市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…アセス文書不存在審査請求で2年かけて県の言い分だけ認めた仰天審査会

2018-10-17 01:18:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、昨年末迄に事実上竣工し、本年2月から本格運転が開始され、4月24日には行政関係者を招いて完成披露式=開所式まで開かれてしまいました。この暴挙を食い止めようと、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起し、10月26日(金)10時30分から前橋地裁で第11回弁論準備が開かれます。こうした時期に、突然、群馬県が関電工との間で環境アセス免除に関する密約を示す文書が存在しないと主張したことは「正しい」とする審査会の判断をもとに、群馬県知事から、住民の審査請求を棄却する旨の通知が送られてきました。その内容を見てみましょう。


*****審査請求裁決書*****PDF ⇒ 201810161srrp17.pdf
201810162srrp814.pdf
                         県セ第40-54号
                       平成30年10月12日
羽鳥 昌行 様
                   群馬県知事 大澤 正明
                   (県民センター)

  平成28年10月13日付け審査請求に対する裁決書謄本の送付について

 あなたから平成28年10月13日に提起のあった審査請求について、別添謄本のとおり裁決をしたので送付します。

              担当:生活文化スポーツ部県民センター
                 情報公関係
              電話:027-226-2271(ダイヤルイン)

=====裁決書=====
<P1>
            裁 決 書
                 審査請求人
                    住所 前橋市鼻毛石町1991-42
                    氏名 羽鳥 昌行
                 処 分 庁 群馬県知事

 審査請求人が平成28年10月13日に提起した処分庁による群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号)第18条第2項の規定に基づく公文書不存在決定に対する審査請求について、次のとおり裁決する。

            主   文
        本件審査請求を棄却する。

第1 事案の概要
1 公文書開示請求
 審査請求人(以下「請求人」という。)は、群馬県情報公開条例(平成12年群馬県条例第83号。以下「条例」という。)第11条の規定に基づき、群馬県知事(以下「処分庁」という。)に対し、平成28年9月26日付けで、「前橋バイオマス発電に関し、環境アセスメントの実施の協議に関電工が来た日待及び協議内容。また、アセスメントを実施しなくても良いと報告した、報告手段と通告日、県通告者、関電工被通告者」の開示請求(以下「本件請求j という。)を行った。
2 処分庁の決定
 処分庁は、平成28年10月7日、本件請求に係る公文書について存在しないことを確認し、公文書不存在決定(以下「本件処分」という。)を行い、不存在の理由を次のとおり付して、請求人に通知した。
 (不存在の理由)

<P2>
 環境影響評価は、「群馬県環境影響評価条例」及び「群馬県環境影響評価条例施行規則」に定める事業の種類ごとに、「群馬県環境影響評価条例」及び「群馬県環境影響評価条例施行規則」で定める規模要件等を勘案し、環境影響評価を行うべき事業に該当するか否かを事業者が自ら判断する制度となっている。したがって、環境影響評価に関する手続きの要否について、県に対して書類を提出することや協議することは必要とされていないことから、当該請求に係る文書を保有していないため。
3 審査請求
 請求人は、処分庁に対して、本件処分を不服として平成28年10月13日付けで審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。
4 弁明書の送付
 処分庁は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の規定に基づき、平成28年11月18日付けで弁明書を作成し、その副本を請求人に送付した。
5 反論書の提出
 請求人は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第30条第1項の規定に基づき、平成28年12月23日付け反論書を作成し、処分庁に提出した。
6 諮問
 処分庁は、条例第26条の規定に基づき、群馬県公文書開示審査会(以下「審査会」という。)に対して、平成29年1月13日、本件審査請求事案の諮問を行った。
7 意見書の提出
 請求人は、条例第32条の規定に基づき、平成29年1月25日付け意見書を作成し、審査会に提出した(諮問庁の閲覧に供することは適切でない旨の意見が提出されており、諮問庁に対して写しの送付はされていない。)。
8 諮問に対する審査会の答申
 審査会は、処分庁に対して平成30年9月28日、本件処分は妥当であり取り消す必要はない旨を答申した。

第2 審理関係人の主張の要旨
1 審査請求書における請求人の主張要旨
(1)不存在決定通知書で「環境影響評価を行うべき事業に該当するか否かを事業者が
自ら判断する制度となっているJという主張は、まさに自ら定めた条例や規則を自

<P3>
ら無視したかたちとなり、県民を愚弄する考え方である。
(2)(2)株式会社関電工(以下「関電工」という。)らが事業の事前報告として、平成27年6月下旬ごろに群馬県に提出した文書によると、「平成27年1月に群馬県と環境アセスメントの実施の有無について協議を開始し、同年3月に『実施しなくてよい』と群馬県から回答を受けた」と記載されている。群馬県環境影響評価条例で示された排ガス量が基準を超えたことで、第1種事業に該当する事業であるにも関わらず、環境アセスメントを回避したい関電工は、群馬県と協議を開始したことになる。
(3)これほどまでに重要なテーマに関する話し合いが、関電工と群馬県の聞で何の文書も交わさないで行われたこと自体、我々県民にとって驚きであり、あり得ないことである。
2 弁明書における処分庁の主張要旨
(1)請求内容から、対象公文書は、関電工が前橋市に建設を予定している前橋バイオマス発電施設の環境影響評価に関して、群馬県環境政策課(以下「環境政策課」という。)と関電工が行った協議についての公文書と判断したが、存在しない。不存在決定をした文書は、作成または取得していないものである。
(2)環境影響評価は、環境影響評価法や群馬県環境影響評価条例に定める規模要件に該当する対象事業を実施しようとする事業者が、同法や同条例に基づく環境配慮、手続を履行することで、自主的に環境保全上の適正な対応を行う制度である。したがって、対象事業ごとの規模要件の該当の有無についても、同条例及び同条例施行規則に定める事業の種類ごとに、同条例及び同評価を行うべき事業に該当するか否かを事業者が自ら判断する制度となっている。
   そのため、環境影響評価に関する手続きの要否について、県に対して書類を提出することや協議することは必要とされておらず、同条例及び同条例施行規則にもそのような規定はない。
(3)事業者から、訪問や電話等により、環境影響評価の対象事業や規模要件等に関する問合せがあった場合にも、通常は口頭による説明で解決するケースが多く、全ての問合せについて対応記録を作成しているものではない。
(4)平成26年度、関電工から環境政策課に対し、建設を予定している発電施設に関して、群馬県環境影響評価条例及び群馬県環境影響評価条例施行規則で定める規模要件等について問い合わせがあった模様であるが、これら問い合わせ内容については、口頭にて説明したのみであり、「環境影響評価を実施しなくてもよい」と伝達

<P4>
したわけではなく、また、その際の対応記録は作成しなかったものである。
3 反論書における請求人の主張要旨
(1)開示請求公文書の特定について
 ア 「無いものは無い」と言われてしまうと元も子もない。しかし、「無いことはないハズである」。それは群馬県が行っていることが、全て関電工の行動にリンクしているからである。したがって、公文書がないという事自体が、役人として問題であるとしか言えないのではないか。関電工の行動を時系列で追うと、平成27年1月に環境政策課と環境アセスメントの実施について協議を開始したと、事業計画書に明記されているからである。そじて、平成27年3月に環境政策課から、「環境アセスメントを実施しなくてよろしいJと回答をもらっている。
 イ これを受け、群馬県は、平成27年3月30日に群馬県環境影響評価条例の運用の変更を起案し翌31日に決裁されているが、その内容は、木質バイオマスに限っては、排ガス量を2割減で計算できるようにし、前橋バイオマス発電所が環境アセスメントを実施しなくても良いように画策している。しかも、この文書には担当者の印と日付印しか押印されておらず、協議状況、公印、施行年月日等何も記入されておらず、これが本当に公文書の体を成しているのか、後から作成された文書である可能性だって考えられる。そして、前出のように、関電工だけに、運用開始前に情報を提供し、どこにも審議、報告のないまま、ファイリングされた。したがって、この工作作業は、環境政策課と関電工しか知らない話である。
(2)不存在の解釈について
 弁明書によると、「公文書を保有していない」ことの類型のうち、「作成又は取得していない」という類型に該当しているから、非開示の決定になったことのようであるが、環境アセスメントを実施するかどうかの、重要なテーマで何度かにわたり協議をしているのだから、役人のメモだって重要な政策判断になるはずであるが、「公文書に該当しない」という類型には、一切触れていない。メモはあるのかどうか、あっても出さないのか、はっきりとさせるべきである。
(3)公文書が存在しない理由に対する意見について
 ア 群馬県環境影響評価条例及び群馬県環境影響評価条例施行規則のどこを見ても、環境影響評価の実施について、事業者自らがその要否も含め、自主的に判断できる制度である旨は書かれていない。同条例第3条には、「群馬県の責務」が書かれている。群馬県は、この責務を全く果たしておらず、果たそうともせず、環境影響評価の重要性の認識が欠知している。

<P5>
 イ ここで、群馬県環境基本条例の基本理念を確認しておく。それは、第3条に書かれている。そして、第4条には、群馬県の責務が書かれている。つまり、同条例の3条、4条を見ても、実施対象事業者が、環境影響評価を実施しないことは有り得ず、その指導を行っている群馬県には重大な過失がある。さらに、同条例の6条には事業者の責務が書かれている。したがって、前橋バイオマス発電株式会社は、群馬県環境基本条例の基本理念を無視し、第6条で定めた事業者の責務を全く果たしていない。
 ウ 群馬県環境影響評価条例施行規則の別表第1によると、「6 工場又は事業場の新設又は増設の事業については、・・・第1種事業の規模要件については、総排出ガス量・・が4万立方メートル以上・・」とはっきりと明記されている。この時点で、関電工が、環境アセスメントの実施の必要性について群馬県と協議をすること自体が非常に不自然であり、前橋バイオマス発電の排ガス量は、環境政策課からのメールでの回答によると42,000m3/hであり、第1種事業となることは明白である。
 エ 群馬県環境影響評価条例の第3章には、「第一種事業に係る環境影響評価に関する手続等」が書かれ、「方法書」の作成義務や、環境影響評価の実施義務が明文化されている。この条文のどこをとっても、事業者が自ら判断できる制度にはなっておらず、群馬県と実施事業者の癒着そのものである。
 オ 「環境アセスメント制度のあらまし(環境省)」を見ると、環境影響評価法と条例との関係が示されている。そこには、「条例で環境アセスメントの義務付けができる」とはっきり明記されており、これを見ても、事業者自らの判断に委ねるということは、環境影響評価法に違反している。
 カ 関電工と群馬県との関係について、癒着ではないかという疑問について整理しておく。まず、平成27年6月下旬頃に群馬県に提出された事業計画の事前資料によると、関電工は、「平成27年1月に群馬県と環境アセスメントの実施の必要性について協議を開始した」と書かれている。そして、同年3月に群馬県より「環境アセスメントは実施しなくてよい」と回答を得ている。また、弁明書には、「平成26年度、関電工から環境政策課に対し、建設を予定している発電施設に関して、群馬県環境影響評価条例及び群馬県環境影響評価条例施行規則で定める規模要件等」について問い合わせがあった模様であるが、これら問い合わせ内容については、口頭にて説明したのみであり、「環境影響評価を実施しなくてもよい」と伝達したわけで、なく、また、その際の対応記録は作成していなかったものであ

<P6>
る。」とあり、群馬県は白を切っているが、ここでいくつか疑問が起こる。
(ア)なぜ関電工は、条例により環境アセスメントを実施しなければならないのに群馬県と協議したのか。その協議はいつ、どのような内容だったのか。
(イ)群馬県は、結論を出すのに、どうして2ヶ月もかかったのか。
(ウ)群馬県は関電工より「問い合わせがあった模様」と他人事のように言い、また、「口頭で説明した」とあるが、だれが、いつ、どのような内容を説明したのか全く分からない。
(エ)環境アセスメントの実施については、事業者の自主的判断でよいとするものを、運用まで変更し、関電工を守ろうとしたのか。このようなことは、記録メモや口頭でのやり取り全てをまとめ、公開されるべきである。
4 .審査会での口頭説明における処分庁の主張要旨
 処分庁と関電工との間で、以下の応対があったとのことである。
(1)平成27年の1月頃に関電工の担当者とその上司が2名で来課して、県の担当者と係長の2名が対応した。
   やりとりの内容は、事業の概要を聞いて、その当時の県の条例アセスメント制度の内容及び、関電工の事業内容は条例施行規則の別表第1のどこに該当し、規模要件がどうなっているのかということを説明した。
(2)未利用の木質バイオマスを燃料とする場合、排ガス量の計算にあたり、乾量基準含水率を20%として計算できる、とする運用が3月31日に決裁され、1月からのやりとりを踏まえて、県の担当者が関電工の担当者に電話で連絡を取り、運用の内容を伝えた。なお、事業の内容に関してアセスメントの実施の要否等の判断は県で、は行っていない。
(3)時期についての記憶は確かではないが、関電工から前橋バイオマス発電施設に係る資料を、県の担当者が参考として受け取った可能性がある。
   受け取った時期については平成27年1月の来課時かもじれないし、そうではないかもしれず、記憶が暖昧である。
 メールで資料を受け取ったという可能性もあるが、現在、メールも資料も存在していない。また、担当者にははっきりとした時期や手段についての詳細な記憶はなく、資料がメールへのPDFなどの添付によるものか、直接受け取ったのかについては、定かではない。なお、通常の事務としては、個人のメールボックスの容量が一杯になると削除することもあるので、メールで受け取っていたとしても、その後に削除した可能性がある。

<P8>
(4)運用に基づいて関電工が計算した結果、排出ガス量は3万9千m3/時余りであり、条例アセスメントの規模要件に該当しないということを県が知ったのは、詳細は定かではないが、平成27年4月以降に関電工の担当者から電話連絡をいただいた時である。
(5)上記(1)、(2)、(3)、(4)、以外に、関電工と協議なり情報のやりとりがあったということについて、担当者には詳細な記憶はない。関電工が他の所属を訪ねた折に、環境政策課に立ち寄ったということもあったようであるが時期ははっきりしない。あるいは、電話をいただいたこともあったかもしれないとのことだが、時期、回数等についての記憶は定かではない。
   話の内容も定かではないが、事業概要についての話をしたのではないかとのことである。
(6)県と関電工の担当者とのやりとりについて、県の担当者が個人のノート等にメモ書きした可能性はあるが、ノート等は既に廃棄をしてしまい、内容等を含めて確認することはできない。
(7)一般的に環境アセスメントについての問い合わせがあった時、書類を残す場合と残さない場合の違いは、当時の判断がどうだったかは分からないが、現状では、条例施行規則別表第1だけでただちに判断できずに確認や検討した上で対応する必要がある場合など、制度の案内だけでは対応できないような案件があった場合に、今後の参考とするためにメモを残すようにしている。
(8)運用に関して、各都道府県・関係市あてにアンケートを行ったのは平成26年の7月だが、木質バイオマス発電に係る条例アセスメントの適用についての検討は、アンケートを行う前から始めており、関電工の来課以前から検討は開始していたものである。
   運用が決まってから、県の担当者が関電工の担当者に伝えたが、これは、その時期に相談があった関電工に伝えたということである。

第3 裁決の理由
1 審査会の判断
 本件審査請求に対する審査会の判断(平成30年9月28日付け答申第205号)は次のとおりである。なお、以下において実施機関とは処分庁のことをいう。
(1)争点(本件請求に係る公文書を不存在とした決定について)
 ア 本件請求に係る公文書が、関電工が前橋市に建設を予定している前橋バイオマ

<P7>
ス発電施設の環境影響評価に関して、環境政策課と関電工が行った協議についての公文書であることについて、双方に争いはない。
   請求人は、これほどまでに重要なテーマに関する話し合いが、関電工と群馬県の聞で何の文書も交わさないで行われたことはあり得ないことである等と主張している。一方、実施機関は、本件請求に係る公文書を作成文は取得していないと主張しているので、以下、本件請求に係る公文書が実施機関における事務処理において作成又は取得されたのか否かを検討する。
 イ 本件請求に係る公文書が作成文は取得されたかの検討
(ア)本件請求に係る公文書が作成又は取得されたとすれば、関電工の木質バイオマス発電事業の実施に関して実施機関と関電工が協議又は報告を行ったことが前提となる。
   実施機関の説明によれば、前記第4 4(1)から(5)のとおり、関電工の木質バイオマス発電事業の実施に関して実施機関と関電工の担当者の間で接触が複数回行われたとのことであるが、公文書は作成又は取得していないとのことである。
(イ)前記第4 2(2)の実施機関の説明によれば、環境影響評価の要否を判断するに際して、群馬県環境影響評価条例及び同条例施行規則では、事業者が県に対して協議することや書類を提出ずることは必要とされていないとのことである。また、同条例では、県が環境影響評価の要否を判断することを求められてはおらず、必要な手続きではないことから文書も作成されていないとのことである。
   群馬県環境影響評価条例及び同条例施行規則を見分すると、県が事業者から資料等の提出を受けてその要否を判断すると読み取ることはできないから、実施機関の説明に不合理な点はない。
(ウ)請求人は、群馬県は、群馬県環境影響評価条例の運用の変更を起案し、木質バイオマス発電事業に限っては、排出ガス量を2割減で計算できるようにし、前橋バイオマス発電所が環境アセスメントを実施しなくても良いように画策している等と主張するが、実施機関の説明では、水蒸気量の算定に関する運用を定めるに当たっては、関電工から事業実施についての相談が行われた平成27年1月より前の平成26年7月に全国の都道府県に対し文書による照会を行い検討を開始したとのことである。審査会としても環境政策課においてこの全国への照会に関する文書の検証を行い、そういった状況にあったことを確認した。

<P9>
このことから、関電工からの事業実施についての相談は、運用を定めるための端緒となったと認めることはできず、その内容を記録に残す必要性は低かったとする実施機関の説明に不合理な点はない。
 ウ メモについて
   請求人は「メモはあるのかどうか、あっても出さないのか、はっきりとさせる
べきである」と主張する。
   このことに関して、実施機関の口頭説明によれば、事業者から、環境影響評価の対象事業や規模要件等に関する問合せがあった場合には、口頭による規則の説明だけでは済まないような案件など、後の参考となる事案の場合には、メモを残すようにしているとのことである。今回の案件について個人で使用していたノート等にメモを作成した可能性はあるが、メモを記載した可能性があるノート等は既に廃棄をしてしまったとのことである。
   廃棄が行われたことに関しては、個人のノート等に作成されたメモであることや、当時の担当者が既に他部署に異動していることを考慮すれば、メモが記載されたノート等を廃棄したとの実施機関の説明に不合理な点はない。
 エ 審査会の調査について
   本件審査請求を受け、当審査会は、実施機関に対して条例第30条第4項に基づく調査を実施し、本件請求に係る公文書が作成又は取得されたのか否かを確認するため、環境政策課において公文書の確認を行ったが、本件請求に係る公文書として改めて特定すべき文書の存在は認められなかった。したがって、本件請求に係る実施機関が作成又は取得した公文書が発見できない以上、当審査会としては実施機関が当該文書を作成文は取得していると判断することはできない。
 オ 以上のことから、本件請求に係る公文書を不存在とした実施機関の決定に、特
段の不合理な点は認められない。
(2)結論
   以上のことから、「第1 審査会の結論」のとおり判断する。
   また、請求人はその他種々主張するが、本答申の判断を左右するものではない。
2 当庁の判断及び結論
 当庁の判断の理由は、前記1の審査会の判断と同じであることから、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第45条第2項の規定により、主文のとおり裁決する。

<P10>
                     平成30年10月11日

                     審査庁 群馬県知事 大澤 正明

<P11>
            教   示
1 この裁決があったことを知った日の翌日から起算して6か月以(訴訟において群馬県を代表する者は群馬県知事となります。)、裁決の取消しの訴えを提起することができます。
  ただし、この裁決の取消しの訴えにおいては、不服申立ての対象とした処分が違法であることを理由として、裁決の取消しを求めることはできません。
  処分の違法を理由とする場合は、この裁決があったことを知った日の翌日から起算して6か月以内に、群馬県を被告として(訴訟において群馬県を代表する者は群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます。
2 ただし、上記の期間が経過する前に、この裁決があった日の翌日から起算して1年を経過した場合は、裁決の取消しの訴えや処分の取消しの訴えを提起することはできなくなります。なお、正当な理由があるときは、上記の期間やこの裁決があった日の翌日から起算して1年を経過した後で、あっても裁決の取消しの訴えや処分の取消しの訴えを提起することが認められる場合があります。

<P12>
この裁決書の謄本は原本と相違ないことを証明する。

平成30年10月12日

                      群馬県知事 大澤 正明
*********

■今回の裁決書に先立ち、群馬県公文書開示審査会から処分庁に対して出された答申内容は次のとおりです。
※PDF ⇒ 20180928_asses_jouhou_fusonzai_sinsakai_toshin.pdf

 群馬県のHPで、公文書開示審査会の会議の開催状況をチェックしましたが、9月28日の会議で答申案が採択されたことは、まだ記事として載っていないようです。
※参考URL「群馬県公文書開示審査会」↓
http://www.pref.gunma.jp/07/c0110028.html

 現在の群馬県公文書開示審査会の構成メンバーは、次のとおりです。本件を審査したのは第二b会です。

<委員>
人数 6人
任期 2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

<氏名等>
公文書開示審査会委員名簿一覧
氏名       職業・役職          担当
青木 美穂子   群馬県スクールカウンセラー  (第二部会委員)
久保田 寿栄   弁護士(会長)        (第一部会長)
宮武 優     弁護士            (第一部会委員)
村上 大樹    弁護士(職務代理者)     (第二部会長)
茂木 三枝    中小企業診断士        (第一部会委員)
山崎 由恵    弁護士            (第二部会委員)
※ 五十音順 敬称略 (男性3名、女性3名)
(※注):「崎」は「山へんに竒」だが、機種依存文字のため「崎」と表記
(任期:平成28年10月15日~平成30年10月14日)

■この公文書開示審査会が2年間を費やしてたどり着いた結論というのが、次の内容だというのですから、なんともはや。

「公文書が作成又は取得されたとすれば、木質バイオマス発電事業の実施に関して実施機関と関電工が協議又は報告を行ったことが前提となる。」⇒この大前提に争いは無い。

「実施機関の説明によれば、事業実施に関して実施機関と関電工の担当者の間で接触が複数回行われたが、公文書は作成又は取得していないとのことである。」⇒関電工にも確認したのか??

「実施機関の説明によれば、環境影響評価の要否を判断するに際して、群馬県環境影響評価条例及び同条例施行規則では、事業者が県に対して協議することや書類を提出ずることは必要とされていないとのことである。」⇒いったい何のための条例なのだ??

「また、同条例では、県が環境影響評価の要否を判断することを求められてはおらず、必要な手続きではないことから文書も作成されていないとのことである。」⇒県が要否を判断せずに誰がする??

「群馬県環境影響評価条例及び同条例施行規則を見分すると、県が事業者から資料等の提出を受けてその要否を判断すると読み取ることはできないから、実施機関の説明に不合理な点はない。」⇒環境アセスの要否の判断が事業者なら、アセス条例は無用の長物を意味する。

「実施機関の説明では、水蒸気量の算定に関する運用を定めるに当たっては、関電工から事業実施についての相談が行われた平成27年1月より前の平成26年7月に全国の都道府県に対し文書による照会を行い検討を開始したとのことである。審査会としても環境政策課においてこの全国への照会に関する文書の検証を行い、そういった状況にあったことを確認した。」⇒この照会は水蒸気量とは無関係なのにどうやって確認できたのか??

「このことから、関電工からの事業実施についての相談は、運用を定めるための端緒となったと認めることはできず、その内容を記録に残す必要性は低かったとする実施機関の説明に不合理な点はない。」⇒運用について関電工のみに伝えた事実については、わざと棚上げ。

「メモについて、実施機関の口頭説明によれば、事業者から、環境影響評価の対象事業や規模要件等に関する問合せがあった場合には、口頭による規則の説明だけでは済まないような案件など、後の参考となる事案の場合には、メモを残すようにしているとのことである。」⇒行政の都合の良しあしでメモを廃棄!!

「個人で使用していたノート等にメモを作成した可能性はあるが、メモを記載した可能性があるノート等は既に廃棄をしてしまったとのことである。」⇒証拠隠滅の追認!!

「個人のノート等に作成されたメモであり、当時の担当者が既に他部署に異動していることを考慮すれば、メモが記載されたノート等を廃棄したとの実施機関の説明に不合理な点はない。」⇒笑止千万!!

「環境政策課において公文書の確認を行ったが、本件請求に係る公文書として改めて特定すべき文書の存在は認められなかった。」⇒証拠隠滅を追認!!

「公文書が発見できない以上、実施機関が当該文書を作成文は取得していると判断することはできない。」⇒行政べったりの審査会!!

■アセス条例の特例運用がなされ、その裨益に預かった事業者(関電工ら)とのやりとりに関する情報が存在しなければならないのに、「廃棄したから無い」とする役所の言い分をそのまま鵜吞みにして、「無いものは無い」という判断を中立の立場の審査会がしたこと自体、既に審査会の存在意義を自己否定したことを意味します。

 これでは行政の事務事業の正当性を検証する術がありません。こうした行政システムがまかり取っているのが現在の実態です。こんなひどい組織に税金を払わされているかと思うと、情けなくなります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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相変わらずオンブズマンを反社会勢力と見なしている群馬県

2018-10-16 23:33:00 | 県内の税金無駄使い実態
■群馬県庁の中に学事法制課という部署があります。その傘下に「行政対象暴力対策係」というセクションがあります。市民オンブズマン群馬は、群馬県において行政の違法不当な権限の行使による税金の無駄遣いや、住民の不利益を住民の立場から是正を図ることを活動の目的としている民間の市民団体ですが、なぜか、当会会員が県庁を訪れると、頼みもしないのに「行政対象暴力対策係」がいつのまにか、隣で聞き耳を立てていることが、昨年発覚しました。その後、当会がこの問題を取りざたしてからは、この「行政対象暴力対策係」は暫く鳴りを潜めていましたが、県庁内では相変わらず、オンブズマンのことを「行政対象暴力」集団だと見なしていることが、判明しました。会員からの報告です。

 なお、この問題に関する情報は次のブログ記事を参照ください。
○2017年5月31日:【大河原報告】偽造ケアプランで不正支出された税金の回収要請をしようとした当会会員らを県職員が盗聴・盗撮!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2325.html
○2017年6月2日:【大河原報告・続報】来庁する一般県民の相談者を専門に盗聴・盗撮する群馬県庁の組織的体質が明らかに!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2328.html
○2017年6月7日:【大河原報告・続々報】来庁する一般県民の相談者を専門に盗聴・盗撮する群馬県庁の監視カメラの実態等
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2336.html
○2017年6月13日:【大河原報告・続々続報】来庁する一般県民の相談者を専門に盗聴・盗撮する群馬県庁の監視カメラの実態等
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2342.html
○2017年7月13日:来庁する一般県民の相談者を盗聴・盗撮する群馬県への情報開示請求に対して県知事から届いた不存在通知
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2361.html
○2017年7月18日:来庁する一般県民を盗聴・盗撮する群馬県がよこした情報不存在通知に対して再度開示請求提出
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2365.html
○2017年7月26日:一般県民の相談者を専門に盗聴・盗撮する群馬県庁の実態のビデオ録画映像で分析継続
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2369.html

■では、10月15日に県庁を訪れた当会会員からの報告を紹介します。

 当会会員は、現在、高崎市長を相手取り、若宮苑の偽造ケアプランに基づいて支給した介護報酬を返還するよう求めて提訴しており、この不正給付事件(事件名:平成28年行(ウ)第7号不当利得等住民請求訴訟事件)の司法判決が来る2018年10月31日(水)13時10分に、前橋地方裁判所第21号法廷(渡邉和義裁判長)で言い渡されることになっています。りました。

 これに関連して当会会員は10月15日に介護保険について相談すべく、県庁の秘書課を訪問しました。

 すると窓口の担当職員が「お話しを伺いますので、こちらへどうぞ」と案内してくれました。

 ところが案内された部署がなんと「学事法制課」だったのです。当会会員は仰天し、入室をためらい、再び秘書課に戻って、同課の平井次長に対し「なぜ学事法制課に連行したのか?」と尋ねていたところ、どこからともなく学事法制課の名札を付けた二人の職員がひょっこり現れたのでした。



「稲垣和敏」、「萩原則夫」と書かれた名札を付けた職員ら。

 どうやら秘書課のほかの職員が内線で学事法制課の行政対象暴力対策係に連絡したと思われます。

 当会会員は「私は学事法制課などには話しはないから、帰りなさい」と申し渡したところ、2人のうち「稲垣和敏」という名札を付けた職員が、「あんたは用事はなくても、こっちは用事があるんだよ」と横柄な口調と態度で対応してきました。

 当会会員が「納税者である県民に対しその言い方は何か。口の聞き方に気を付けなさい」と応じたところ、「稲垣和敏」は「俺も県民だ!だいたいお前は何歳だ!」と興奮し出しました。

 当会会員はそれ以上相手にせずに、秘書課の次長に対して、「稲垣和敏」を追い払うよう要請しましたが、明らかにこの「稲垣和敏」と名乗る職員は、当会会員を「行政暴力対象」者として見なしている風情でした。

 一見して、この「稲垣和敏」と名乗る者は明らかに当会会員より年上でしたが、初対面から当会会員に対し「上から目線」で絡んでくるような態度をとったので、本当に驚かされた、と当会会員は感想を述べていました。

 秘書課で介護保険の話を済ませて帰宅する際に、当会会員は群馬行政監視行政相談センターに立ち寄り、一部始終を報告したそうですが、学事法制課という部署は、反社会勢力を日頃相手にしているせいか、このような横柄な対応が身についてしまっているようです。

■当会会員からの速報を受けて、事務局でネットで調べてみました。

 「萩原則夫」は平成29年度は県土整備部に所属していたことがわかりました。子持村在住のようです。今年度から学事法制課に異動になったのでしょうか。
https://www.mintetsu.or.jp/association/mintetsu/pdf/63_p04_09.pdf
群馬県県土整備部交通政策課. 補佐(鉄道振興係長). 萩原則夫
冒頭頁右下に紹介記事あり。


 もう一人のヤサグレ刑事風の「稲垣和敏」は平成27年度から学事法制課の行政対象暴力対策係に所属していることがわかります。
http://www.nc.center.gsn.ed.jp/?action=common_download_main&upload_id=4662
2ページ目中段
学事法制課 補佐 石川 哲
行政対象暴力対策係 稲垣 和敏


■公益財団法人「大阪府暴力追放推進センター」によれば、「行政対象暴力」について、次の記述がHPに掲載されています。

○行政対象暴力の手口
<行政対象暴力の形態>
 行政対象暴力の形態には行政機関の持つ権限の行使を要求する「権限行使要求型」と、名目の如何を問わず、行政機関又はその職員に金品を要求する「金品要求型」があります。
 両形態とも、暴力団等の有力な資金源の一つとなるばかりでなく、公平公正であるべき行政の権限行使を歪めるものです。
 また、暴力団等は企業等に対しても不当要求を行っています。金品要求型は両者に共通する要求ですが、権限行使要求型は行政機関に対してのみ行われる独特のものであり、これに応じてしまうと、行政への信頼を大きく損ねてしまいます。
【権限行使要求型】

 暴力団関係企業を公共工事の下請業者とするために、元請業者に対する行政機関の指導監督権限を不当に行使させようとするなど、行政機関の有する許認可、指導監督、公金支給等の権限を自己又は第三者の有利となるように行使することを要求するもの。
【金品要求型】

 機関誌(紙)の購読、図書、物品等の購入など、名目の如何を問わず、行政機関又はその職員に金品の提供を要求するもの。

<行政対象暴力の検挙事例>
●検挙事例 1
 山口組傘下組織幹部が、市から市民税の滞納を理由として生命保険の支払請求権を差し押さえられたことに立腹し、市の担当者に対し、「なんで生命保険が差し押さえられてるんや。今すぐ外せ。今から市役所行って、大声出して、暴れるからな。」などと電話で脅迫して差押えの解除を強要した。(大阪府警)
●検挙事例 2
住吉会傘下組織組員らが、倒産企業の従業員への未払い賃金を政府が立て替える制度を悪用して金を騙し取ることを企て、会社が倒産した旨の虚偽の申請を関係機関にするなどし、従業員8人分の賃金を預金口座に振り込ませた。(神奈川県警)
●検挙事例 3
 住吉会傘下組織組長らが、東京都内の区役所に対し、海外の病院で入院治療を受けた事実もないのにその旨を記載した虚偽の国民健康保険療養費支給申請書等を提出し、療養費を騙し取った。(警視庁)
●検挙事例 4
 山口組直系組長らが、自動車の新規登録を運輸局に申請するに当たり、所有者を偽った申請書類を提出し、自動車登録ファイルに不実の記録をさせた。(北海道警)

 ちなみにWikipediaによれば、「行政対象暴力(ぎょうせいたいしょうぼうりょく)とは、暴力団その他の反社会的勢力、またはコンプライアンスを遵守せず人権感覚の欠如した企業・団体・個人等が、金銭や各種の利権その他の経済的利益を供与させるために、地方公共団体その他の行政機関又はその職員などを対象として、威力等を背景に違法又は不当な要求を行う行為一般のことで、対行政暴力(たいぎょうせいぼうりょく)、官対象暴力(かんたいしょうぼうりょく)とも称する。後者を縮めて官暴(かんぼう)と称する場合もある。」と記されてあります。

■オンブズマン活動は、冒頭に示した通り、「行政の違法不当な権限の行使による税金の無駄遣いや、住民の不利益を住民の立場から是正を図ること」を目的としているわけですが、行政側にとっては、ヤクザと同一視すべきコワモテの団体として取り扱われているのが実態なのかもしれません。

 当会としては、これが行政の実態だというふうに受け止め、従来通りの活動方針を貫くことで、いつかは行政側はみずから誤解を認めるだろうと考えて、これからも従来通りの方針で行政の指南役として民間の立場で活動を継続していく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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防災ヘリ墜落事故の情報を2か月ぶりに一部分のみ開示してきた群馬県

2018-10-15 01:01:00 | オンブズマン活動
■群馬県の防災ヘリコプター「はるな」が8月10日午前9時15分ごろ、前橋市の群馬ヘリポートから県防災航空隊員4人を乗せて離陸後、同9時半ごろに、西吾妻福祉病院(同県長野原町)のヘリポートにいったん着陸し、そこで吾妻広域消防本部の職員5人が加わり再び離陸し、西に向かった後、登山ルート「ぐんま県境稜線(りょうせん)トレイル」沿いに飛行中、午前10時ごろ、群馬・長野県境にある渋峠(しぶとうげ)ホテル付近で墜落してしまいました。当会は原因究明のため、直ちに8月14日付で群馬県に対して情報開示請求をしました。ところが、同8月24日に延長通知が届き、この度10月10日にようやく一部分のみ開示されました。
 開示された僅かな情報から、今回の防災ヘリは今年の4月からキズもの状態だったことがわかります。とりわけ、エンジンであるタービンのサージング現象が、部品交換を契機に頻発するようになり、修理を繰り返しても、なかなか調整がうまくゆかず、なんとかだましだまし対策を施したところ、なんとか試験飛行はクリアした、という感じです。
 8月10日に群馬県と長野県の県境付近の山に激突した防災ヘリは、急速な方向転換と速度増加をしていたということから、エンジンがサージングによりストール(出力の急激な低下)に見舞われた、という可能性が払しょくできません。

在りし日の群馬県防災ヘリコプターベル412EP型機「はるな」(JA200G)の雄姿。

 この群馬県防災ヘリ墜落に関するブログ記事は次を参照ください。
〇2018年8月14日:防災ヘリ墜落事故の原因究明を裏付ける情報開示を群馬県に請求
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2726.html
〇2018年8月16日;【速報】防災ヘリ墜落事故で明らかになった群馬県の航空法違反のズサン管理で国交省から厳重指導
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2727.html
〇2018年8月24日;防災ヘリ墜落事故の原因究明を裏付ける情報開示請求に対し県が早くもよこした2か月の開示延長通知
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2736.html

 それにしても、群馬県はなぜ肝心な当日の運行状況に関する情報をすべて開示拒否してきたのでしょうか。また、ずさんな機材や運行管理を続けていた東邦航空との運行委託契約を、長年にわたりダラダラと続けてきたのでしょうか。今回、犠牲になった7名のかたがたは、こうしたズサンな体制組織の犠牲になったといってもよいかもしれません。

■それでは、今回、開示、部分開示、開示拒否、不存在とされた群馬県からの通知を見てみましょう。

*****1.スポーツ振興課の①の部分開示通知*****PDF ⇒ 2018101010cjigcj.pdf
別記様式第3号(規格A4)(第4条関係)
           公文書部分開示決定通知書
                       ス振第179-55号
                       平成30年8月20日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢
                   群馬県知事 大澤 正明
 平成30年8月14日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例第18条第1項の規定により、次のとおり一部を除いて開示することを決定したので通知します。
 なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。) 。
 また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として( 訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。
<開示を請求された件名>
 県の防災ヘリコプター「はるな」が8月10日、中之条町の山中で墜落し乗っていた9名が全員死亡した事故に係る次の情報。① ~ ⑩
上記のうち、④8月11日に予定していた稜線トレイル全線開通を祝するオープニングセレモニー開催に関する情報
(式次第、参加者・招待者への通知案内等を含む)

<開示の日時>
平成30年9月5日(水) 午後1時30分
<開示の場所>
県庁2階県民センター
<開示の実施方法>
写しの交付
<開示しない部分の概要及びその理由>
開示しない部分
 出席者(招待者)の一覧に記載の氏名・メールアドレス
開示しない理由
 群馬県情報公開条例第14条第2号 該当
 個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるため。

<※ 開示しない理由がなくなる期日>
    年  月  日
<事務担当課等>
生活文化スポーツ部スポーツ振興課
事務担当課等スポーツプロジェクト推進室アウトドアスポーツ係
      電話番号027-897-2722 (内線)2722
<備考>

注 1 公文書の開示により得た情報は、群馬県情報公開条例第24条の規定により、適正に使用しなければなりません。
  2 指定された日時が都合の悪い場合には、あらかじめ事務担当課等へ連絡してください。
  3 公文書の開示を受ける際には、この通知書を係員に提示してください。

=====開示資料=====PDF ⇒
2018101011cjigcjrs.pdf
2018101012cjigcjrs2.pdf
1-1・2 回議用紙:件名「ぐんま県境稜線トレイルオープニングセレモニーの開催について」
1-3 1案:県議会議長、中之条町長、嬬恋村長、草津町長、みなかみ町長あて
1-4 2案:ぐんま県境稜線トレイル活用促進協議会役員、県議会議員あて
1-5 3案;環境森林部長、観光局長、吾妻振興局長、利根沼田振興局長、自然環境課長、林政課長、観光物産課長、吾妻行政県税事務所長、利根沼田行政県税事務所長あて
1-6 8月11日 ぐんま県境稜線トレイル オープニングセレモニー 駐車場案内図
1-7 別紙:出欠確認表

*****2.消防保安課からの⑧の開示通知*****PDF ⇒ 2018101020gji_twkj.pdf
別記様式第2号(規格A4)(第4条関係)
           公文書開示決定通知書
                       消保第34-24号
                     平成30年10月9日
市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢 様
                     群馬県知事 大澤 正明  印
 平成30年8月14日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例第18条第1項の規定により、次のとおり開示することを決定したので通知します。
<開示を請求された公文書の内容又は件名>
「県の防災ヘリコプター「はるな」が8月10日、中之条町の山中で墜落し乗っていた9名が全員死亡した事故に係る次の情報。
① 防災ヘリがなぜ8月11日に開通予定の「ぐんま県境稜線トレイル」の直前に、現地状況視察のために飛行したのか、その理由がわかる情報(飛行計画書、および当初9日フライト予定だったのが、10日に変更になった経緯などにかかる情報を含む)
② なぜ9:15に群馬ヘリポートを離陸した防災航空隊員4名に加え、9:27に吾妻広域消防本部の5人が西吾妻福祉病院で搭乗したのか、その理由がわかる情報(吾妻広域消防本部から防災航空隊ないし消防保安課等関係部署宛に提出された出動要請に係る情報を含む)
③ 防災ヘリに昨年4月導入されたGPS利用の「動態管理システム」の導入の経緯と費用がわかる情報。
④ 8月11日に予定していた稜線トレイル全線開通を祝するオープニングセレモニー開催に関する情報(式次第、参加者・招待者への通知案内等を含む)
⑤ 防災ヘリの運航委託先の東邦航空(東京都江東区)との委託条件の内容がわかる情報( 委託契約書や保険付保の内容、機長・機関士の雇用形態を含む)
⑥ 昨年11月に同県上野村で同社ヘリが墜落し、乗員4人全員が死亡する事故発生について、同社から県に提出された報告等の情報。
⑦ 国土交通省が今年2月、機体修理の際に部品の一部を交換しないなど多数の整備規定違反が確認されたとして、航空法に基づき事業改善命令を出していたことに関する同社から県に提出された報告等の情報。
⑧ この命令に基づき、同社が整備体制を見直すベく今回墜落した防災へリについて実施した機体の点検結果に関して同社から県に提出された報告等の情報。
⑨ 同社が今年4月にエンジン不調のために防災ヘリを修理し、6月に運航を再開するにあたり同社から県に提出された報告等の情報。
⑩ 6月中旬以降、運航再開後から墜落前までのすべてのフライトにトラブルがなかったのかがわかる情報(業務報告、整備報告等を含む)
 上記のうち、
⑧ この命令に基づき、同社が整備体制を見直すべく今回墜落した防災へリについて実施した機体の点検結果に関して同社から県に提出された報告等の情報。

<開示の日時>
平成30年10月10日(水)10時00分
<開示の場所>
県庁2階県民センター
<開示の実施方法>
写しの交付
<事務担当課等>
総務部消防保安課保安係
 電話番号027-226-2247(直通)
<備考>

注 1 公文書の開示により得た情報は、群馬県情報公開条例第24条の規定により、適正に使用しなければなりません。
  2 指定された日時が都合の悪い場合には、あらかじめ事務担当課等へ連絡してください。
  3 公文書の開示を受ける際には、この通知書を係員に提示してください。
  4 開示決定に係る公文書に第三者に関する情報が記録されている場合において、当該第三者から審査請求があったときは、その全部又は一部を開示することができなくなる場合があります。

=====開示文書=====PDF ⇒
2018101021gji_twkjrs.pdf
2018101022gji_twkjrs2.pdf
2-1 群馬防災・東方航空株式会社殿 PT6T-3Dエンジン サージ不適合報告書
2-2 サージ不適合報告書(詳細)
2-3 添付1 通常試験運転状態・故障探求試運転状態
2-4 群馬防災・東方航空株式会社殿 PT6T-3Dエンジン サージ不適合報告書
2-5 添付1 Gas Generator Case/CT Vane/PT Vane説明
2-6 添付2 No.1 P/S 性能グラフ比較(前回出荷時/今回運転時)
2-7 添付2 No.2 P/S 性能グラフ比較(前回出荷時/今回運転時)
2-8 添付3 群馬防災向け PT8T3D ヘリカルギア 表面粗さ計測結果
2-9~12 エンジンメーカー PRATT & WHITNEY CANADA社の技術スライド画面(Compressor Stalls(surge) Possible Contributors & Maintenance – Definition – Contributors – Compressor Stall – Compressor FOD, cleanliness, erosion – Remove Rough (Feathered) Edges – Compressor Blade Erosion)

*****3.消防保安課からの⑦⑨の部分開示*****PDF ⇒ 2018101030fhj.pdf
別記様式第3号(規格A4)(第4条関係)
           公文書部分開示決定通知書
                        消保第34-24号
                       平成30年10月9日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢
                   群馬県知事 大澤 正明  印
 平成30年8月14日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例第18条第1項の規定により、次のとおり一部を除いて開示することを決定したので通知します。
 なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。) 。
 また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として( 訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。
<開示を請求された公文書の内容又は件名>
「県の防災ヘリコプター「はるな」が8月10日、中之条町の山中で墜落し乗っていた9名が全員死亡した事故に係る次の情報。
① 防災ヘリがなぜ8月11日に開通予定の「ぐんま県境稜線トレイル」の直前に、現地状況視察のために飛行したのか、その理由がわかる情報(飛行計画書、および当初9日フライト予定だったのが、10日に変更になった経緯などにかかる情報を含む)
② なぜ9:15に群馬ヘリポートを離陸した防災航空隊員4名に加え、9:27に吾妻広域消防本部の5人が西吾妻福祉病院で搭乗したのか、その理由がわかる情報(吾妻広域消防本部から防災航空隊ないし消防保安課等関係部署宛に提出された出動要請に係る情報を含む)
③ 防災ヘリに昨年4月導入されたGPS利用の「動態管理システム」の導入の経緯と費用がわかる情報。
④ 8月11日に予定していた稜線トレイル全線開通を祝するオープニングセレモニー開催に関する情報(式次第、参加者・招待者への通知案内等を含む)
⑤ 防災ヘリの運航委託先の東邦航空(東京都江東区)との委託条件の内容がわかる情報( 委託契約書や保険付保の内容、機長・機関士の雇用形態を含む)
⑥ 昨年11月に同県上野村で同社ヘリが墜落し、乗員4人全員が死亡する事故発生について、同社から県に提出された報告等の情報。
⑦ 国土交通省が今年2月、機体修理の際に部品の一部を交換しないなど多数の整備規定違反が確認されたとして、航空法に基づき事業改善命令を出していたことに関する同社から県に提出された報告等の情報。
⑧ この命令に基づき、同社が整備体制を見直すベく今回墜落した防災へリについて実施した機体の点検結果に関して同社から県に提出された報告等の情報。
⑨ 同社が今年4月にエンジン不調のために防災ヘリを修理し、6月に運航を再開するにあたり同社から県に提出された報告等の情報。
⑩ 6月中旬以降、運航再開後から墜落前までのすべてのフライトにトラブルがなかったのかがわかる情報(業務報告、整備報告等を含む)
 上記のうち、
⑦ 国土交通省が今年2月、機体修理の際に部品の一部を交換しないなど多数の整備規定違反が確認されたとして、航空法に基づき事業改善命令を出していたことに関する同社から県に提出された報告等の情報。
⑨ 同社が今年4月にエンジン不調のために防災ヘリを修理し、6月に運航を再開するにあたり同社から県に提出された報告等の情報。

<開示の日時>
平成30年10月10日(水)10時00分
<開示の場所>
県庁2階県民センター
<開示の実施方法>
写しの交付
<開示しない部分の概要及びその理由>
別紙のとおり

<※開示しない理由がなくなる期日>
    年  月  日
<事務担当課等>
総務部消防保安課保安係
 電話番号027-226-2247(直通)
<備考>

注 1 公文書の開示により得た情報は、群馬県情報公開条例第24条の規定により、適正に使用しなければなりません。
  2 指定された日時が都合の悪い場合には、あらかじめ事務担当課等へ連絡してください。
  3 公文書の開示を受ける際には、この通知書を係員に提示してください。
  4 ※印の欄は、開示しない部分について、開示をしない理由がなくなる期日をあらかじめ明示することができる場合のみ記入してあります。
  5 開示決定に係る公文書に第三者に関する情報が記録されている場合において、当該第三者から審査請求があったときは、その全部又は一部を開示することができなくなる場合があります。

=====別紙=====
別紙
●文書名:平成30年2月9日起案日の復命
◎非開示部分:・機長、運航管理の氏名が記載されている部分 ・民間人の氏名が記載されている部分
〇非開示理由:【群馬県情報公開条例第14条第2号該当】個人に関する情報であって、特定の個人が識別できるため。
◎非開示部分:・代表取締役社長の印
〇非開示理由:【群馬県情報公開条例第1 4条第3号イ該当】当該法人の代表者の印影については、認証的機能を有するものであり、公にすることにより、偽造されるおそれがある等、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。
●文書名:平成30年7月4日報告
◎非開示部分:・取締役整備担当の印 民間人の氏名が記載されている部分 ・操縦士、整備士の氏名が記載されている部分。
〇非開示理由:【群馬県情報公開条例第14条第2号相当】個人に関する情報であって、特定の個人が識別できるため。
◎非開示部分;・代表取締役社長の印 ・代表取締役の印
〇非開示理由:【群馬県情報公開条例第14条第3号イ該当】
当該法人の代表者の印影については、認証的機能を有するものであり、公にすることにより、偽造されるおそれがある等、当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため。

=====開示資料=====PDF ⇒
2018101031fhj.pdf
2018101032fhj.pdf
2018101033fhj.pdf
2018101034fhj.pdf
2018101035fhj.pdf
2018101036fhj.pdf
2018101037fhj.pdf
2018101038fhj.pdf
3-1 防災航空隊
3-2・3 H30.2.8 「事業改善命令」、「納機延長」について(東邦航空の聴取)
3-4 H30.2.8 「弊社に対する行政処分につきましてお詫びとご報告」(東邦航空)
3-5 H30.2.2 「弊社に対する行政処分につきましてお詫びとご報告」(同HP)
3-6 H30.2.2 「東邦航空㈱に対し、事業改善命令を行いました」(国交省)
3-7~9 H30.2.2 「航空輸送の安全確保に関する事業改善命令」(国交省⇒東邦航空社長)
3-10・11 H30.7.4 「群馬県防災ヘリコプター『はるな』復旧についてのご報告」(東邦航空⇒県消防保安課)
3-12・13 エンジン不具合対応についての補足資料(東邦航空)
3-14~16 完成検査成績書「No.1 Power Section」(MESCO)
3-17~20 完成検査成績書「No.2 Power Section」(MESCO)
3-21~25 管理指示「SB5445R2によるBLEED AIR CASE ASSEMBLYの交換をTWC-18-047に従い実施する」(MESCO)
3-26~34 管理指示「ENGINE Assyの取付け」+「地上試運転記録」(MESCO)
3-35~42 管理指示「試験飛行記録」(MESCO)
3-43・44 MAXIMM Ng CHECK(MESCO)
3-45 保証期間の確認書(東邦航空⇔MESCO)

*****4.消防保安課からの①②③⑤⑩の開示拒否*****PDF ⇒ 201810104jm.pdf
別記様式第6号の2(規格A4)(第4条関係)
        公文書開示請求拒否通知書
                      消保第34-24号
                     平成30年10月9日
市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢 様
                     群馬県知事 大澤 正明 印

 平成30年8月14日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例第18条第2項の規定により、次のとおり開示をしないことを決定したので通知します。
 なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。) 。
 また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として(訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。
<開示を請求された公文書の内容又は件名>
「県の防災ヘリコプター「はるな」が8月10日、中之条町の山中で墜落し乗っていた9名が全員死亡した事故に係る次の情報。
① 防災ヘリがなぜ8月11日に開通予定の「ぐんま県境稜線トレイル」の直前に、現地状況視察のために飛行したのか、その理由がわかる情報( 飛行計画書、および当初9日フライト予定だったのが、10日に変更になった経緯などにかかる情報を含む)
② なぜ9:15に群馬ヘリポートを離陸した防災航空隊員4名に加え、9:27に吾妻広域消防本部の5人が西吾妻福祉病院で搭乗したのか、その理由がわかる情報(吾妻広域消防本部から防災航空隊ないし消防保安課等関係部署宛に提出された出動要請に係る情報を含む)
③ 防災へリに昨年4月導入されたGPS利用の「動態管理システム」 の導入の経緯と費用がわかる情報。
④ 8月11日に予定していた稜線トレイル全線開通を祝するオープニングセレモニー開催に関する情報(式次第、参加者・招待者への通知案内等を含む)
⑤ 防災へリの運航委託先の東邦航空(東京都江東区)との委託条件の内容がわかる情報(委託契約書や保険付保の内容、機長・機関士の雇用形態を含む)。
⑥ 昨年11月に同県上野村で同社ヘリが墜落し、乗員4人全員が死亡する事故発生について、同社から県に提出された報告等の情報。
⑦ 国土交通省が今年2月、機体修理の際に部品の一部を交換しないなど多数の整備規定違反が確認されたとして、航空法に基づき事業改善命令を出していたことに関する同社から県に提出された報告等の情報。
⑧ この命令に基づき、同社が整備体制を見直すべく今回墜落した防災ヘリについて実施した機体の点検結果に関して同社から県に提出された報告等の情報。
⑨ 同社が今年4月にエンジン不調のために防災ヘリを修理し、6月に運航を再開するにあたり同社から県に提出された報告等の情報。
⑩ 6月中旬以降、運航再開後から墜落前までのすべてのフライトにトラブルがなかったのかがわかる情報(業務報告、整備報告等を含む)」
 上記のうち、
① 防災ヘリがなぜ8月11日に開通予定の「ぐんま県境稜線トレイル」 の直前に、現地状況視察のために飛行したのか、その理由がわかる情報(飛行計画書、および当初9日フライト予定だったのが、10日に変更になった経緯などにかかる情報を含む)
② なぜ9:15に群馬ヘリポートを離陸した防災航空隊員4名に加え、9:27に吾妻広域消防本部の5人が西吾妻福祉病院で搭乗したのか、その理由がわかる情報(吾妻広域消防本部から防災航空隊ないし消防保安課等関係部署宛に提出された出動要請に係る情報を含む)
③ 防災ヘリに昨年4月導入されたGPS利用の「動態管理システム」 の導入の経緯と費用がわかる情報。
⑤ 防災ヘリの運航委託先の東邦航空(東京都江東区)との委託条件の内容がわかる情報( 委託契約書や保険付保の内容、機長・機関士の雇用形態を含む)。
⑩ 6月中旬以降、運航再開後から墜落前までのすべてのフライトにトラブルがなかったのかがわかる情報(業務報告、整備報告等を含む)

<開示しない理由>
 請求対象文書は群馬県警察により被疑事件に係る物件として押収されており、その返還の可否を確認したところ、現時点では返還できないとのことであった。このため、対象文書は刑事訴訟に関する書類にあたり、群馬県情報公開条例第40条により、同条例が適用されないため。

<事務担当課等>
総務部消防保安課保安係
 電話番号027-226-2247(直通)
<備考>


*****5.消防保安課からの④の不存在通知*****PDF ⇒ 201810105sm.pdf
別記様式第6号(規格A4)(第4条関係)
           公文書不存在決定通知書
                          消保第34-24号
                         平成30年10月9日
市民オンブズマン群馬 代表 小川 賢 様
                   群馬県知事 大澤 正明   印

 平成30年8月14日付けで請求のあった公文書については、当実施機関において保有していないため、群馬県情報公開条例第18条第2項の規定により、公文書の不存在の決定をしたので通知します。
 なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査諮求をすることができなくなります。)。
 また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として( 訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます( 処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。
<開示を請求された公文書の内容又は件名>
「県の防災ヘリコプター「はるな」が8月10日、中之条町の山中で墜落し乗っていた9名が全員死亡した事故に係る次の情報。
① 防災ヘリがなぜ8月11日に開通予定の「ぐんま県境稜線トレイル」の直前に、現地状況視察のために飛行したのか、その理由がわかる情報(飛行計画書、および当初9日フライト予定だったのが、10日に変更になった経緯などにかかる情報を含む)
② なぜ9:15に群馬ヘリポートを離陸した防災航空隊員4名に加え、9:27に吾妻広域消防本部の5人が西吾妻福祉病院で搭乗したのか、その理由がわかる情報(吾妻広域消防本部から防災航空隊ないし消防保安課等関係部署宛に提出された出動要請に係る情報を含む)
③ 防災へリに昨年4月導入されたGPS利用の「動態管理システム」の導入の経緯と費用がわかる情報。
④ 8月11日に予定していた稜線トレイル全線開通を祝するオープニングセレモニー開催に関する情報(式次第、参加者・招待者への通知案内等を含む)
⑤ 防災ヘリの運航委託先の東邦航空(東京都江東区)との委託条件の内容がわかる情報(委託契約書や保険付保の内容、機長・機関士の雇用形態を含む)。
⑥ 昨年11月に同県上野村で同社へりが墜落し、乗員4人全員が死亡する事故発生について、同社から県に提出された報告等の情報。
⑦ 国土交通省が今年2月、機体修理の際に部品の一部を交換しないなど多数の整備規定違反が確認されたとして、航空法に基づき事業改善命令を出していたことに関する同社から県に提出された報告等の情報。
⑧ この命令に基づき、聞社が整備体制を見直すべく今回墜落した防災ヘリについて実施した機体の点検結果に関して同社から県に提出された報告等の情報。
⑨ 同社が今年4月にエンジン不調のために防災へリを修理し、6月に運航を再開するにあたり同社から県に提出された報告等の情報。
⑩ 6月中旬以降、運航再開後から墜落前までのすべてのフライトにトラブルがなかったのかがわかる情報(業務報告、整備報告等を含む)」
 上記のうち、
⑦ 昨年11月に岡県上野村で同社ヘリが墜落し、乗員4人全員が死亡する事故発生について、同社から県に提出された報告等の情報。

<公文書が存在しない理由>
当該請求に係る文書は提出されておらず、保有していしないため。

<事務担当課等>
総務部消防保安課保安係
 電話番号027-226-2247 (直通)
<備考>

**********

■今後、機体のトラブルと、無理な運用の両面から、引き続き原因究明を進めていこうと思います。

 折から、ご遺族のかたがたも原因究明を求めるために遺族会を発足させました。当会としても、なんらかの支援ができれば望外の喜びです。

**********上毛新聞2018年10月12日
防災ヘリ墜落 月内にも遺族会発足へ 登山道整備を要望
 群馬県防災ヘリコプター「はるな」が中之条町の山中に墜落し9人が亡くなった事故で、搭乗していた吾妻広域消防本部職員の遺族が中心となり、遺族会の発足準備を進めていることが11日、分かった。遺族同士で連絡を取り合い、月内にも正式な立ち上げを目指す。県など関係機関に対し、墜落現場への登山道の整備や親への補償、早期の原因究明などを求める。
 遺族側は個別に行動してきたが、県などに要望するには、遺族会として足並みをそろえる必要があるとの認識が広がっている。それぞれが抱える悩みや課題についても情報共有する。
 県は亡くなった搭乗員のうち消防職員7人に、規定に基づく「賞恤しょうじゅつ金」の支給を検討している。一方、遺族の中には「苦労して育てた大切な息子を亡くした精神的なダメージは大きく、生活も一変した」とし、慰謝料など親への補償を県や運航委託先の東邦航空(東京)に求めるべきだとする意見が上がっている。
 事故機の回収について、県は大型ヘリで引き上げた後、トラックに積み替えて群馬ヘリポート(前橋市)まで運ぶ計画を示している。今月中旬の完了が予定されているが、遺族らの間では、墜落現場までの慰霊登山を希望する声もある。
 現地までの道が険しいことから、遺族会として登山道の整備も働き掛ける方向だ。ある遺族の男性は「息子の魂が現場に漂っているような感じがする。一日でも早く、現場まで行けるようにしてもらいたい」と話している。

**********東京新聞2018年10月13日/産経新聞2018.10.12 14:58
群馬ヘリ墜落 遺族会発足へ 原因究明求める(東京新聞見出し)
群馬ヘリ事故遺族会発足へ 補償、原因究明求める(産経新聞見出し)

 搭乗員9人全員が死亡した群馬県の防災ヘリコプター墜落事故で、乗っていた吾妻広域消防本部職員の遺族が遺族会の発足を準備していることが12日、分かった。遺族によると、月内の正式な立ち上げを目指しており、県や運航委託先の東邦航空(東京)に対し、親への補償、墜落現場への登山道の整備、早期の原因究明を求めていく。
 これまで個別に県と対応してきたが「個人で動くと要求が通りにくい。足並みをそろえたい」との意見があった。悩みや課題を共有し、精神的な負担を軽減することも狙いだ。遺族の一人は「息子を亡くした精神的なショックから食事が喉を通らず、買い物にも行けなくなった」と話した。

**********共同2018年10月14日 21時05分
群馬・防災ヘリ事故、遺族が献花 墜落現場近くで

群馬県の防災ヘリコプター墜落事故で、現場から離れた山道に遺族らが手向けた花=14日、群馬と長野県境(遺族提供)
 群馬県の防災ヘリコプターが8月に墜落し、搭乗員9人全員が死亡した事故で、一部の遺族が14日、事故現場から約800メートル離れた山道で献花した。遺族の男性は「花を手向けに来たのは事故後初めて。少しでも近くにいられた気がした」と語った。
 男性によると、遺族のほか、9人のうち県への出向者を含めて6人が所属していた吾妻広域消防本部や、県の職員ら約30人が参加。献花し、墜落現場の方角に向けて手を合わせた。
 県は15日に機体を回収、前橋市の群馬ヘリポートにある県防災航空隊の格納庫へ移す。
**********

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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市議選の有効性が問われる中、10月12日に選管から来た供託金返還通知に当会から公開質問状

2018-10-14 22:59:00 | オンブズマン活動
■当会の会員が立候補した館林市議選は、9月16日の告示後1週間の選挙戦を経て、同23日に市庁舎の近くの体育館で開票されました。ところが、投票者の人数より、投票箱の中にあった票の数が1つ多いという事態が判明し、大騒ぎになっています。この市議選に出馬した当会会員で館林市支部長は、当会副代表が遭遇した館林市選管のずさんな選挙対応に関する報告をもとに、館林市選挙管理委員会に対して選挙の有効性について10月5日までに正式に異議を申し立てました。そんな中、館林市議会は10月9日に臨時会を開き、議長と副議長を選出したというので、市民は仰天しましたが、10月12日には、なんと選管から市議選の候補者らに対して、供託物返還通知が届いたというので、館林市の有権者でなくても、市の選管は一体何を考えているのやら、さっぱりその意図がわかりません。思い余って、市議選に立候補した当会支部長は、次の内容の公開質問状をさっそく館林市選管あてにFAXで送信しました。

当会支部長あてに選挙長名義で届いた10月10日付の供託物返還通知。

 この投票すり替え疑惑事件のこれまでの経緯については、次のブログ記事をご覧ください。
〇2018年10月10日:選挙の有効性が問われる中で、10月9日館林市議会臨時会が議長・副議長を選出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2776.html
〇2018年10月5日:館林市議選の有効性をめぐり当会会員が館林市選管に異議申し立ての補正書を提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2770.html
〇2018年10月1日:9月23日投開票の館林市議選の開票場の様子から見えてくる我が国選挙制度の不誠実な現況
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2766.html
〇9月26日:9月23日の館林市議選の開票結果を巡る謎の解明は果たして可能なのか?
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2763.html
〇2018年9月17日:館林市議選で当会会員が奮戦中!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2760.html

■選管宛の公開質問状は次の通りです。

*****選管あて公開質問状*****

                 平成30年10月13日(土)
館林市選挙管理委員会御中
                     異議申立人:
                     館林市台宿町1-31
                     館林市市議会議員候補
                      小林 光一
                     CC:市民オンブズマン群馬
                        代表 小川 賢

         供託物返還通知に関する公開質問状

前略 館林市議会議員選挙につき、選挙管理委員会の皆様には大変お世話になりました。
 さて、平成30年10月10日付で貴委員会から送っていただきました「添付供託物の返還について(通知)」の書面内容を拝見すると冒頭に「平成30年9月23日に執行された館林市市議会議員選挙における供託物は、平成30年10月9日の経過をもって供託の原因が消滅しました。」(選挙長よりの通知内容抜粋)とあります。
 一般的に、選挙の供託物の返還は、選挙及び当選の効力が確定した後でなければすることができないと思っています。つまり、効力が確定し返還することができることとなったときは、返還請求することができる者に対してその旨の通知をすることが望ましいことになります。
 今回、貴委員会からの通知が、仮に「選挙の効力について確定した」ということを踏まえたとすれば、それは異議申立人として、受け入れがたいことになります。なぜなら、供託の原因が消滅したわけではないからです。それは、先の10月2日付の選挙の効力に関する異議申立てにつきまして、審議が終わっていないからであります。
 今回、通知された供託物返還に関し、選挙の効力が確定していない状況は解消されたのでしょうか。異議申立人による異議申立ては棄却ないし却下されたのでしょうか。しかし、異議申立人はそのような通知を受け取っておりません。
 そこで、質問があります。
『今回の供託物の返還通知はどのような根拠で交付したのでしょうか?』
 折り返し書面で大至急異議申立人宛にご回答賜りますようよろしくお願い申し上げます。その結果を踏まえて、対応をご相談させてください。
 何卒 館林市選挙管理委員会に於かれましては、事情をご賢察の上、早急に対処いただきたくお願い申し上げます。
                           以上
**********

■どうやら館林市選管は、なし崩し的に投票すり替え疑惑事件を封印しようとしているフシが見え隠れします。

 当会支部長には、明日、直接選管に上記公開質問状を持参して、選挙の効力の有無について、詳しく選管の見解を聴取していただくことにしています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…当会の再質問状に驚愕の無責任回答をよこした群馬高専後援会の実情

2018-10-14 21:21:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専には、保護者を取りまとめる会として「後援会」が存在し、一般的な学校のPTAに相当する活動を行っています。また、後援会の運営は、少なくとも形式上、学校からは完全に切り離されているものとされています。

PDF ⇒ qnhwzja.pdf
群馬高専後援会HPより。URL:http://www.gunma-kousen.com/greeting/

 しかし、群馬高専において発生した電子情報工学科アカハラ事件や寮生連続自殺・不審死等の諸事件をめぐるこの数年間で、本来保護者を唯一取りまとめる機能をもつはずの後援会の影は極めて薄く、少なくとも外部の目に見えて、責任の追及・真相解明・建設的解決・再発防止に向けた実効的な活動は皆無といってよいものでした。

■そこで当会では、「なぜ学生を守ったり、保護者・学生の声を反映しようとしないのか」と質す前段階として、そもそも後援会として、群馬高専で起こった諸事件や未だ解決をみない現状についてどのような見解を抱いているのかを確認するため、「群馬高専での諸事件に係る見解の問合せ」と題して公開質問状を7月2日付で提出しました。

 しかし、7月24日に返ってきたのは「後援会の活動をもって回答とする」という、事実上の回答拒否とも言ってよい「回答」でした。あまりににべもない内容に閉口しつつも、仕方がないのでお盆休み直前の8月10日に再度、可能な限りシンプルに仕立てた内容の再質問状を提出していました。経緯は以下のブログ記事をご覧ください。

○2018年7月2日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…群馬高専後援会あてにアカハラ事件の見解を問う公開質問状を発出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2682.html
○2018年7月24日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…群馬高専後援会からアカハラ事件見解に関する回答が到来
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2706.html
○2018年8月12日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…無責任な対応を続ける群馬高専後援会に再質問状を送達
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2723.html

■しかし当会が指定していた回答期限(8/24)になっても何一つ連絡がなく、10日も過ぎた9月4日になって、ようやく9月3日付の「回答」が当会事務局に送付されてきました。その内容を早速見てみましょう。

*****群馬高専からの再公開質問への回答*****PDF ⇒ 20180904qnj.pdf
                         平成30年9月3日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢 様
                     群馬工業高等専門学校後援会
                          会長 滝上 幸一

          「再公開質問状」について(回答)

 平成30年8月10日付けで出されました再質問状につきまして、期日までに回答できなかったことを深くお詫びいたします。
 当会は、学生の学業の達成・課外活動のその他に関して後援することを目的にしており、懇談会などの各種事業において保護者からの意見を吸い上げ、後援会活動の改善や学校に対して意見・要望もしております、これらは過去からも未来へも継続されている活動となります。
 当会は学生の保護者の会であることから、第三者が活動に参加することはご遠慮いただいており、併せて、会議の傍聴、インタビュー等もご遠慮いただきたく存じます。
 当会の事業や活動内容に関しましては、後援会ホームページで閲覧いただけますので、どうぞご覧ください。
 なお、当会は上記目的を達成するために運営・活動しておりますので、前回と繰り返しになり大変恐縮ではございますが、貴殿におかれましても、当会の主旨にご理解いただけると幸いに存じます。
**********

■読者の皆様はどう思われましたでしょうか。少なくとも当会としては、群馬高専を牽引していくはずの保護者の代表らの出すメッセージとは思えないほど無責任で常識の欠落した「回答」に、しばし唖然とせざるを得ませんでした。

 ここまでアカハラ事件について徹底的に触れない卑怯さの源にいったい何があるのか、その分析は後段に回します。しかしそれにしても、「学生の学業の達成」を妨害するアカハラ事件を食い止めることも追及することもせず、アカハラ・寮生連続自殺への「保護者らの意見を吸い上げる」こともせず、一連の事件に関して「学校に対して意見・要望」もろくにしなかった群馬高専後援会が、よくもまあこのような「回答」を平然と返せたものだと感心するばかりです。

 「これが後援会の活動だ」と壊れたレコーダーのように繰り返していますが、そうだとするなら、上記のとおりその最低限の活動目的すら後援会は果たせていないわけですから、単なる後援会費の無駄食い集団でしかありません。滝上後援会長も理事も、吸い上げた膨大な会費をさっさと保護者らに返納すべきでしょう。

■この「回答」が事務局に寄せられた夜、当会の事務局長は「到底許せない」と憤慨を禁じ得ませんでした。無理もありません。

 前橋市内で小中高生向け学習塾を経営し、また自ら教鞭も執る事務局長にとってみれば、手塩にかけて教えてきた大事な生徒たちがアカハラの餌食にされるなど、まして自殺に追い込まれるなど、たまったものではありません。そのことによる後押しもあって事務局長も、アカハラや自殺の根を絶つべく、数年間にわたり群馬高専への働きかけには熱く心を燃やしてきました。保護者ぐるみでアカハラの助長に邁進している学校のままでは、群馬高専への進学を志す生徒たちの背中を、安心して押してやることができません。

 事務局長のような事情がなくとも、群馬高専が我々国民の税金で運営され、我々の子弟が群馬高専に進学する(あるいは、既にしている)可能性がある以上は、広い意味で我々国民全体が「学校利用者」であり、群馬高専に関する問題も決してミクロなものではなく広く考えられていくべき課題のはずです。そのスタンスでこれまで群馬高専に関する問題を追及してきたにも関わらず、学生を守ろうとすらしなかった後援会が、無神経かつ高慢に「第三者」などとオンブズマンや市民をくくっていることも遺憾であると事務局長は感じたようです。

■事務局長の例を見てもお分かりのとおり、塾の生徒のいち進学先としての群馬高専ですら、これほど興味・関心と問題意識を持つのが普通なのです。なぜ大切な我が子が青春を捧げて通うはずの学校の致命的な腐敗に対して、後援会がここまで冷淡で無責任で無能なのか。おそらくそこには「大小2つの事情」があると当会では考えております。

 1つ目、小さいほうの事情としては、やはり「市民団体」としての当会への不信感がぬぐえないということがあるのでしょう。当会が本件についての調査・追及や、情報の拡散を行うあるいは行っていただいた過程の中でも、幾度となく「市民団体」への偏見に直面しました。

 この件が話題になる中でも、残念ながらチラホラ「共産系」「学生運動の残渣」「左翼」などというような事実無根の見方がなされていたようです。しかしながら当会では、こうした反応であっても、問題の投げかけに対して世間一般が見せた貴重な波紋のひとつとして、受け止めたいと考えています。

 なお、念のためにこの場を借りて申し上げておきますが、当団体「市民オンブズマン群馬」は、いかなる特定政党・特定政治思想に基づく政治団体・新興宗教団体・特定企業・特定国家・特定有力者・その他危険団体や危険人物等とも、活動の追及対象とする場合を除き、会として一切の関係はございません。

 また、当会会員が、これまでに上記のような団体・個人から不健全な形での教唆あるいは利益の供与を受けて活動を行ったというような事実や、特定の政治イデオロギーに基づき暴力的・反社会的な活動を行ったというような事実も一切ございません。

 さらには、活動に便乗した勧誘行為(いわゆる“オルグ”)や金銭を要求する行為なども断じて行っておりません。したがって、仮にこのような言説がなされておりましたら、すべてが事実無根のデマであると考えていただいて差し支えございません。

■また、群馬高専後援会がアカハラとその隠蔽を事実上助長している大きなもうひとつの原因としては、群馬高専に根付く「進学至上主義」が挙げられます。

 だいたいの高専では、大多数の卒業生はそのまま企業に就職し、学校側もそのことを前提に指導を行います。しかし、大学に設けられている高専編入枠や大学院を狙わせ、進学させることを指導の主眼においた「進学高専」も中には存在し、群馬高専もその一つです。卒業生のほとんどが国立大学やその院に進学し、さらに旧帝大や東工大といった名だたるエリート大学・大学院にも相当数が進学していることから、普通高校からの大学進学という一般的な進路にかわる「別ルート」として認知されてきています。

 当会が2016年8月に群馬高専の学校見学会に参加した際も、学校側は説明会でこの点を盛んにアピールしていました。
○2016年8月11日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・第1回学校見学会参加報告
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2104.html

■しかしながらこの編入試験は、推薦入試となっていたり、あるいは学力試験であっても学校の作成した調査書や素行経歴を加味しながらの面接等を課しているケースが多く、総体的にみて学校側の関与が大きいシステムとなっています。また、高専の専攻科(大学の3-4年に相当する特別課程)から大学院へ進む場合などは、当然専攻科の選考自体を高専が掌握していますから、これも学校側の胸三寸ということができます。結局のところ、学生がよい進路を勝ち取るには、学校による積極的なバックアップが不可欠なわけです。

 そして、これを逆手に取り悪用すれば、学校が進学をネタに学生・保護者を「ゆする」ことが可能になってしまいます。こうした脅迫を平然とおこなう群馬高専の体質を如実に示したのが、2016年7月に西尾前校長が校内の全学級と寮に貼り付けた脅迫文書でした。


2016年7月8日、当会の群馬高専訪問当日に西尾前校長が全学級に貼り付けた文書。Twitterより。こんなものを平然と貼り付けた西尾前校長の人格が正常でないのは言うまでもなく散々指摘されているが、これを貼られても反応ひとつせず笑って見逃す後援会の体質もまた、極めて異常である。

■こうした学校側の有象無象の圧力が、学校を健全な状態に保とうとする学生や保護者の意欲を削ぎ、しまいには人間として当たり前の常識や倫理観までマヒさせられて、群馬高専の悪行の片棒を担ぐただの進学マシーンにまで貶められてしまうのです。

 さらに信じがたいことですが、群馬高専の内部者からの報告によれば、「学校の評価が貶められて進学に悪影響を及ぼされたくない」という理由で、アカハラや連続自殺事件の鎮静化(=被害者の泣き寝入り)を望む学生や保護者も決して少なくはないようです。

■じつは、アカハラ・寮生連続不審死事件の過程や当会の調査で、後援会の名前が浮上してきたことは2015年以降何度かあります。一連の事件に対して後援会がどのような対応を取ったのか、時系列を追って見てみましょう。

 資料の上で後援会の名前が初めて出てくるのは2015年1月下旬のことです。2014年度に入ってから苛烈さを増した電子情報工学科の雑賀洋平教授によるアカハラについて、被害学生の一人の親が後援会理事であったため、その時に開催された理事会が紛糾したようです。

 さらに、同じく2015年1月下旬には、電子情報工学科の4年学生が雑賀教授のアカハラについて後援会事務局に対応と救済を訴え、その結果として後援会会長が当時の西尾校長に抗議を行ったようです。しかし、西尾校長はこれを一蹴しました。

 そして、2015年春の段階で被害者側が作成した資料によれば、「後援会は学校を信用しておらず、2015年2月の学生による告発も当然把握していて、学校の出方をうかがっている」という状況分析がなされています。

 以上のことから、2015年の段階では、表ざたにならないレベルとはいえ、後援会もそれなりに問題意識をもち、ある程度の対応は行っていた事実が読み取れます。しかしその後、後援会によるアクションはなぜか行われることはなく、後援会は表舞台からは消えていきます。

■アカハラの解決もままならないうちに、今度は2015年6月と2016年1月に、立て続けに電子情報工学科4年寮生の不審死事案が発生してしまいました。しかしこの件についても、後援会が再発防止や原因究明のために何らかのアクションを起こしたという事実は確認されていません。

 ところで、一連の事件を受けての2016年夏の大きな動きとして、2016年6月17日に上毛新聞が寮生連続不審死事件を報じ、同7月8日に当会が群馬高専を訪問し西尾前校長がくだんの脅迫文書を全学に貼り付けた事件がありました。

○2016年6月17日:アカハラから寮生連続怪死事件に及んだ群馬高専の闇に光を照らすべくオンブズマンが新たに情報開示請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2031.html
○2016年7月8日:【速報】アカハラと寮生連続死亡事件に揺れる群馬高専に3度目の公開質問状を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2061.html

実は、この2つの出来事の狭間、つまり上毛新聞による報道のみがなされていた段階の7月2日に、2016年度群馬高専後援会総会が開催されていました。これに参加した保護者からの報告によれば、なんと、「後援会が、明らかにサクラを使って議事誘導しており、事件への追及を揉み消そうとする意図のもとだった可能性が高い」という事態が起こっていたようです。

 具体的には、後援会が用意したあるいは元理事等で協力したとみられる学校側のサクラが、議長選出の際に「執行部に一任」と大声で言ったあとに、寮生死亡についての話題が提起されないよう、「学校だよりを家庭に送付するか学生に手渡しにするか」という些事で長時間紛糾させ(そもそも、学校だよりは学生配布も家庭送付も両方行っていた)、最後にサクラが一声あげて混乱をまとめる(参加者曰く、「外見上かなり揉めていたのに、あまりに一瞬でまとまりすぎていた」)といった方法で、学校側に火の粉が飛ばないように調整したようです。

■この2016年度に後援会長を務めていたのが時任康夫氏ですが、その後に学生有志が対処を求めて水面下でアプローチを行ったことがあるようです。しかしながら、「時任という群馬県内では珍しい苗字がオンブズマンのブログに掲載されてしまい、最悪自宅を特定される危険性すら生じた」「アカハラ被害者や不審死遺族の意向が反映されているのか疑問がある」という理由とともに、オンブズマンへの不信感を表明されたようです。

 しかし、後援会長の氏名は後援会のHPそのものに掲載されていた(しかも、署名として大きく載せられていた)ものであり、当会はそれを確認のうえで掲載したにも関わらず、あまりにも理不尽な批判というほかありません。加えて、保護者学生数千名を束ねる後援会の会長となれば公人的性格を帯びてくるのは当然であり、別に強制されてなったわけでもないのに、氏名すら明らかにできない、というのは無責任です。

 さらに、アカハラ被害者や不審死遺族の意向が反映されているのか不明なのであれば、難癖を付けることを優先し見て見ぬフリを正当化するのではなく、関係者の連絡先を知っており、ある程度の立場も権限もある後援会自らが責任をもって確認すべきものです。しかも、被害者が散々要請したにも関わらず、2015年度以降音沙汰のなくなった後援会にしびれを切らして、被害者が当会に駆け込んだ面もあるにも関わらず、この理屈はあまりに経緯を無視しているものです。

■それでも、一連の事件の対処に関する要請には、「検討する」「理事会に諮る」といった返事があったようですが、その後、実際に後援会によって対処が検討されたり諮られた痕跡は、残念ながら確認できません。

 この際、学生有志のいくつかの提案に対して、後援会側は「オンブズマンの肩を持っていると見られたくない」と本音を吐露したようです。当会としては、「オンブズマンが関与しない形の自浄作用が何も機能していない状況にも関わらず、では後援会が自力で動いてくれるのか」と聞き返したくなったことは言うまでもありません。そもそもこれは、学生生活の安心・安全が学校側によって阻害されているという総体的な問題であり、オンブズマンの動向に関わらず後援会が追及するのが当然の課題であって、学校とオンブズマンの二者による私的な争いという構図に矮小化して、「肩を持つ」などという表現をすること自体が、極めて遺憾でしかないと感じています。

■その後、2017年度中はアカハラ情報不開示を巡る訴訟にかかりきりになってしまったため、当会として後援会へのアプローチは困難となり、2018年に入ってようやく訴訟が終結を迎えたことから、後援会の認識を改めて問うべく当会として質問状を発出しましたが、これまでご報告した経緯のとおり、見えてきたのは想像以上に倫理観と責任感の欠如した群馬高専後援会の姿勢でした。

 それも、アカハラ事件については絶対に言及せずに、起こった事実一切を抹消するという、被害者の尊厳すら踏みにじるような信じがたいほど卑怯なものでした。後援会を運営する滝上幸一会長以下役員の人間性を疑うとともに、人の親としてまずどうなのか、と感じてしまいます。

 上述したとおり、反抗的な保護者の子息や学生に対して、学校側が調査書を辛辣に書いたり、処分歴をつけたり、推薦を拒否したり、専攻科の選考で落とすといった行動に出れば、進学は容易に学生や保護者を制圧する「ムチ」として機能します。これは西尾校長の貼り紙によって如実に示されました。一方で、可能性の上では、従順な保護者・学校に「貢献」する保護者の子息の進学に関して「色を付けてやる」という使い方をすれば、進学は「アメ」としてすら機能するでしょう。

 苦しむ他者を踏み台にし、学校としての良識も評価も崩壊させられた中で、なおも学校側に忖度する「飼い犬」としてひたすら振る舞ってまで「進学・学歴」を得て我が子にプレゼントすることが、果たして親として、大人として、人間として正しいことなのか、もう一度問い直す必要があるでしょう。少なくとも筆者の私見としては、極めて理解に苦しむものです。

 それに倫理的なものを抜きにしても、保護者が力を合わせれば学校もそう簡単に手を出せるわけはありません。また、理不尽な選択を強いる群馬高専のシステムに永続的に従い続けるよりは、一度勇気を出して悪辣なシステム自体を変えてしまったほうが、結果的なコスト・犠牲は遥かに小さく済むでしょう。この簡単な理屈になぜ気が付いてくれないのかと感じるばかりです。

■加えて言えば、寮生連続不審死における1度目2度目の自殺や、アカハラ事件が発生した時点で、後援会が事実関係の精査や群馬高専の体質改善、再発防止に本腰を入れて注力していれば、後の方の自殺はもしかすれば防げたかもしれなかったものです。その意味で後援会の責任は重大と言わざるをえないものですが、後援会のこれまでの活動や態度に、そうした認識や反省は微塵もみられません。

 しかも後援会の無責任さは、「他人なんか知ったことではない、自分だけがよければいい」という構図ですらありません。なぜなら、群馬高専に通わせる子を持つ保護者にしてみれば、群馬高専のアカハラ体質が改善されなければ、次には自分の子供がアカハラの餌食になりうるわけで、決して他人ごとではないはずだからです。実際に、電子情報工学科におけるアカハラ事件では、後援会理事の子女までもが主要な被害者としてその餌食になりました。

 すなわち、「群馬高専がアカハラの起こる学校のままでいい、自殺が続発する体質のままでいい」というのは、「自分の子供がアカハラの被害を受けようが、自殺しようがどうでもいい」というのと同義というわけですが、後援会のこれまでの態度を見る限り、本当にそう考えているような印象すら受けます。自分の子供すら守る気がないのならば、率直に「親として失格」と断ずるしかありませんが、しかしこのことが、群馬高専を覆いつくす異常性を、また保護者すら染め上げてしまった闇の深さを象徴しているといえるでしょう。

■当会では、引き続き一連の問題に関して群馬高専を追及していくことにあわせて、群馬高専後援会の無責任さを追及していくとともに、後援会幹部と学校側に不健全な繋がりがないかなどを調査し、その体質の改善を図っていくこととしています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・なお筆者多忙によりご報告が遅れましたことをお詫びします

コメント (3)
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