いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

脱原発とエネルギー。 anti-A.P.P and energy

2021-09-17 19:59:20 | 日記
 (1)小泉元首相は野党が脱原発で一致して選挙の争点として闘えば自民党に勝てると主張しているが、自民党総裁選でも原発再稼働政策は各候補者が取り上げており、これまで脱原発を主張していた候補者のひとり河野行革担当相が当面の原発再稼働を容認する姿勢に方向転換して、政府のエネルギー基本計画では小泉環境相ともども原発新増設の記載に反対して再エネ利用の方針に向かわせたが、党内からの幅の広い支援、支持が必要な総裁選に向けては原発再稼働容認に切り替えた。

 (2)経済界からは原発40年を経過して規定上廃炉のところを特例により再稼働が認められた規制庁の審査方針に対して、原発新増設を求める声が高まっている。経済活動、企業利益優先で福島第一原発事故収束もままならず、汚染処理水の海洋放出方針で地元自治体、漁業関係者の風評被害懸念、反対の中でいまだに帰宅困難者、地域が残る中で問題、課題が解決に向かわない現状で経済界の自己利益保護だけで原発新増設の主張は利己主義、経済第一主義で国民の理解は得られない。

 (3)脱原発、反原発(anti-A.P.P)は国民の過半数の支持があり(世論調査)、原発新増設は社会思想、理念として相容れないものだ。東電の原発施設での安全対策、履行の不手際、不始末、コンプライアンス欠如の続出をみれば、経団連の中心にいる東電の原発無責任体制をみせつけられて原発新増設など言っていられないものだ。

  政府も50年でのカーボンニュートラル実現、30年度温室効果ガス排出量46%削減(対13年度比)に向けて再生エネルギー活用方針を打ち出しているが、具体的な工程策定、計画実施はこれからで日本の再エネ取り組みの遅れをみれば目標達成が可能なのかは不透明であり、そこに原発再稼働、新増設論が主張されている。

 (4)政府としてはエネルギー基本計画による再エネ利用の電力具体化、見通し、計画、目標に早く取り組み、経済、社会、国民生活の規模に見合った持続可能な再エネ利用のエネルギー体制についてシュミレーション、具体像を示す必要がある。

 国際社会はすでに将来エネルギー資本として再生エネルギー利用を打ち出しており、取り組みを進めているが、狭い国土、自然災害国の日本としての特殊性もあり、良質で豊富な水資源、山林資源との共存をどうはかるのか、日本の再エネ依存には問題、課題もあり多角的な検証、検討も必要だ。

 (5)自民党総裁選候補者はいづれも原発再稼働の必要性を唱えており、福島第一原発事故の教訓、保障、復興との利益対効果について明確な説明が求められる。野党としても脱原発後の経済、社会、国民生活のエネルギー体制について実現性、実効性のある方針、対応を示さなければならない。

 

 
 

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人間と機械の比較論。 comparative theory of mortal and machine

2021-09-16 20:14:43 | 日記
 (1)音楽のCDとライブ音は同じ音を出しても、全然違う。ライブ音は音を増幅させているのでボリューム(volume)、ダイナミズム(dynamism)があり、伝わる幅が大きくその分音階はひろがる。CDのようにち密さ、正確さはないが、感情、感覚の接点は大きく伝わる力、訴える力は大きい。

 (2)感動、グルーブ感につながる力だ。この人間の力を「いいかげんさ」(at random)とみなしているが、人間の「いいかげんさ」は余裕であり、機械のようにち密さ、正確さにしばられない大きな感覚、感情の幅を構成していると考える。

 (3)この人間の「いいかげんさ」、「余裕」こそが機械、無機質(生命のない物質)なものにない大きな人間の能力、力だ。機械にはなくて人間にあるものを専門分野では「ゆらぎ」というそうだが、「ひらめき」にもつながる。

 「幅」の大きさ、余裕は、機械にはなく人間にある特性だ。機械は幅の大きさをできるだけ小さくしてち密さ、正確さを求めるものだが、人間の「ゆらぎ」はいいかげんさ、余裕をもたらすと考える。

 (4)人間は自由であり、想像的であり、いいかげんである。AIでもまだ小説を書くことはできないといわれて、人間がAIをしのぐ数少ない能力でもあるが、多分そのうちAIも経験値を集積してその能力を持つようになることであろう。

 (5)この人間の「ゆらぎ」とAIが絶妙に重なり合うのが今日的将棋、碁の世界であり、AI時代の先頭を行く藤井聡太棋士(19)が初めて10代で全8冠中3冠達成という快挙を成し遂げた。これまでのあの羽生善治九段の22才を大幅に短縮するというから、実力ははかりしれないものがある。

 機械、AIのち密さ、正確さに人間の余裕(ここではいいかげんさは遠慮しておくが)、ひらめき、ゆらぎが加わっているとすれば、「全能」と呼ぶにふさわしい能力、力だ。

 (6)音楽では会場でCD、レコード盤を聞く鑑賞会はあるが、ライブでの音の幅、感情、感動には勝ることはまずない。人間のいいかげんさの能力、力であってもいいが、ライブ音のすばらしさは別にある。

 人間のいいかげんさと書いてきたが、人間の存在、機能、分子、細胞の働きそのものもすべて解明されているわけでもなく(ほとんど解明されていないといっていいのかも)人間と機械を比較すること(comparative theory of mortal and machine)も無用なことで、それも人間のいいかげんさだ。
 

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悲観的な潮流。 pessimistic tendency

2021-09-15 20:10:33 | 日記
 (1)中国は重要論文の引用数で世界トップとなった。潤沢な資本と施設、環境で日本などから高名な研究者、学者を誘致して、研究論文成果を高めている。今年もノーベル賞の季節になってきたが、最近もノーベル賞級研究で注目される日本の研究者の中国への移籍の発表があった。

 (2)大学では研究データのねつ造、論文不正がたびたび問題となり、今度はインターネット上による論文代筆、研究スキルの売買問題だ。わかるだけで教授ら研究者120名が匿名で依頼を受けて論文を代筆するという新手の裏技だ。
 1論文当たり25万~50万円で請け負い(報道)、自らの研究費の足しにしているといわれる。

 (3)高度な大学教育、研究が問題続きで、学術、学問危機を招いているが、背景にはかってSTAP細胞研究成果を発表して注目を集めた研究者が論文作成でデータねつ造、偽造したことがわかり実証できずに、ここ10年で米国に次いでノーベル賞受賞者を多く輩出してきた日本の研究、研究者の業績、成果への皮肉な過度の期待がある。

 (4)大学教育、研究が成果主義なのは必要なことだが、ノーベル賞授賞者が多く出ることによって社会の期待も高まり、ますます研究業績、成果、評価への高まりを招くことになった。ノーベル賞授賞業績、研究は地道な長い研究、努力、継続が成果に結びつくもので、ノーベル賞もかっては業績発表から長い期間を経ての学術的評価が定着してからの授賞が多かったが、近年は注目を集めた研究業績の社会貢献が高いうちでの授賞が目につくようになって、成果主義を助長している。

 (5)日本での特殊性でいえば、大学は国際化、開かれた大学として広く底辺開発拡大に向かったが、それはそれで時代の要請でありひとつの学問的方法論(methodology)ではあったが、専門性、高度性、先端性分野からみれば問題もあった。
 政府の研究助成投資が低い事情もある。ノーベル賞授賞者の山中伸弥教授は研究費捻出のためにマラソン大会参加で支援を広く求める作戦にでたともいわれる。

 (6)さらに政府は国立大学の独立法人化を進めて、これはこれで大学教育の機会均等、平等、自由から方法論であるが経営、運営は大学が責任をもって自ら行うこととなり、経営資本、研究費などの調達にかかわることとなる。
 どうしても大学も研究者も研究業績、成果が求められて、研究論文のデータねつ造、不正そしてついには研究論文の代筆、研究スキルの売買にまで不正が広がっていったと考える。

 (7)大学の高度な専門研究がここまでくれば、世も末で、先端的科学未来社会、時代に向けて極めて危険な悲観的な潮流(pessimistic tendency)だ。

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覚悟はあるか。 is there preparedness

2021-09-14 19:36:01 | 日記
 (1)河野ワクチン供給担当が日本のワクチン接種率が米国に並んだと胸を張ったが、どうしたっていつかは米国にも並ぶ。それでも緊急事態宣言が延長されて、自宅療養者は増えて治療は受けられずに死亡者もでる医療ひっ迫は続く緊急事態についてどう改善するのかが大事だ。

 国民の健康と生命、安全を守れない政府の責任についてよく考えてみるべきだ。欧米はワクチン接種が先行して経済活動の再開も本格化して日常生活を取り戻しているといわれて、日本との格差は大きい。河野担当が胸を張れるような状況ではない。

 (2)菅首相はすでに退陣を表明しており、菅首相からは退陣表明の具体的な国民への説明は聞かれないまま自民党では後任の総裁選びが進んでいるが、その存在感のない菅首相が退陣まじかの今月下旬に訪米して日米豪印4か国会議に出席する予定といわれる。

 本来ならあたらしい首相が選出されてからの参加が望ましいが、招待する米国にも政治日程の都合があり今月末の開催となったようだ。中国の海洋進出をにらんでのインド、太平洋構想4か国会議であり、そもそも安倍前首相が提唱したもので、日本としても代理出席ともいかない重要会議だ。

 (3)国民には背を向け続ける菅首相だが、4か国会議出席には意欲をみせているともみられて国際会議出席を退陣の花道として外交成果(レガシー)を次の政権につなげたい意向ともみられている。

 日本の存在感もこれではおぼつかない。ドイツのメルケル首相も今年末での退陣が決まっており後任選びの中で英サミット出席をしているが、EUを支えてきた政治指導力、国際政治の影響力は大きく、存在感が違う。

 (4)しばらく鳴りを潜めていた北朝鮮が新型長距離巡航ミサイルの試験発射に成功したとの報道だ。報道によると1500キロ先の標的に命中したとされて、日本全土が標的対象になる性能といわれる。
 9.11が対象だったのか、米軍のアフガン撤収批判を狙ったか、最近は金総書記の北朝鮮国内の経済再建方針が盛んに伝えられていた時だけに、突然の巡航ミサイルの試験発射だった。

 (5)試験発射内容が事実だとすれば米国本土には影響を与えない配慮のものだが、韓国、日本の安全にとって重要な安全保障問題となる。日本の政権交代に韓国も来年の大統領選を控えており、政局の変化に揺さぶりをかけたともみられるが、最近の金総書記の極端なダイエット姿の覚悟をみるようで、国際情勢、米国の関心が対中国に集まる中で再び北朝鮮の力の誇示をみせて存在感を示したい意向もみえる。

 (6)日本は無派閥菅首相の登場でいろいろといろいろと失われた1年となるところをコロナ・パンデミックが覆い隠して、しかしあとの自民党総裁選は保守思想の強い影響力を帯びて民主主義国家日本にも覚悟が迫っている。覚悟はあるか(is there preparedness)。

 

 

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9.11と3.11。 11 Sept. and 11 Mar.

2021-09-13 20:25:46 | 日記
 (1)今年は01年(9月)米同時多発テロから20年、11年(3月)東日本大震災から10年目の節目を迎えた。20年も10年もそんな遠くの出来事には思えないのは、今の時代、社会の基調、歩調が20年前、10年前とそんなに変わらないからだ。

 (2)米軍は今年8月末にアフガンから撤収して、イスラム組織タリバンが全土を制圧して再びアフガン政権に復帰した。20年前の9.11に米同時多発テロを主導したとされるアルカイダ指導者のオサマ・ビンラディンをかくまったとして、米国は当時のアフガンのタリバン政権を攻撃して倒して、隣国パキスタンに潜伏中のオサマ・ビンラディンを急襲して殺害した。

 (3)20年後のアフガン情勢と20年前のアフガンとそうは変わらずに、20年の時の流れがそう遠い感慨ではない印象だ。アフガンでは米国も日本も国内混乱による出国希望者を多数残したままの支援機による出国支援打ち切りであり、国民の生命、安全を守る政府の役割、使命を果せていない。

 (4)10年前の3.11にM9.1クラスの巨大地震が宮城県沖で発生して、東北地方一帯を大津波が襲い多くの犠牲者を出して、東電福島第一原発は原子炉格納容器が機能不全に陥って破壊して、周辺は高い放射性物質が拡散して今も帰宅できない地域が残り、復興は遅れている。

 (5)それでも政府は将来のエネルギー計画で原発再稼働を打ち出しており、汚染処理水の海洋放出の方針を決めて利害関係にある地元自治体、漁業関係者の理解もなく廃炉展望は開けていない。
 南海トラフ連動巨大地震発生が確実に予測されており、10年前の教訓を忘れずに安全対策、備えの整備が急がれている。

 (6)10年、20年といえばかっては一昔、二昔と言われたものだが、時代、社会の変化は大きいが10年前も20年前も抱える問題、課題は今の時代、社会の抱える問題、課題そのものであり、人類、社会、世界はどれだけ成長、進歩を遂げてきたのかは考えれば少しも解決、乗り越えてきたとはいえずに、20年目、10年目の人類世界の悲しい出来事(sad accidents on the 20th and 10th year)を乗り越えられない、再び目の前の現実として直面するだけだ。

 (7)9月末には中国の海洋進出を念頭にした米国、日本、インド、豪4か国のインド、太平洋構想会議が米国で予定されているが、イラクで起きたことはアフガンでも起きる、歴史はくり返す中で10年目、20年目の悲しい出来事をくり返さない覚悟も必要だ。

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