サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【デジタルシングルレビュー】hide and seek/ポルカドットスティングレイ

2022-03-26 | デジタルシングル











今年2発目の新曲。
前作の「dude」は切ない(しかも男性の)片想いの気持ちを歌ったパーティロックだったんですが、
今作はうって変わって上のビジュアルが示すようによりダークな音像にシフトしています
若干R&Bの要素も混じったリフロックに仕上がってるという印象ですが、
雫さんが帰国子女な為英語の発音が流暢で格好良い、
ポルカの良さが存分に滲み出た新曲になっていると思う。


この曲には大きな特徴が2つあると感じていて、
まず1つは歌詞がかなり切実・・・
うん、
切実な感覚と、
自分にとって本当に「確かなもの」と思えるものを切望している感覚があったんですね
だから、前作とはちょっと違って、存在を世界に問いかけてる感じがするというか
まあ、曲調としては先述の通りR&Bとロックの融合~って印象なんで「重さ」は無いものの、
でも聴きながら歌詞を耳で追ってくと大分真に迫った心情を歌ってる気もするんです
なので、
ライトに聴けて、
センシティブでシリアスな部分に突き刺さって来る。
そういう意味だと結構理想的なバランス感の楽曲になってるかな、と。
自分自身も日々葛藤や迷いの中で生きてるんでこの曲の歌詞が刺さる部分は強かった。


もう一つ、
めっちゃ短い(笑
これが、ハイスタみたいな高速パンクだったら2分の曲でもむしろ当たり前だったんですが、
この曲のテンポってそこまで速くないしちゃんとAメロBメロサビあるし、
それでいて間奏まで入ってて2分って演奏時間はビビりました
正直、
作り込めば普通に4分半くらいは行きそうなテンポの楽曲ですけど・・・。
 でも、
これは❝敢えて❞なんでしょうね
2分っぽい曲で2分なのって言っちゃえば「普通」じゃないですか
だから、こういうディープな作中観とテンポの曲で2分で魅せる~という「挑戦」だったのかもしれない
実際、初めて配信音源をフルで聴いた時は 2分の楽曲とは思えない位の濃密さを感じました
最後、いきなり「イェーイ」って言葉で断絶するように終わるのも意味深でカッコいい。
そう考えるとこの曲はある種の発明になっているのかもしれないですね。
カップラーメンが出来上がる時間もよりも早い速度で、
心の中の深淵にも近い感情を拡げる歌。
そう考えると、
カッコいいね。って軽い感想で済まないくらいに凄い新曲に思えてきます(笑
それくらい実験的でありながらむしろド真ん中な気もする会心のニューデジタルシングル、
ライブでも盛り上がりそうな曲でもあるので、今から管理人の地元幕張で聴けるのが楽しみ。










そういえば、
この曲もMVちゃんと観ました。
前作は男装してて(しかも似合ってる)中性的な魅力を前面に出してましたが、
今作は超ミニスカなセクシーな衣装で見た目通り小悪魔チックなガーリーさを強く感じました
しかも、
間奏のV系っぽいヘドバン演奏とか、
雫さんの顔から光る液体がダラダラ流れるトコとか、
90年代ビジュアル系で育って来た身としてはツボなMVになってるのが更に良かったです(笑
雫さんに合わせて他の3人もV系みたいなメイクしてますが意外と似合ってるな、と。

しかし、
ポルカ雫さんの声は元々美声ですけど、
こういうタイプの曲も普通に歌いこなせる辺り歌唱力も流石のものがありますね。
これは生歌を聴くのが実に楽しみになって来ましたよ・・・!
今年はアルバムとか出るのかにも注目してます。


【デジタルシングルレビュー】春に迷い込んで/SHISHAMO

2022-03-21 | デジタルシングル









先週リリースになった新曲。
前作のロックナンバーとはうって変わって、
シックなバラッドに仕上がっています。
この曲は、
昔の恋に対する未練と、その未練を断ち切ろうとする想いの狭間で揺れている様な曲で、
それがタイトルの「迷い込んで」って部分に繋がってると思うんですけど・・・
まあ切ない曲ですね
自分も、
ぶっちゃけ、
こういう曲を聴いていて想うところはありますよ
そういう事に関して言えば正直後悔ばっかで夢に見るレベルですからね

でも、
歌詞のフレーズを深堀りしていくと、
やっぱり最終的には断ち切ってる気がするんですよね
断ち切ってるというか、そう祈って進み始めてるイメージ、、、かな
この曲は、
そういう切ない想いに浸るという聴き方と、
そこから一歩進む力を貰うという二面的な聴き方が出来る曲だと感じました
 もっと言えば、
最後の「ラララ」のコーラスが、
そういう・・・苦い思い出すらも肯定してる気がするんですよね
若干、「私の夜明け」という名曲を彷彿とさせる楽曲で、
派手さはないものの、
確かに練り込まれたメロディ、
大人っぽいバンドサウンド、
葛藤している歌詞・・・と今ならではのビター感が染み渡る良い曲に仕上がっています
一曲の中に悲哀と希望が入り混じってる印象なので、そういう意味ではドラマチックな曲でもありますね。


既にライブでも演奏されてますが、
ライブで聴くと結構ドラムの音が際立っていて、
思ってた以上にライブでも映える様な一曲でしたね
現在行っている対バンツアーで必ず披露されると思うので、
季節的に生で聴くのも中々良いんじゃないかな、と。
冬に出した「ミルクコーヒー」といい、
近年はじわりと沁み込むような俗に言う❝スルメ曲❞も増えてる印象ですね!







そういえば、
妄想サマー~ブーツを鳴らして~春に迷い込んで、と来たら、
秋にオータムソングとかも出すのかな?
その辺にも期待?!
取り敢えず、
対バンツアーにはまた参加しますし、この間のライブレポも近々書く予定です♬



【デジタルシングルレビュー】MIU/中村佳穂

2022-03-13 | デジタルシングル










「ゆけない道はない」
それは嘘だと思うんだよ







中村佳穂って歌手、
知ったのって実は今年に入ってからなんですが、
正直凄いですよね。。
この曲、
はっきりとサビがあってAメロがあって~っていう類の曲ではないんですが
(そういえばこの曲の前に配信されてた「Hank」という曲もそういう感じの曲だった)、
それでも、
❝この世でたった一人❞という強いフレーズ、
滲み出ている孤独感、
そして、
その中でも何だかんだ全部を棄て切れていない、
「何か」に縋りつく感じ・・・が非常に素敵なナンバーに仕上がってて、
ここまで俗に言う虚無感を美しく表現出来るシンガーも早々いないのでは?とか想いましたね
結構・・・
日々、
憂鬱な気持ちに苛まれてる人が聴くと心情に寄り添ってくれる感覚があると思うし、
それと、この曲が持っているものってそれ以上の強い感情もエネルギーもあったりするので。
そういう意味ではアーティスティックな曲であると同時に、
内包されてるものは意外と普遍性の高いテーマなのかな?って感じたりもしました。


痛快なのは、
引用させて貰った上記の歌詞ですよね(笑
のっけからいきなり多くの歌で歌われてるようなポジティビティを全否定してますからね
でも、
個人的には真実だと思うし、
ただ、
だからといってイジけて自分勝手なネガティビティに酔ってる曲でもないのがまた更にスゴい。

要するに、
この曲は嘆きの曲ではなく、
❝葛藤❞の曲なんですよね。
現実を直視して、
潔く諦めて挫折してる節もあるけど、
その一方で、
「消えちゃう消えちゃうこのままじゃ消えちゃうどうにか消えずにどうにか・・・って」という
物凄く泥臭い・・・否、もっと適切な言葉で表現するなら❝必死❞な一面もあって、
でもそれってかなりリアルだと思ったんです
しょっちゅう嘆いてる人でも、
それでも、
根底にそういう気持ちが残ってるから生きてるんでしょ?みたいな想いもありますし。
そういう意味では紛う事無き生々しい感情が剥き出しに綴られてる名曲だと言えます
「さよならクレール」も以前書いた通り相当ツボったナンバーでしたけど、
早くもそれに負けないデジタルシングル出して来たのは驚きでした
元々、
「さよならクレール」の時点で今月下旬のニューアルバムは購入するつもりでしたけど、
この曲の圧倒的な虚無感と孤独感の表現に惚れ込んでしまったので「つもり」から「決定」になりました笑

この間レビューしたasmiさんもそうでしたけど、
この世にはまだまだ自分が知らない良い音楽が沢山ありますね。
いちミュージックラヴァーとしてもっともっと聴きたい!知りたい!って想いが高まっています。。
今年もまだライブ観た事ないバンドや歌手のライブを初体験とか積極的にしたいっスね。



【デジタルシングルレビュー】Gerbera/asmi

2022-03-04 | デジタルシングル










最近、
ラジオに出てて知った歌手。
まだ若干20歳くらい?の若い歌手らしいですが、
多分この歌を聴く限り精神年齢はもう既に自分よりも高いんじゃないか?と思われますね(笑

浮遊感のある打ち込み主体のアレンジと舌足らずのボーカルが魅力的な楽曲ですが、
そういえば近年ここまでスロウテンポかつストレートな打ち込みの曲ってあまり聴いて無かった気がする
勿論生音も入ってますけど、
そういう意味では今って結構生音の時代なのかな?って思ったり。


この曲がどういう曲なのかと言うと、
かなりの慈愛・・・母性を感じる曲なんですよね
なんだろう、
言葉にするのがちょっと難しいんですけど、
「無償の愛」っていうのかな?
例えば、
大事にされたから、大事にし返す~というのは普通なんですけど、
そうじゃなくて・・・
最初から深い感謝とか純粋な愛情を注いで、
それで「誰か」の「何か」を喜ぶ、みたいな。

実際、
管理人がそれを出来てるか?って言えば、
明らかに出来てないんですよ笑
だからこそ、
正直この曲の世界観に触れてちょっと憧憬にも似た感情を感じたんですよね。
自分も誰かに無償の愛でもって接して、ただ自分が気持ち良いだけではなく、
他者の喜びを自分のカタルシスに変えられるような人間でありたい、と。
勿論、
それは理想論であって、
実際なれる/なれないはまた別なんですけど・・・
ただ、この聴きやすいアレンジかつ毛布みたいな柔らかい歌声、
そして「関係ないよ/問題ない」ってサビのフレーズ聴いてたら実直に励まされた感覚がありました。

また、個人的に最近聴いてる音楽の殆どに大なり小なりギターサウンドが入ってる~という事実に
この曲を聴いていて気付かされました
それくらい打ち込み、電子音全開の浮遊感サウンドが「逆に」新鮮で気持ち良くて、
気が付いたら何気にヘビロテしてる一曲になっていたので、
このタイミングでレビュー書いてみました









ただ、
自分の若い時って、
恥ずかしさとか反発心で素直にこの曲みたいな気持ちになれてなかったんですよ
この曲はasmiさんが姉に向けて書いたメッセージソングらしいんですが、
管理人も30代半ばになって、
この曲の歌詞のような気持ちをちょっと理解出来るようになったので。
そう考えると、
むしろ管理人の人間力の低さが逆にヤバいんじゃ、、、とか感じたりもしましたけれど😂
 でも、
若干二十歳という年齢で、
家族に対してストレートな愛の歌を書ける、
慈愛に満ちた❝人間ラブソング❞を書ける才能はスゴいな、と。
自分はそもそもが精神年齢が中学生のまんま大人になってしまった悲しい失敗作(ゴミ)なので笑
歌手の年齢など関係なく素晴らしき思想は素直にリスペクトしたいし、学びたいなと思った一曲でした。
本当に素敵な気分になれる楽曲です。

あ、それと、「泣かせるべきは火曜の私だ」って歌詞も大好きですね。。


【デジタルシングルレビュー】狙うは君のど真ん中/SHISHAMO

2022-02-25 | デジタルシングル









しつこくてごめん
攻めの姿勢
守り固めてる暇あったら
前に前に攻めるべし









SHISHAMOの2022年初の新曲。
恐らく、
発表のタイミング的に3月から始まる対バンツアーを睨んでのリリースだと思われる
要するにライブを盛り上げる新曲を~という判断だったと感じますが、
この曲はかなり初期衝動っていうか、
原点回帰という印象が強いですね
例えば、
ラフなロックンロール「中毒」だったり、
作り込まれた世界観の「ブーツを鳴らして」だったり、
ここ最近のSHISHAMOには無かったキャッチーでキュートな雰囲気、、、で鳴らされてる曲だと思います
上記の、配信シングルのジャケットも結構可愛いと言うか、ポップな雰囲気ですもんね(笑
個人的に太眉なのがグッジョブです。。

ただ、
深読みをすれば、
対バンツアーで対バン相手を観に来たお客さんに向けてのメッセージや宣戦布告とも取れます
深読みなので実際の心境は定かではないですけど、アレンジもシンプルな抜けの良いロックになってるので、
結構やる気マンマンというか、
SHISHAMO流のロックンロールを刻み付ける気マンマンというか・・・
そういうある種ヒップホップのアーティストが出しそうな文脈も感じられる曲です
尚、曲調的には往年のガレージロックに近いアレンジなので全くヒップホップでは無いんですけど(笑
でも、こういう曲が作れるようになったのも中堅に差し掛かるタイミングなのもあるかなあ、と
間奏のギターソロもむちゃくちゃ格好良いので今からライブで聴くのも楽しみですね♬


でもこの曲、
「狙うは君のど真ん中」ってフレーズですと、
正直ただ単に恋愛の事だけのフレーズに留まらない気がして、
言っちゃえば、
色々なものに当て嵌まるんですよね
例えば、
自分みたいな感想屋だったら文章で読者の気持ちを射抜きたいだったり、
ラーメン屋だったら美味しいラーメンでお客の胃袋打ち抜きたいだったり、
それこそミュージシャンだったらこの曲でリスナーのハートに響かせたい~だったり、
そこまで限定的な歌詞でもないので、
色々な人の心境にフィットするような普遍性があります
それでいてアレンジはシュッとまとまったポップロックに仕上がってるのが粋で心地良い
細かい転調も多くてラスサビの朝子さんのコーラスだけで構成されてる?部分も浮遊感があって素敵です

先述の通り、
この曲は歌詞が全体的に能動的かつ、
良い意味で自信過剰というか「やるんだ!」という気概に満ちているので、
そういう意味では今時珍しいくらいロックバンドっぽいテーマの楽曲なのかも知れないです
ガレージっぽい朝子さんの挑発的なギターリフが今までにない無敵感を含んでいるので、
聴き手の気持ちを正しく鼓舞してくれるエネルギーがあって大好きな新曲でした。
 なお、
MVがここ最近のかっちょいいモードから、
1年ぶりくらいにコミカル全振りなMVに仕上がってるので時間があれば是非。。
最後、心臓貫いてる気がするんですけど、あれ大丈夫なのかな・・・笑



【デジタルシングルレビュー】dude/ポルカドットスティングレイ

2022-02-21 | デジタルシングル









足りないんじゃない
持ちすぎていたんだ








ポルカドットスティングレイの今年初のデジタルシングル。
ポルカと言えば、代名詞のギターリフ、カッティングの格好良さを主軸に聴かせる曲が多いと思うんですが、
今作はどっちかって言えばポップスに近い感触の楽曲で結構聴きやすい部類に入ると思います。
ポップスっていうかパーティー・ロックとか形容しても良いのかな?
印象としては、
カラフルでノリの良い明るいポップチューンになってると感じますが、
同時にヒップホップの要素も多少入ってるのもこの曲の聴いてて面白い部分ですね
流暢な英語の発音を含むラップとポエトリーの中間みたいなボーカリゼイションのパートが、
よりこの曲をポップにしてるし芸術的にもしてるし、何よりもお洒落で格好良いな、って感じますね。

ただ、
歌詞の内容に関しては、
ぶっちゃけた話そこまで明るい曲では無いと感じますね(笑
言っちゃえば、これ報われない男の片想いの歌じゃないですか?
「dude」っていうタイトルも直訳して「男性」という意味ですし、
ボーカルの雫さんが、
わざわざこの曲の世界観に合わせて(個人の推測)男装してるのもこだわりの強さを感じます
そんで、最上記の引用させて貰ったのが配信シングルのジャケットなんですが、
正直パッと見かなりの美少年に見えるのも凄いですよね
凄いっていうか、
ズルいですね(笑
男装してもイケるなんて・・・
逆に言えば今の時代にここまでニュートラルなルックスの歌手って少ない気がする
今って男性はより男性っぽく女性はより女性っぽいルックスになってると思ってるんですけど。
昔で言えばGAOとかジッタリンジンのボーカルと同じくらい中性的な方な気がする
そういう意味では、
令和に於ける貴重な(?)中性的シンガーとして雫さんには頑張って欲しい所ですね。。
まあ自分が無知なだけで探せばいるのかもしれないですけどね笑


でも、
決してダークなだけの歌詞ではなく、
そこには希望が叶う事だったり状況が好転する事に対する❝祈り❞も込められていて、
若い女性ボーカルが歌ってる曲にも関わらず男性の自分が感情移入出来るリアルさもあります
そういう意味では、
妄想とか、
希望的観測とか、
そういうものを想起しながら聴くのにも適してる真剣な男の恋愛ナンバー、とも形容出来ますね
誰だって、
与えた気持ちの分だけ、
愛されたいという願望は持っているもの。
そういう普遍的な、でも、中々口には出せない想いに寄り添ってくれる、
軽快な歌謡ヒップホップに聴こえてそういう意味では切実なラブソングにも仕上がってる~と思いましたね。
今年のワンマンライブでも披露されると思うので、生で聴くとどういう感じになるのかも楽しみです♬

あと、引用させて頂いた「足りないんじゃない 持ちすぎていたんだ」って歌詞は、
聴いてて思わずハッとさせられました 個人的にすげぇ良い歌詞だと思う。










余談ですが、
この曲のMVがまた面白いです
雫さんが男装して女性の芸人を片想いの相手役に抜擢して、
観てるだけでも面白いコミカルなミュージックビデオに仕上がってます
 また、
MVのオチが鮮烈で面白くて(笑
今話題の某チェーン店の固有名詞をそのまま出してる痛快さ含めファン必見のMVだと思います!
ポルカのああいうトコ、個人的には大好きですよ。男子群のコスプレもまた新鮮。


【デジタルシングルレビュー】さよならクレール/中村佳穂

2022-02-16 | デジタルシングル









これが終わりの始まり







2022年の初っ端から終わりの始まり~とか歌えるのスゴいですよね・・・笑
この曲は、
3月に出るアルバムの先行配信みたいなんですが、
初めて聴いた時はこのレベルの楽曲が配信で済まされちゃうのか~とか純粋に思いました
それぐらい良い曲・・・
否、
良い曲ですけど決して明るい曲ではないかな(笑
アレンジも独特でこういうのドラムンベースって言うのかな?
地を這うような重渋いビートとポップな疾走感を併せ持っているキラーチューンで、
中村佳穂さんのハイトーンボイスと合わさって何度も聴きたくなる類の名曲に仕上がってます。


この曲を聴いてると、
ぶっちゃけ美しい孤独感に浸れるというか、
タイトルのクレールっていうのは直訳で「光」という意味合いなんですけど・・・
たった一人になって、
世界から切り離されてどんどんアウェイになっていく感覚、、、をこの曲からは覚えます
退廃的を越えて、
破滅的なムードすら感じる。
曲としては流麗なアレンジで聴きやすい曲ではあるんですが、
下手にギラついた曲調ではない分、スッと心の失望感にタッチしてくれるような「理解」のある曲と思います。


でも正直、
この「何もかもが終わっていく感覚」
「世界から切り離されていく感覚」を曲で味わえるのって意外と現代では貴重な気もする
聴いててアレンジとかは全然違うけどPlastic Treeの「スライド.」を彷彿とさせる世界観でもあって、
そういった意味合いでは最近出たばっかの新曲ですけど馴染むのは物凄く早かったですね
 その上、
もう全部何もかもを諦めてる訳でもなくて、
「光ってるっていうのにっ・・・!」っていうフレーズで終わるのも大好きなんですよね
ただ達観して絶望的になってる訳じゃなくて、そこには悔しい想いも込められてる、
伝わらなくて届けられなくてそのやり切れなさに悶えてる感覚もある
そこも・・・
この曲特有の良さというか、
失望に満ちたフレーズの数々にちょっぴり滾るものが沁み込んでるのがすっごく人間臭くてイイな、とか思う
サビで何度も繰り返される交わらないまま必死で燃やし続けた想いの吐露が聴いてて刹那い楽曲、
音楽的にも転調がたっぷり効いた面白味に満ちたものに仕上がってるので、
これを機会に是非中村佳穂さんの世界観に触れてみて欲しいです
 この曲は、
フィジカルでも聴きたいくらい大好きなので、きっと3月のアルバム買っちゃうんだろうなあ(笑
何ならレコードで聴きたいくらい、ですもん。オルタナティヴど真ん中の名曲です。



【デジタルシングルレビュー】Anarchy/official髭男dism

2022-02-15 | デジタルシングル









「あの頃に戻りたいな」
それ以外に何かないのか?








去年ぐらいから・・・
いや、
敏感な音楽ファンの間ではもっと前からなのかな
俗に言う新譜と称されるものがフィジカル(CDやレコードなど形あるもの)でリリースされなくなってきた
しかも、誰もに名前が知れてるような有名なミュージシャンでもまずは配信から~という
そういう形が増えて来た気がする
今年に至っては、
特に顕著でサカナクションもSHISHAMOもリリースの数日前にいきなり告知があり、
その数日後にはスマホで(spotifyなどで)普通に聴けている・・・っていう。
これは何だろう
いよいよ「そういう時代になって来ている。」というあからさまな変化であり、
実際今年に入ってからフィジカルで購入した作品って正直2作品くらいしかない
しかもどっちもアルバムなのである程度聴き込んでから感想等は書きたいっていう想いもあり、
思い切って2022年からデジタルシングルの感想も始める事にした。
っていうか、
以前既にひかりのなかにのデジタルシングル勢の感想を実験的に書いてたので、
それも今回カテゴリー移動させつつなんでこれが全然初めてでは無いんですけど(笑
 まあ、
元々自分は音楽レビュアーとして始まった訳で、
もうそろそろ時代に適応出来ないと居場所すら無くなるのは薄々感じてたので、
そういう意味では遅いくらいなんですが、それでも攻めの姿勢を崩さず書いて行きたいと思ってます。。
なんせ自分ってこういう配信シングルを聴く為だけにこだわり捨ててスマホ買った位ですから笑




理性の半分ない間しか狂えない
笑わないで
指を差さないで
隠し通していたい




で、
この曲、
official髭男dismの2022年第一弾リリースとして出された曲なんですが、
正直「売れる様な曲じゃねえな・・・。」というのがまず真っ先に感じた事です(笑
多分、
何かのタイアップっぽいんですが、
曲調や歌詞だけに触れてると藤原聡さんの個人的な怒りや愚痴を吐き出してる曲にしか聴こえない
この曲もご多分に漏れず一番最初はNHKのラジオから初めて聴いたんですけど、
ラブサイケデリコの曲みたいな渋くて格好良いメロディラインに
不穏なフレーズの連発、
最後は虚無感を高らかに歌い上げて終わる独特のラスト・・・と
ある意味ヒゲダンっぽくないというか、逆に言えばそれがかなり新鮮でよく散歩の時などに聴いてますね。

もっと言えば、
こういう反骨精神溢れる楽曲を
聴き手をいっぱい増やしていってる最中のバンドが出すとは思ってなかったので、
「こういう曲来るの早っ!」とも思いましたね(笑
ミスチルでも、
もうちょっとキャッチーな曲だけに絞ってた時期が長かったのに・・・と振り返ると、
ボーカルの藤原聡さんのルーツがDream TheatreやSlipknotだったりするので、
そういう意味では反抗期みたいな曲を出しやすかったのはあるかも。
 この曲では、
行き場のない怒り、
誰も信じないという想い、
本当の自分が出せないという葛藤、
そこから生まれるどうしようも出来ない空しさ、、、と
おおよそ聴き手を気持ち良くさせる類のフレーズは皆無と言ってよく、
これまでのイメージとは180℃違う、
反抗期かつ「ロックなヒゲダン」が楽しめる出色の新曲に仕上がってると思います。
 ある意味、
syrup16gやART-SCHOOL世代にも響きそうな楽曲だとも感じたので、
是非騙されたと思って一度聴いてみて欲しい❝最新の哀愁の名曲の一つ~❞ですね。
あ、ちなみに「HELLO」などの前向きで聴いてて励まされるポップなヒゲダンも好きですよ(笑
そこは勘違いされたくなかったので、敢えて最後に付け加えておきます。。








どうかしてる
度を超してる
解りますか?
何の価値もない夜更け





この、
リズミカルな言い回しかつ退廃的なモードを貫いてる歌詞が大好きなんですけど、
最後にこの虚無感溢れるフレーズを言い放った後に煌びやかなアレンジで終わるのがまた良いんですよね
哀愁って、ある種その凍てついた雰囲気が美しく映る時もやっぱりあったりするので・・・
そんな哀しみが持つ特有の耽美なイメージも表現されてるのが尚素敵な一曲です。



藤原さくらの「mother」という曲が素晴らしすぎる件

2021-10-06 | デジタルシングル









あれは、
1ヶ月くらい前かな・・・
またいつもの様に夜になったらNHKのラジオ垂れ流してたんですけど、
したらこの曲がふと掛かってたんです
初聴の印象は、
「えらい神秘的な曲だな。。」という第一印象で、
その後気になって音源が出てるかどうかを調べてみたら
デジタルシングルとしてのリリースでCDではまだ出てない、と。
結構、
いきなり音源で聴きたいくらいの衝撃だったので何気に落ち込んだんですが(笑
まあ今は生演奏で採算を取る時代(なのかもしれない)のでしょうがないのかも。と思いつつ
管理人はさり気なくそういう配信サービスにもお金払ってるので検索して聴いてみたんです。


で、
ラジオの音源ではなく、
実際にデジタルシングルを聴いてみると・・・
ラジオで流れてた時の3~4倍は神秘的な曲に聴こえてビックリしました
正直、
ここまで神秘性を感じる曲を聴いたのは久々かも(しれない)ので興奮はしましたね
アレンジが静謐としていて、それでいてちゃんとポップスの範疇には収まってると思うんですけど、
藤原さくらの独特の声と物凄い自然と調和してるような歌詞が未曽有の神秘性を生み出してるんですよ
なんでしょう、
ありそうでない・・・っていうより、
なさそうでなかった・・・って感じですかね笑
感想もえらく抽象的ですが、
歌詞自体も良い意味で、というか、自分好みな位に抽象的で聴き手の解釈次第な歌詞なんですよね
自然を賛美してる風にも聴こえるし、人間の感情と重ね合わせている風にも取れる
白黒付けるんじゃなくて聴き手の中で無限に広がっていくような歌詞で。
個人的には、
今年発表されている楽曲の中でもトップクラスの衝撃を受けました
ちょっと良すぎるくらいに良いのでぶっちゃけ生でも聴きたいレベルですね・・・笑


もっと書くと、
この曲は聴き手を励ますようなフレーズ・・・
要するに「具体的な言葉」があんまり綴られてないのに、
不思議と聴いてて気持ちが高揚するような滲むような想いが湧いて来るんですよね
そのセンス、
直接的な言葉を控えつつ、
直接聴き手に作用する音楽を届けている
そういう“有り方”が非常に格好良いな。と感じましたし、
自分自身最近めちゃくちゃヘビロテしてて心の支えにしている曲の一つになっています
偶然ラジオで聴いてすぐに大好きになってしまった類の曲なんですが、
まだフィジカルで出てないのにこの想いを伝えたくて記事にしてしまいました。。
 藤原さくら、
今まであまり知らなかったけど(申し訳ない)
これをきっかけに聴いてみようかな。とかちょっと思いました
「水」というキーワードがまたこの曲の神秘性を高めていて、
実際CDで出たら絶対に欲しいな、とも感じましたね。
兎角、全部好きな感じの新曲でした。。








ところで、
藤原さくらの声、
誰かと通じるものがあるな~と思ったらTHE BOOMのバラッドとかを歌ってる時の
宮沢さんの声のテイストに通じるものがあるな、とふと感じたりもしました
性別が違うじゃねーか!って怒られそうですけど笑
ただ、
あそこまでの神秘性を感じたのは宮沢さん以来かもな~とかちょっと思ったり
まあ正しく自分の音楽遍歴を戻って調査したら他にも居たかもしれませんけど(爆
最近はこの曲を聴いた後にTHE BOOMの「夢から醒めて」を聴くのがお気に入りです(どうでもいい情報乙)。



音源化(フィジカル化)を熱望する名曲。/SHISHAMO「天才の種」について。

2021-09-08 | デジタルシングル






スタートを切ることも
限界を決めるのも
誰も邪魔出来ないから






先日、
ニューアルバムが出たんですけど、
配信シングルの内これと「妄想サマー」が入らなかったんですよね
正直、
どっちももったいないというか・・・
多分入れてたら曲数多すぎで長い作品になっちゃうから見送られたんでしょうけど、
でもぶっちゃけこの曲って普通にシングルになっててもおかしくないレベルの楽曲なんですよね。。

元々引退するスポーツ選手の為に作られた楽曲なんですけど、
その割には・・・歌詞が限定的じゃないんですよね
むしろ、
何かを頑張っているor頑張りたい人全員にも当て嵌まる様な普遍的なポップ・バラードになってるんですよ
勿論タイアップ先というかそっちサイドから聴いてもフィットする歌詞にも仕上がっていて、
このバランス感覚というか、
上手い具合にニュートラルな描き方になっている作詞能力の高さが実に素晴らしいです
これならタイアップ先の選手のファンも喜ぶだろうし、
でも全然知らない人が聴いても自分に当て嵌めて聴く事も出来る~っていう
宮崎朝子さんのソングライティングの巧さが際立った名曲に仕上がってるんですよね。


また、
メロディとアレンジが良いです。
メロディはシンプルかつ流麗なバラッドで、
アレンジはピアノの音色が主体の爽やかなものになっていて。
これスキマスイッチの常田さんが共同作業者として参加してるんですよね
しかも、
彼の持っている普遍性が良い具合に作用してる気がして・・・
以前小林武史が参加した「水色の日々」が相当の名曲に仕上がってたように、
SHISHAMOのコラボ作品って基本的に当たりが多い気もするんですよ
この曲は、
とても大衆に受ける要素の強い曲なので、
思い切ってCDシングルとして発売しても良かったのでは。。とは感じましたけど、
あくまで個人の選手の引退の為に作った~という曲なので商業的展開を避けてしまったんでしょうか
それはそれで良い音楽を作る事に忠実なSHISHAMOらしいっちゃあらしいんですけどね(笑

でもやっぱこの曲は歌詞が好きですね
結構・・・
タイトルに反して、
別に天才の人生の歌って訳じゃなくて、
最高の瞬間を想像して健気に地道に頑張る努力家の歌なんですよね
そこに向かう為の努力を支える為の歌というか、、、
要するに常に栄光のイメージを持ち続ける~という事なんです
その尊さを丁寧に歌ってると同時に、
この曲って既に自分が成し遂げた事に対する讃美歌にもなってるんですよ。
その歌詞の構成も面白いし、
自分の道程を認めつつ、
更にもう一つ上を目指して足掻きながら邁進していく・・・
そう、
曲調は美しいピアノの音色を基調としたポップ・バラードですけど、
その作中観は正にロックンロールの世界観そのものなんですよね(笑)。
ある意味そこが最も素晴らしいと思うし、
やはりSHISHAMOはどこまで行ってもロックバンドなんだな。ともしみじみ感じられた名曲でした

それと、アウトロがすげー長いお陰で、
自分の大好きな7分越えの長尺の曲になってるのもまた良き、です笑





才能というものは
残酷なチカラだけど
それは信じ方次第だ



実は水面下でずっとこの曲に励まされていて・・・
最近はウォーキングの時によく聴いてますし、
ぶっちゃけ、
こういう人間(ブロガー)とかにも響く曲だと思いますね笑
youtuberにも響くんじゃないですかね、たぶん。