(1)中国の精華大が実施した調査で中国国民が好きでない国として米国と日本が同じ様に圧倒的に高い率を示して、それと反比例するように好きな国として露が高い率(趣旨報道)を示した。
習近平国家主席が露を訪問してプーチン大統領と会談してウクライナ戦争で露寄りの姿勢を示して、米国から中国の露への兵器供与の疑いがあるとして抗議がある中で中国国民が露を好きな国として支持するのは言論の自由が保障されない専制国家中国としては不思議なことではない。
(2)プーチン大統領は露によるウクライナ軍事侵攻は、米がNATOを拡大しないという約束を守らずに勢力拡大していることに対抗する手段として正当化を主張していることに、事情の背景は別にして自由主義国家対専制国家の対立の中で中国国内としても理解、支持があってもおかしくはない論理で、露支持が国家主義的に国民意思として高い率を示すことは考えられることだ。
(3)別の調査では中国国民が一番観光で訪れたい国として、日本がトップというデータもある。中国国民の好きでない国の率が高い日本が観光では一番訪れたい国というのもどう結び付ければいいのか。
今年になってコロナ対策も緩和されて訪日客の規制が解除されて中国人観光客のリバウンドも復活して、街中では外国人観光客の姿も大勢目にするようになった。
(4)専制国家中国の国民の建前と本音が交錯していると簡単に割り切ることもできずに、冒頭例の精華大の調査データを尊重すれば日本は米国と同盟関係で中国を敵視し国としては好きではないが中国人観光客を受け入れてくれる日本が観光、買い物、飲食では最も魅力的であると思っているというところか。
(5)中国国民にとっては日本は距離も近く渡航経費、時間もかからずに利便で、政治体制も違い「自由」を満喫出来て近代化と歴史保存が共存して多様に楽しめるところが魅力という、結構中国国民の合理主義(rationalism)が調査からは受け取られる。
(6)政治でも合理主義が重要な要素であり、経済協調主義が台頭している現代社会では中国国民の合理主義は考えるべきところともいえる。