(1)福島第一原発事故復興拠点の浪江町、富岡町、飯館村などの居住者が避難指示解除から1年経過しても、居住登録者の1.6%(報道)にとどまっている。病院がなく通院が困難で住めなくて避難地域から通って生活している実態もある。復興拠点への居住率は復興の目安だ。福島第一原発事故居住区の復興率は1.6%だ。
(2)政府がいくら避難指示解除して元の生活場所に戻ることを奨めても生活インフラが整備されなければ戻ることもできずに、そういうところに病院、市場、交通の生活インフラを整備しても運営ができないというスパイラルなパラドックス(paradox)のインフラ現象が起きて復興は進まない。
(3)政府の復興への本気度がまったく見えないことが原因だ。これまでも政府の復興機関が福島第一原発事故区域に拠点を移して復興の核となり住民の帰還を支援する姿勢、本気度をみせなければ住民の帰還など実現するはずはないと書いた。
(4)岸田首相は言葉のレトリック(rhetoric)は使うが政策実現の本気度の見えない先送りの政治スタイルで、これまでの自民党(連立)政権にも共通した問題で足しげく福島第一原発事故現場には訪れるが現実的な復興政策、住民、避難者に寄り添う政策は遅れたままだ。
復興予算は使途の複雑性もあり復興が進まないのに使い切れずに残り、岸田内閣では復興特別税は防衛費増額の財源のひとつに検討されて地元住民から反発を受けている。
(5)岸田首相、政権からは福島第一原発事故からの復興に本気度がまるで見えない、伝わってこない現実対応が避難指示解除から1年経過しての復興拠点居住者1.6%の厳しい現実を示している。
現実を一番身近で重く受け止めているのは地元住民、避難者であり、避難指示解除後1年経過しての復興拠点居住者1.6%の重みを岸田首相は重く受け止めて復興本気度をみせなければならない。
(6)利益反比例する生活インフラ整備、行政区域、方法の変更、拡大導入、企業誘致、福島第一原発事故処理(汚染水の海洋放出、溶解炉処理)、原発政策とやることはまだまだある。
少子化対策は必要だが、復興は待ったなしだ。