(1)今年に入って台湾を取り巻く国際情勢について異変だ。日米首脳会談、G7サミットと相次いで「台湾海峡の平和と安定の重要性」について日米首脳会談では52年振りに、G7では初めて宣言に明記、言及された。
2021年版防衛白書では台湾の安定は日本の安全保障、国際社会の安定に重要と初めて明記されて、台湾情勢があらたな段階(phase)に入った緊張を示すもので注目される。
(2)日本は「ひとつの中国」を認めて、台湾も中国の一部と認めているのだが、中国が共産党創設100年の今年に向けて1国2制度の香港に対して国安法制定により強制関与を強めて香港民主派勢力の一掃を進めて、次は台湾問題を「核心的利益」として米国の台湾擁護、関与を強くけん制する主張に出ていることを受けて、今年に入って米国ともども「台湾条項」をあらたに宣言、防衛白書に明記して中国をけん制している。
(3)台湾海峡への中国軍機の飛行が確認(報道)されて、香港の次は台湾との緊張が伝わってくる。保守思想の強い安倍前政権を引き継ぐ菅政権も日本にとって台湾海峡の平和と安定は重要だとの認識のもとに、日米首脳会談、G7サミットでは台湾条項の宣言明記に強くこだわったといわれている。
軍事力増強、海洋進出を進める中国習近平国家主席が今後さらに長期政権を維持することが確実視されて、日本、米国、自由主義国としては中国が「核心的利益」とする台湾を取り巻く環境に変化が出てくると懸念しての今年に入っての結束、確認とみられる。
(4)日本としても「ひとつの中国」論の中で台湾とは政治、経済、文化、社会でむずかしいカジ取りを求められるが、中国とは政治と経済は別との考えから中国の巨大市場を相手にした日中経済関係強化をはかりたいところで、中国もトランプ前政権との米中貿易戦争、後を継ぐバイデン政権も中国に対しては唯一の競争相手として同様の厳しい対抗策(counterplot)を打ち出しており、中国もリスク回避で日本への歩み寄りを示してこれまでの日本を含めた自由主義国の中国包囲網に対しても特に日本を名指ししての強い非難の姿勢はみせていない。
(5)香港同様に中国にとっては1国2制度の台湾問題で今後どういう関与を強めていくのか、台湾海峡で事変が起きれば米軍基地を抱える日本にとっても「平和と安定」が脅かされる問題になるだけに、また「ひとつの中国」論の中でも日本と台湾は災害支援、文化、学術交流で強い関係にあり、日米軍事同盟からも中国への対応の変化に迫られることも考えられる。
(6)中国が共産党100年行事を終えて、香港強制統治の次なる政治的課題は「核心的利益」の台湾問題であり、日本にとっても平和と安定の直接利益にかかわる問題として今年あらたな展開をみせている。
2021年版防衛白書では台湾の安定は日本の安全保障、国際社会の安定に重要と初めて明記されて、台湾情勢があらたな段階(phase)に入った緊張を示すもので注目される。
(2)日本は「ひとつの中国」を認めて、台湾も中国の一部と認めているのだが、中国が共産党創設100年の今年に向けて1国2制度の香港に対して国安法制定により強制関与を強めて香港民主派勢力の一掃を進めて、次は台湾問題を「核心的利益」として米国の台湾擁護、関与を強くけん制する主張に出ていることを受けて、今年に入って米国ともども「台湾条項」をあらたに宣言、防衛白書に明記して中国をけん制している。
(3)台湾海峡への中国軍機の飛行が確認(報道)されて、香港の次は台湾との緊張が伝わってくる。保守思想の強い安倍前政権を引き継ぐ菅政権も日本にとって台湾海峡の平和と安定は重要だとの認識のもとに、日米首脳会談、G7サミットでは台湾条項の宣言明記に強くこだわったといわれている。
軍事力増強、海洋進出を進める中国習近平国家主席が今後さらに長期政権を維持することが確実視されて、日本、米国、自由主義国としては中国が「核心的利益」とする台湾を取り巻く環境に変化が出てくると懸念しての今年に入っての結束、確認とみられる。
(4)日本としても「ひとつの中国」論の中で台湾とは政治、経済、文化、社会でむずかしいカジ取りを求められるが、中国とは政治と経済は別との考えから中国の巨大市場を相手にした日中経済関係強化をはかりたいところで、中国もトランプ前政権との米中貿易戦争、後を継ぐバイデン政権も中国に対しては唯一の競争相手として同様の厳しい対抗策(counterplot)を打ち出しており、中国もリスク回避で日本への歩み寄りを示してこれまでの日本を含めた自由主義国の中国包囲網に対しても特に日本を名指ししての強い非難の姿勢はみせていない。
(5)香港同様に中国にとっては1国2制度の台湾問題で今後どういう関与を強めていくのか、台湾海峡で事変が起きれば米軍基地を抱える日本にとっても「平和と安定」が脅かされる問題になるだけに、また「ひとつの中国」論の中でも日本と台湾は災害支援、文化、学術交流で強い関係にあり、日米軍事同盟からも中国への対応の変化に迫られることも考えられる。
(6)中国が共産党100年行事を終えて、香港強制統治の次なる政治的課題は「核心的利益」の台湾問題であり、日本にとっても平和と安定の直接利益にかかわる問題として今年あらたな展開をみせている。