(1)直近の安倍内閣支持率調査で50%後半の高い支持率が示されていた。近年にはない高い内閣支持率だ。
最近の政治状況を見れば、とりたたて安倍内閣に高い支持が集まるような事態ではなく、国会も休会中で安倍首相は8月下旬から9月上旬にかけてアフリカ、ロシア、アジアと立て続けて海外での首脳会議に出席して、この間に地球2周半はしたといわれるくらい日本を留守にしていたのにだ。
(2)北朝鮮の核実験強行前の同調査であったから、特に北朝鮮の脅威に対する国内政治の安定を求めるようなことでもない。むしろ、今同調査をやれば安倍内閣の支持率はもっと上がるかもしれない。
不思議な政治現象だが、安倍首相にとっては願ったり叶ったりの心強い支持率の上昇だ。
党規則によれば2期目の18年9月で安倍首相(党総裁)の任期は終了し、再選はない。
(3)ところが比較安定した安倍内閣支持率の上に、強力な対抗馬(安倍内閣をともに支えた岸田外相、石破前地方創生担当相ぐらい)もいないことが党内には任期延長論も取り沙汰されて、本人からも2020年東京五輪までを目指して意欲を示すような言動が聞かれる。
報道によると自民党では党総裁無期限論まで出て、すっかり安倍首相(党総裁)の任期延長(prolongation of a term of a president)を前提とするような発言が相次いでいる。このたびの安倍内閣支持率50%後半は強い追い風になっただろう。
(4)そこで自民党として党規則、制度の変更、見直しを検討するような気配だが、「制度」(institution)というのは一個人、特定人の事情を対象に行うものではなくて、普遍的、原則的、理念的な問題提起であるからいくら現在の安倍首相(党総裁)が党内で力量を誇示して、国民的人気も高く安定した政権運営をしているからといってそれだけで任期延長論、まして無期限論まで聞かれるとなると本末転倒の個人崇拝、利益擁護の党内支配論になってしまう。
(5)多選禁止制度は、個人崇拝による支配体制、独占(monopoly)、独裁(dictator ship)、利権、力関係につながる腐敗を阻止して、また多くの候補者に機会を均等に与えて競争力による党活性化につなげる目的、趣旨、普遍性、理念があり、時の権力者個人の力関係で都合よく見直すようなものではないのが制度論だ。
自民党の現在の動きは野党のまったく力不足の中で、あまりにもひとり勝ちの中で自己本意むきだしの偏向した政治的動向に見えて危険だ。
(6)同じく天皇の生前退位問題でも、政府は現天皇の個人的事情に即して特別立法(special law)で対応(報道)する検討に入っている。
これも制度論としては不適当、不適切なもので、憲法と皇室典範との整合性を含めて専門家からも賛否両論が聞かれる。
(7)皇室典範には摂政制度もあり(現天皇は摂政制度に否定的)、生前退位の規定はなく、憲法、皇室典範の規定の改正は必要で、やはり制度改正として摂政と生前退位問題を解決する必要はある。
国民世論は現天皇の高令、健康問題から生前退位には高い支持があり、政府は制度論として検討して普遍的、理念的回答を示す必要がある。
最近の政治状況を見れば、とりたたて安倍内閣に高い支持が集まるような事態ではなく、国会も休会中で安倍首相は8月下旬から9月上旬にかけてアフリカ、ロシア、アジアと立て続けて海外での首脳会議に出席して、この間に地球2周半はしたといわれるくらい日本を留守にしていたのにだ。
(2)北朝鮮の核実験強行前の同調査であったから、特に北朝鮮の脅威に対する国内政治の安定を求めるようなことでもない。むしろ、今同調査をやれば安倍内閣の支持率はもっと上がるかもしれない。
不思議な政治現象だが、安倍首相にとっては願ったり叶ったりの心強い支持率の上昇だ。
党規則によれば2期目の18年9月で安倍首相(党総裁)の任期は終了し、再選はない。
(3)ところが比較安定した安倍内閣支持率の上に、強力な対抗馬(安倍内閣をともに支えた岸田外相、石破前地方創生担当相ぐらい)もいないことが党内には任期延長論も取り沙汰されて、本人からも2020年東京五輪までを目指して意欲を示すような言動が聞かれる。
報道によると自民党では党総裁無期限論まで出て、すっかり安倍首相(党総裁)の任期延長(prolongation of a term of a president)を前提とするような発言が相次いでいる。このたびの安倍内閣支持率50%後半は強い追い風になっただろう。
(4)そこで自民党として党規則、制度の変更、見直しを検討するような気配だが、「制度」(institution)というのは一個人、特定人の事情を対象に行うものではなくて、普遍的、原則的、理念的な問題提起であるからいくら現在の安倍首相(党総裁)が党内で力量を誇示して、国民的人気も高く安定した政権運営をしているからといってそれだけで任期延長論、まして無期限論まで聞かれるとなると本末転倒の個人崇拝、利益擁護の党内支配論になってしまう。
(5)多選禁止制度は、個人崇拝による支配体制、独占(monopoly)、独裁(dictator ship)、利権、力関係につながる腐敗を阻止して、また多くの候補者に機会を均等に与えて競争力による党活性化につなげる目的、趣旨、普遍性、理念があり、時の権力者個人の力関係で都合よく見直すようなものではないのが制度論だ。
自民党の現在の動きは野党のまったく力不足の中で、あまりにもひとり勝ちの中で自己本意むきだしの偏向した政治的動向に見えて危険だ。
(6)同じく天皇の生前退位問題でも、政府は現天皇の個人的事情に即して特別立法(special law)で対応(報道)する検討に入っている。
これも制度論としては不適当、不適切なもので、憲法と皇室典範との整合性を含めて専門家からも賛否両論が聞かれる。
(7)皇室典範には摂政制度もあり(現天皇は摂政制度に否定的)、生前退位の規定はなく、憲法、皇室典範の規定の改正は必要で、やはり制度改正として摂政と生前退位問題を解決する必要はある。
国民世論は現天皇の高令、健康問題から生前退位には高い支持があり、政府は制度論として検討して普遍的、理念的回答を示す必要がある。