いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日本の核武装論。 the theory of a nuclear armaments in japan

2016-07-01 20:02:38 | 日記
 (1)オバマ大統領が5月末のG7伊勢志摩サミット首脳会議の翌日に米国大統領として初めて被ばく地広島を訪れて慰霊碑に献花、ステートメントを発表したばかりで、今度はその米国のバイデン副大統領が6月になって中国の習近平国家主席との会談での話の前後、経緯はわからないが「日本は一夜で核武装できる」、「もし明日、日本が核武装したらどうなる」(報道)と発言したことを明らかにした。

 世耕官房副長官は記者会見で即座に否定したが、自民党の一部にかねてから核兵器開発論議があることを念頭にしたバイデン発言のようにも聞こえる。

 (2)問題はオバマ大統領が唯一の戦争原爆投下国の米国大統領として、唯一の戦争被ばく国日本の被ばく地広島を訪問した意思、意図(核のない世界実現)を顧みることもなく、ついでにいうなら自らの占領米国主導による平和憲法を擁する日本をダシにして中国に対して警戒感をあらわすなどとは無分別もはなはだしい。

 米国副大統領として中国の習国家主席との会談という中で、南シナ海問題で対立する中国に対して日本と連携して抑圧、規制する意味合いがあったとしても、いくら何でも日本の核武装論(the theory of a nuclear armaments in japan)では日本にとっては大迷惑であり、オバマ大統領の理念と比較して米国副大統領としてあり得ない発言だった。

 (3)バイデン副大統領と習国家主席との会談の中身はわからないが、日本をダシに使われているとすれば米国の日本に対する見方、対応がよくわかるものだ。
 沖縄の米軍基地問題でも軍属関係者の沖縄女性殺害事件にはじまり米軍関係者の飲酒運転事故が相次いで批難を受ける中で、当初は規律強化を打ち出したが(その最中にも飲酒運転事故は発生して)効果もないほとぼりも醒めないうちにこれを解除して事件前に戻してしまうなどとは、米国、米軍が沖縄を治外法権化しているいまだ占領現実の認識を示すものだ。

 (4)それでも米国からすればトランプ候補の日米安保条約による日米軍事同盟関係の米国依存、負担の偏りの考えが正直なところで、これが米国民の支持を集めているのも現実だ。

 (5)そこでバイデン副大統領が中国に対して発言した日本の核武装論だが、開発能力に力点があったのか、開発意欲に力点があったのかはわからないが、憲法解釈、法整備、非核三原則も含めて可能性はあるのだろうか考えてみる。

 日本には54基もの原発があって核兵器開発に必要な使用済み核燃料融合物質(プルトニウム)は保存している。非核三原則の理念などから日米協定で米国に移して永久保存することになっているが、まだ多くが日本国内に現存する。

 (6)核兵器開発に結びつけないために日米協定で使用済み核燃料融合物質を米国に移しているのだから、その利害関係の米国副大統領がいまは非現実的な日本の核武装化をあえて発言してみせるのもおかしな認識でまずあり得ないことだ。

 日本は憲法第9条で国際紛争を解決する手段としての「戦力」を保持しないと規定しているのだから、核兵器が他国から攻撃された自衛のための「戦力」かどうかということになる。

 (7)この自衛戦力も現実論からいえば高ければ高い方がより安全で有効になるが、パラドックス(paradox)として高い自衛のための「戦力」は他国にとっては攻撃的な威圧戦力ともなって緊張関係をもたらすもので不利益になる。

 まして核武装化となると、仮に自衛戦力といっても国際社会では通用しない人類破壊兵器で理屈は通らない。

 (8)バイデン副大統領は安倍政権の憲法改正志向を念頭に日本の核武装化の現実を利用発言しているとも考えられて、安倍政権の保守的偏向政治をダシに使って中国に警戒感を植え付けようとした発言のように聞こえる。

 日本もうかうかしていると米国の中国対策の都合のいいダシに使われる恐れもあり、米国追随政策一辺倒の安倍政権には要注意だ。

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