(1)今回の参院選はおかしな選挙だった。安倍首相が直前に来年4月の消費税10%引き上げを2年半先送りすることを発表して、本当は衆院を解散して衆参同時選挙で国民の信を問うはずが(参院でも改憲勢力の3分の2以上の議席確保を目指して)、世界的な円高株安による経済状況の不安定を受けて折角の衆院与党3分の2以上の勢力保持のリスクの大きい衆院解散を回避して、参院選を消費税引き上げ先送りの(本来は衆院選で使われる)信を国民に問う選挙と言い出した。
(2)安倍首相は今回参院選で改憲発議に必要な3分の2以上の議席確保を目指しながら、選挙戦中はアベノミクスの成果、経済政策に焦点を絞り、改憲論議は一切封印(報道)した。
これに対して野党は1人区で候補者一本化調整をして、与党の3分の2議席阻止を重要テーマとして掲げて選挙を戦い、安倍政権の(改憲論議封印の)争点隠しを批難するばかりの構図となった。
(3)安倍首相はアベノミクスは道半ばとして、さらにエンジンを「ふかし」て地方、中小企業、国民にも効果を波及させるというが、具体的な政策公約はこれまでと変わり映えもせずに説得力に欠けるものだった。
野党は野党で数(票)の合算に重きを置いて与党3分の2阻止で、経済政策の対抗軸も打ち出さない平凡な選挙に終始した。結果は自民党が躍進するというよりは改憲勢力が順調に議席を増やして参院でも改憲勢力で3分の2以上の議席を確保して、安倍与党の勝利となった。自民党としては支持率、事前評価の高さから見ればほどほどの勝利だった。
(4)選挙は議席、勢力拡大を争うものではあるが、その中身、どういう政策を実行して日本の安全、政治、経済、社会、国民生活にどういう影響を与えてくのかを国民に示して判断を求めるものでもあるが、今回選挙の中身は争点隠し、相手批難の空虚な(empty)論戦としか言いようのないものだった。
(5)投票率はこれまで低下、低下と来ていたものが、今回は54.70%で前回参院選をわずか(2%)でも上回った。空虚な選挙戦論戦前の期日前投票が大幅に伸びた効果で、今回から投票権が18才まで引き下げられた効果が期日前投票に出たと考えられる。
その18,19才投票率は45.45%(報道)で全体投票率より9%強下回った。選挙前の高校生有権者を対象にした選挙教育が話題を集めていたが、初めての投票権行使で判断となる候補者とりわけ与党首相、野党代表の政策公約の主張が空虚なものとなって、改憲勢力3分の2議席ラインがひとり歩きして相手批判ばかりでこれで投票に関心を持てといわれても無理がある。
(6)さらに候補者は広い選挙区の中で票になる地元支持基盤中心の選挙運動を展開して、地域によってはほとんど候補者の声を聞くことはなかった。
いきなり初めての投票権の選挙がこういう状況、事情の中で投票率45.45%は初回投票効果としては見るべきものがあったと言っていいだろう。
ただし今回の空虚な選挙戦を経験して、今後さらに18,19才の投票率が増える可能性には疑問符が付く。
(7)1票の価値の重みは、少子高年令化社会で比較投票率の高い、人口比率の高い高年令者層に対して、これから長く負担と責任を負っていく人口比率の低い若者層の意思、意見を公平、公正に比較広く反映させる効果であって、若者層にはその意義をよく考えてもらいたい。
(2)安倍首相は今回参院選で改憲発議に必要な3分の2以上の議席確保を目指しながら、選挙戦中はアベノミクスの成果、経済政策に焦点を絞り、改憲論議は一切封印(報道)した。
これに対して野党は1人区で候補者一本化調整をして、与党の3分の2議席阻止を重要テーマとして掲げて選挙を戦い、安倍政権の(改憲論議封印の)争点隠しを批難するばかりの構図となった。
(3)安倍首相はアベノミクスは道半ばとして、さらにエンジンを「ふかし」て地方、中小企業、国民にも効果を波及させるというが、具体的な政策公約はこれまでと変わり映えもせずに説得力に欠けるものだった。
野党は野党で数(票)の合算に重きを置いて与党3分の2阻止で、経済政策の対抗軸も打ち出さない平凡な選挙に終始した。結果は自民党が躍進するというよりは改憲勢力が順調に議席を増やして参院でも改憲勢力で3分の2以上の議席を確保して、安倍与党の勝利となった。自民党としては支持率、事前評価の高さから見ればほどほどの勝利だった。
(4)選挙は議席、勢力拡大を争うものではあるが、その中身、どういう政策を実行して日本の安全、政治、経済、社会、国民生活にどういう影響を与えてくのかを国民に示して判断を求めるものでもあるが、今回選挙の中身は争点隠し、相手批難の空虚な(empty)論戦としか言いようのないものだった。
(5)投票率はこれまで低下、低下と来ていたものが、今回は54.70%で前回参院選をわずか(2%)でも上回った。空虚な選挙戦論戦前の期日前投票が大幅に伸びた効果で、今回から投票権が18才まで引き下げられた効果が期日前投票に出たと考えられる。
その18,19才投票率は45.45%(報道)で全体投票率より9%強下回った。選挙前の高校生有権者を対象にした選挙教育が話題を集めていたが、初めての投票権行使で判断となる候補者とりわけ与党首相、野党代表の政策公約の主張が空虚なものとなって、改憲勢力3分の2議席ラインがひとり歩きして相手批判ばかりでこれで投票に関心を持てといわれても無理がある。
(6)さらに候補者は広い選挙区の中で票になる地元支持基盤中心の選挙運動を展開して、地域によってはほとんど候補者の声を聞くことはなかった。
いきなり初めての投票権の選挙がこういう状況、事情の中で投票率45.45%は初回投票効果としては見るべきものがあったと言っていいだろう。
ただし今回の空虚な選挙戦を経験して、今後さらに18,19才の投票率が増える可能性には疑問符が付く。
(7)1票の価値の重みは、少子高年令化社会で比較投票率の高い、人口比率の高い高年令者層に対して、これから長く負担と責任を負っていく人口比率の低い若者層の意思、意見を公平、公正に比較広く反映させる効果であって、若者層にはその意義をよく考えてもらいたい。