(1)安倍首相の1日の動向を記載した新聞のスケジュールを見ると、分刻みで会議、応対が続いてもちろんお膳立てをされてのものでスケジュール・シラバスに従うだけというところがあるが、それでも尋常な数ではなくてよほど頭脳も含めて健康体でなければ務まらないとつくづく思わされる。
その安倍首相も06年からの第一次安倍内閣では健康に支障がでて任期途中での退陣に追い込まれた。
(2)日本の政治の場合は政治家には資産、資金の透明性、開示性には国民的関心は高いが、健康面についてはあまり関心を呼ぶことはない。先ほど自転車走行中に転倒して現場復帰が大幅に遅れてリハビリ中の谷垣前幹事長でさえ、安倍首相は当初貢献度から幹事長続投に期待していたほどだ。
(3)これが米国政治となると、政治家の健康問題は政治生命の死活を握る重要度となる。自由主義経済の巨大国となれば、政治家の資産、資金はその集金力もステータスとなって原則として使途に制限はなく、豊富な資金力が選挙戦を勝ち抜くダイナミズム(dynamism)だ。
一方で政治家の健康問題は、政治活動を行う上で極めて重要要素と見られている。政治理念、体制、社会思想の違いが、政治資金の透明性、明確化、基準化で公平、公正な政治環境を維持しようという日本的な日本型社会思想と、極端にいえば政治資金には糸目をつけずに集めるだけ集めて豊富に使うことが能力評価と見られて、激務に耐えうる体力、健康が重要問題視される米国型社会思想に見られる。
(4)安倍首相は激務でも国内対応が中心で、一方米国大統領は国際政治が相手とあって、レベルの違う激務型である。
米国型は極めて合理主義で能力主義が強く打ち出される政治社会風土だ。有名な60年の当時共和党ニクソン大統領と民主党J.F.ケネディ候補の大統領選テレビ討論会で当時モノクロ映像時代で、若いJ.F.ケネディ候補は濃い目のスーツでテレビ映りのいい色彩が強く出て、その若さとあいまって力強さが印象となり逆に淡いスーツで比較高年令のニクソン大統領の弱弱しさに印象で上回ったことが、国民判断に有利に働いたといわれている。
(5)今年11月の米大統領選に向けて民主党ヒラリー・クリントン候補と共和党トランプ候補は、どちらが大統領によりふさわしくないかの争いともいわれて、政策論争以上に政治資質、発言の適性、ネガティブ・キャンペーン(negative campaign)ばかりが目立つ凡戦のようだ。
そこへきて9.11慰霊式典に出席中のヒラリー・クリントン候補が途中体調不良を訴えて退席中に崩れ落ちる映像が流されて、健康問題が争点として急浮上している。
肺炎だったことがわかって健康不良、情報不開示が問題となり、回復した後に医師の診断書(a medical certificate)を提示して健在ぶりを証明してみせた。トランプ候補も最新の診断書を提示して健康を証明したとある。
(6)日本の政治事情では、政治家が入院でもしないと健康状態は伝わらないところがあるが、米国大統領選での2候補者の健康診断書提示には日本から見れば何とも世界が注目する次期大統領選というステータスからすればパラドックス(paradox)として本人たちには大変な問題でも、まるで検定試験に臨むようでもあり、ほほえましくも身近な問題意識に感じる。
その安倍首相も06年からの第一次安倍内閣では健康に支障がでて任期途中での退陣に追い込まれた。
(2)日本の政治の場合は政治家には資産、資金の透明性、開示性には国民的関心は高いが、健康面についてはあまり関心を呼ぶことはない。先ほど自転車走行中に転倒して現場復帰が大幅に遅れてリハビリ中の谷垣前幹事長でさえ、安倍首相は当初貢献度から幹事長続投に期待していたほどだ。
(3)これが米国政治となると、政治家の健康問題は政治生命の死活を握る重要度となる。自由主義経済の巨大国となれば、政治家の資産、資金はその集金力もステータスとなって原則として使途に制限はなく、豊富な資金力が選挙戦を勝ち抜くダイナミズム(dynamism)だ。
一方で政治家の健康問題は、政治活動を行う上で極めて重要要素と見られている。政治理念、体制、社会思想の違いが、政治資金の透明性、明確化、基準化で公平、公正な政治環境を維持しようという日本的な日本型社会思想と、極端にいえば政治資金には糸目をつけずに集めるだけ集めて豊富に使うことが能力評価と見られて、激務に耐えうる体力、健康が重要問題視される米国型社会思想に見られる。
(4)安倍首相は激務でも国内対応が中心で、一方米国大統領は国際政治が相手とあって、レベルの違う激務型である。
米国型は極めて合理主義で能力主義が強く打ち出される政治社会風土だ。有名な60年の当時共和党ニクソン大統領と民主党J.F.ケネディ候補の大統領選テレビ討論会で当時モノクロ映像時代で、若いJ.F.ケネディ候補は濃い目のスーツでテレビ映りのいい色彩が強く出て、その若さとあいまって力強さが印象となり逆に淡いスーツで比較高年令のニクソン大統領の弱弱しさに印象で上回ったことが、国民判断に有利に働いたといわれている。
(5)今年11月の米大統領選に向けて民主党ヒラリー・クリントン候補と共和党トランプ候補は、どちらが大統領によりふさわしくないかの争いともいわれて、政策論争以上に政治資質、発言の適性、ネガティブ・キャンペーン(negative campaign)ばかりが目立つ凡戦のようだ。
そこへきて9.11慰霊式典に出席中のヒラリー・クリントン候補が途中体調不良を訴えて退席中に崩れ落ちる映像が流されて、健康問題が争点として急浮上している。
肺炎だったことがわかって健康不良、情報不開示が問題となり、回復した後に医師の診断書(a medical certificate)を提示して健在ぶりを証明してみせた。トランプ候補も最新の診断書を提示して健康を証明したとある。
(6)日本の政治事情では、政治家が入院でもしないと健康状態は伝わらないところがあるが、米国大統領選での2候補者の健康診断書提示には日本から見れば何とも世界が注目する次期大統領選というステータスからすればパラドックス(paradox)として本人たちには大変な問題でも、まるで検定試験に臨むようでもあり、ほほえましくも身近な問題意識に感じる。