(1)自民党1強時代で参院選挙戦中は自民党だけで単独過半数獲得(61議席)との見方もあっただけに、今回参院選自民党56議席(改選50)の結果は思ったほどの「強さ」でもなかった。
公明党、おおさか維新の会もそれぞれに5議席増やしているのだから似たり寄ったりのむしろ圧倒的な自民党の政党支持率の高さからみれば比較不満も出るところだ。
現職閣僚2名も落選して、ともに東日本大震災、原発事故からの復興の福島と米軍基地問題の沖縄という安倍政権にとって政策課題の克服が難題となっているところだけに、国民の強烈な政府批判と受け取られて考えなければならない結果だ。
(2)政権党を決める国政選挙(衆院選)でもなく、野党が1人区で候補者一本化調整をしたこと、無党派層(nonparty)の票が野党に流れた(報道分析)ことなど自民党にささやかな逆風(against the stream)も流れたと見るべきで、安倍首相も改憲勢力で3分の2以上を獲得したと喜んでばかりはいられない結果とみるべきだ。
安倍首相が意欲を見せる憲法改正問題で強引さが「再々」見られるようだと、今回野党に流れた無党派層の投票行動が今後の国政選挙で「反自民」、「反安倍」へとさらに結集する要素をはらんでおり、今回の参院選の特徴ともいうべき現象だ。
(3)民進党は改選46を15議席も下回る惨敗に終わったが、これを契機に政策提案型の党に変化して執行部が出直せば無党派層の支持も見込める構図だ。岡田代表は9月末の党代表選までは続投する意向を示しているが、選挙結果の利害を見極めて早めの新執行部による再出発で無党派層の支持をつなぎ止めておきたい好機としたいところだ。
(4)共産党も改選3から3議席伸ばしたが、最近の国政選挙の躍進度から見ればひと段落した。1人区での野党候補者一本化調整で独自の立候補者を見送ったことが影響したか、今後の野党協力体制の見直しの中でどう修復していくのか、これからの本格的な国会論戦となれば野党間の理念、政策、主義の違いが鮮明になる。
ことさらに今後安倍首相が改憲勢力衆参3分の2以上を得て憲法改正問題の論議が本格化することが確実で、共産党と他野党間の憲法解釈、考えの違いがあきらかになり、野党協力関係の構造維持もむずかしい状況が考えられる。
(5)さらに弱小の野党ではわずかに社民党が1議席(改選2)確保しただけで、生活(改選2)、改革(改選2)の党はともに今回参院選で議席ゼロに終わって、ともに存在感をなくして淘汰された。
かっては社会党として野党第1党として非武装中立論、国会審議での政府への厳しい追求で存在感を示して社会主義革新政党の流れを汲む社民党が今回改選でわずか1議席(非改選とあわせて2)に追い詰められたことは、共産党が躍進している中で極めて象徴的な出来事となった。
(6)やはり、当時の社会党村山連立政権で保守系野党にかつがれての連立政権に向かったことが大きく分岐点となって、その後紆余曲折はあっても社会主義革新党からの現実主義転換が国民の支持を失っていった結果の今回の姿だ。
理論的で理論武装して、疑惑追及の実証力もあり、切れ味鋭い論客の議員の多かった社会党だっただけに、教育に偏向を持ちこんだこと、路線の間違いの末路はあわれではある。
公明党、おおさか維新の会もそれぞれに5議席増やしているのだから似たり寄ったりのむしろ圧倒的な自民党の政党支持率の高さからみれば比較不満も出るところだ。
現職閣僚2名も落選して、ともに東日本大震災、原発事故からの復興の福島と米軍基地問題の沖縄という安倍政権にとって政策課題の克服が難題となっているところだけに、国民の強烈な政府批判と受け取られて考えなければならない結果だ。
(2)政権党を決める国政選挙(衆院選)でもなく、野党が1人区で候補者一本化調整をしたこと、無党派層(nonparty)の票が野党に流れた(報道分析)ことなど自民党にささやかな逆風(against the stream)も流れたと見るべきで、安倍首相も改憲勢力で3分の2以上を獲得したと喜んでばかりはいられない結果とみるべきだ。
安倍首相が意欲を見せる憲法改正問題で強引さが「再々」見られるようだと、今回野党に流れた無党派層の投票行動が今後の国政選挙で「反自民」、「反安倍」へとさらに結集する要素をはらんでおり、今回の参院選の特徴ともいうべき現象だ。
(3)民進党は改選46を15議席も下回る惨敗に終わったが、これを契機に政策提案型の党に変化して執行部が出直せば無党派層の支持も見込める構図だ。岡田代表は9月末の党代表選までは続投する意向を示しているが、選挙結果の利害を見極めて早めの新執行部による再出発で無党派層の支持をつなぎ止めておきたい好機としたいところだ。
(4)共産党も改選3から3議席伸ばしたが、最近の国政選挙の躍進度から見ればひと段落した。1人区での野党候補者一本化調整で独自の立候補者を見送ったことが影響したか、今後の野党協力体制の見直しの中でどう修復していくのか、これからの本格的な国会論戦となれば野党間の理念、政策、主義の違いが鮮明になる。
ことさらに今後安倍首相が改憲勢力衆参3分の2以上を得て憲法改正問題の論議が本格化することが確実で、共産党と他野党間の憲法解釈、考えの違いがあきらかになり、野党協力関係の構造維持もむずかしい状況が考えられる。
(5)さらに弱小の野党ではわずかに社民党が1議席(改選2)確保しただけで、生活(改選2)、改革(改選2)の党はともに今回参院選で議席ゼロに終わって、ともに存在感をなくして淘汰された。
かっては社会党として野党第1党として非武装中立論、国会審議での政府への厳しい追求で存在感を示して社会主義革新政党の流れを汲む社民党が今回改選でわずか1議席(非改選とあわせて2)に追い詰められたことは、共産党が躍進している中で極めて象徴的な出来事となった。
(6)やはり、当時の社会党村山連立政権で保守系野党にかつがれての連立政権に向かったことが大きく分岐点となって、その後紆余曲折はあっても社会主義革新党からの現実主義転換が国民の支持を失っていった結果の今回の姿だ。
理論的で理論武装して、疑惑追及の実証力もあり、切れ味鋭い論客の議員の多かった社会党だっただけに、教育に偏向を持ちこんだこと、路線の間違いの末路はあわれではある。