いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

中国の間違い。 mistake of china

2019-11-20 20:16:14 | 日記
 (1)香港政府が市民デモ封じ込めのために発令した覆面禁止法に対しての香港高裁の違憲判決、判断に、中国は「(違憲判断は)全人代常務委だけが判断できる」(報道)とこれを否定した。

 香港デモ過熱の発端となった香港政府の逃亡条例改正案は国際法基準に反するもので、香港政府は撤回に追い込まれて中国政府も特に異論を唱えなかった。しかし今回の香港政府の覆面禁止法が高裁により違憲と判断されたことに対して、中国はこれを否定する形で政治介入の強硬姿勢を示した。

 (2)中国の1国2制度は香港、台湾が中国共産主義独裁国家体制をいきなりとらずに独自の政府、政治体制を容認しているもので、今回の香港高裁の覆面禁止法の違憲判断に中国が露骨に政治介入する必要があったのか、これが同じ1国2制度の台湾であれば政治事情の違いはあるが中国としてもここまで政治介入することはできなかったのだから、こうしてまで香港に政治介入することはなかった。

 (3)中国は香港政府の逃亡条例改正案の撤回には異を唱えることはなかったのに、それよりははるかに政治的影響力の低い覆面禁止法の香港高裁の違憲判断はそれでも1国2制度を基本から揺るがす問題としてとらえられたのだろう。

 中国の言う1国2制度がどういうものかは詳しくはわからないが、中国の基本法(憲法)に香港政府、市民が支配されるというならいざしらず、香港でも基本法(憲法)が存在するのだから「(違憲判断は中国の)全人代常任委だけが判断できる」はそれでは中国共産党独裁支配の法解釈、理論に論理矛盾、無理がある。

 (4)中国の間違いは1国2制度の香港(政府)を国内として国内法で圧力、影響を強めて支配強化をはかることで、それが逃亡条例改正案という国際法基準に反するものであったことがこれまでのように国内、内政問題として処理しきれないジレンマだ。

 香港デモが示したものは1国2制度のわかりにくさであり、無理難題だ。よりによって逃亡条例改正案で中国の支配体制強化を進めようとしたことで香港、中国の問題から1国2制度の問題を国際的問題、関心に広めたことだ。

 (5)習近平主席は文書で反政府活動のウイグル弾圧に容赦するな(報道)と指示したとされて、香港混乱が波及することを警戒していることがうかがえる。
 習主席は来年春に国賓として来日して日本との協力関係を強めようとしているが、米中貿易戦争、1国2制度問題と課題を抱えての日本接近でもあり、日本としても言うべきは言う姿勢は求められる。

 

 

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