報道のTBSは死んだと思う。
先だって北朝鮮において、朝鮮労働党70周年を祝う記念行事が行われた。その取材で首都ビョンヤンを訪れたTBSの報道部だが、その取材に呆れてしまっ
た。
ピョンヤン市内を撮影し、地下鉄内でスマートフォンを見ている一般市民を取材してみたり、新しいピカピカのタクシーが走っているのを報道して、今の北朝鮮の明るい実情をアピールしていた。
バカじゃなかろうか。そもそもピョンヤンに住むことが出来るのは、北朝鮮でも一部の特権階級と、それに仕える政府の職員だけだ。インターネットを厳しく規制している北朝鮮においては、スマートフォンで出来るのは国内電話とゲームくらいなもの。
外国の要人やマスコミが平壌を訪れると、必ずピイピカの車を市内に走らせて、経済が好調なのをアピールする。それは半世紀前から変わらぬ北朝鮮の国外メディアへの対処法である。
それなのに、TBSはそれを知りつつも、抜けぬけと北朝鮮のメディアコントロールに従った。碌に論評も加えずに、日本国内でそれを堂々と報道する醜態ぶりである。ちなみに、その映像等は、非難轟々であったのを気にしてか、現在は見れないようになっている。実に姑息である。
一年前だが、TBSは北朝鮮での取材で痛い目にあっている。あまりに素直に、無邪気に北の実情を報じようとして、北当局に拘束されて、一悶着を起こしている。だからこその、今回の提灯報道なのだろう。
あれは、北朝鮮を報じたのではなく、北朝鮮の宣伝工作に協力しただけだ。あげくに、それを批難されると、さっさと隠す(削除する)醜態である。
実際の北朝鮮は、TBSの宣伝工作とはまったく逆で、ここ数年状況は悪化するばかりだ。今回の党の70周年記念大会で、北の最大の友好国であるシナから来たのは、党序列5位の見知らぬ幹部だけ。
当然である。現在、北朝鮮と北京政府との間は冷え込んでおり、まともな経済支援さえ受けられぬ窮状である。ロシアも同様であり、南朝鮮とはまともな会談すら出来ていない。
そして我が日本とは、経済交流を大幅に制限されているため、金も物資も以前ほど北には流れていない。もともと、貧困には慣れているとはいえ、この窮状は打開の術さえ見つからない。
お得意の核搭載可能なロケット発射実験は、シナの恫喝にあい断念せざるえなかった。何故だか日本のマスコミはあまり報じていませんけど、ほぼ間違いのない事実なようです。
かつて、北朝鮮に関する情報は、日本が得意とするところでしたが、現在のマスコミ様は腰砕け状態なので、まともに報じないことが多いです。私が問題だと思うのは、彼らマスコミは知っていて、それでも報じないことでしょう。
報じるのは、お涙頂戴の、拉致被害者家族に関する報道だけ。きわめて危なっかしい隣国の実情を知ることは、日本の平和を守る上で大切だと思いますがね。どうも、マスコミ様におかれましては、そうでもないようです。