(1)17年4月消費税10%引き上げ時に軽減税率(reduce the tax)を強く主張する連立与党の公明党に配慮して、安倍首相が導入を決断して自民党税調に検討を指示(報道)した。
すでに財務省が代案として提案していたマイナンバーカードを活用した還付金方式には「やってみたら」(趣旨報道)とそっけなかったといわれる安倍首相だったが、財務省の同制度設計が「(スーパー買いものに)マイナンバーカードを持ってこない人には還付しないだけ」(麻生財務相談趣旨報道)という程度のもので、すこぶる世間の評判が悪いのを受けて決断したようだ。
(2)軽減税率の導入にあたっては、経理、レジ操作管理やインボイス(明細請求書)発行など事業者側の対応が煩雑で経費負担増も考えられて、経済界からは導入に慎重な姿勢が目立っていた。
欧米では当たり前の軽減税率の導入ではあるが、そもそも日本の消費税に相当する税率が日本とは比較にならない高率(20~30%台)であり、その高い税収を活用した分厚い社会保障制度の社会構造の違いが基本にはある。
(3)だからといって生活保護者が250万人以上の記録更新を続けている社会状況、非正規従業員が60%を占める社会構造などをみれば、消費税を引き上げるだけでなく市民生活の食料必需品を中心に軽減税率を導入することは避けられないことだ。
財務省が還付金方式で試算したように一人当たり年間4千円の軽減のもので生活維持効果があるのか疑問だが、軽減税率導入の制度設計はこれから本格化する。
(4)20年に赤字(国債発行)に頼らない行財政執行業務を実現する(primary balance)という政府の基本方針のためには消費税10%引き上げによる財源を最大限に確保したい財務省としては当初から軽減税率の導入に消極的(自民党税調も同様)であった。
欧米とは社会保障制度の高負担の社会構造での基本的な違いがあり一様に比較はできないこともあり、税収減につながる軽減税率の導入には財務省、自民党税調は消極的であったが、そのままでは公明党の協力が得られずに17年4月の消費税10%引き上げにも影響することが考えられて、安倍首相、官邸主導により導入を決めた。
これを受けて軽減税率導入に消極的だった経団連も容認に転換(報道)している。
(5)来年夏の参院選を控えて再び経済最優先(GDP600億円目標など)を打ち出した安倍首相は、昨年、今年の「政経労合同会議」による賃上げ要請に続き「官民対話」会合を設置して民間企業に設備投資を促す方針だ。
最近の各種経済指標データの悪化にともない消費者動向も上昇せずに、景気回復を目指す安倍政権の官邸主導により経済界への働きかけが活発化している。
(6)本来自由で自主的な資本主義経済活動であるが、アベノミクスによる円安株高効果、法人税減税などの政府の経済優先政策の企業業績好調による豊富な資本がそのまま企業に内部留保されて社会に出まわらない傾向に、モノは使いようで、安倍首相が官邸主導で企業活動に協力干渉、働きかけるのは意味のないことでもない。
軽減税率導入に消極的であった経済界も経団連が容認に転じて、17年4月の消費税10%引き上げ時導入に向けて官民一体の実施検討に入ることになった。
すでに財務省が代案として提案していたマイナンバーカードを活用した還付金方式には「やってみたら」(趣旨報道)とそっけなかったといわれる安倍首相だったが、財務省の同制度設計が「(スーパー買いものに)マイナンバーカードを持ってこない人には還付しないだけ」(麻生財務相談趣旨報道)という程度のもので、すこぶる世間の評判が悪いのを受けて決断したようだ。
(2)軽減税率の導入にあたっては、経理、レジ操作管理やインボイス(明細請求書)発行など事業者側の対応が煩雑で経費負担増も考えられて、経済界からは導入に慎重な姿勢が目立っていた。
欧米では当たり前の軽減税率の導入ではあるが、そもそも日本の消費税に相当する税率が日本とは比較にならない高率(20~30%台)であり、その高い税収を活用した分厚い社会保障制度の社会構造の違いが基本にはある。
(3)だからといって生活保護者が250万人以上の記録更新を続けている社会状況、非正規従業員が60%を占める社会構造などをみれば、消費税を引き上げるだけでなく市民生活の食料必需品を中心に軽減税率を導入することは避けられないことだ。
財務省が還付金方式で試算したように一人当たり年間4千円の軽減のもので生活維持効果があるのか疑問だが、軽減税率導入の制度設計はこれから本格化する。
(4)20年に赤字(国債発行)に頼らない行財政執行業務を実現する(primary balance)という政府の基本方針のためには消費税10%引き上げによる財源を最大限に確保したい財務省としては当初から軽減税率の導入に消極的(自民党税調も同様)であった。
欧米とは社会保障制度の高負担の社会構造での基本的な違いがあり一様に比較はできないこともあり、税収減につながる軽減税率の導入には財務省、自民党税調は消極的であったが、そのままでは公明党の協力が得られずに17年4月の消費税10%引き上げにも影響することが考えられて、安倍首相、官邸主導により導入を決めた。
これを受けて軽減税率導入に消極的だった経団連も容認に転換(報道)している。
(5)来年夏の参院選を控えて再び経済最優先(GDP600億円目標など)を打ち出した安倍首相は、昨年、今年の「政経労合同会議」による賃上げ要請に続き「官民対話」会合を設置して民間企業に設備投資を促す方針だ。
最近の各種経済指標データの悪化にともない消費者動向も上昇せずに、景気回復を目指す安倍政権の官邸主導により経済界への働きかけが活発化している。
(6)本来自由で自主的な資本主義経済活動であるが、アベノミクスによる円安株高効果、法人税減税などの政府の経済優先政策の企業業績好調による豊富な資本がそのまま企業に内部留保されて社会に出まわらない傾向に、モノは使いようで、安倍首相が官邸主導で企業活動に協力干渉、働きかけるのは意味のないことでもない。
軽減税率導入に消極的であった経済界も経団連が容認に転じて、17年4月の消費税10%引き上げ時導入に向けて官民一体の実施検討に入ることになった。