いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

スクープと取材の正義。 scoop and justice of coverage

2021-07-03 20:20:02 | 日記
 (1)森友公文書書き換え問題で当時書き換えにかかわり自死した財務省職員が残した記録「赤木ファイル」には、当時の佐川理財局長が国会答弁した内容に合わせて公文書も書き換えるように指示されたとのくだりがあると報道されて、これをやられるとほとんど真実、真相は闇の中で国民の知る権利を阻害してもちろん誰であってもあってはならないことだ。

 国民投資(税負担)で国民のために働く国家公務員としては、国民を欺くことなど何があってもやってはならないことで、自覚、責任の欠如は信じがたいところだ。

 (2)真相、真実が闇の中ならスクープするしかないが、スクープは当たり前のことをしていては取ることはできない、かといって悪質で不正、不法な手段、方法を使って情報をスクープすることなど必要もないし、あってはならないことだ。
 北海道新聞記者が大学内立ち入り禁止指示の中で、ひとり大学内に潜入して同学長解任の協議中の会議室の前で協議内容を録音中に同職員にみつかり拘束された。

 (3)職員によると不審者への問いに答えずに立ち去ろうとしたため取り押さえ拘束し、その後警察に記者を引き渡した。他の新聞社の記者は大学の会見を待って正門前で待機(報道)していた。スクープを狙って通常の方法ではなく取材を強行したもので、しかしそこで立ち去ろうとしなければ逮捕までに至らなかったかもしれないが、国内では記者が取材で逮捕されるのは異例で報道、取材の自由、知る権利に対する記者自らのメディアへの信頼を裏切る自損行為である。

 (4)近年は週刊誌文春のスクープ記事が政治、政治家の不正、不法を暴き社会問題化しており、そうでなくても報道合戦によるスクープを狙った取材活動が過熱している。メディア、新聞は若者離れで経営が安定しない経営危機に直面しており、全国紙でも地方紙との取材協力、協定、印刷受託などの連携、共同、協力に経営活路を求めており、これは世界的なメディア傾向にある。

 (5)本来、メディア、新聞はそれぞれの取材、編集方針、記事特色、特徴、思想性まで独自の社風というものがあり購読者から支持を受けてきた。それが経営危機の中で地方紙との連携、共同、受託で記事、切り口、分析、解説の特色、特徴を失うことがあっては報道使命を見失い本末転倒だ。

 前出の行き過ぎた取材の記者逮捕は直接これには関係する問題ではないが、スクープが週刊誌記事から出てくる社会現象に対する新聞のあせりがあるとすれば、それは報道、取材の自由、知る権利に対する自損的な誤ったシグナルであり、近年指摘されている民主主義の危機を本来守るべき立場のメディア、新聞、報道が加担していることになる。

 (6)先日亡くなったジャーナリストの立花隆さんは、徹底した調査、取材、分析、判断、考察による真相、真実に迫る、究明する記事で首相の犯罪を暴いて支持、信頼を集めていた。
 見習うべきメディア、新聞、報道の記事は、近年見やすさ、わかりやすさに傾斜して専門性に薄く、軽くなってきて物足りなさが強い。

 

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