Mr.トレイルのオーディオ回り道

「音質アップ」を目的として、
システム全体の「基礎的項目の見直し」に、
重点を置いて試行錯誤や実験をしています。

サンスイ SP-707Jについて

2018年09月23日 | ピュアオーディオ


サンスイ SP-707Jは1972年頃販売されていたスピーカー。このSPはJBL社ハークネスSPをサンスイ仕様で組格子にして作ったもの。(日本版ハークネス)

組格子は「菱目格子」と呼ばれるもので、オリジナルのJBL「オリンパス」に使われている大元の「菱目格子」に比べると「廉価版」の作り。厚みが薄いのです。見た目では良く判らないかも知れないが、オリンパスの菱目の厚みが作りも強度も数段上です。



SP-707Jのオリジナルユニットは、①ウーハー JBL:D130(8Ω)②スコーカー JBL:175DLH(LE175) の2ウェイ。箱はバックロードホーン。

D130も30年以上にわたって作られているユニットで、最初期型はフラットバック(16Ω仕様)と呼ばれる半田付けSP端子のモノから、初期型前期(16Ω仕様・コルクガスケット)、初期型後期(16Ω仕様・海綿ガスケット)、中期型(8Ω仕様)、後期型(8Ω仕様)・・・に分かれています。傾向的には古くなるほど「コストダウン」がされていないと思われる。古いモノの方が音質が良いのです。SP-707Jオリジナルでは中期型以降の8Ωユニットが純正。聴き比べた結果、初期型前期の16Ω仕様が作り、使い勝手や音質面で自分の好みに合っていたので、707J入手当時に交換して現在に至る。

このSPの最大の問題点は175DLHだと思う。ドライバーは1インチスロートでLE85と同じだが、LE175は一回り小さい。小さいから高域が出ると云う訳ではない。周波数レンジはLE85の方が下も上も伸びて広い。

175DLHは私の感覚で云えば「ツィーター」まがいのモノ。スコーカーと云うには中音部分が薄く、ツィーターと云うには周波数レンジが15000Hzくらいまでしか出ていない。いっその事LE85にした方が2ウェイに良い。L-101も同じユニットの組み合わせなので、こちらもLE85との2ウェイにした方が音質アップする。(中音が厚くなり高域も上に伸びる)175DLHでは「遠くで鳴って居る」感覚になる。

707J箱はバックロードホーン箱なので、175DLH専用のサイズの穴が内部に空いていて、LE85にしようとしても入らない。



自分の場合は、LE85にするくらいなら#375(2インチスロート)ドライバーにして、175DLHを10000Hz前後の谷を埋める役割に使っている。ツィーターは別途#2405を使っています。