ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

大手マスコミの不作為

2016-09-23 12:17:00 | 社会・政治・一般

先週に発表された豊洲新市場における驚愕のニュース。

本来、盛り土がされてあるはずの場所が、地下空間となっていて、水たまりが出来ていた。この上階で都民だけでなく、関東圏の人たちが口にする魚が並び、保管され、各地に転売される。

元は東京ガスの設備があり、相当な有害物質が地中深く貯まっていることは、かなり前から分かっていたはず。だからこそ、その有害物質が揮発して、鮮魚市場に悪影響が出ないように盛り土をするのではなかったのか。

それが、いつのまにやら、施行工事契約書に手を加えられて、建物の地下に空間が作られ、あげくに、その空間には水たまりができている。雨水の可能性もあるが、地下水が貯まっている可能性のほうが高いという。

いったい、誰が何時、盛り土を止めさせたのか?

今のところ、相変わらず新聞やTVといった大マスコミ様は、知らん顔をしている。報じているのは週刊誌や夕刊紙だけだ。

この20年以上、誰が都議会を牛耳り、都政を私物化し、知事を操ってきたのか。

大マスコミ様は、それを知っているはずだ。知っていても、知らん顔を決めこんでいる。東京都の公共事業を、各ゼネコン各社に割り振る役割を誰が果たしてきたのか。それを知らないはずがない。

盛り土? 地下空間? 彼の了解と決定なしで、工事が決まる訳がない。それを知りつつ、何も報じようとしない大マスコミ様。

日本の新聞、TVが如何に信用が置けないものか、よく分かると思います。

まァ、検察などが動き出せば、如何にも賢しげに報道するでしょうけどね。日本の民主主義が未熟な要因の一つは、間違いなくマスコミの機能不全だと、私は確信しています。

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強い軍隊、弱い軍隊 江畑謙介

2016-09-21 12:08:00 | 

成功した経験から脱却するのは難しい。

昨日の記事は、いささか説明不足であったと思うので、少し北朝鮮を軍事面から考えてみたい。北朝鮮の軍隊は、基本的に朝鮮戦争当時の体制を維持している。外部から見れば、朝鮮戦争は北朝鮮の南進の失敗であったと思う。

しかし、北朝鮮の見方は違う。旧ソ連の衛星国家であったはずの北朝鮮は、この朝鮮戦争を機にソ連の支配から逃れ、共産シナにすり寄る形で、政治的な独立を果たした。南朝鮮の直接支配には失敗したが、ソ連と中国のパワーバランスを利用して、事実上独立を果たした。

朝鮮戦争にGOサインを出したソ連首脳部は呆れたが、共産シナと合い構える余裕はなく、むしろ内心はせいせいしていたことが、後に公表されたソ連首脳らの回顧録等から読み取れる。

つまり、朝鮮戦争において勝者であると自ら規定したため、この成功体験から抜けられなくなった。それゆえに通常戦力の近代化(電子化)が出来ず、このことが軍隊の劣化を招いた。だから、湾岸戦争におけるイラクの敗北は、相当な衝撃であった。

なぜなら、イラク軍の兵器は北朝鮮のそれよりも、より近代化されていたからだ。湾岸戦争における多国籍軍の勝利は、電子戦の勝利であった。情報を相互にリンクし、相手の情報を分断し、効率的にシリアの兵器を破壊した。

金正日は、その事実に戦慄し、軍隊の改革を目論んだが、朝鮮戦争の勝利の記憶に固執する軍首脳らを敵に回す訳にはいかなかった。軍隊の近代化、電子戦対応は、やりたくても出来なかった。

だからこそ、核兵器の自主開発に固執した。三代目の正恩の考えも、これを踏襲している。通常兵力の近代化が出来ない以上、思考の硬直化した軍首脳を敵に回さずに、世界に通用する軍事力となれば、それは核兵器しかありえない。

弾道ミサイルにせよ、潜水艦から発射するミサイルにせよ、基礎技術は半世紀前に出来上がったものであり、北朝鮮の技術でも模倣できる。ただ、北朝鮮に出来ないのは、検証実験であろう。

高高度へ到達したミサイルが再び大気圏内に突入した後、目標に到達できるかは、かなりの広範囲にわたる監視が必要となる。この検証は、国土の広いアメリカやロシアでさえ、他の国に監視拠点を設置しないと正確な計測が出来ない。北朝鮮には無理な話だ。

もっとも、北に必要なのは、アメリカが認めてくれるほどの軍事力を持つことであり、真の狙いは貪欲な隣国共産シナに対する警告なので、そのミサイルの実効性は二の次なのだから、この程度でも構わないのだろう。その意味で、現行の北朝鮮執行部の姿勢は正しいと思う。

しかし、日本人ならば、もっとも心配しなくてはならないのは、実は日本自身である。戦後、アメリカ製の憲法を盾に、軍事小国の道を選び、国力をすべて経済建設に投入して経済大国となった日本の成功経験こそが、今の日本にとって、とてつもなく重い枷となっている。

諸外国からみれば、日本は世界屈指の経済大国であるばかりでなく、軍事大国でもある。違和感を感じるのは日本人だけで、世界から見れば日本は優秀な兵器を多数所有する軍事大国に他ならない。

最新でこそないが、今でも第一級の性能を持つF15戦闘機を200機以上保有し、これまた高性能な空飛ぶレーダー機(E3)を20機以上保有する。補助戦闘機もあり、ないのは空中給油機だけ。

また排水量2万トン以上のヘリ空母、イージス戦闘艦を保有するだけでなく、通常動力潜水艦では世界屈指の高性能を誇る、そうりゅう型潜水艦は各国の垂涎の的である。しかも、その稼働率は9割を超える。常に最新のメンテナンスを施しているからこそなのだが、それが出来ない国が圧倒的に多いことはあまり知られていない。

日本人がなんと言おうと、日本が軍事大国である現実に変りはない。それなのに、その軍隊を平和のために使うことをしない奇妙な国。金儲けには熱心だが、紛争地帯で弱い人たちを守ろうとしない卑劣な国、それが日本。世界は、そのように日本をみている。それが現実。

その一方で、この卑怯な国は、戦闘に参加しないことで莫大な富を蓄えてきた。世界中で戦争をしてきたアメリカ軍を物資だけでなく金銭面からも支援してきたくせに、平和国家面している厚かましい国、それが日本。

非武装中立などという夢想に取りつかれた一部の日本人はともかくも、大多数の日本人は、戦闘に参加せずに戦争に加担する事。に馴れてしまい、今さら血を流して正義を守る気概はない。それが日本。

いつまでも、この異常で、異質な、卑劣な自己弁護が通ると思っているのか。永遠に日本の軍隊は、戦争をしないと思い込める厚かましさこそが、実は日本を弱体化させている。

成功経験は、時として有害なことがある。戦後の経済成長と、平和憲法と、軍事小国化路線への固執が、21世紀の日本を危機に追いやるのではないか。私は表題の書を読み、その可能性の高さに怯えています。

成功と言う名の山は高ければ高いほど、その足元に広がる失敗という名の谷底は深いもの。その浮ウを認識している有権者が、果たしてどれだけいるのか。私は心配で仕方ありません。

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トラブル

2016-09-20 14:24:00 | 日記

現在、記事の投稿は出来るのですが、コメントが書き込めなくなっています。調査中ですので、しばしご猶予のほどを。

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核兵器しか頼れない

2016-09-20 12:06:00 | 社会・政治・一般

先週のことだが、アントニオ猪木が、北朝鮮から帰国した。

向うではVIP待遇であったようで、その帰国後の会見には思わず失笑してしまった。

猪木自身は、大物気取りで如何にも内密の交渉をしてきたかのような演技ぶりであったが、その発言からお里が知れてしまう。曰く「北朝鮮の核実験は、あくまでアメリカを対象としたもの。日本にむけてのものではない」。

国際音痴というか、軍事音痴、外交音痴も甚だしい。

北朝鮮のおかれている立場を、よくよく考えて欲しい。周囲は敵対的な国ばかり。本来なら後見してくれるはずのロシアとは距離を置いてしまった。同族である韓国とは、その格差ゆえに仲良くはできない。金づるであった日本は、拉致問題以来金を引き出せずにいる。

そして一番怖いのは、鉱物資源などに虎視眈々と目を注ぐ共産シナである。シナの教科書には、朝鮮半島はシナの固有の領土にされている。今も国境近くに、強大な軍隊を配備している。

にもかかわらず、シナから輸入される物資なくして、北朝鮮の国家経済は回らない。もっとも近い関係であるがゆえに、もっとも警戒しなくてはいけない国、それがシナである。

だからこそ、アメリカに北朝鮮を認めて欲しい。叶うならば北朝鮮の安全を保証して欲しい。

しかし、アメリカは同じ独裁国家であるサウジアラビアとは友好的関係でありながら、北朝鮮を敵視することを止めない。石油という戦略資源を持たぬ北朝鮮が、アメリカに認めてもらうには、強い軍事力が必要だ。強い国家でなければ、アメリカは認めてくれない。

決して口外出来ないが、核兵器を持つのは北朝鮮への野心を秘めている共産シナに対抗するためだ。それが孤独な独裁国家、北朝鮮の本音であり、実態である。

日本のマスコミ様が決して認めない、書かない真実。それは軍事力なき政治交渉など意味がないこと。そのことを分かっているからこそ、北朝鮮は核兵器の開発を止められない。

資源もなく、技術もなく、友好国もない、ないないづくしの小国が生き残るには、軍事力しかない。それが、常識なのです。

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銀河英雄伝説 原作・田中芳樹 作画・藤崎竜

2016-09-16 13:05:00 | 

ネタが尽きたら、過去の売れ筋を持ち出す。

ここ数年、田中芳樹の小説の再販、漫画化が相次いで行われている。表題の作品もその一例である。田中芳樹の出世作であり、最大のヒット作だと思うが、過去に道原かつみが漫画化しているのを知っていたので、私の印象は悪かった。

田中芳樹が売れ出したのは、1980年代のことである。この「銀河英雄伝説」を始めとして、「タイタニック」「アルスラーン戦記」「群竜伝」「地球儀の秘密」など多くのシリーズものを出している。そのいずれも大ヒットをかましているのだが、青少年向けのSF、ファンタジー作家の印象が強く、文壇での評価は芳しいものではなかったように思う。

だが、古代シナの名作を現代語訳で出した「隋唐史演義」「海嘯」「岳飛伝」などが評価され、文壇での評価も高まった。しかしながら、昔からの愛読者には評判が良くない。

当然であろう。「銀英伝」こそ完結しているが、アルスラーン、タイタニック、群竜伝は未完結であり、時折思い出したように続編が刊行されている。あまりの遅筆ぶりに私なんぞ、買う気がなくなってしまった。読者をバカにするなと言いたい。

まったく作品を書いていないならともかく、連載中の作品を放り出して、他の作品を、しかもお手軽、気軽に書いている観の強い作品(例えば薬師寺涼子シリーズ)を新たに出す節操のなさが嫌なのだ。

ところが不況風に吹かれている出版業界では、この遅筆の作家を放り出すことは出来ない。なにせ新作を出せば、必ず売れるからだ。それでも、その肝心の新作は滅多に出ない。

そこで思いついたのが、過去のヒット作を表紙を新たにして再出版することだ。幸か不幸か、出版業界の稼ぎ頭であるライトノベルは、最近勢いが衰えている。ラノベの大家である田中芳樹を読んだことがない若い読者も増えている。

だからこその再販戦略であろう。そんな訳で表題の作品が、週刊ヤング・ジャンプ誌に出た時の私の印象は最悪であった。

今更、なんだよ、それも藤崎かよ、と。

でも、あの藤崎なんだよね。「封神演義」なる古代シナのファンタジーを見事に漫画に仕立てた、あの藤崎竜である。小野不由美の「屍鬼」の漫画化にも成功させた、あの藤崎である。

最初の印象は最悪ながら、私はちょくちょくチェックしていた。そして認めざるを得ない。こりゃ、道原版を越えた傑作になり得ると。漫画でも、アニメでもあまり印象に残らなかった脇役を見事に描き出し、それでいて主役たちをも光らせている。

本当は、双璧の2人が出るまで評価は差し控えるつもりであったが、今週号の出来が良かった。原作にもなかった場面を描き、ラインハルトを見事に光らせた。これは、今後とも期待できそうだ。

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