管理小屋の部屋には年中電気炬燵が置いてある。今朝9時の気温は12度と、その炬燵にそろそろ電気が欲しくなってきた。それにしてもきょうは何とももの寂しい雨の日で、昨日里へ帰る時には囲いの中に5乃至6頭くらいの牛の姿を目にしたが今は1頭の姿もなく、そのせいでもある。
こんな天気の日に何をしているかと言えば、外に出て仕事をしていた。まだ確定ではないが、10月7日が下牧日と決まったなら、その日まで12日ある。約半月という言い方もできる。そうなるとやはり、牛たちの食べる草のことが気になってきて、昨日できなかったB放牧への移動を、雨と風の悪天下ではどうなるかと不安を抱えつつもやってみることにした。
囲いからB放牧までの距離は約1千200㍍あり、途中に500㍍くらいの林の中を誘導することになる。昨日のうちに林の中の倒木など牛道の整備は済ませておいたから、きょうは塩袋を持って声を上げながらその距離を牛を気遣いつつ連れていけばよい。
と、簡単に言ってしまったが、牛道と言っても獣道に毛の生えた程度、狙い通りにいく可能性は半々ぐらいだろうと思っていた。ただし、たとえ数頭であっても、一度B放牧を教えてしまえば、群れの編成はよく変わるから、後はその牛たちに任せてしまうという手もある。
うまい具合に、6頭の和牛と1頭のホルスが走りながら塩場に来て、そこにお目当ての塩がないと分かると囲いの中に移動して来た。その牛たちを連れていければ、途中から他の牛たちも合流してくるだろうという目論見である。それが当った。
懸念していた林の中も、2度ばかり和牛の先行を許したが、先の分からぬ牛は結局後に回って付いてきた。移動した牛の頭数は全頭ではなかったが、30頭に近かったと思う。
ダケカンバの森を抜けていく帰りの道、濡れそぼつ林道には落ち葉が目に付いた。その風景から得た心象は、きょうのような天気に登攀を強行し、濡鼠ながらも満足感を抱きながら土合駅までの道を歩いた遠い昔の記憶と重なった。季節も今のころだったと思う。
昨日も里に下りたのは、近所の老婆に言われたことが頭にあって、昨日の夕方30分ばかりと、今朝は5時半から、「一本木様」の草刈りをやってきた。とても15分では済まなかったが。
IWIさん、予約承知しました。本日はこの辺で。