私はノリが悪い。
流行に乗せられることも嫌いだが、それにもまして雰囲気にのまれることが嫌だ。だからディスコ(クラブは行ったことなし)でも、盆踊りでも醒めて見ていることが多い。
小学生の頃までは、盆踊りも神輿担ぎもやっていたし、けっこうノッていたと思うが、いつの頃からか醒めてしまった。少々つまらない意地だとも思うし、周囲に迎合することも大事かもしれないと、少しだけ反省している。
私がノルのを厭う理由の一つは、夢中になりやすい性向を恐れているからだ。夢中になると周囲が見えなくなる悪癖は、かなり幼少の頃から自覚していた。この悪癖のせいで、私はかなり問題を起こしていた。
それを強く自覚していたがゆえに、私は夢中になることを無意識に諌める傾向が強い。自分に許した唯一の例外は読書で、これだけは死守したかった。おかげで食事中はもちろん、入浴中でさえ読書に夢中になる悪癖は治る気配すらない。
この唯一の悪癖を固持するためにか、私は他のことに夢中になるととをかなり意識して抑制している。とはいえ、偶にはのってみたいと誘惑に駆られることがないわけでもない。
最近だと、表題の映画を観た時がそれだ。原題は「Rio」、ブラジルのリオデジャネイロを舞台としたアニメ映画だ。2011年公開されアメリカではかなりヒットしたのだが、何故か日本では劇場公開はされなかったそうだ。そのあたりの事情は知らないが、DVDやブルーレイでは物足りないとの声を受けて、一部の映画館で限定的に公開された。
たまたま機会があって観たのだが、この映画で鳥たちのラテンのりのダンスと歌が実に爽快。ノルのが嫌いな私が思わず無意識に身体を揺らしていたほど。たしかに、これは如何に大型TVであろうと、やっぱり映画館の大スクリーンで観るべき映像だ。
観て後悔することは、まずないと断言できる楽しい映画なので、機会がありましたら是非どうぞ。