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懐かしの8cmシングルレビュー:第3回 「もっと愛しあいましょ」LINDBERG

2023-10-20 | 8cmシングルレビュー
これは中ジャケ。











1.もっと愛しあいましょ
2.パラシュート
3.もっと愛しあいましょ(ORIGINAL KARAOKE)
4.パラシュート(ORIGINAL KARAOKE)









もっと愛しあいましょ
みんな自分で精一杯
でもステキなことでしょ
キズつくのも 仕方ない











95年の11月に出たシングル。
LINDBERGと言えば高いキーで声を張り上げて一生懸命歌うイメージが強いと思うんですけど、
この楽曲に関して言えばそういうパブリックイメージとは真逆な曲になっています
初めて聴いた時、
ちょっとコミカルさも感じるスカ?ダンス?みたいなアレンジに面食らい、
渡瀬さんのボーカルもどちらかと言えばアイドルポップみたいな可愛らしい歌い方をしている
その上で、
かなりメッセージ性の強い歌詞が並んでいる・・・という一筋縄では行かない楽曲になっています
勿論、いつも通りのストレートでシンプルなロックもそれはそれで気持ちが良いんですけど、
この曲はかなりリンドバーグのイメージと乖離してるので正直面白い楽曲であります
ストレンジポップというか、
Aメロもポエトリー風味の喋りに近い感じになっててとてもユニーク。
「イチローが満塁ホームラン」って歌詞は時代を感じさせてくれて実に懐かしいですね・・・笑
サビのキャッチーなメロディもさながら、斬新なアレンジを聴いてるだけでも気持ちの良い名曲です。


個人的には、
最初に引用したサビの歌詞が印象に残りました
ものすごいそのまんまなフレーズなんですが、
聴いてて歌詞カード読んでて「確かに・・・。」って思っちゃいましたね
「みんな自分で精一杯」というフレーズは正直痛いトコ突くなぁ、というか、
確かに年食うと朝起きて仕事こなして帰って来てから自分の体力を回復させて・・・みたいな、
全部「自分!自分!」みたいになってしまうのは個人的にも否定は出来ないんですよね
その上で、
「でもステキなことでしょ」と訴えかけてるセンスが素晴らしいです
疲れてたり億劫だったりするともう自分の事だけで精一杯になっちゃう
ただ、
他人に優しくする事や構う事で生まれる「何か」があるのもぶっちゃけ否定は出来ません
自分一人だけの力で生きている人間は綺麗事ではなくこの世に居ないと思う
例えば管理人も家族や仕事関係の人、それから娯楽を提供してくれる表現者抜きでは生きられないでしょう
だから、この曲を聴いてると他人に優しくしたくなるというか、何かしたくなるんですよね無性に。
そしてそこから生まれるものや感情を信じたくなるエネルギーが宿っている楽曲です
そう考えると、
ある意味具体性を持って「LOVE&PEACE」で在れる方法を示している曲と言えるかもしれない。
もちろん、そう深読みせずとも、ただ純粋に聴いていて楽しい気分になれる大好きな一曲です。





カップリングの「パラシュート」は、
正直こっちのが従来のLINDBERGっぽい曲ですね(笑)。
勢いのあるサビ、天真爛漫なボーカル、抜けの良いロックンロール。
逆に言えば、
こっちをシングル曲にしなかったのは
王道を敢えて避けて新しいリンドバーグを見せたかったからなのかもなぁ。って感じます
バンドとしてより広がりや新境地を求めた結果こういう構成になってるのは興味深い。
歌詞に関しては、
「パラシュート」ってフレーズがリンドバーグのイメージにピッタリで
文字通り空を飛んでいるような爽快感溢れる楽曲です
方向性としても幸福な出会いを描いてるので、
とことんまで明るく振り切ったその世界観がとてもシンプルで素敵な一曲であります。
元気系のこの曲をカップリングに据える事でバランスを取っている、とも言える。












ジャケットは面白い仕様になってます!







この様に、
花を咥えた照明強めのアーティストっぽい正ジャケットと
ちょっとズラすと等身大の写真が出て来るっていう
聴き手の好みで2パターンに変えられるんですね
当時としては、
かなり凝ったフィジカルだったのではないでしょうか
中ジャケットのバッチリ決めてる(冒頭に引用した)白黒の写真もカッコ良くて好みでした。
タイトルだけだとラブソングに見えますが、実際はもっと広い規模の「愛」を歌っている名曲ですね。



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