いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

上乗せ電気料金。 more set on the electric charges

2016-09-08 20:18:37 | 日記
 (1)安倍首相は8月末の日本が主導するアフリカ開発会議に出席し、9月上旬ロシア・ウラジオストクでプーチン大統領と会談して帰国後翌日には中国杭州でのG20サミットに出席してその後もASEAN首脳会議でラオスに滞在するという、ここ1~2週間で地球2周半はしたとかいわれている。

 どうみてもタフな日程で一国の首相がこんな日程をあえて組んでこなして、政治スケジュール、工程上大丈夫なのかと要らぬ心配が募る。

 (2)もちろん政府専用機での移動なので、ホテル並みの設備の中での移動で一般人とは違う環境ではあるし、幸いにもそのほとんどが時差が1~2時間程度の範囲の移動でニュース映像などでは見るところでは本人はいたって元気そうだ。

 安倍首相は就任以来、地球俯瞰(ふかん)外交を唱えて、世界各国を巡り外交には強い意欲と自信を持っているようだが、国内政治の現状はどうかといえば支離滅裂、思考停止状態といえるものだ。

 (3)日銀黒田総裁のデフレ脱却に向けての物価目標2年で2%達成は3年たっても実現にはほど遠く、かかわったかっての岩田日銀副総裁は新聞インタビュー記事で間違いだったと述べている。

 いまさらの感もあるが、黒田総裁は金融緩和策、マイナス金利導入にまだまだ自信を示して強気の構えだ。そもそも日銀政策決定会合で黒田総裁の1票の過半数で押し切った金融緩和策なので、賛否両論のきっ抗した従来の2倍のカネを市場に供給する金融緩和策、物価目標2%だった。

 (4)日銀はようやく9月の政策決定会合でこれまでの金融緩和策の総点検、検証をするといっているので、ひとつの区切りをつける。
 
 そして福島第一原発事故は5年半が過ぎても汚染水対策が効果的に進まずに、計画の大幅な遅れが見られる。
 日本の電力原発事業は地域ごとの分轄寡占事業体制で非競争状態の中で世界的にも高い電気料金といわれて、政府は今年4月から電力事業の規制緩和を進め電力自由化で新規事業者の参入を進めて、競争の原理で電気料金の公正化政策をはかっている。

 (5)ところがここへきて、政府の対応は「原発の廃炉や福島第一原発事故の賠償」(報道)費用を4月からの新規電力事業参入者の新電力にも負担させて、それを利用者料金に上乗せして(set on the electric charges)国民にもさらに負担させようというものだ。

 そもそもこれまでの電力事業寡占体制での高い電気料金を、新電力の参入で競争の原理で比較割安の料金引き下げ政策を進めながら、新電力の利用者には廃炉費を上乗せして料金負担増を強いるなどとは政府の政策の不一致を示すもので理解できないものだ。

 (6)政府は廃炉費を新電力にも拡大して負担させて担保し、結局は国民負担(税投資、料金負担)につなげておいて、将来のベースロード電源には原発再稼働を掲げて原規委には原発再稼働の審査促進、合格基準緩和で原発推進政策を進めようなどとは論理矛盾でもある。

 新電力の参入で電力の安定供給、電気料金の引き下げをはかろうというなら、危険を冒してまで原発再稼働で電気料金の国民負担削減をはかろうという政府の名目はパラドックス(paradox)として説明がつかない。

 

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