一目見た瞬間に、この本は絶対読むと決めていた。
なんといってもタイトルが素晴らしい。何も考えずに、このタイトルだけで購入を決めた本、それが表題の作品だ。ちなみに、私は「安易に、流されて、道を転がる」的な生き方をやりかねない怠け者だ。だからこそ、このタイトルに惹かれた。
ただ、家に帰って、裏表紙をみてすぐに気が付いた。これはシリーズものの第三作であることに。ざっと、紹介記事を読んだが、一作目も凄く面白そうだ。いや、二作目も面白そうな予感うずうず。
悩んだ末に、未読山脈に積み重ねた。それが3年前のことだ。以来、古本屋を何度も、何度も回って一作目「ストリート・キッズ」を探し求めた。その過程で、すぐに二作目を入手した。これまた面白そうである。
読みたい気持ちを抑えつつ、ようやく一作目を一年前に見つけて読んだ。まさにドン、ピシャで私の感性にはまった。こりゃ、面白い。NYの不良少年ニールは、ある私立探偵に見込まれて、その仕事を手伝いだす。ストリート探偵ニール・ケアリーの誕生である。
以来ニールは、スコットランドの原野から、西海岸のセレブタウン、香港の雑踏から、シナの奥地の仏院へと渡る。夏の入院中に近所の新古書店で本書を見つけたところ、今回はアメリカ中西部の荒野での探偵稼業となる。
多くは語るまい。読むしかない、読めば分かるこの面白さ。ただ、このシリーズは第五作で完結らしい。それだけが無念でならない。