経済原理とワクチン。 the principles of economics and vaccine

　(1)菅政権が延命の生命線とするワクチン接種、河野ワクチン担当相は十分に必要量は確保していると大見えを切っては見たが、接種率成果を急ぐあまりに大規模接種センターに自治体、職域接種と手あたり次第に間口をひろげて、ついにはどこでも都合のいいところでワクチン接種を自由に奨めて、今度はワクチン供給量が追い付かずテンヤワンヤの後始末で、ついには政府は自治体にはワクチン在庫が相当量あると指摘し供給量を削減すると言い、自治体では地域外からの接種希望者にも対応して在庫はないと反論するなど不信感が増幅している。

　(2)無計画に準備もなく間口を広げて、経済効果、業績の効率性、適正性、適応性を見失い、思惑とは別に業績悪化につながる経済原理、理論をそのままに踏襲したかのような政府の先見性、見通し、判断の悪さだ。

　コロナ対策は経済原理、理論の問題であり、健康価値への投資効果を国民にどう拡大して経済利益を維持するのかが重要だが、結局は政治、政権の都合、利益を優先して、国民、自治体に負担、リスクを押し付けているだけの不効率だ。


　(3)ワクチンをすべて海外の製薬会社に依存している日本としては、限られたワクチン供給量をどう効率的、効果的、公正に配分、供給するのかは重要であり、原則ルールが必要でそれが国民に理解、協力されるものであることが必要だ。

　それを河野コロナ担当相でよかったのか、どこの誰が方針、ルールを決めているのか、決めていないのかわからない政府のワクチン接種供給体制の決定過程がわからないままの混乱となった。

　(4)医療従事者、高年令者優先のワクチン接種体制の中で、突然のように東京、大阪の大規模接種センターの設置が打ち出されて、自治体、職域接種が次々と設置されていく過程は菅政権が接種率をあげたい強い意向を反映したものであり、その過程に政府としての総合的、専門的、経済原理的判断、決定による原則ルール、基本的な考え方がまるで見えない混乱だ。

　(5)菅首相はワクチン接種が生命線と言い、世界的にワクチン効果が見えている中で、菅政権はワクチン接種体制の医師、医療従事者の調整を自治体まかせにして効果、結果だけは早く出したい、そうしたことが吉村府知事の都市部中心にワクチン供給量を優先的に回す目先の要請が出てくる原因にもなっている。

　(6)コロナ感染拡大、ワクチン接種、供給量に経済格差、分断解消の経済原理、理論の視点が必要だ。