入院騒ぎでアップ出来なかった元々書いてあった原稿がこちらです。
明けましておめでとうございます。
今年は寅年であり、私の干支でもあります。ただ正直言うと、あまり意味というか意義は感じておりません。別にネコでもコアラでも私は一向に気にならない。まァ強いて希望を云わせてもらえばナマケグマなんですが。
ただ数字と記号の羅列だけでは味気ないので、干支などがあっても良い。その程度の認識なのです。まァ、後は話のネタにはなりますね。
虎という肉食動物は、かつてはアフリカから朝鮮半島まで広く分布していたのですが、人間の生息域が拡大するにつれて生息域を減らしてきた生き物です。特にその綺麗な毛皮は王侯貴族からの需要が多く、また漢方の原材料としての需要もあって狩られてきた悲劇の歴史を持ちます。
しかしながら虎が人の狩りの対象とされた最大の原因は、家畜を食べるからに他なりません。野性の肉食獣にとって野生の草食動物よりも鈍重な家畜のほうが狩り易い以上、虎が家畜を狙うのは必然。
それゆえ虎は人との共存が極めて難しい肉食獣であることが、絶滅を危惧されるほどに生息数を減らしてきた最大の原因でしょう。この問題の解決は非常に難しい。虎が最も多く生存しているインドは、人口が急増している国であり、おそらく数十年後には中国を超えて世界最大の人口を有する国家となっているはずです。
つまり虎にとっては、ますます危機的な状況となることが事前に分かっているのです。もちろんインド政府もそのことは承知しておい、虎の特別保護区を設けるなどしています。でも人口の増える割合が高いインドでは、人が虎の保護区を侵食しているのが現実です。
しかも厄介なことに、虎はネコ科の動物には珍しく水を嫌わず、泳ぐことも出来る。そのうえ単独行が普通ですから目立たずに行動できる。特別保護区の監督官が知らないうちに、抜け出して数百キロ離れた場所に出没することも珍しくない。
電波発信機などを付けて虎を管理することも試行されていますが、未だ十分な管理が出来ていないことは、インド政府及びWWWFも認めるところです。そして必然的に家畜の被害のみならず人間が襲われるケースも実際に起きている。
では、虎を自然界から駆逐したらどうなるか。
アメリカでは家畜を守るため、狼を絶滅させた実例があります。その結果、狼の主食であった鹿などが激増して木々の新芽を食べ、冬には樹の表皮まで食べて枯らしてしまい、森を荒廃させ、水を濁らせ、結果的に人間社会にまで悪影響を及ぼしたことがあります。
その後議論の末、カナダから狼を輸入してみたところシカは減り、森は活力を取り戻し、清流が流れるようになりました。その一方、家畜の被害だけでなく、人間が襲われるケースも出てしまっています。
人と自然のバランスはかくも難しい。
そのことを考えた上で、持続可能は経済成長などを考えて欲しいもの。とかく人は人間社会ファーストで考えがち。それは間違いではないと思うけど、人は自然を食い尽くす猛獣としての側面を持っています。
寅年に思いを寄せるならば、人も又虎に劣らず猛獣であることを考えて欲しいと思います。
年男ですね。kinkachoは年女です。同い年でしたね。
狼移植?の話は有名ですよね。日本でもという話も聞きますが、柴犬サイズのニホンオオカミがスタンダードだった日本にハスキーサイズのシンリンオオカミを持ち込むのは無茶かと思いました。絶対人が喰われますよ。