金、非正規雇用の正規雇用化を進めているが、景気変動に対応する雇用調整の企業の考え方とは遊離も見られる。
(5)このまま社会現象が進んで将来にわたって社会保障の恩恵を受けずにまたは低水準の社会保障の中で「収入に見合った生活」で生きていくのならそれもけっこうなことだが、長期的に見れば不安だらけの将来生活設計だ。
そこで冒頭の安倍首相が推し進める1億総活躍社会だが、目に付くのは保育所の整備による子どもを抱える母親の就労機会の保障と国民人口維持に女性が活躍する社会の実現で、これがどうして1億総活躍社会になるのかわからない。
(6)社会保障財源の不足で高年令者にも働いてもらってそれも活躍といいたいのだろうが、さんざん投資をして年金生活を考えた国民へのただの公約違反であり、また「あたらしい判断、選択」としてロジック(logic)のごまかしでしかない。
1億総活躍社会とあえていうなら、影の部分にも希望と夢が必要だ。たとえば年金、医療、社会保障の財源不足は、どの時代、どの社会、どの国民がどれだけ公平に均等負担してそれぞれの時代、社会、国民の生活を支えるのか、夢設計図を示す政治責任がある。
(7)少子高年令化社会の到来を早くから予測できながら何ら適切な対策、対応を取ってこなかったこれまでの政府の無策、無作為政策の責任を、次世代にツケを先送りしないだけでは済まない。
光の先をひろげて影の部分を少なくすることが必要だが、光ばかりで覆われることなどあり得ない現象だ。影の部分にどうして光のようなものを当てるのかは、それなりの工夫、戦略、判断が必要だ。
(2)それが1億総活躍社会ではあまりにも非現実的で政治の目指すところではない。アベノミクスは実体のない株価操作経済、景気の好循環で、大企業中心に業績回復効果を生んでその経済効果を地方、中小企業にも波及させるというものだが、円安株高現象はいつまで続くものではなくて、今年に入ってこれまで順調だった中国経済、新興国経済の停滞で円高株安に急転回して、今また英国のEU離脱決定で世界的な株安に見舞われている。
(3)国民の年金負担を基金とした政府機関の株式投資は、昨年5兆円の損失(報道)を受けたといわれて、こんなものまでマネーゲームに使われては考えものだ。
インターネットの世論調査「えらぽーと」では、年金について「給付水準が下がるのはやむを得ない」が54%で「国民の負担を増やしてでも給付水準を維持すべきだ」の30%を大きく上回っている。
社会保障制度の先進国北欧の高い消費税率負担で国民に年金、医療など社会保障政策を充実(high burden, high level of the social security system)させるという理念とはまったく逆の理論の日本国民の判断が見られる。
(4)多分に若い層の考えが反映していると見られて、それでも将来の政治課題として年金、医療(1位)への関心への高さが伺える中で、上述のような「給付水準が下がるのはやむを得ない」が過半数を占めているのは矛盾するところもあるが、社会保障の財源不足が深刻化して遠い将来の生活設計など現実的に受け取れない現実感を示すものだ。
若い人たちの労働形態も安倍首相が雇用改善成果を強調する中で、将来の社会保障が整備されていない非正規雇用が増えており、政府は同一労働同一賃金、非正規雇用の正規雇用化を進めているが、景気変動に対応する雇用調整の企業の考え方とは遊離も見られる。
(5)このまま社会現象が進んで将来にわたって社会保障の恩恵を受けずにまたは低水準の社会保障の中で「収入に見合った生活」で生きていくのならそれもけっこうなことだが、長期的に見れば不安だらけの将来生活設計だ。
そこで冒頭の安倍首相が推し進める1億総活躍社会だが、目に付くのは保育所の整備による子どもを抱える母親の就労機会の保障と国民人口維持に女性が活躍する社会の実現で、これがどうして1億総活躍社会になるのかわからない。
(6)社会保障財源の不足で高年令者にも働いてもらってそれも活躍といいたいのだろうが、さんざん投資をして年金生活を考えた国民へのただの公約違反であり、また「あたらしい判断、選択」としてロジック(logic)のごまかしでしかない。
1億総活躍社会とあえていうなら、影の部分にも希望と夢が必要だ。たとえば年金、医療、社会保障の財源不足は、どの時代、どの社会、どの国民がどれだけ公平に均等負担してそれぞれの時代、社会、国民の生活を支えるのか、夢設計図を示す政治責任がある。
(7)少子高年令化社会の到来を早くから予測できながら何ら適切な対策、対応を取ってこなかったこれまでの政府の無策、無作為政策の責任を、次世代にツケを先送りしないだけでは済まない。