いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

使命感という責任。  responsibility

2009-09-25 19:33:38 | 日記
 民主党は、マニフェストに「八ッ場ダム建設プロジェクトの中止」他を明記して
総選挙で国民の圧倒的な支持を得て、政権交代を実現した。
 新政権の担当大臣は、就任当日に「八ッ場ダム建設中止」を明言して、9月23
日に現場視察をして、地元住民、関係する公的機関の代表者と意見交換の場を
設けた。

 地元住民は、この問題はそもそも国との約束事で、今更、中止と言われてもそん
な大臣とは会えないと意見交換を拒否したのだ。
 担当大臣は、配慮に欠けたと謝罪して、地元住民の理解を得るまでは、中止を強
行(法的整備)しないと理解を求めた。というのが、この問題のこれまでの経緯。

 これを時系列的にみると、いつまでも、双方、交ることのない平行線で時間は過
ぎて出口は見えない。
 このままいくと、どうなるか。「作為」(たとえば建設推進)の場合は、住民の「阻止」
という対応はあるが、ことは「不作為」(中止)なのだ。
 平行線でいけば、実質上の「中止」と同じことになる。中止反対の住民側にとっ
ては、担当大臣との会見を拒否し続ける時間の経過は、不利益になる。
 やはり、ここは担当大臣と会うしかないのだ。

 会ってどうするか。行政は、一部に言われるように、建設計画から紆余曲折もあ
って着手まで数十年も歳月がたって、ダム建設は歴史的、社会的使命も終えている
ダム建設の中止は、冒頭書いた理由もあり、「中止」は中止しない。

 ダム建設に協力して、何かを捨てた人、また反対して何かを捨てた人に対して、
別のアプローチでどう気持ちを癒して、溝を埋めるのか。
 ことは「中止」。時間をかけていい。両者とも濃い、細心の話し合いの中で、ひ
とつ、ひとつ歴史の溝を埋めていく、建設的な作業が求められる。

 さて、利益誘導型、既得権に代表される政治が終って、まず、国民の税金を再配
分した国、地方自治体の使途を検証して、適正化への見直しをはかるのは当然だ。
 以前から、会計検査院による公的機関の税金の使途不明瞭の指摘はあった。
 政権交代の前後にあきらかになった地方自治体の長年慣習となっていた裏金づく
り、不正経理問題と、職務の使命感欠如には驚く。

 公共事業の実態を含めて、国、地方自治体の「機能」を検証して、国民に正当に
利益を転嫁する、効果的な税金の再配分を推進するのは、当然だ。


 気候変動問題で、日本は2020年までに温室効果ガス(二酸化炭素)排出を、
2009年比較25%削減する目標を世界に宣言(公約)した。
 削減どころか、増昇傾向の日本の現状からは厳しいが、日本特有の技術開発、
改革の推進力で、エネルギーの省エネ化、経済、財政のスリム化を促進して、
日本のリーダーシップを支えたい。

 ひとつの国で出来ることでもなく、財源見直し作業と同じく、全産業、企業の機
能、家庭の環境システムを細部に検証して、環境適応アイテムを創設していく、根
気のいる作業だ。

 それが、地球環境の快適性を次世代、後世に残して、引き継ぐ、私たちの使命、
命題(thesis)でもある。


 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太宰の100年  paradox

2009-09-24 19:36:42 | 日記
 太宰治が何度目かの「生」からの逃避行で玉川上水に消えてから61年、青森県
の津軽に生まれて100年になる。

 地元の大変な良家の坊っちゃんに生まれ育って、ありきたりの文学なら、いつで
も、何でも書ける才能(特に、短編の名手)で、とにかく幅の広い文学史観(基礎
的な見方)の持ち主だった。

 自己否定の「人間失格」、「斜陽」から、友情、信頼、人間関係の機微(深い読
み)を謳歌(おうか)する「走れメロス」まで、日本文学の精神視点から、西洋の
文学ロマン視点まで、グローバルに近代文学史観を、あるときは哲学的、信仰的に
、あるときは日常的わかりやすく表現する、博学を覚えさせる作家だった。

 時代を背景にした自由奔放な退廃的な生き方で、その生涯のスタンス(寄って立
つ位置)を意図的に、また、時流に流されながら、ゆきずりにして、貫いた。
 田舎の良家の坊っちゃんのひ弱さ、頼りなさそのものの風貌ながら、いつもそこ
から抜けきれない、心の有り様の実態、実像との心理的葛藤(かっとう:心の闘い)
を表に漂わせていた。

 何度かの女性との逃避行の結末も、どう見ても「人間失格」ではあっても(本人
も言うとおり)、死への個々願望は伺えず、女性への自己否定の「ゆきずり」にし
か見えない、坊っちゃん思考から抜けきれない、本人が悩んだ本質が見え隠れす
る。
 その自己犠牲の人生の結末に、明確な解答、スタンスを見いだせないままの心
理的な葛藤を太宰に覚えるからだ。

 「走れメロス」に巡り合った時の、文学の世界観、普遍性は、忘れない。
 自己否定の歴史的結末(歴史観)を文学人生に追い求めつつ、逃避しつつ、見
いだせないまま、行きずりの「人間失格」の100年だったのだろうか。太宰の、そ
の後も含めた人生。

 太宰治。 パラドックス(paradox)に、皮肉にも、いまも、その文学史観の「生命力」
だけは、健在だ。



 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

理系政治  scientific politics

2009-09-23 19:41:10 | 日記
 鳩山首相が政治家としては圧倒的に少数派の理系の出身ということで、理系と文
系の感性の違い、社会的役割、目的意識の違いについて、関心を呼んだ。
 日頃、人間のエレメント(element)を色分けなどして、「この人」はと思って過ごして
きていないので、政界における特殊な事情を興味本位で取りあげている印象がある。

 そのせいか、鳩山内閣では、本人も含めて4人の理系出身の政治家で構成されて
いる。政治家の理系の占める割合からいえば、圧倒的な多数といえる。
 日本の化学、物理学分野、特に基礎学研究では、世界の先端的な研究で、ノーベ
ル賞の受賞も多く、毎年の候補者も話題となっている。

 日本の理系の高い研究能力をいつも目の当たりにしているので、今更という感じ
でいた。
 社会情勢をみると、理系は技術畑に、文系は経営、販売、事務畑に進出するのが
一般的と思われていて、現実的にそう構成されている。

 理系は、数式、グラフ、数値を基準とした、積み上げ型理論の創造が基本考で、
一匹狼的で、独自性が強く、ひとり追求、開発資質が高いとみられる。
 文系は、理念、哲学、論理を基準として、テーゼ(thesis:命題)を理論構成して、
実証する論理の創造が基本考で、結束、集約能力の社会的リーダーの資質に向い
ているとみられる。

 このままの特性を見ていけば、経営、販売、事務系列では、テーゼを理論構成し
て実証する文系能力が適応かと思うし、数値、数式を基準として積み上げていく理
系能力は技術系社会に適応かとも思える。

 もちろん、それぞれの分野にも、たとえば、理論物理のように論理の構成能力が
あり、一方、統計学にみる系統的な数値の集積分析能力もあり、政治、経済、社会
基盤の構成に決まった色分けがあるはずもない。

 人間の意欲、意思、考察、気力が色分けを超越するのも、また人間の個々のアイ
ディンティティなのだ。
 昨近の、理系首相の登場でまるで政治運営にも新感覚で捉えられるような期待感
のメディアの理系、文系色分け論議を見ていると、もとより、社会は理系、文系だ
けの色分けで成り立っているわけでもなく、メディアもポピュラリティ(popularity)、エン
ターテイメント(entertainment)化している実態を感じる、この頃だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ふたりが眺めた窓の向こう。  look through

2009-09-22 19:42:15 | 日記
 「ふたりが眺めた窓の向こう」。財津和夫さんが10月に発売するアルバムのタ
イトルが決定した。最近の財津さんの曲名は、詞のなかのフレーズ(phrase)をそ
のまま使って長いセンテンス(sentence)が特徴です。今回のアルバムタイトルも
長いセンテンスとなった。

 アルバム・カヴーを飾るんでしょうか、グリーンの長袖のポロシャツを着た財津
さんが、公園の鬱蒼(うっそう)とした森のなかの大木の中で、両脇に手をあてて
佇んで、遠くを眺めています。

 いつか見た、自然が生活のなかに、普通に息づいていた時代の風景のコンポ
ーズ(composition:構図)です。
 環境アメニティを意識したかのような、さわやかな緑の風(zephyr)がフォトフ
レームから吹いてくる。

 「オケ(orchestration)」は、取り終えました。今回は、コマーシャル曲のレ
コーディングもあって、予定より1~2曲増えています。
 今までは、全曲「オケ」を取って、それにボーカルを最終段階で入れていたが、
今回は1曲「オケ」を取ったら、それにボーカルを入れて完成して、また次の曲の
「オケ」を取るという作業で進行しています。

 この方が、変化がついて、いい感じです。それぞれの曲にも違う感性が生きて
きて、いいです。
 アルバム・タイトルには、「夢の森」とか、「ふたりで」とか、「イズム」とか
、いくつか考えましたが、よくあるタイトルでとか、これは暗いとか、歌手の名前
に間違えられるとかで(冗談のたぐいの話でしょう)、「ふたりで眺めた窓の向こ
う」になりました。

 詞を書いたり、レコーディング・オペレーション(operation)のメモを記録したノ
ートが3冊になりました。

 今回は、チャゲ&アスカの飛鳥さんの曲に、詞をつけまして、飛鳥さんのコーラ
スとハーモニカを、先日、7時間ぶっとおしで入れました。
 飛鳥さんとは、同じ福岡の先輩、後輩ミュージシャンの間柄の財津さんです。
2003年の夏、富士急ハイランドのコニファーフォレストでの野外コンサートを
小田和正さんとチャゲ&アスカとして開催し、そこに財津さんがゲストとして出演
しました。
 チャゲさんは、アマチュア(高校)時代には財津さん(チューリップ)の曲を盛
んにコピーしていたと言っています。の、関係です。

 プリプリでドラムを担当していた富田さんの詞に曲をつけています。
 草野昌一(翻訳家名 漣 健児)さんのトリビュートアルバム(tribute)で財津
さんは、プリプリのボーカルの奥居 香さんとコラボレーション(collabration)
しました。の、プリプリの関係です。

 伊豆田くんにコーラスを数曲やってもらっています。伊豆田洋之さんは、財津さ
んのコンサートのバンドメンバー(ギター、ベース、コーラス)としてたびたび参
加しています。の、関係です。

 小田和正さんからの提供の曲は、デモテープ(demonstrative tape)の段階で
もう曲も詞もバッチリ出来ていて、あとどう財津色を入れ込むのか、見せどころで
す。
 George HarrisonとEric Claptonのような関係でもなく、チューリップとオフコ
ースのような関係でもなく、財津和夫と小田和正の関係です。
 松任谷由実さんと3人で「今だから」をコラボレーションしたこともあります。
の、関係です。

 平原綾香さん提供の詞は、最終的には共作になりました。平原綾香さんとは、
宇宙飛行士の土井さんが国際宇宙ステーションに持参したCD「星つむぎの歌」
を財津さんが作曲して、平原さんが歌っています。の、関係です。

 キロロのピアノ担当の金城さんには、コーラスをお願いしています。
(世田谷のレコーディングスタジオからすでに公開されたデータにcorrectionした)

 「ふたりが眺めた窓の向こう」。「ホームパーティのような」がアルバムコンセ
プトと聞いていました。
 コンポーザーのメンバーを見て、ストーリーとして一貫性を見るのはなかなかむ
ずかしいのですが、ここに財津和夫さんの楽曲も入ってきます。オーケストレーシ
ョンの各パートすべてを財津さんが担当しているものもあると聞いています。

 「たえまなく、ふりそそぐ この雪のように 君を愛せばよかった 窓にふりそ
そぐ この雪のように ふたりの愛は 流れた」(サボテンの花)
 ふたりのその後(conclusion)を、「ふたりが眺めた窓の向こう」に、見透かす
(look through)ことができるのか。

 ビートルズは、ひと足早く、リマスター版(remaster version)を発表した。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高年令化層の社会再生パワー  revived power

2009-09-21 20:20:32 | 日記
 統計上、高年令者とは65才以上を示して、全人口の女性は25%を超えて、4人に
ひとり、男性は20%弱と、5人にひとりを占める、日本はいわずと知れた高年令化社
会をすでに迎えたか、目前。

 長らく日本の社会基盤を、経済、財政で支えてきた層で、未来社会への先行投資
(preceding investment)もしてきた代表世代だ。
 この世代が高年令化を迎えた次世代の社会基盤のふさわしい整備、負担、責任に
ついて、すでに随分と以前から予見されていたにもかかわらず、政治の対応には、
明確なビジョン(vision)、スキーム(scheme)もない。

 次世代への投資も含めて、負担してきた年金の支給はどんどん先送りされたあげ
くに、実態もわからないような不真面目な管理体制があきらかになって、これまで
の社会貢献に対する費用対効果のない、未来がみえる。

 平均寿命も、男女ともに80才前後と伸びて、生活基盤の安定に、できるだけの
整備を促進したい。
 たとえば、交通運賃の無料化を、行政主導で多種類機関に多様に進めて、高年
令者の日常生活の移動を効率的、効果的に促進する。

 交通機関としては、特に高年令者が増えたといっても、移送に経常経費の負担が
特別にかかわるわけでもなく、サービス強化による社会的使命、信頼という付加価
値、ステータスの確保のほうが意義は大きい。

 また、交通機関とタイアップした、商業エリア、エンターテイメントでの経済効果の
ほうが見込まれて、消費意欲の促進という付加価値もある。
 高年令者層への、遅れている社会資本整備と、生活環境整備を促進して、社会
活力を創造する政策整備が必要だ。

 大量輸送の「各種交通機関」、「教育(選考による限定)」と、経常経費にかか
る負担の増加もない分野での積極的な高年令者の無料化を促進したい。
 経常経費の負担増加のともなわない分野でのサービス強化は、即時的に積極
的に無料化を進めたい。

 社会資本、基盤整備にタイアップする高年令化社会の能力、活力は、大きな社
会再生パワーとなるはずだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする