■速報でも報じた5月28日の前橋市長の定例記者会見。記者からのセクハラ事案の質問に対して、うっかりこれまでの別件の事案についてコメントしてしまいました。しかも、その失言の重大性を記者から指摘され、撤回することもなく、ましてや、うかつなコメントで被害女性の特定にかかわる情報がリークするリスクについて謝罪や反省のことばが発せられることは、記者会見の最後までありませんでした。
↑物議を醸した前橋市長の定例記者会見の問題点を報じた今朝の東京新聞朝刊群馬版。↑
**********東京新聞2018年5月29日
PDF ⇒ 20180529_tokyo_shimbn_kiji.pdf
【群馬】前橋市セクハラ問題 市長が管理職男性の部署示唆 女性の職場特定の恐れ
前橋市の山本龍市長は二十八日の定例記者会見で、市役所の四十代の女性嘱託職員が、管理職の男性から宴席で胸をもまれるなどのセクハラ被害を訴えている問題について、「この事案は部署内で(別の)さまざまな問題があって当該者(男性)の件と知るところとなった」と述べ、発言の中では過去の別の不祥事の具体的な内容を明らかにした。市は男性のその不祥事を公表した際、部署名と年齢を明らかにしており、この日の発言で女性の職場が特定される恐れがある。女性と専門家は山本市長の発言を疑問視している。 (菅原洋)
本紙の取材に、女性は「(市長の発言は)まずいことではないでしょうか。信じられない。被害で傷付いている私の特定につながらないか心配」と語った。
別のセクハラ問題を担当した経験を持つ高崎市の赤石あゆ子弁護士は「市は被害者のプライバシーや(嘱託という女性の)雇用に不利益が生じないように細心の注意が必要だ」と指摘している。
山本市長は記者会見で、記者から発言の問題点を指摘されたが、この発言について撤回や女性への謝罪もなく、「その辺りは見解をまとめたい」と述べるにとどめた。
山本市長はセクハラ問題については「基本的には加害者と被害者の両方に人権があり、きちんと調査したい。両者に聞き取りしており、(被害を目撃した)同僚からも聞く」とした。
山本市長の発言に、セクハラ被害を訴える女性は「加害者に人権があるのは分かるが、市の対応には積極性や迅速さを感じない」と話した。
赤石弁護士は「セクハラが事実とすれば、強制わいせつ罪に当たり、かなり悪質だ」と指摘。「管理職の男性は嘱託という立場の女性を蔑視し、仕事上のパートナーとしてみていないのでは。市には法的な職場環境の配慮義務があるが、市の対応は遅く、対策や研修も不十分ではないかと感じる」とみている。
この問題は二〇一六年末に市内であった職場の忘年会で、飲酒した男性が女性の背後から胸をもみ続け、同僚の女性三人が行為を目撃した。被害を訴える女性は今年に入り市に申し出た。今月中旬には警察に相談し、捜査が始まっている。男性は本紙の取材に「記憶は定かではないが、謝罪したい」と話している。
**********
■この他、産経新聞も次の記事を配信していますが、こちらは記者会見で前橋市長の見解のみを報じています。
*********産経新聞 2018.5.29 07:03
前橋市の管理職、セクハラで調査
前橋市は28日の定例会見で、市役所に勤務する40代の管理職の男性職員が嘱託職員の女性にセクハラ行為をした可能性があるとして、内部調査を始めたことを明らかにした。
女性側の訴えによると、男性は平成28年末、市内の居酒屋で開かれた職場の忘年会で酒を飲み、女性の胸をもんだとされる。市の調査に対し、男性は「セクハラをした認識はない」と話しているという。
山本龍市長は「加害者、被害者両方に人権がある。きちんとした調査をしなければ公式なコメントは差し控えるべきと思っている」と述べた。
市は、双方の主張に隔たりがあるとして、当時の同僚職員らを対象に聞き取りの範囲を広げ、調査を続ける。
**********
いずれにせよ、前橋市の不祥事発生に対する対応のお粗末さ、スピード感のなさ、被害者への配慮の欠如など、問題がテンコ盛りの状況を露呈した前橋市長の記者会見だったことがわかります。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
↑物議を醸した前橋市長の定例記者会見の問題点を報じた今朝の東京新聞朝刊群馬版。↑
**********東京新聞2018年5月29日
PDF ⇒ 20180529_tokyo_shimbn_kiji.pdf
【群馬】前橋市セクハラ問題 市長が管理職男性の部署示唆 女性の職場特定の恐れ
前橋市の山本龍市長は二十八日の定例記者会見で、市役所の四十代の女性嘱託職員が、管理職の男性から宴席で胸をもまれるなどのセクハラ被害を訴えている問題について、「この事案は部署内で(別の)さまざまな問題があって当該者(男性)の件と知るところとなった」と述べ、発言の中では過去の別の不祥事の具体的な内容を明らかにした。市は男性のその不祥事を公表した際、部署名と年齢を明らかにしており、この日の発言で女性の職場が特定される恐れがある。女性と専門家は山本市長の発言を疑問視している。 (菅原洋)
本紙の取材に、女性は「(市長の発言は)まずいことではないでしょうか。信じられない。被害で傷付いている私の特定につながらないか心配」と語った。
別のセクハラ問題を担当した経験を持つ高崎市の赤石あゆ子弁護士は「市は被害者のプライバシーや(嘱託という女性の)雇用に不利益が生じないように細心の注意が必要だ」と指摘している。
山本市長は記者会見で、記者から発言の問題点を指摘されたが、この発言について撤回や女性への謝罪もなく、「その辺りは見解をまとめたい」と述べるにとどめた。
山本市長はセクハラ問題については「基本的には加害者と被害者の両方に人権があり、きちんと調査したい。両者に聞き取りしており、(被害を目撃した)同僚からも聞く」とした。
山本市長の発言に、セクハラ被害を訴える女性は「加害者に人権があるのは分かるが、市の対応には積極性や迅速さを感じない」と話した。
赤石弁護士は「セクハラが事実とすれば、強制わいせつ罪に当たり、かなり悪質だ」と指摘。「管理職の男性は嘱託という立場の女性を蔑視し、仕事上のパートナーとしてみていないのでは。市には法的な職場環境の配慮義務があるが、市の対応は遅く、対策や研修も不十分ではないかと感じる」とみている。
この問題は二〇一六年末に市内であった職場の忘年会で、飲酒した男性が女性の背後から胸をもみ続け、同僚の女性三人が行為を目撃した。被害を訴える女性は今年に入り市に申し出た。今月中旬には警察に相談し、捜査が始まっている。男性は本紙の取材に「記憶は定かではないが、謝罪したい」と話している。
**********
■この他、産経新聞も次の記事を配信していますが、こちらは記者会見で前橋市長の見解のみを報じています。
*********産経新聞 2018.5.29 07:03
前橋市の管理職、セクハラで調査
前橋市は28日の定例会見で、市役所に勤務する40代の管理職の男性職員が嘱託職員の女性にセクハラ行為をした可能性があるとして、内部調査を始めたことを明らかにした。
女性側の訴えによると、男性は平成28年末、市内の居酒屋で開かれた職場の忘年会で酒を飲み、女性の胸をもんだとされる。市の調査に対し、男性は「セクハラをした認識はない」と話しているという。
山本龍市長は「加害者、被害者両方に人権がある。きちんとした調査をしなければ公式なコメントは差し控えるべきと思っている」と述べた。
市は、双方の主張に隔たりがあるとして、当時の同僚職員らを対象に聞き取りの範囲を広げ、調査を続ける。
**********
いずれにせよ、前橋市の不祥事発生に対する対応のお粗末さ、スピード感のなさ、被害者への配慮の欠如など、問題がテンコ盛りの状況を露呈した前橋市長の記者会見だったことがわかります。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】