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【いつかこんな気持ちも】のんのんびより りぴーと 第4話「てるてるぼうずを作った」 感想

2015-07-31 | のんのんびより りぴーと
こんなんに田舎のあぜ道で出くわしたらまず生命の危険を感じますね(笑






雨の日が楽しくなくなったのはいつからなんでしょう
少なくとも、子供の頃はもうちょっと楽しんでいた気がします
いつの間にか「濡れるから」「仕事場に向かうのが面倒くさくなる」「気分が憂鬱」だとか、
そんな感情だけで満たされるようになってしまった・・・という感覚があります
でも別にそれはいけないことなんかじゃない
我々はもう大人になってしまったんだし
ただ、思い起こせば“雨の日の変化”は子供の目にとってはとっても新鮮な出来事であった
今とは違ってもうちょっと楽しめる気候だったんだなあ。とか、この話数を観ていて思い出しました

本当は自転車(補助輪付き!)に乗りたいから晴れて欲しいのに、
いつもよりも掘り易くなっている土、柔らかい地面に夢中になってしまうあの感覚・・・
は、正直俺にはもう無いと言って過言ではないんですけれど(笑)
でも、あの頃はそんな変化が楽しかった
雨の日は生活に支障が生じる嫌な日って「だけ」ではなく
実はそんな「いつもとは違う」が新鮮でワクワクしていた日でもあったんだなあ、、、なんて
つい雨の日の変化にちょっと夢中になっているれんちょんを観ていて実直に思い出してしまいました
その境界線の内に自分はもういない
だからちょっと羨ましい感覚なんかもあるし、
逆に言えばよくそういう感覚に満ちた作品を大人が作れてるなあ。なんて
いち視聴者としてまたも感心してしまったお話でもありました みんなで虫採りに興じる光景も間違いなく原風景でした。



相変わらずこれを見た時の一穂姉のリアクション・・・というか間が面白い(笑 コスプレも簡単に出来るね!


でも、やっぱり自転車に乗りたくて雨乞いに興じるれんちょんは
どっかのカルト集団か、或いは浦沢直樹の漫画に登場する危ない組織みたいなヤバさがあって正直爆笑してしまいました
まあ発想としてはもっと目立つてるてるぼうずを、そして音を出しておてんと様に気付いてもらおう、っていう
よくよく考えれば健気と言えば健気な発想でその辺はある意味可愛かったんですけど
深い霧と本降りの雨の中でのアレは正直変質者にしか見えないっていうか(笑 また無機質で無造作に鳴らされたスコップの効果音が余計に辛気臭さを煽ってます
大人でも危険を感じざるを得ない匂いがあったのが面白かったですね
また劇伴が調子に乗ってスリリングに変わってたのも楽しかった(笑)
れんちょん自身がてるてるぼうずになっちゃうのは、傍から見れば何考えてんだ、って感じなんですけど
でもそれも子供の発想力っていうか、時に子供はとんでもない考えをしちゃうものなんですよね
実は子供なりに必死だったりもするんですけどね。

ただ、ちょっと、いや、かなりマイペースなれんちょんの様子がさり気に可愛かったり(「晴れるのーん」とか特にね!)
そんなカルト集団みたいな格好のれんちょんにビビるこまちゃん先輩が小動物可愛かったりと
笑った事は笑ったんですがキャラの可愛さも十分に表現されていてその点でも良かったですね
ちなみに家で一穂姉のアレに出会った時の間なんかもこのアニメらしくて笑いました(笑
全体的に凄く「間」を活かしたギャグが多くてすっげえ観心地がいいですよ。 
もうあまりにお茶目過ぎるれんちょんに散々おかしな気分にさせられた話数でしたけど、
その分「晴れて良かったね!」って気持ちもあったり、
結局はハートフルさにも満ちていたお話だったかな、と。
それにしても、れんちょんって寝顔は一穂姉にそっくりなんですね。ちょっと微笑ましかった。




その「晴れて良かったね!」という気持ちはBパートの内容でも深く感じました
もっと具体的に書けば、「新しい命が生まれてて良かったね!」って事なんですけど
あの雨とアンビエントな音楽、そしてその後の晴れ模様と感動的な劇伴が彼女の心模様を表現してたのだとしたら
やっぱり「晴れて良かったね!」って言葉のが似合う、相応しいんだろうな。という気はします

雨は「悲しみに寄り添ってくれるもの」でもあります
泣きたいのに流れない泪を自分の代わりに流してくれるメタファーのような役割も時に担ってくれる
心の中に湧き立つ悲しみも、空しさも、憂鬱も、すべて一律に洗い流してくれる母のような存在でもあるんだな、と
生き物はいつか自分より先に死んでいく 大事なものはすぐになくなっていく
そんな事を知ったれんちょん
そんなれんちょんの悲しみに寄り添うようにただただ流れる雨の描写と劇伴が特に素晴らしく感じた今回
雨を悲しみ、苦しみ、憂鬱、苦境等に重ね合わせる手法は結構良く使われてますが
今回のはそれに加えて雨の持つ優しさ、
代わりに泪になって落ちてくれる雄大さなんかも表現されているような気が個人的にはしました




でも、いつかそんな気持ちも晴れていく
こんな気持ちも忘れていく
別に頑張ったら頑張った分だけ報われるような容易い世界じゃないけれど
時に昔の、ちょっと前の自分の頑張りが自分を助けてくれる時だってやって来る
あの「晴れ」は別に棚ボタ的ファクターだけで生まれた安っぽい奇跡ではなく
れんちょんが頑張って執拗に世話していたから生まれた奇跡だったんだと思いました
だから、れんちょんの笑顔にも、喜びにも、
誰にも見せなかった涙にも“価値”があるんだなあ、って感じます
れんちょんが本当に可愛がって頑張って世話していたからこそのあの顛末・・・
おてんと様に晴れるようにアピールする為にれんげ自身がてるてるぼうずになったり
みんなで行って来た生き物採集で捕まえたカブトエビをれんちょんなりに一生懸命育てたり、
今回も今回でそんなれんちょんの健気な姿が様々な手法で描かれて凄く面白かったですし
演出面の美しさやそれによって生じるメッセージなんかも素晴らしく
正しく“傑作回”と表現して差し支えない話数だったんじゃないかと。
悲しみ(雨)があるから喜び(晴れ)がある、そんなメッセージをあくまで作中の展開「だけ」でさり気なく伝える距離感なんかも自分好みですね。
正直「大好き」、と大手振って書きたいアニメの一つです。













ところで蛍の大人っぽさ、みんなと並んでる時のむしろ「お母さんかな?」って感じの良い意味での違和感がすっごく好きですね(笑
こまちゃん先輩とのちょっとしたラブラブ要素もちょいちょいあってその意味でも良かった
休日にみんなで駄菓子屋で遊んだり、昆虫採集に勤しんだり、
正に「正しい子供の休日」って感じですね。そういう懐かしいテンションも楽しくて、観ていて充足感があります。



あとは美術への異様なまでのこだわりを是非まじまじと感じて欲しい。
ちょっとしたあぜ道を知ってる方なら美術・背景を眺めるのも面白いんじゃないかな、と。




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