Photo by Ume氏(再録)
まだまだ先のように思っているけれども、すぐに写真のような季節が来る。昨日のような寒の戻りで気を揉ませてくれても、自然は過(あやま)たず、裏切ることはない。
そういえば昨夕、アオバズクのボウボウと鳴く声を今年になって初めて耳にした。春になると決まってやって来て主に朝、かなり長い間を不気味な声で鳴く鳥だが、慣れるとその声にも愛嬌・面白さを感じ、好きなだけ鳴かせておけという気になる。今年はどうしたのかいつもの「大崎様」の祠がある大きな杉の梢からではなく、どこか別の方角の、違う木から聞こえてきた。しかし気に入らなかったのか、すぐに声がしなくなった。
これから安曇野の常念岳の麓近くまで出かけ、今夜は向こうに泊まる。新緑にはまだ早いが、中房温泉から引いている湯につかり、しみじみしようと思う。また、もしも冬の名残りが体内のどこかに潜んでいるようなら、ついでにそれも流してしまおう。
牧場に通うようになればもちろん、入笠一途、今だけの自由に過ぎない。
それにしてもこの新緑を写した写真、山の澄んだ明るい声が聞こえてくるようだ。