
「セメルパルス」を読んでて感じることは、
全ての他者の期待に応えるのは不可能、という事です
命乃のやってる事は全体的な視点で観れば真っ当だと思う
ただ、
ミクロな視点で観てしまうとその実他の誰かを傷付けてる訳で・・・
この世界を守る、という選択はしっかりとしているが、
その選択から零れ落ちてしまう誰かもいる
今回は、
その「誰か」が「友達」だった、というオチで・・・非常に鮮烈な話数に仕上がってると思いました。

この悲しみもまた、“真実”でもある。
結構・・・
現実でも正直どっちかを選ばなければいけない事は多々ある
誰かに憎まれても、誰かに嫌われても、その道を往く。勿論、そこには「辛さ」も付きまとう
だけど、分かってくれる理解者さえ居れば前に進める・・・それが様子さんであり、
またそれは様子さんにとっても同じ、なのかもしれません
最初から、
この世の全ての他者を救えないのは命乃だって分かってたと思う
それが身近な人間に及ぶ事だって想像は出来てたと思う
でも、
まさかこのタイミングだったのは正直キツいもんがありますね・・・。
世界自体は救っていても、誰かの世界自体は命乃が(自らの手で)壊してしまった。
その罪悪感はきっと残るでしょう
ただ、
先述の通り、
全ての他者を救う事なんて個人の力では無理ですから。
そこを割り切って、
例え誰かを傷付けたとしても、
違う誰かの笑顔の為に頑張れるか・・・が次回以降の命乃の鍵になっていくと思う
このまま、地獄を突き進む哀しき戦士になれるのか、、、が気になりますね。

固いシーンばっかじゃないよ!(喜)
個人的には、
この漫画を読んでると、
「誰しもを傷付けない選択などない」って現実をしみじみと感じます
自分が「良い。」と思ってやってる事でも、他の誰かを傷付けてたりもする
そこで優柔不断になるのか、
それとも、それでも自分の可能性を信じて突き進むのか・・・
今回は、
友達を間接的に屠ってしまったかもしれない
だけど、そのお陰で泣いてるあの娘の「生」がある、とも言えます
そう考えると、
中々に深いテーマ性と読み手に問いかけるパワーを持っている作品で、
百合描写もありますがそれもまた「心を保つ」為、って考えると
(前にも書きましたが)必然的な「恋愛描写」という気もしますね。
誰かの為のつもりでも、
誰かを傷付けていて、
誰かを傷付けていても、
他の誰かの心は救っている・・・と考えると、
分かりやすい“善悪”が一切無くて、そういう良い意味でグレーな部分が自分好みなのかな、
と感じました。
冒頭の命乃のカット、躍動感も凄いですが、様子を人殺しにさせないって覚悟も感じられて、
バトルシーンにもちゃんと意志が込められていてそこもまた秀逸な話数だと思いました。
ところで、
なんとなく、
最後悲劇的なオチになりそうな予感もしますね・・・
具体的に言及するのは避けますが、必ず中に人間が入ってる、って事は。。