■大間々町13区の公民館建設を巡る様々な不正会計を区長一派が行い、そのことを告発した住民らに対して、区長らが名誉毀損で住民らを前橋地裁桐生支部に訴えた事件で、裁判所は、区長らの不正会計の事実を認めたうえで、和解条項として民主的な区の運営を訴訟当事者双方に履行を促しました。不正会計を行っていた現区長本人(前区長はその後他界)は当然、裁判の和解条項の履行のために、区長の座から身を引くとおもわれました。
と、思いきや、現区長本人は、区の総会で区長一派による強権的な決議によって再選されてしまったのです。それを受けて、かつて県議時代に区長一派から謝礼を受け取ったことのある石原市長は、不正会計をしていた区長に委嘱状を交付してしまいました。
市民オンブズマン群馬では、大間々町13区在住の会員らの要請で、みどり市長宛に、これまで合計7回の公開質問状を提出していました。平成25年4月9日付で7回目の質問に対する回答があったため、その内容を分析するとともに、対応を検討してきました。
その結果、本件問題に対するみどり市長の考え方をきちんと確認しておく必要が有るため、オンブズマンとして次の書面を総決算として、平成25年4月23日に、みどり市長に提出しました。
**********
2013年4月23日
〒376-0192群馬県みどり市笠懸町鹿2952
みどり市長 石原 条 様
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢
最 終 確 認 状
貴殿におかれましては、平素より地方自治に真摯に取り組まれ、そのご努力に対して、敬意を表します。
さて、貴殿に対して、大間々町13区の民主化を阻んでいるさまざまな問題について、これまで7回にわたり公開質問状を提出したところ、貴殿から回答を賜ることができましたことを厚く御礼申し上げます。
しかし、当会の質問に対して、貴回答内容には曖昧な点が多々見られます。そこで、貴殿からのこれまでの回答を踏まえて、次のとおり貴殿の考え方を整理させていただきましたので、ご確認くださるようよろしくお願い申し上げます。なお、異論がある場合に限り、下記宛に郵送又はFAXで、5月7日(火)必着で、具体的な説明をお寄せ下さい。
確認1:
貴殿は、「公民館建設資金請負金額6500万円のうち、1800万円が国からの捕助金でその範囲で適正に処理されているので、残金4700万円については、どのように不正ないし不適切に会計処理されても何ら問題ない」という見解ですね?
確認2:
ちなみに、公民館建設資金6500万円のうち、一部が判明した登記料の不明金も判明しています。それでも、その登記料は補助金の範囲内ではなく、残金4.700万円に中に含まれるから、どのように不正ないし不適切に会計処理されても関係ないという事ですね?
確認3:
貴殿は「書類の保存年限が5年と規定されているので、現存されていない」と回答しましたが、地区の住民らによれば「役所の立会で開示したが、その時は4年しか経過しておらず、前回は有ると回答しており、(貴殿の回答は)矛盾している」とのことです。当会に対して事実でないことを回答したのですね? 当会が任意団体だからですね?
確認4:
貴殿は、「本件が刑事不起訴になったので、不正会計ではなく不適切会計だ」と認識しているようです。桐生タイムスの記事にも「一部適切でない会計処理があつた」と記載されています。日本税理士会では「不適切会計とは不正会計そのものである」と断言しています。裁判官は、和解を促すために、敢えて不正会計という言葉を和解調書で使わなかったと思われます。貴殿は、民事裁判で原告区長の「不正会計ではなく不適切会計」が前提として認められたのだから、そのような人物が再び区長として不適切な会計をしても問題ないと判断して区長に委嘱状を交付したのですね?
確認5:
したがって貴殿は、「区長が不適切会計をしても刑事罰を受けていない限り、市として区長を委嘱するための資格に何ら問題ない」と認識しているわけですね?
確認6:
貴殿は「区長は地方公務員法を受けないので、市の職員に課せられる法令による縛りは一切無い」というお考えですね?
確認7:
すなわち、不適切会計はもとより、不正会計を区長がしても、貴殿はすべて不問にするということですね?
確認8:
大間々町13区の会則に「区会の円滑油で有れば、2次会で区費7万円を区長等がカラオケスナックで酒飲しても差し支えない」と記載されています。そういうことをしても、不適切会計の範囲内だから、問題ないということですね?ちなみに、他の区の会則には,そんなことは書かれていませんし、他の区の区長は、このことについて「そんなことは、有ってはならない事だ」と言っています。
確認9:
貴殿が県議時代に、県から補助金をいただくために、大間々町13区の帳簿に「県議謝礼」と2回記載されています。群馬県庁では、このことについて「金銭の大小は関係なく、政治家がやってはいけない一番の問題である」とコメントしていました。しかし貴殿は、区民から謝礼を受け取ったことについて「ご質問の主旨は分かりかねる」として一蹴し、一切コメントしようとしませんでした。これについても貴殿は「住民から謝礼を受け取っても刑事罰を受けていないので、問題ない」という認識なのですね?ちなみに、「金銭出納帳簿の記載は住民自治の範囲と考える」という貴殿の見解は、群馬県庁の判断と違いすぎます。また、他の県庁も群馬県と同じ回答でした。
確認10:
当会は公金の不正会計処理が無いかどうか、また、無駄な税金が使われていないかどうか、その原因を究明し、責任の所在を明確化し、再発防止に向けた対策をとることを重視して活動する団体です。前向きで建設的な対策を取っている場合には、積極的に支援をしています。今回、貴殿は当会の公開質問状について、区民によらない団体の任意の質問であると位置付けました。地元区民のかたがたを会員としていても、当会の公開質問状は、地元の声を反映したものではないから、区の運営を民主化する必要があると当会が指摘しても、貴殿はその質問に答えること自体、任意だとみなしていることになります。だから、裁判所が、原告区長の不適切会計を認めても、それは区民によらない団体(=裁判所)が出した任意の決定であるから、市として区長の委嘱状を交付する妨げにはならない、というわけですね?
記
市民オンブズマン群馬 事務局長 鈴木 庸
〒371-0801群馬県前橋市文京町1-15-10 電話 027-224-8567 FAX 027-224-6624
**********
■みどり市の大間々町13区を巡る不適切会計=不正会計問題は、この最終確認状をもって、この問題に関するみどり市の石原条市長の考え方をしっかりと確認して、とりあえずの節目とします。そのうえで、市民オンブズマン群馬としては、今後は大間々町13区住民の皆さんとともに、この問題の広報活動に軸足を移してゆくことにしています。
【市民オンブズマン群馬事務局からの連絡】