入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

'’16年「夏」 (15)

2016年05月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


   その鳥をこのごろ、山室川に沿って上ってくるときによく目にする。名前を知ろうと図鑑で調べてみたが、よく分からない。おそらくさほど珍しい鳥ではないと思う。もしかすれば、スズメにも劣らないようなよく知られた鳥かも分からない。だからここには詳しいことは書かないでおく。
 鳥ばかりでなく、植物についてもよく知らない。折角こんな恵まれた自然の中にいるのだから、もう少しこういう方面の知識を何とかしたいと思ったこともあるが、今ではすっかり諦めている。
 今日も牧柵を修理していたら、すぐ支柱の傍に小さな白い花と、水色の花を見付けた。以前にも目にしたことがあるが、もちろん名前などは知らない。Hさんから頂戴した本で調べてみればよいのだろうが、似たような花からひとつを選び出すだけの根気がない。名前が分かればそれだけ愛着が増すことは分かっているというのに、面倒くささに負けている。
 
 そういえば、Hさんご夫妻はお元気だろうか。またクリンソウのH子さんはどうしているのか。熊本のTさんは、とても花どころではないだろう。その他ヤマナシやクリンソウの咲く時期を聞かれた人たちには、このブログで情報をお伝えすると言っておいたが、そろそろそんなころになりました。出発の準備をしてください。すでにお知らせしたように、5月28日が入笠山の開山祭が行われます。そのころにはコナシも咲き出すことでしょう。
 
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       ’16年「夏」 (14)

2016年05月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



 今日はまずここに見えているコナシと、背後にかろうじて分かるヤマナシの花をご覧いただきたい。てっきり日当たりのよいところから咲くものだと思っていたら、そうではなかった。多くの場合風は、南側になる左手の谷の方から吹き上げてくるから、花は風を避けるように北側から咲き出したようだ。暖かさよりも、風の方が開花には影響したということらしい。毎年のように見てきたつもりだったが、初めてこんなことに気が付いた。
 薄っすらと見えている山並みは中央アルプス。実際にはもっとくっきりと見える。一昨日の雨で大分雪が融けたようだ。この位の目の高さから眺めるのが、空の大きさとも関係して一番気に入っている。両手いっぱいに広げると、その間に中央アルプスと北アルプスの大部分が入ってしまう。

 昨夜は鹿の大きな群れを二度見た。6時過ぎに立入禁止の立て札を立てようとして、「上の大曲」手前の森で20頭位を目撃した。そこはつい1時間ほど前まで、牧柵の修理をしていた場所だった。そして帰り、第2検査場の近くの草地で矢張り同じ位の頭数がヘッドライトの中に見えた。ここには罠を6個掛けてあったので今朝見回りに行ったが、鹿の姿はなかった。それで一向に構わない。ただあまり掛からないと、罠師としては挑発されてるような気になるかも分からない。そこが自分でもややこしいところ。

  百幹の 千の色な 牧開  - 正

 さすがでござる。クク。
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       ’16年「夏」 (13)

2016年05月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


昨夜の雨、そして今日の晴天、ダケカンバもようやく芽を吹き出し、その陰に隠れていたミズナラも遅れまいとして後を追うといった様子だ。これでもう新緑の役者はすべて出揃った。第2牧区の丘の上でヤマナシが白い花を思いっきり咲かせている。コナシはあと幾日すればこの辺りを満開の花で覆うのだろうか。昨日の帰りがけ、芝平の谷で今年初めてクリンソウの咲いているのを目にした。

 こんな良い天気だというのに、終日管理棟の整理や片付けに一日を使った。全てが終わったわけではないが、清々した、安堵した。明日からはまた牧柵の修理再開となる。いろいろとお手数をかけました、ありがとう。
 巣鴨さん、了解しました。一応確認しておきたいこともあるので、出発の前に連絡をください。田中隊長、予約しかと承りました。好天を期待したいですね。

まだ帰れないでいる。もうすぐ7時半。ゴミの焼却に手間取って、こんな時間になってしまった。まあ、今夜は月も中天に昇ってきたし、のんびりゆっくり山道を帰ろう。

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       ’16年「夏」 (12)

2016年05月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 上に来ればは雨脚も弱まるだろうと期待したが、どうも今日はそういうことにはならないようだ。管理棟から眺める新緑が、霧と雨の洗礼を受けて霞んで見える。また、枯草の中に目立ち始めた牧草の緑が目に沁みる。

 酪農のことにについて書くにあたりまず思うのは、さて、牛乳は高いのだろうかということだ。無理に集約化を進め、流通経路を簡素化して、これ以上安くするほど高いのだろうか。同様に、日本の農産物についてもそうだ。農産物価格低減策を必死で進めてみたところで、総じて単価の低い農産物がどれほど家計に影響するのかを、とくと考えてみた方がいい。
 上伊那地方の酪農の場合を見てみると、搾乳された生乳はJA上伊那-全農-東海酪連という経路を経るが、実際には業者によって集められた牛乳はミルクスタンドで検査を終えれば、直接メーカーに渡る。運搬の都合で一定量の確保のため保管される場合もあるが、それほど流通経路が複雑というわけではない。ただし、口銭はかかる。だが、それがどれほど市場の価格を押し上げているというのか。 
 近頃は他の農業生産者の中には農協から離れ、独自に販路を開拓しようとする人たちもいる。当然こうした方がより大きな利益が期待できるからだろう。しかし、失敗例も多々あるし、全ての農産物についてもそれが可能かといえばそうではない。
 その典型が家族中心で行われている酪農であろう。彼らは代々専業農家であって、兼業農家ではない。家族中心でやっている平均的な酪農家にとって、現在の仕組みから飛び出ることはできまい。にもかかわらずこうした人たちのことを無視し、犠牲にしてまでメガフアームに集約化して、さてどれほどの利益が消費者にもたらされるというのだろう。また、それで日本の酪農は安泰なのだろうか。
 中国では、日本の技術者の指導で生産される牛乳は、1リットル500円もするという。それで充分需要があると聞く。新聞なども、農産物などの些細な価格変動について、あまり神経質に騒ぎ立てるのはどうかと思う。消費者も、そんなことにムキになり、踊らされ、わずかの違いで一喜一憂するのはさして意味のないことだと知るべきだ。
 今や農業は食だけのためにあるわけではない。自然を守り、文化を育て、長い歴史を背負って来ている。そういうことをもっと真剣に考えるべきで、何でもかんでも効率とか経済性とか収益性とか、他の産業と同じ物差しで農業も測ればよいというわけではないだろう。
 ウムー、雑駁な呟きになってしまった。

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       ’16年「夏」 (11)

2016年05月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 「万緑(ばんりょく)に溺れる」などという言葉は、誰かが言ったのか、それとも自分で思い付いたものか分からないが、今朝もまたそんな思いをして山室川の谷を上ってきた。ついこの間までさんざんに焦(じ)らされた木々の芽吹きだったが、それもいつの間にか一気に進み、今はもうどこを眺めても生い茂る緑が谷を埋めている。
 そんな中で、あの木だけはまだ芽吹くまでにいってない。鈍いのか、それとも意固地なのか、ダケカンバのことである。いまだ堂々と裸身を晒して平気でいるようだ。


     牛道に倒れた山桜の大木、根元に遅咲きの花



 「ヨーグルトって、それほどすごかったのですね」。昨日、早目に切り上げて帰りかけたときのことだ。ラジオから女性のそんな声が聞こえてきた。どれほど「すごい」のか聞こうとしたが、残念なことに番組は終盤にかかっていた。「そうです、とにかく飲み続けることが大事なのです」、と言った人は大学の先生のようで、癌の予防にも効果があるという話の結末だったらしい。
 牛乳の力はもっと見直されてよいし、もっと強調されるべきだと常々思っている。どんな内容だったか分からないが、良いPR(啓蒙)になってくれればなによりだが。
 日本の酪農は大体が家族経営が主体となっている。しかし、それを他の農業と同じように、集約化を進めようとする動きがある。と言うのも、これまでは中小規模の酪農家に行われていた補助金を、1000頭も2000頭もの乳牛を飼育するいわゆる「メガファーム」にまで拡大しようとしているからだ。
 このような大手は独自の販路を持ち、さらに販路拡大を目指している。生産量の決定から乳業メーカーとの価格交渉も独自に行うことができ、流通経路も簡素化されているため、価格競争にも強い。そういう酪農企業にも補助金を支給したら、家族が中心の小規模の酪農家では太刀打ちできなくなるだろう。
 結果、酪農家の淘汰、つまり集約化が進み、価格も安くなる。消費者にとっては悪い話ではないが、そう言って、ここで終わりにするわけにはいかない。今日はこの辺で。

 かんとさん、ありがとうございました。こちらから連絡いたします。
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