Photo by Ume氏(再録)
背景には、雪を付けた西山(中央アルプス)の峰々が見えてるこの山桜、一目でどこにあるか分かる。牧場内には20本、30本では終わらない数の山桜があるがあるが、見応えのある大木や、古木は大概その場所を把握していると思う。
昨年の開山祭の後、当山小屋で、市長を始め市会議員や行政、そして組合長や農協など、関係者が多数集まり懇親会が開かれた。下から酒や焼肉のセットが運び込まれ、それなりに盛大だった。その席で、何か言えと機会を与えられたので、便所の改善と拡張、それと取水の方法をぜひ検討してほしいと訴えておいた。
管理棟の台所にはガラス窓がないままだし、小屋にも手を加えてもらいたい箇所があったが、それは農協の守備範囲、言わなかった。基本的かつ最低のことをしておいてもらえば、時代遅れの山小屋とキャンプ場は、それでちゃんと維持していけると思ったからだ。
そのせいで、などとは全く思わない。しかし、いくらか行政の側でも入笠牧場についての関心や、動きがあるらしい。あるらしいが、そういった話はこちらには聞こえてこない。かろうじて風から聞いた囁きのようなものである。
野生化の進んだ管理人など相手にしたくないだろう、それも分かる。だが、なぜ便所や、取水について訴えたか、その理由が充分に伝わっているか否か、不安が残る。考えもしなかった場所で勝手に工事でも始められたら、それこそクマのように吠え、噛みつくかもしれない。
冗談はともかく、牧場は広い。守ることも、維持することも簡単なことではない。これに、観光が絡む。入笠は伊那にとっても、相当な観光資源ではあるが、だからこそよくと現場を見て、知ってから、何事であれ始めてもらいたい。
きょうの美しい桜の写真、関係する各位には、その場所くらいは言えるようになってほしいという意図も込めて紹介させていただいた。ついでにもう一つ、大変に畏れ多いお願いだが、今年は小屋の使用料、いくらかでも頂戴するわけにはいかないでせうか。クク。