入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「夏」 (67)

2016年07月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



 今日もまた入笠は、深い霧の朝から一日が始まった。6時半の気温14度C、少し寒いくらいだ。当てにならない天気予報を見れば今日はまだ雨が残るようだが、しかし明日辺りからゆっくりと梅雨も上がるのではないか、そういう気がする。この雨は、太平洋上で勢いを増す高気圧に押し切られてどこぞかへ行ってしまう梅雨前線の、最後の悪あがきぐらいにしか思えないのだが、さて。
 霧があまり深いと鳥たちも朝の歌を歌わないのかと思い耳を澄ますと、遠くからいつもの歌声が始まった。雨が本格的に降り出す前に牧区を巡回しておこうと外に出れば、白いマーガレットと赤紫のアザミの花が薄い霧にまかれ、浮かぶように咲いているのが印象的だった。
 こんな霧の深い朝だというのに、弁天下の三叉路のあたりから犬を呼ぶ女の人の声が、二度三度と聞こえてきた。

 今年は九州方面で地震と大雨の大きな被害があり、不幸な報道が立て続いたが、この辺りは昨年に比べれば雨量は少なかった。雨が降っても仕事に出るのが生き物相手の立場だが、昼近くから降り出した今日のような大降りの雨は今夏の入笠には珍しく、ならばと、たまには小屋の中でしっかり堂々と身体を休ませることにした。
 今日は昼近くに撮影の下見があり、雨の中これには対応したが、もう他には格別することもない。時には何もせずに管理棟で、滅多に見ない植物図鑑でも開いてみようかと考えている。

 O沢さんは、昨日の二枚目の写真で、入笠牧場のポスターを作ったらどうかという提案があった。しかしここは牧場で、温泉と間違えられはしまいか心配であります。
   あなゆかし 入笠の闇 いや深し
 と、添えられていた。
 財政学の専門家、あな怖ろし。
 福島区長さま、コメントありがとうございました。しかし評判の昨日の写真、あれは牛守ごときの撮れる写真ではないと、ちゃんと断ってます。ま、とにかく30日は楽しみにお待ちします。


 名古屋のNさんご夫妻には今回も大変お世話になりました。この場を借りて心から深くお礼申し上げます。
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    ’16年「夏」 (66)

2016年07月25日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



                                   無断複製、転載を禁じます

 天女降臨。夢か現(うつつ)か幻か。
 露天風呂ができたら、俄然女性の写真が登場するようになった。しかし、だからといって今日の2枚も、管理人の役得だなどと言いながら、鼻の下を長くして撮ったものだと思ったらとんでもない。この写真2枚は、モデルの女性の妹さんが写した。管理人にも撮れとわざわざ呼びにきてくれたが、牛の写真もまともに撮れない者が、こういう芸術的な写真など到底無理でござる。それにしても上手い!妖艶、匂うがごと。

 これまで、農協や行政にもう少し入笠牧場に目を向けてもらいたいと思い、とりあえずそのためにはまず少しでも売上を上げようと努力してきた。しかしもう、そんなことを考えなくともよくなったような気がする。望遠鏡が常設できるようになり、露天風呂も友人の会社が作ってくれた。この静かな、時代遅れの山小屋とキャンプ場をこのまま守っていけば、それで充分ではないだろうか。
 今日もいい鳥の声がしている。天気は相変わらずの優柔不断な梅雨空だが、雲高はそこそこで権兵衛山も見えている。近くの森を歩いていたら、思いがけずハナビラタケを見付けた。この辺りでは人気の高いキノコで、北原のお師匠も熱愛し狂奔・夢中になる。
 宿泊者やキャンパーが去って、またいつもの牛が相手の牧場に戻った。



 思いがけないことに、福島区の区長始め幾人からもコメントを頂いた。FC/Nさん、O山さん、O沢さん、かんとさん、そしてネパールからMさんも。またメールでは、女性で初入浴を果たし、その様子をブログで紹介することを許可してくれたKさん家族からも。
 「いい風呂ができたね」とか、簡単でもいいからコメントは有難く、楽しみだ。

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    ’16年「夏」 (65)

2016年07月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  昨日は、伊那市の白鳥市長が伊那市の広報番組で入笠山や、牧場を紹介するために来訪。牧場案内を仰せつかり、第3牧区と第1牧区を案内したが、大方のことはさすが市長はよく承知されていて、広報担当のU女史と当意即妙なる問答が交わされた。
 伊那市の市民にとってもここは距離的にも1時間少々で来ることができ、四季折々の草花や景観、そして星空を愉しむことができるということを伝えてくれた。その詳細は伊那有線とケーブルテレビで後日放送されるそうだ。
 現在山小屋とキャンプ場に来てくれている人々は、愛知、東京、千葉と県外の人たちだ。しかも皆、いわゆるリピーターであり、それは有難いことである。中には早速、露天風呂を堪能してくれた人々もいたし、管理人もおたおたするような場面もあった。
 しかし、ここは伊那市の市民の貴重極まる観光資源であり財産でもある。今回の白鳥市長出演の伊那市の広報活動が呼び水になって、少しづつわが愛すべき郷土の人々の間にも浸透してくれ、再認識されれば、老境を意識し始めた牧場管理人は安心する、もう言うことはない。
 そういう意味で昨日、伊那市の福島区の区長、区長代理、会計のお歴々が、区議会議員の暑気払いの会を入笠でやりたいと、その下見に来てくれたことは望外の喜びだった。例によりまた、お三方のあまりの真面目・四角四面さを”遊び下手”などとからかったが、地元の人々がこういう催しを起案してくれたことはまっこと尊い、有難い。
 
 沢山の人がこのブログを読んでくれている。ここに来て美しい景観や、鳥の声、清浄な星々を眺め、癒されたいと思いながらも想像だけで済ませている人たちが、きっといるに違いない。それはそれでいい。このブログが、そういう人々の想像力にささかなりとも役立ってくれるなら、それはそれで充分に満足できるし、意義があると思いたい。
 空想のままに留めておきたい場所がある。どれほど憧れたか知れない異国の土地がある、峰がある。夕暮れの牧場、鳥の声で目覚める夜明け、みんな空想のまま留めておこうとする人々にも、拙いブログを今後も発信していきたい。酔っぱらっていることもあるかも知れないが・・・。

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    ’16年「夏」 (64)

2016年07月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など



  今日も霧が忙しく動く。時折、青い空も見えたりするが、そうするとまるで曇天の失策を糊塗するかのように、急いで白い靄が下りてくる。ここから見えてる木々の葉は重たるく、暗く繁茂し、その個性のない退屈な緑一色は、春のころの新緑や、秋の紅葉と比べてみるまでもない。味気ない。
 まあ、見る者のそれは勝手な言い分で、これまで精一杯に葉を茂らせ成長を続けてきた木々なわけで、ようやくここまできたかと褒めてやるべきかも知れない。しかし、それにしても少々鬱陶しい。
 霧は相変わらず権兵衛山の中腹を撫ぜるように流れてみたり、牛たちのいる放牧地の灌木の林を白く隠してしまったりと、全く自由気儘、奔放である。鳥の声も霧の向こうからよく聞こえてくる。何も特別なことなどない一日が、また終わろうとしている。

 一昨日大型の囲い罠を久し振りにセットした。しかしあまり目立った被害はないので、鹿の捕獲にはあまり気が乗らない。
 O沢さん、コメント多謝。浮世のことは早く済ませて、あまり人の来ないうちに神足勝記の足跡を訪ねませう。
 SD君、水漏れはかなり止まったので乞う安心。

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    ’16年「夏」 (63)    

2016年07月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

          下から7番目の丸太橋

 HALは川上犬だと幾度か書いた。オオカミや山犬に近い犬種だとも。今日は里は暑かろうということで、上に連れてきた。いつもの仕事を早々に済ませ、テイ沢の丸太橋の保守にHALも連れていった。
 面白いもので、HALはかなりきわどい岩などは平気のくせに、丸太橋は怖がって渡らない。それでも浅瀬を選んでは、付いてくる。水を怖がるということもないが、泳いだところは見たことがない。強制的に川にでも放り込めば、犬かきぐらいは本能的にするだろうが、気がやさしい犬なのでそこまではしないでいる。
 同じ川上犬でも以前に飼っていた雄の小太郎は、11月でも平気で天竜川を泳いで渡り、飼い主を心配させた。夜、散歩に連れていくと、対岸にお目当てでもいるのか天竜川を苦も無く泳ぎ渡り、それっきりその夜は帰ってこなかった。喧嘩も向かうところ敵なし、かどうかは分からなかったが、キツネなどを河原で見付けると、矢の勢いで追いかけた。こういう時も、決まって朝帰りとなった。
 本来、川上犬は気性が荒いと聞いていたが、HALは気が小さく、ただし賢い。それでも、ああした自然の中に行けば、眠っていた遠い昔の野生が甦りでもするのか、普段は繋がれて暑さに参っている犬とは思えない俊敏な動きを見せる。
 もう、HALも10歳になる。生後1,2カ月もしない子犬で来たときは、羽毛服の中で眠っていた。言うこともよく分かり、従順でもあるが、残された年月が気になるようになってきた。同じく川上犬のキクを一昨年の冬になくしてしまったから、跡継ぎがいない。


     HALの尻尾が分かるかな
     


 東京を引き上げると決めたとき、まず一番に犬を飼うことを考えた。特別可愛がってるわけではないが、犬のいない生活は、女房のいない生活以上に耐えれないかも・・・、などと書いたら、娘にまた絶交されるかも知れない。
 
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