いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

一番簡単なこと。 it's most brief thing

2021-07-22 19:56:21 | 日記
 (1)菅首相の発言として近い関係者から何度も中止するよう助言された東京五輪を「やめることは一番簡単なことだ。」(報道)と聞いたときは、こういうはっきりとした物言いが国民に向けられることが必要だったとやるじゃないかと思ったが、これが米国報道紙向けのインタビューということで反論もなにもない中でのただの強がりだった。

 (2)一番簡単なことは一番むずかしいともいわれて、日本の会見でこんなことを言えばコロナ感染拡大で国民、医療、経済に負担を強いながらなぜもっと早く決断できなかったのかとするどい突っ込みが返ってくるところであり、東京五輪開催はIOCが決めることと無関与を決め込んでいたこととの整合性も疑問視されるところだ。

 (3)コロナ、辞任、辞任の四面楚歌の中での東京五輪は、前倒しの競技も始まって明日は開会式を迎える。開会式は東京五輪名誉総裁の天皇、菅首相など海外からは首脳級が次回開催国仏マクロン大統領など15人程度(報道)でこれまで最も少ない参加となった。

 日本とりわけ東京は21日1832人の感染者増で第5波の再拡大が起きており、ワクチン接種も供給体制が停止しているが、しかし東京五輪開会式のために来日を控えた海外国はそれ以上の目立った感染拡大国がほとんどであり、医学的に見たら自国にいるより東京五輪開会式に出席した方が安全安心というコロナ事情にある。
 むしろ自国の感染事情を考えると政治指導者がこういう時に東京五輪に行っていられないとの判断に東京での行動制限、規制の大きさを考慮しての不参加だろうと考えられる。

 (4)競技は24日から本格的に始まるが、1年延期されての異例づくしの東京五輪で、選手のモチベーション、ダイナミズムも燃えるものもあればどうしてもひっかかるものがあり、もちろん出せる全力は出すことには間違いはないが、むずかしい自己コントロールに取り巻かれることは考えられて察するものはある。

 (5)個人的にも出場を辞退するようSHSで投稿された水泳の池江選手は21日に緊急事態宣言下で開催される五輪について「ちょっと複雑な気持ち」(報道)と語っている。選手誰しもが抱える疑問であり、思いでもあるのだろう。

 国民の過半数がコロナ下での東京五輪開催に反対する(世論調査)なかで、ほとんどの競技が無観客で実施される東京五輪に対して無言の声援のないパラドックス(paradox)な圧力、圧迫を受けながらの自身との闘いであり、決して国民の声援に応えるためのものではない(多分)初めての五輪が始まる。

 (6)東京五輪を実施するにしても止めるにしても、一番簡単なこと(it's most brief thing)ではない。

 

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