市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校への追加質問に対し回答FAXを受信!

2018-05-20 09:08:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■長野高専において、教員により不正会計380万円・うち着服51万円という大規模な職務違反・犯罪行為が行われ、しかも主犯の教授は定年退職で一切お咎めのないまま逃亡してしまったという大失態が発生し、しかもそのことが学内で一切話題にもなっていないという異常事態が起こっていることが、群馬高専アカハラ・寮生連続不審死に関する調査の途上、情報提供と告発によって判明しました。このため、4月20日付で同校宛てに公開質問状を送付していたところ、連休明けの5月7日午後4時過ぎにFAXによる回答を受信しました。その内容を精査した結果、当会では追加質問として次の書面を5月10日に簡易書留及びFAXで長野高専宛てに発出しました。そして、回答期限の5月18日の夕方に長野高専からFAXで回答が当会事務局宛によせられました。


 この件に関するこれまでの経緯は次のブログ記事をご覧ください。
○2018年4月1日:【群馬高専アカハラ・不審死問題】隣県長野からの情報②…隣県も文科省天下り校長で大迷惑?長野高専の実情
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2603.html
○2018年4月22日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校宛に公開質問状
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2617.html
○2018年5月8日:【出張!オンブズマン】<速報>長野高専不正会計・着服問題に関して同校から公開質問状への回答書到来
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2631.html
〇2018年5月11日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校の公開質問への回答に対し追加質問を発出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2634.html

 追加質問への長野高専からの回答内容は次のとおりです。

*****長野高専からの回答FAX*****PDF ⇒ 20180518.pdf
018 16:32 FAX 026 295 4356 長野高専 総務課     0001-5/0005
<P1>
                           平成30年5月18日
群馬県前橋市文京町1丁目15番10号
 市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢 殿

                    長野県長野市徳間716
                    独立行政法人国立高等専門学校緩構
                    長野工業高等専門学校長
                    TEL:026-295-7003
                    FAX:026-295-4356

『長野高専不正会計・私的流用事件に関する追加質問書』に対する回答を別紙のとおりお送りします。

<P2>
 「長野高専不正会計・私的流用事件に関する追加質問書」に対する回答


質問(7)
 貴学回答(2)では、「元教授及び准教授に返金を求め、平成29年10月24日に、請求額全額を受領しております。」とのことですが、この回答に関して下の3点の疑問があります。

(7-A)
 双方への「請求額」は、回答(1)にある私的流用額と同額でしょうか? 同額でない場合、その理由はどのようなもので、また双方にそれぞれいくら返金を求めたのでしょうか?

回答(7-A)
 私的流用額のほか、使用方法が不適切と認定したもの及び科学研究費補助金の間接経費並びに同補助金受領日から納付日までの日数に応じた加算金を請求したため、私的流用額と同額ではありません。内訳は以下のとおりです。
元教授:請求額1,565,836円(私的流用額480,448円、不適切使用額1,085,388円)
准教授:請求額49,899円(私的流用額30,000円[うち、科研費5,000円]、科研費直接経費7,100円、科研費間接経費3,630円、科研費受領日から納付日までの加算金9,169円)

(7-B)
 元教授と准教授の「両名」が、それぞれ請求された額の全額を支払ったという解釈でよろしいでしょうか?

回答(7-B)
 両名から、それぞれ上記請求額の全額を受領しました

(7-C)
 (7-Bの回答が肯定の場合ご回答ください)平成29年10月24日に全額を受領したというのは、当該日に両名が弁済を行ったという事でしょうか? それとも、片方が既に弁済を終えた状況で、残る1名が当該日に弁済を完了したということでしょうか?

<P3>
回答(7-C)
 科学研究費補助金に係る返還金24,899円は、准教授から平成29年3月3日に受領、これ以外の返還金1,590,836円は、元教授及び准教授から平成29年10月24日に受領しました。

質問(8)
 弊会質問(3)において、准教授へのかかる処分を貴学が公表しない理由をお尋ねさせていただいておりましたが、貴学回答(3)にその記載がありません。したがって、この点について再回答をお願いできますでしょうか?
 なお、回答(3)の後半部分についてですが、機構本部作成の報告書において、単に他の高専のケースとまとめられて記載されていたというだけで、当該教員が他校教員と共謀して貴学における不正会計事件を起こしたわけではなく、これは明らかに貴学において発生した単一の事件と考えられます。また、機構本部が公表することと貴学が公表することには、常識的に考慮して何ら連関がなく、当然いずれか一方のみが公表しなければならないという規則があるようにも思われません,以上のことから、弊会として不本意ながら、貴学の回答には明白な理由が記載されていないと判断しております。

回答(8)
 各高専の校長が処分を行った事実については、通常は高専機構本部では公表せずに、各高専にて公表するところですが、複数高専の事実を含む事案全体について、高専機構本部において公表されたため、本校で改めて公表する必要はないと判断したためです。

質問(9)
 貴学回答(5)に関して、以下の3つの不明点がございます。

(9-A)
 回答中において、「本件関与教員は、調査に協力的であった」との記載がありますが、他方で報告書を見ると、予備調査委員会設置(H27/1/27)から報告書提出(H27/12/4)まで10か月以上を要しています。これは同じく調査の対象となった他校と比較してもかなり長期にわたるものです。関与教員がきわめて協力的であったにも関わらず、このように調査に時間を要した理由はどのようなものでしょうか?

<P4>
回答(9-A)
 本件が発覚した時点で、当該教員のものに限らず平成20年度以降の全ての取引書類について、相手方業者様から売上データを頂戴し照合作業を行ったことから、長期の時間を要したものです。

(9-B)
 貴学において実際に本人からの聴取等の調査を行ったのは、貴学教職員でしょうか。それとも、機構本部職員でしょうか。あるいは、第三者でしょうか?

回答(9-B)
 本人からの聴取等の調査を行ったのは、予備調査委員会委員(本校教職員及び弁護士)です。

(9-C)
 准教授に対する聞き取り調査等は、当然当該人物の出勤時に貴学にて行われたものと思われますが、一方で退職済の元教授に対する調査は、どこで行ったのでしょうか?

回答(9-C)
 元教授の調査も本校で行いました。

質問(10)
 貴学回答(6)について、以下の4つの疑問点がございます。

(10-A)
 貴学回答内には、「平成28年3月24日に学内会議において事実関係を教職員に説明しました」とありますが、この説明は、どの職階にあたる者が行いましたか?

回答(10-A)
 本校校長が行いました。

(10-B)
 また、この教職員への説明にあたり、貴学で起きた事件の態様等を説明した参

<P5>
考資料等は教職員に配布されましたか?

回答(10-B)
 資料の配布はありませんでした。

(10-C)
 さらに、この教職員への説明において、「関与教員の職階や所属」・「不正会計額および私的流用額」・「事件の態様や発生原因」・「事件が起こっていた期間」・「関与教員に対する処分」についてどこまで説明しましたか?

回答(10-C)
 本校において不正経理があったこと、不正経理の態様・期間、関与教員の役職・所属・氏名、処分の内容について説明が行われました。

(10-D)
 貴学回答内には、「本校としてはこれに加えて保護者・学生への説明は行っておりません。」とのことですが、その理由は何でしょうか。
なお、「高専機構本部が公表している」こととの連関についての弊会の認識は、上記質問(8)に準じます。

回答(10-D)
 本件については、高専機構本部において公表しており、また、元教授はすでに退職していること、准教授の停職期間中については他教員のサポート体制が構築されていることから、学生教育への大きな支障がないものと判断し、本校で改めて保誰者・学生への説明は行っておりません
**********

■長野高専としては、元教授および准教授の両名から返金がなされていることから、大筋では問題ないというスタンスのようです。

 ただし、依然として気になるのは回答(8)で、「機構が公表しているから長野高専で公表しない」理由を我々オンブズマンが聞いているにも関わらず、「機構が公表しているから長野高専で公表しない」とオウム返しのような返答が帰ってきてしまいました。

 回答(10)については、「教職員へ校長自ら事件の詳細な顛末について説明をした」とのことですが、これが果たして本当かどうか、更に調査を進めるべきと考えます。

 今回の長野高専の対応を通して見ると、内情はどうあれ、対外的には群馬高専よりはマシといえる返答がなされました。もしかすると、群馬高専の一件から、徹底的な隠蔽方針は逆効果であることを高専全体として一応は学び取っているのかもしれません。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (2)
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