サブカルチャーマシンガン

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最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 9巻/松沢まり

2016-01-08 | 単行本感想








当時も思ったけど、表紙の太モモたまらんですね・・・(笑顔)。
「見えそうで見えない」という新しい官能表現に挑戦されてるかと思います
ちょっとアンニュイな表情もまた実にイイですねえ。









バンドに喩えると、
J-POPのバンドがシューゲイザーのバンドになってしまったかのような変化っぷりですね
要するに限りなく雰囲気ラブコメになっているなあ、という感想ですけど
でもこれはこれで、、、いや、「これはこれで」っていうか
これこそが元来の松沢まりさんのイメージそのものな作風でもある訳ですから(いちファンとしてのイメージ、ですが)
ある意味では「元に戻った」とも言える方向性の作風で以って展開されている9巻目でした
こういう事はそれまでも感想の中で言及してきたと思うんですが
今回は特に「それ」が極まっていて印象的だったんですよね
アニメでは「変えた部分」がより一層誇張して表現されてた節が強かったので(あれはあれでお気に入りですけど笑)
アニメ派の方が原作のここまでを読むとそのイメージの違いに驚かれるかもしれません
そもそもエロ描写もとっくにゼロになってますしね(笑
でも、それが本来の松沢作品だと思うので。
いや、(そういう変化球を)やるんならやるんならで応援するとは思いますけどね笑
実際本作って完全な「作者買い」でしたからね・・・。


「玉子焼き」というワンアイテムを使って日常感を演出した上に、
更に極上のニヤニヤ描写までもその後引き出す・・・という「これぞ松沢節!」と言わんばかりの丁寧なラブコメ描写に悶えました(笑
ある意味これも(いちファンとしての想像に過ぎないですが)やりたかった方向性なんじゃないかなあ、、、とか感じつつ
こういう素朴で、日常的で、読んでて単純にニヤニヤ出来るラブコメ模様こそ松沢さんの本懐の一つなんじゃないか、とかも思うので
是非今のフォルムの「妹ちょ。」にも(ラブコメ好きなら)触れてみて欲しいなあ、と切実に思う今日この頃
特に玉子焼きのアレはある意味ああいう日常的な風景に憧れてたからこそ~って背景もあったから
余計にグッと来たし、ニヤニヤも出来ちゃった訳で(笑
そういう丁寧なラブコメ模様を雰囲気で楽しめるのが今の「妹ちょ。」だと思うので
そういった意味ではいちラブコメファンとしても非常に満足度の高かった新刊でした
ああいう雰囲気に持って行けるまで9巻も掛ったけど、
こんな風にじっくりじわじわ味わえるラブコメも必要でしょうし
それは一見地味に映るかもしれませんが、だからこそ辿り着いた時のカタルシスも大きい
それを証明してくれたかのような美月と夕哉のラブコメ模様でした
多分9巻も使わなければこんな風に興奮も出来なかったでしょうし、感慨深さも特に感じなかったかと思われます
ようやく真っ当な“家族”“兄妹”になりつつある二人の気持ちの行方にも注目、ですね
一応、っていうか、事実義兄妹なんで恋愛成就の方向にも持って行けるかとは思いますが
多分本作の「家族」っていうテーマ性的にそこまで踏み込むかな?っていうのもある
何にせよこれまででも随一に甘い甘いラブコメごちそうさまでした(笑
最後のエクストラ漫画のたい焼きのお話も、
ニヤニヤ出来る着地点でラブコメ的な旨味抜群の閑話に仕上がってると思います
ああいう風に身内の分のたい焼きを買って来る事自体かなり家族っぽくてイイですよね・・・
っていうか、それもまた“美月がしたかったこと”なんじゃないか、と思うと更にグッと来る節がありますね。
照れた表情も可愛い。


この巻ではそういった二人のラブコメ模様以外に、
核心に踏み込んだお話が次々と展開されます
終わりが近いんだろうなあ・・・と思いつつ
次々と露わになっていく真実がいちいち面白い内容になってますね
夕哉もようやっと日和が幽霊だって事に気付きますしね(笑
ただ、正直自分が彼の立場だったとしても
幽霊という非科学的な存在はそれこそ作中の様に触れなきゃ信じなかったとは思います
その辺と、後「美月がなぜ夕哉に冷たくしてたのか」のディティールの部分の表現は上手かったなあ、と
確かに一度そういう方向性になっちゃうと中々素直になる、なんて行為は難しいと思うし
良く出来た作劇だったと思います

だからこそ、日和の本心がとても気になる
恐らくは大人になった今だからこそきちんと「決着」を付けたかったのか、
そしてその過程で美月にとって夕哉がどれだけ大切な人なのかを思い出して欲しかったのか
それとも、ただ単純にもう一度美月とそんなじゃれあう日々を過ごしたかったのか、、、
明日発売の10巻(!)がとても気になる9巻目でした
雰囲気たっぷりの描写力と
シリアスな構成は存外に面白味たっぷりで
実直にのめり込める良さがあったかなあ、と思います
その上でニヤニヤ出来るラブコメ模様もあったりと本筋を進めつつ甘々描写も忘れない塩梅に優れた一冊になってるかと。


ちなみに、これが発売されたのは去年の夏でした
その頃は憤死するんじゃないか、ってくらい社畜模様とイライラを募らせてて
「単行本をじっくり読んで感想を書く」っていう行為がリアルに不可能な時期だったんですよね
大好きな松沢まりさんの漫画の感想をリアルタイムで書けなかった「悔しさ」みたいなものが確実にあって、
だからここまで、新刊の発売日前日まで遅れてしまった訳ですけど、その分「続きをすぐ読める」っていう効能もあって(笑
まあ結果的には良かったかな、と
日和の気持ち、
美月の気持ち、
そして、夕哉の気持ち・・・
の行く末や行動に期待しつつ、明日発売の10巻でまたニヤニヤ出来れば嬉しいです
女流作家ならではの丁寧で繊細なラブコメ漫画ど真ん中に変化している現在の「妹ちょ。」も是非、って事で。











あ、ちなみにゆき姉のツインテと哀愁のエクストラ漫画も良かったです(笑
彼女もアニメとかで人気あったキャラなんで是非想いを吐露させてあげて欲しいなあ。





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