ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

倒壊した遊具に思う

2007-04-17 09:34:04 | 社会・政治・一般
週末、風邪を引いたため、のんびり自宅で過ごしていたら、小学校の遊具が倒壊して、子供が怪我をしたとのニュースがあった。

どうも安全点検に手抜かりがあったようだが、TVを見ていて少し気になった。遊具自体は、地面に立てた木の柱の間にロープを三本張ってあるだけの単純なものだ。木の柱の根元に車の廃タイヤを積み重ねて、登りやすくしてある。大人気の遊具であったらしい。正直、私が子供だったら、絶対に遊びたい遊具だ。

どうも、このタイヤの部分に水が貯まり(当然だ)、それが木を腐食させて、今回の倒壊に至ったらしい。

TVで大人たちが、安全点検の手抜かりなどを非難していた。一方、その遊具で遊んだ経験のある子供たちが平然と「沢山でロープにぶら下がると、木がギシギシいってた」と楽しげに思い返していた。遊んでいた子供達のなかには、その危険性に気が付いた子がいたらしい。少し安堵した。

絶対安全な遊具なんてないと思うし、安全すぎる遊具はつまらないものだ。子を持つ親には、とんでもない暴論だと思うが、子供は遊びのなかで危ない経験を是非ともするべきだ。大人になってからでは遅いと思う。身体が柔らかく、怪我をしても治りの早い子供の時分こそ、危ない遊びをする絶好の機会なのだと確信しているからだ。

危ない思い、痛い思いは経験しなければ分らないものだ。何が危ないのか、何をしたら痛いのか、大人が教えるだけでは足りない。子供が自ら見て、やってみて、感じて判断する経験が是非とも必要だと思う。教えられただけでは、身に付かないし、何より危険回避能力が育たない。

自宅の近くには公園がいくつもあるが、見ていると最近の子供は木登りが下手だ。転ぶのも下手だと思う。無理ないと思う。私が子供の頃あったはずの、ちょっと危ない遊具が一つもない。全て数年前に撤去され、保育園の幼児が遊ぶような遊具がデンと置いてあるだけだ。

子供に危ない経験をさせないことが、良い教育だと考えているのだろうか。だとしたら大間違いだと思う。危ない目に遭った時、適切に対処できるようにするのも教育だと思う。これは大人になってからでは、まず身に付かない。危機回避能力は、たいがいが子供の頃遊びのなかで、身につくものだからだ。

子供の頃、危ない経験をしたことのない大人は、危機回避能力が著しく劣る。何が危ないか、どうしたら回避できるかの経験がないから、むやみに怖がるか、無神経になるかのどちらかだと思う。

ゆとり教育と称して、子供の学力を低下させたり、安全を重視するあまりに子供の危険回避能力を損なうような教育は止めて欲しいものだ。
コメント (6)
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