いつの年だったか、小屋に到着したと思ったら、烈女の名も高いA隊長が「休憩はしないわよ、すぐテイ沢までラッセルに行くんだから」と言い放ち、一同声を失ったことがあった。その前年、大雪のせいで、小屋への帰りが遅れた苦い経験があったからと知ってはいたものの、驚いた。その後も毎年来てくれてるが、近年はもう、ああいうドカ雪を心配する必要はなくなったようだ。
部屋に落ち着くと、遅い昼食をとる人、早くもアルコールに手を出す人などと様々。山に登りその達成感に浸ったり、自然に親しむことが表の目的であるなら、酒を呑み、語り、歌うのは、もう一つの裏にある楽しみだと言ってもよいだろう。特に、思い出が、話題の中に多くを占めるような世代には。
その後、依頼されてた牧場の案内に応じた。きょうの写真はその時に写したもの。高度を上げるに従い視界が広がる周囲の眺めに、初めて目にする人も、そうでない人も同じように歓声を上げた。もちろんSHIMEさん83歳も、何人かのそういう人の群れの中にいた。
準備しておいた鹿肉は解凍半ばだったが、とりあえず背ロースとモモ肉の下準備を幾人かに分かれ、慣れぬ手付きで心配だったがやってもらった。写真左手、包丁を持って何事か話している人が、「歌手」のSHIMEさん。同氏については昨年の11月27日にも、もう少し詳しく書いている。
管理棟に戻っていると食材の問い合わせや伝令が来て、夕餉の支度はそれなりに着々と進んでいくようだった。人気の鹿ステーキは、マリネの時間がもう少し欲しいと翌日に回すように伝え、背ロースは薄切りにして焼き、バターとポン酢で味付けして、無事その夜の主菜になれたようだった。(つづく)
3月。明るい光、そして残雪、早春の入笠・・・、 忘れられない思い出に。
TDS君も今度は法華道を歩こう。Umeさん、ようやく聞けるようになりました。
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