入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「早春」 (22)

2017年03月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 もう寒々しい写真は止めようと決めたのに、ついまた懲りずにこんな写真を上げてしまった。すぐそこまで、花咲き、胸膨らむ春が来ているというのに、もうしない。これをもって、雪の写真は最後にし、去っていく冬には深い感慨をこめて別れを言うことにする。

 酔って書いてる。それでも書いておく。某有名作家の語る死といういうことについてだ。老境にある彼が、にもかかわらず「本当は一向に(死の)実感がないのだから困ったものである」と書く。「能天気なものだ」とも。
 嗤わせるな、と言いたい。いつも忍び寄る死の影に誰よりも怯えているくせに、そしてそれが書くものからはしなくも滲み、浮き出たりしているのに、まだこんな子供のような見えすいた強がりを言う。呆れる。その老残が、哀れ、惨めに見える。
 この人の書くものといえば大方が、日常の他愛もない瑣事を浅く、軽く、薄く、書くだけだが、そこには何もない。できるだけ少ない言葉で頁を埋める術はいやらしいほど巧みだが、冷えた吸い物のようで味わいも感動もない。
 今またとぼけたふりをして、恰好をつけたつもりかどうか知らないが、これほど見苦しく見える老人も珍しい。ずっと昔からそうだった。黙っていればよいのに、あえて死をおちゃらかすような雑文を書く。不誠実である。
 この人もそうだが、日常にさしたる悩みのない暇人の中には、ヒタヒタと迫りくる死と対峙し、あがく。老人性鬱病などという精神疾患に陥る人のことだ。しかしその心の弱さは、この人より正直ではある。
 舞台を降りた老優はそれらしく消えていくのに、この痩せた老作家はどうでもいいことを、誰もいない舞台でまだ呟いている。

 ウムー、このまま投稿すべきか・・・。
 TOKU君、来なはれや。4月20日から、牧場生命!でやっているから。TELします。

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    ’17年「早春」 (21)

2017年03月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

      さそり座アンタレス周辺                        Photo by カント氏(再録)

 ついに冬ごもりの期間も残り1か月を切った。こうして里にいて、入笠に関連したことを書き続けるということはなかなか大変なことで、また読む側にしてもいつも雪が降った、風が吹いた、寒いなどなどの内容では次第に飽きてくると思う。お義理で付き合わされている読者もいるだろうし、そういう人たちには有難くも、申し訳なく思っている。

 で、また同じようなことを言って始めるのだが、一昨日も入笠は雪だったらしい。里は雨だったがかなり低い所まで雪で、先日美味い大根と、蕎麦を携えて芝平の山からやってきた例の山奥氏に問い合わせてみると、氏の隠れ家の付近でも10センチばかりの積雪があったと言う。ただ、もう大体は融けてしまったというが、問題は日陰である。期せずして二人で同じことを言ったのだが、1千500メートルを超えると、日陰は気温が上がらずおいそれとは融けてくれない。そんな状況に無理して車を乗り入れると、カメになってしまう。カメとは、車の車体が雪の上に乗ってしまい、車輪が空転したり、雪面をしっかりととらえることができず、動けなくなってしまうことを言う。毎冬、一度か二度はこれを経験する。脱出するには車体の下の圧雪を掘るのだが、半日近くをかけたこともある。
 早くも、伊那のフィルム・コミッションを経由して撮影の下見の話が来た。あくまでも下見であるが、先方はすでに牧場での撮影実績があるため、様子や雰囲気を承知した上での申し出だと思いたい。つまり、見込みあり、だと。
 こういう映画や、宣伝広告のための撮影の話はよく来る。ただし、天候や先方の諸々の条件とも合わないといけないので、実現する可能性はそれほど高くない。特に、監督など決定権のある人が来た時に、雨でも降ったらまず絶望、と言える。それでも、これも牧場事業の一環に据えて、こういうときは奮闘を惜しまないことにしている。
 週末、どんな状況か行ってみようと思う。きょうの月齢は25.5、そろそろ星空のことについても気を揉んでいる人たちがいるだろう。

 カントさん、久しぶりでした。ET子さん、コメントありがとう。また、暇をみてお願いします。

 
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