市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

鉛やカドミウムが通常より最大60倍降り注いでいる東邦亜鉛安中製錬所周辺の土壌汚染の深刻度

2019-04-17 23:56:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■安中市東部の碓氷川沿いの丘陵地の斜面で戦前から操業中の東邦亜鉛安中製錬所の周辺は長年にわたる製錬所から排出される重金属を含んだ降下ばいじんにより、周辺の土地の土壌汚染が深刻です。重金属、とくにカドミウムが取りざたされ安中公害として社会問題化した昭和40年代以降、東邦亜鉛が、排煙や排水などの公害防止対策のための設備を導入してからも、依然として排煙や排水中に含まれる重金属の量はゼロにはなっていません。とりわけ降下ばいじん中の重金属による周辺土地の土壌汚染は、年々蓄積されています。筆者は、地元の畑地土壌汚染対策事業として行政が推し進めている「碓氷川流域地区公害防除特別土地改良事業」の推進委員会本部役員の一人で広報を担当していますが、先日推進委員会の会長から、降下ばいじん量の実態について調べてほしいと依頼されたため、群馬県に情報開示請求をしたところ、関連情報が開示されましたので、委員会の会長の承諾のもとに公表しておきたいと思います。

一番上に見えるのが主排ガス塔。高さ30mというが、頂上より少し手前の斜面にあるので、煙は容易に地表に近づく。つまり降下ばいじんになり易い。


一番上の左側に見えるのが精鉱をストックする貯鉱舎

手前が硫酸工場。相変わらず錆が目立つ

右側の硫酸工場の左側に位置するのが排水処理施設

別の方向から見た硫酸工場

新電解工場。手前の塀は今年になって設置されたもの。どんどん拡大している

 2018年12月6日付で群馬県知事あてに公文書開示請求をした内容は次の通りです。

**********
<開示を請求する公文書の内容又は件名>
 東邦亜鉛周辺で実施いている降下煤塵調査の毎月の測定結果および毎年1回提出される業務完了報告書(鑑文掲載ページに業務委託先業者名が記されたもの)のうち平成25年度から29年度にかけての情報。加えて、当該測定地点を示す概要図。

**********

■すると、2018年12月13日付で開示通知があり、同12月21日に開示を受けました。

※公文書開示通知書 ZIP ⇒ 201812210jejm.zipi2529nxj.zip

 開示された情報は次の通りです。


●降下煤塵調査結果(平成25年度分)
ZIP ⇒ 201812211oi25nxj.zip
●降下煤塵調査結果(平成26年度分)
ZIP ⇒ 201812212oi26nxj.zip
●降下煤塵調査結果(平成27年度分)
ZIP ⇒ 201812213oi27nxj.zip
●降下煤塵調査結果(平成28年度分)
ZIP ⇒ 201812214oi28nxj.zip
●降下煤塵調査結果(平成29年度分)
ZIP ⇒ 201812215oi29nxj.zip
●業務完了報告書表紙(平成25~29年度)
ZIP ⇒ i2529nxj.zip
●当該測定地点を示す概要図
ZIP ⇒ 201812217yn_tv.zip

 では、これら降下ばいじん測定地点の様子をご覧ください。

<測定地点1>中宿1


左が県、右が東邦亜鉛のダストポッド(ダストジャーとも称す)。


これらは群馬県環境部局が設置したポッド(又はジャー)。今回の測定データはここから得られたもの。


これらは東邦亜鉛側が設置したポッド。測定データは非公開にされている。






調査地点1に隣接している硫酸工場の様子。


調査地点1から東に300mほどの水田の畔に設置されている身元不明(県農政部局?)のポッド。
<調査地点2>西岩井



県環境部局が設置したポッド。今回の測定データはここから得られたもの。


これらは東邦亜鉛側が設置したポッド。測定データは非公開にされている。
<調査地点3>中宿2



以前は水田の畔だったが、その後宅地化が進み、現在は民家に挟まれた場所になっている。ポッドは県環境部局が設置し、今回の測定データはここから得られた。
<調査地点4>北野殿



県環境部局が設置したポッド。今回の測定データはここから得られたもの。


調査地点4の付近にある大塚まけ(一族)の墓地。




調査地点4から東に300mほどの北浦にある試験栽培地。


北浦の試験栽培地に設置されている県農政部局のポッド。


同じ場所に東邦亜鉛が設置しているポッド。測定データは非公開。

同じ場所にある素性不明な設置物。



北浦の試験栽培地からさらに東へ約300mの北野殿天皇塚古墳付近にある東邦亜鉛が設置しているポッド。測定データは非公開。



調査地点4から南へ600mほどののどの荘の南付近にある県農政部局が設置したポッド。

■上記の5年間の測定データをまとめたのが次の資料です。↓
ZIP ⇒ 201812215oi29nxj.zip20181221oiotj.zip

 特に注目したいのは、5年間に降り続けた降下煤塵の総量と、それに含まれる「亜鉛」「カドミウム」「鉛」の総量です。測定地点は安中製錬所の北に位置する「中宿1」、東の「岩井」、西の「中宿2」、そして南の「野殿」の4か所と、比較対象のため約40㎞東に離れた太田市保健福祉事務所の1か所の計5か所です。この結果は次の通りです。

<平成25年4月~平成30年3月の5年間のダストジャーの降下煤塵総量> (単位㎎)
 場所    煤塵   亜鉛   カドミウム   鉛
 中宿1   6041   72.74  0.2895  3.611
 岩井    5285  107.85  0.4608  4.340
 中宿2   6767   58.67  0.2529  3.029
 野殿    5085   52.68  0.2279  2.642
 太田市   3474   4.81  0.0069  0.693

 測定に使用したダストジャーの口径は20.7㎝なので、面積は約336㎠となります。これを1㎢に換算すると、300万倍すればよいことになります。こうして5年間に1平方キロメートル当たり換算した降下ばいじん量と、その中に含まれる重金属として「亜鉛」「カドミウム」「鉛」の総量を試算した結果が次の通りです。

<平成25年4月~平成30年3月の5年間の1㎢当たり降下煤塵総量> 
 場所   煤塵(トン)  亜鉛(kg)   カドミウム(g)   鉛(kg)
 中宿1  181.23  2,182   8,685  108.33
 岩井   157.74  3,235  13,824  130.20
 中宿2  203.01  1,760   7,587   90.87
 野殿   152.55  1,580   6,837   79.26
 太田市  104.22    144     207   20.79

■今度は東邦亜鉛安中製錬所の影響を被らない太田市を1とした場合、各測定地点が何倍になるのか見てみましょう。

<平成25年4月~平成30年3月の5年間の降下煤塵総量比較倍数> 
 場所   煤塵(倍)  亜鉛(倍)  カドミウム(倍)  鉛(倍)
 中宿1  1.74  15.12  41.96  5.21
 岩井   1.52  22.42  66.78  6.26
 中宿2  1.95   12.20  36.65  4.37
 野殿   1.46  10.95  33.03  3.81
 太田市  1.00   1.00   1.00  1.00

 これを見れば、安中製錬所の周辺が如何に「異常である」ことがよく理解いただけるはずです。

 すなわち、製錬所がない地域に比べると、人体に有毒なカドミウムの降下量は実に33~67倍に達しているからです。また、体にはさほど有害ではないとされる亜鉛も、11~22倍も降り注いでおり、恐ろしい鉛についても、4~6倍強も他の地域よりたくさん降り注いで、これらが土壌中に溜まり続けているのです。

 したがって、仮に製錬所周辺の畑地の土壌汚染除去のための「碓氷川流域地区公害防除特別土地改良事業(略して『公特事業』)」が完了したとしても、さらに50年後には、再び土壌汚染除去が必要になるという見方がされています。

 東邦亜鉛の幹部は、「どうせ再汚染するのだから、無駄な事業はしなくてもよいだろう」として、以前にも筆者に「特にカドミウムによる影響も感じられないだろうから、高い費用をかけて公特事業をする必要はないだろう」などと耳打ちをしてきたこともあります。

■上記の表に示した東邦亜鉛安中製錬所の北にある「中宿1」(=調査地点1)、東の「岩井」(=調査地点2)、西の「中宿2」(=調査地点3)、そして南の「野殿」(=調査地点4)の4か所の位置は次のとおりです。

ZIP ⇒ 201812217yn_tv.zip

■また、毎月の降下ばいじんのデータを見ると、時々異常に多く降下ばいじんが検出される月があります。これは明らかに製錬所の工程の中で、外部にリークを許すような事故ないし事件が発生したからだと想定されます。そのため、先日の4月6日の工場視察会では、会社側にこの点を強く申し入れて、安定的に外部に重金属が漏れださないように万全の対策を講ずるように要請しました。

 この降下ばいじん量の測定は東邦亜鉛側も独自に行っていますが、外部には全く公表しようとしません。ですから、群馬県の測定値と自らの測定した値とを照らし合せて、なぜ差が出たのか、漏れ出している箇所を特定し、それが排出とするとお¥あkkkk
 降下ばいじんのもととしては、東邦亜鉛から排出される排煙や、構内でこぼれた鉱石や二次加工品から発生する塵・埃の類が考えらます。亜鉛とカドミウムが多いのは、ともに沸点が767度Cであり、ロータリーキルンでの蒸焼工程や、鋳造工程での溶解工程でヒューム(蒸気)になって舞い上がり、バグフィルターや集塵機等で捕集できなかったものが周辺に降り落ちていると考えられます。

 このうち、亜鉛については、車のタイヤの加硫工程でたくさんの亜鉛華(酸化亜鉛の粉末)がゴムの重合促進剤として添加されており、道路で車の交通量の多い街中では車のタイヤの摩耗による粉塵中にかなりの亜鉛が含まれているため、太田市での測定値も、車のない場所に比べると相対的に高いことから、カドミウムほどの差が出ないため、見かけ上の倍数がカドミウムよりも小さいとみられます。

■では、カドミウムや亜鉛に比べると、沸点が倍以上高い1740度Cの鉛が、なぜ煤塵として製錬所の周辺に降下しているのでしょうか。

 それは構内でこぼれた鉱石や、K砕置き場に山積みにされたり、こぼれて構内に飛散したK砕の粉末が風にあおられたりして、周辺に運ばれる可能性が十分考えられます。

 そもそも、K砕はもろく崩れやすいので、外力を加えると直ぐに細かくなります。運搬の途中でも揺すられたり擦られて削られたりして、粉状になりやすいため、東邦亜鉛では先日の工場視察会では散水しているようすを参加者らにこれ見よがしに見せつけていました。しかし、通常、K砕置き場の脇を通っても、一度も散水している様子を見たことがありません。

 なにしろ精鉱やK砕には数千~1万ppm強の鉛が含まれているのですから、精鉱やK砕の取り扱いには慎重さが必要です。しかし東邦亜鉛は果たしてどの程度、留意しているのでしょうか。勿論東邦亜鉛は製錬所に搬入する精鉱やロータリーキルンから排出されるK砕はロットごとにきちんと成分量を測定しているはずですので、鉛をはじめその他重金属の含有量や溶出量を把握していないはずはありません。

 それでも平然と長年にわたり何万トンものK砕を岡田工務店に土木資材として出荷していたのですから、通常の神経ではありません。鉛の毒に神経中枢をやられてしまったとしか言いようがありません。

 これを見ると、これまでは畑地土壌中のカドミウム濃度ばかりに目が向けられていましたが、降下ばいじん中にこれほど大量の鉛や亜鉛が含まれていることになると、とくに鉛については作物を栽培して食することに加えて、粉塵として吸入することによる体内での血中鉛濃度の上昇や、骨への沈着など人体への影響が無視できないのではないかという懸念が膨らんできます。

 東邦亜鉛には、カドミウム公害のみならず、鉛や亜鉛、ヒ素、水銀などの重金属全般にわたる大気および土壌汚染、さらに下流での水系汚染について、あらためて周辺環境への負荷の低減を会社側に強く求めていく必要があるように思います。

■ところで、東邦亜鉛は毎年発行しているCSR報告書に、PRTRについて記載しています。このPRTRとは、PRTR法(化学物質排出移動量届出制度)に基づいて、各事業所における化学物質の排出量及び移動量を集計し、年に1回行政機関へ届け出なければならない義務のことです。

 東邦亜鉛では、「製造工程で発生する有害な化学物質については適正な処理を行った後、濃度を分析し、安全を確認してから工場外へ排出しています」などと、平然と言いのけています。2017年版のCSR報告書によれば、「2017年度化学物質総排出量・移動量は前年度より約400t増加しました」と記してあります。

 この内訳としては、CSR報告書によれば、次の通りとなります。

*****PRTR対象物質の排出・移動量(単位:トン)*****
             2016年度      2017年度
亜鉛の水溶性化合物        0         0
鉛化合物         1,393     1,293
カドミウム及び化合物       4         3
砒素及び砒素化合物      185       280

銅水溶性塩            0         0 
アンチモン及び化合物     150       140
ニッケル化合物          1         1
コバルト及び化合物        0         0
水銀及び化合物          0         0
セレン及び化合物         0         0
フッ化水素及び水溶性塩      6         6
ほう素化合物           4         2
マンガン及び化合物    1,510     1,930 
トルエン             1         1
キシレン・エチルベンゼン・メチルアフタレン     0         0
      合計     3,254     3,658
**********

 東邦亜鉛は、安中製錬所の他、小名浜、契島にも製錬所があり、藤岡にも事業所があります。PRTRはこれらの製錬所・事業所から排出・移動された各種化学物質量を示すものです。

■この中で鉛化合物が2017年度中で、埋立処分に1150トン、廃棄物移動で43トンと報告されています。安中製錬所が排出するスラグ(K砕)は年間5万5000トンとみられます。このうち鉛が仮に平均0.5%(5,000ppm)含まれるとすると、安中製錬所だけで約275トンとなります。東邦亜鉛はこれをどのように分類して報告しているのでしょうか。岡田工務店に出荷していたK砕に含まれていた鉛はどのようにPRTRに反映されているのかどうか、当事者に直接説明を求めない限り、疑問は払拭できません。しかし当事者が説明を拒めば、疑問から懸念や不安が膨らんでしまいます。

 カドミウムについては、2017年度中に埋立処分で2トン、廃棄物移動で1トンとなっています。これもどのような形で東邦亜鉛の製錬所の構内から外部に排出されたのか、具体的な記述がない限り、地元住民としては不安が募ります。前述の通り、安中製錬所からは毎日微量のカドミウムが降下ばいじんとして周辺に降り注いでいます。この量は、前述の測定データから毎年10kg程度だと推定されます。したがって、1トンには程遠い量ですが、周辺住民にとっては毎年これだけのカドミウムが土壌に降り注いでいると思うだけでぞっとさせられます。

 注目したいのはヒ素です。なぜなら、ヒ素の廃棄物移動が2012年度には1トンだったのに、2017年度は170トンと異常なほど多くなっているからです。他方、埋立処分としては毎年74~110トンを推移しています。これも岡田工務店に出荷していた(る)K砕の中に土壌汚染対策法の基準値150ppm程度含まれていたとすれば、55,000トン✖0.00015=約8.3トンとなり、到底足りません。これもどのように処理されているのか、東邦亜鉛にヒヤリングする必要があります。そもそもヒ素は有毒のため,現在ヒ素鉱石の採掘のための鉱床は存在せず銅の精錬過程で副産物として若干回収されています。しかし、砒素化合物は昇華温度が低いため(ヒ素の沸点は613度C)、煙害防止の方策に各精錬所は苦慮していると言われています。さらに、ヒ素化合物は水溶性のため,排水処理にも技術が必要ですが、東邦亜鉛のCSR報告書では、ヒ素の公共水域への排出はゼロとされています。

 さらに気になるのはフッ素です。東邦亜鉛では、溶解工程やロータリーキルンによる蒸焼工程でスラグの流動性を高めるためにフッ素を含む蛍石は使用していない、と当会の質問に回答しています。となると、毎年6~9トンものフッ素が公共水域に排出されているのはどのように説明がつくのでしょうか。この点についても東邦亜鉛にきちんと説明してもらう必要があります。

■CSR報告書には「環境保全コスト」という記事も掲載されており、「当社では事業活動を営むにあたって、環境負荷を低減するための設備投資額と費用を計上し、環境保全効果の評価に活用しています。投資は公害防止設備の能力向上や作業環境の改善、費用は各製錬所等で発生する廃棄物の処理費等です。2017年度の設備投資額は243百万円、環境費用は118百万円となりました。今後も環境保全に必要な設備には投資を行っていきます」と説明があります。

 このうち環境設備投資が2015年度から2017年度にかけて3分の2に減少しています。また、環境費用も1割減っています。これは岡田工務店に有価物として引き取らせた結果だとしたら、2018年度では、急上昇するはずです。これも直接当事者にヒヤリングしてみる必要がありそうです。

■いずれにしても、近日中に同社の本社を訪れて、以上のようなさまざま疑問についてヒヤリングをしたいと考えています。

【ひらく会情報部】

※関連情報1「鉛と亜鉛の鉱石について」
**********
 鉛と亜鉛の鉱石は通常互いに伴って産する。その代表的な鉱物は方鉛鉱(PbS)と閃亜鉛鉱(ZnS)である。方鉛鉱はときに銀を固溶(鉛の一部を銀で置換)し,含銀方鉛鉱((Pb,Ag)S)として銀の鉱石鉱物にもなる。一方,閃亜鉛鉱は亜鉛の一部を通常鉄,カドミウムによって置換され,((Zn,Fe,Cd)S)の組成を示す。そのため亜鉛鉱石の精錬過程でカドミウム汚染など公害問題を生じた。閃亜鉛鉱はときには有用なレアメタルのゲルマニウム(Ge),インジウム(In)やタリウム(Ta)などを微量ながら固溶するために,これらは亜鉛製錬の重要な副産物として回収・利用されている。
 鉛鉱の国別生産量および埋蔵量(2007年)は次の図に示すように,中国,オーストラリアおよび南北アメリカの諸国のみで,全世界の生産量の82.7%,埋蔵量も73.6%になる。


世界の鉛鉱石生産量

世界の鉛鉱石埋蔵量
 また亜鉛も鉛とほぼ同様な傾向があり,中国,オーストラリアおよび南北アメリカだけで,それぞれ70.4%および73.5%に達する。


世界の亜鉛鉱石生産量

世界の亜鉛鉱石埋蔵量

 日本はこれらの国から輸入しているが,生産量および埋蔵量とも世界1位の中国からは輸入していない。鉛,亜鉛は他の金属に比べて世界的に資源の枯渇過度がひどく,これまでのように多量の消費が続けばやがてなくなる。今からその対策が必要であろう。
**********

コメント (5)
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安中市議選スタート・・・4年間一般質問を一度もしなかった現職市議がまたぞろ3名も出馬!

2019-04-15 22:37:00 | 国内外からのトピックス
■統一地方選後半の市議会議員選挙がスタートしました。安中市でも平成31年4月30日任期満了の市議会選挙が4月21日に告示され、定数20名のところ、28名の候補者が登録を済ませ、激戦の火ぶたが切られております。新人の皆さんの検討を祈りたいと思いますが、今回の選挙の特徴は、現職がほとんど再選を狙って出馬していることです。というわけで、今回も現職の市議の皆さんが、4年間の任期中に一般質問を何回したのかを調べてみました。市議としてどの程度、市政の目付け役として活動したのかどうか、評価する場合にはいろいろな尺度がありますが、誰でも分かりやすいのは市議会での一般質問の回数です。さて、その結果はどうなったでしょうか。有権者の皆様にとっても、4月21日の投票行動に何らかの参考となれば幸いです。

安中駅前の選挙候補者の掲示板。





↑(左から)柳沢浩之、武者葉子、小口まり子↑


↑(左から)吉岡登、田中伸一、長嶋陽子↑


↑(左から)佐藤貴雄、古尾谷茂、桜井ひろ江↑


↑(左から)桜井喜久江、吉岡完司、奥原賢一↑


↑(左から)遠間大和、高橋由信、広瀬晃↑


↑(左から)柳沢吉保、松本次男、今井敏博↑


↑(左から)金井久男、罍次男、須貝純子↑


↑(左から)小川剛、福田幸一、巽久男↑


      ↑(左から)小林訂史、太田進一↑


      ↑(左から)小林克行、金井登美雄↑

 現職の22名の市議の皆さんが4年前の選挙で当選され、平成27年6月の市議会定例会でデビューされてから、今年平成31年3月市議会まで、トータル16回の定例会が開催され、延べ181名の市議のかたがたが一般質問しました。平均すれば各定例会で11.3名の市議のかたが一般質問をしていることになりますが、全議員22名に比較すると、51.42%となり、半分の議員の皆さんしか一般質問をしていない勘定になります。

 参考までに4年前の市議選の際の当会のブログもご覧下さい。
○2015年4月18日:無質問議員一掃を目指しいよいよ安中市議選が明日から1週間の選挙戦に突入
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1587.html

■では、現職の議員の皆さんの一般質問の回数を、議員番号順にみてみましょう。

**********
議員   平成年 H27 H28  H29  H30  H31
番号   月議会 ⑥⑨⑫ ③⑥⑨⑫ ③⑥⑨⑫ ③⑥⑨⑫ ③ 計・割合・順位・出馬
01番 金井 久男 ○〇○ 〇〇○〇 〇○〇〇 ○〇〇〇 〇 16・100%・1・☆
02番 櫻井ひろ江 〇〇○ ○〇〇○ ○〇〇○ ○〇〇○ 〇 16・100%・1・☆
03番 遠間 大和 -〇〇 -〇-〇 -〇-〇 -〇-- - 07・ 44%・11・☆
04番 罍  次雄 -〇- 〇〇-〇 -〇-〇 〇-〇- - 08・ 50%・10・☆
05番 巽  久男 --〇 ---〇 ---〇 ---〇 - 04・ 25%・17・☆
06番 小林 克行 -〇〇 ○〇〇○ ○〇〇○ ○〇〇○ 〇 15・ 94%・5・☆
07番 太田 進一 -〇- 〇〇-〇 -〇-- 〇-〇- - 07・ 44%・11・☆
08番 櫻井喜久江 -〇〇 ○〇〇○ ○〇〇○ ○〇〇○ 〇 15・ 94%・5・☆
09番 小川  剛 ○〇○ 〇〇○〇 〇○〇〇 ○〇〇〇 〇 16・100%・1・☆
10番 柳沢 浩之 -〇〇 ○〇〇○ -○〇〇 ○〇〇○ 〇 14・ 88%・7・☆
11番 今井 敏博 -〇- ---- -〇-〇 -〇-- - 04・ 25%・17・☆
12番 吉岡 完司 *** **** *-〇〇 -〇-- - 03・ 38%・13・☆
13番 佐藤 貴雄 ○〇○ 〇〇○〇 〇○〇〇 ○〇〇〇 〇 16・100%・1・☆
14番 吉岡  登 -〇- ○〇-- -〇-- -〇-- - 05・ 31%・16・☆
15番 高橋 由信 〇-〇 〇〇-- 〇-〇- 〇-〇- 〇 09・ 56%・9・☆
16番 武者 葉子 〇○〇 ○〇〇○ -〇〇○ ○〇-〇 〇 14・ 88%・7・☆
17番 上原富士雄 〇〇- ○〇〇- 〇--- ---- - 06・ 38%・13・-
18番 齊藤 盛久 --- ---- -*** **** * 00・ 0%・19・-
19番 奥原 賢一 --- ---- ---- ---- - 00・ 0%・19・☆
20番 田中 伸一 --- 〇-〇- 〇-〇- 〇-〇- - 06・ 38%・13・☆
21番 柳沢 吉保 --- ---- ---- ---- - 00・ 0%・19・☆
22番 廣瀬  晃 --- ---- ---- ---- - 00・ 0%・19・☆
<注:〇一般質問有り -一般質問無し *議長就任時>
**********

■次に分かりやすくランキングにしてみました。(同じ順位者は議員番号順に並べています)

**********
01番 金井 久男 ○〇○ 〇〇○〇 〇○〇〇 ○〇〇〇 〇 16・100%・☆
01番 櫻井ひろ江 〇〇○ ○〇〇○ ○〇〇○ ○〇〇○ 〇 16・100%・☆
01番 小川  剛 ○〇○ 〇〇○〇 〇○〇〇 ○〇〇〇 〇 16・100%・☆
01番 佐藤 貴雄 ○〇○ 〇〇○〇 〇○〇〇 ○〇〇〇 〇 16・100%・☆
05番 小林 克行 -〇〇 ○〇〇○ ○〇〇○ ○〇〇○ 〇 15・ 94%・☆
05番 櫻井喜久江 -〇〇 ○〇〇○ ○〇〇○ ○〇〇○ 〇 15・ 94%・☆
07番 柳沢 浩之 -〇〇 ○〇〇○ -○〇〇 ○〇〇○ 〇 14・ 88%・☆
07番 武者 葉子 〇○〇 ○〇〇○ -〇〇○ ○〇-〇 〇 14・ 88%・☆
09番 高橋 由信 〇-〇 〇〇-- 〇-〇- 〇-〇- 〇 09・ 56%・☆
10番 罍  次雄 -〇- 〇〇-〇 -〇-〇 〇-〇- - 08・ 50%・☆
11番 遠間 大和 -〇〇 -〇-〇 -〇-〇 -〇-- - 07・ 44%・☆
11番 太田 進一 -〇- 〇〇-〇 -〇-- 〇-〇- - 07・ 44%・☆
13番 吉岡 完司 *** **** *-〇〇 -〇-- - 03・ 38%・☆
13番 上原富士雄 〇〇- ○〇〇- 〇--- ---- - 06・ 38%・-
13番 田中 伸一 --- 〇-〇- 〇-〇- 〇-〇- - 06・ 38%・☆
16番 吉岡  登 -〇- ○〇-- -〇-- -〇-- - 05・ 31%・☆
17番 巽  久男 --〇 ---〇 ---〇 ---〇 - 04・ 25%・☆
17番 今井 敏博 -〇- ---- -〇-〇 -〇-- - 04・ 25%・☆
19番 齊藤 盛久 --- ---- -*** **** * 00・ 0%・-
19番 奥原 賢一 --- ---- ---- ---- - 00・ 0%・☆
19番 柳沢 吉保 --- ---- ---- ---- - 00・ 0%・☆
19番 廣瀬  晃 --- ---- ---- ---- - 00・ 0%・☆
**********

■本来、一般質問は100%でなければならないところ、安中市議会の場合は僅か4名の市議しか該当しません。

 議長の場合は慣習的に一般質問はできないとされていますが、安中市議会事務局の佐藤氏に確認したところ、議長であっても、いったん議長席を退席して一般質問を行うことは可能なのだそうです。もちろん副議長の場合は、普通に一般質問ができるそうです。

 安中市議会には、この4年間に一度も一般質問をしたことがない議員が4名もおります。こうした方々には、議員報酬を受け取る資格がないと当会では考えております。

 しかし破廉恥なことに、4名の無質問市議のうち3名が今回も立候補してしまいました。このような市議に報酬を支払うことは、まさに税金の無駄遣いと言えるでしょう。地元だからだとか、知り合いに頼まれたからだとか、親戚だからだとか、そういった地縁・知縁・血縁と決別し、きちんと仕事をしてくれる市議を選ばないと、結局、我々住民の生活向上が図れなくなるわけです。

■今回の市議選では、現職が22名中20名出馬し、元職が1名、そして新人が7名となっています。また、現職では、合併前からの通算期数が11期を数える超古参議員を筆頭に、8期が1名、6期が1名、5期が2名、4期が1名となっています。一概に多選を批判するものではありませんが、同じ職に長年留まることは弊害を生むリスクもあります。今回は7名の新人が出馬することになったので、その公約や主張について関心をもって聞いてみたいと思います。

【ひらく会情報部】

※参考情報「安中市議選候補者リスト」
※候補者リスト・選挙事務所リスト ZIP ⇒ xgeixg.zip
**********上毛新聞2019年04月15日
【安中市議選(定数20-28)(届け出順、敬称略)】現職・元職新人


柳沢浩之(ひろゆき)(58) 市議 無現 2期
 市議会福祉民生常任委員長、市議会議会運営委員。元連合群馬安中地協副議長。高崎工業高卒


武者葉子(ようこ)(63) 政党役員 公現 3期 http://www.komei.or.jp/km/m-yoko/
 党県本部遊説局次長。元党県本部県民運動局次長。高崎保育専門学校卒


小口まり子(58) 自営業 無新 https://ogumari.com/
 松井田高同窓会役員、市女性防火クラブ西横野支部長。群馬女子短大卒



吉岡登(のぼる)(62) 市議 無現 2期 https://twpro.jp/noboruyosioka https://ja-jp.facebook.com/people/%E5%90%89%E5%B2%A1%E7%99%BB/100010210056172 https://twitter.com/noboruyosioka
 市議会経済建設常任委員長、碓氷峠ホタルの里の会顧問。松井田高卒


田中伸一(しんいち)(71) 農業 無現 5期
 市議会総務文教常任委員、市社会福祉協議会理事。元市議会議長。東京農工大別科修了


長嶋(ながしま)陽子(50) 医療事務 公新
 党安中第1支部副支部長。安中高卒



佐藤(さとう)貴雄(55) 理容業 無現 2期 https://twitter.com/itrenchtown https://ja-jp.facebook.com/takaosato.jp https://www.pictame.com/user/to_trenchtown/2211572372
 県PTA連合会理事、安中小PTA会長。元市商工会理事。新島学園高卒


古尾谷(ふるおや)茂(69) 元会社員 無新
 県弓道連盟理事、市スポーツ協会常任理事。中央電気通信学園大学部卒



桜井ひろ江(65) 政党役員 共現 6期
 党西毛地区委員、党県委員。元群馬整肢療護園職員。渋川女子高卒


桜井喜久江(きくえ)(63) 市議 無現 1期 https://profile.ameba.jp/ameba/kikue-sakurai7 https://www.facebook.com/kikue.sakurai.5
 市議会経済建設常任委員。元茶道教室「翠心庵」主宰、元さくら花壇代表。埼玉蕨高卒


吉岡完司(もとじ)(71) 農業 無現 3期
 高崎市安中市消防組合議会議員。元市議会議長、元市総務部長。農大二高卒


奥原賢一(けんいち)(68) 農業 無現 4期
 市監査委員、市議会福祉民生常任委員。元市議会議長、元市農業委員。蚕糸高卒


遠間大和(やまと)(39) 自営業 無現 1期 https://ja-jp.facebook.com/yamato.toma
 「和み」代表、安中青年会議所理事。元エスピーシー社員。青山学院大卒


高橋由信(よしのぶ)(62) 会社員 無現 6期 http://www5.wind.ne.jp/t-yoshinobu/
 市議会総務文教常任委員長、市聴覚障害者協会相談役、安中手話サークル役員。安中高卒


広瀬晃(あきら)(66) 市議 無現 4期
 元松井田町社会福祉協議会長。旧松井田町議4期。拓殖大中退


柳沢吉保(よしやす)(68) 自営業 無現 5期
 市議会議会運営委員長、高崎市安中市消防組合議会議員。元市議会議長。安中高中退


松本次男(つぎお)(67) 元市職員 社新
 元市松井田支所長、元市保健福祉部長、元民生委員・児童委員。高崎商業高卒



今井敏博(としひろ)(56) 会社役員 無現 3期 https://ja-jp.facebook.com/toshihiro.imai.33
 市議会総務文教常任委員、市議会議会運営委員。元市議会副議長。法政大卒


金井久男(68) 農業 共現 4期 https://ja-jp.facebook.com/hisao.kanai http://kanaihisao.cocolog-nifty.com/
 党安中市委員長、市国際交流協会松井田支部長。旧松井田町議7期。蚕糸高卒


罍(もたい)次雄(62) 自営業 無現 1期
 吉川屋代表。元原市4区長代理、元市商工会理事、元原市商工青年会長。高崎商業高卒


須貝純子(62) 主婦 無新
 元群馬ヤクルト販売安中SC、元松井田高PTA本部役員。前橋市立女子高卒



小川剛(つよし)(55) 会社員 無現 1期
 信越化学工業社員、連合群馬議員懇幹事。元群馬地方労働審議会委員。高崎商業高卒


福田幸一(こういち)(64) 元会社員 無新
 元磯部ガーデン社員、元社会福祉法人「光の里」生活支援員。駒沢大卒



巽(たつみ)久男(63) 自営業 無現 1期
 市議会経済建設常任委員会副委員長、県剣道連盟常任理事。国士舘大中退


小林訂史(ただし)(59) 会社員 無元 1期 https://twitter.com/hashtag/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E3%81%9F%E3%81%A0%E3%81%97
 安中交通安全協会副支部長。元市議、元区長代理。日本自動車整備専門学校卒



太田進一(しんいち)(68) 電気工事業 無現 1期
 市議会福祉民生常任委員会副委員長、市松井田町商工会青色申告会長。松井田高卒


小林克行(かつゆき)(43) 会社員 無現 1期 http://kobayashikatsuyuki.net/kouenkai.php https://ja-jp.facebook.com/katsuyuki.kobayashi.12
 磯部温泉組合理事、市消防団員。元安中青年会議所理事長。大東文化大卒


金井登美雄(とみお)(60) 農業 無新
 農地利用最適化推進委員。元松井田北中PTA会長。県農業経営大学校卒

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コメント
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東邦亜鉛安中製錬所で4月6日に開催された第28回工場視察会で分かってきた「K砕」の正体の傾向と対策

2019-04-12 21:25:00 | 東邦亜鉛カドミウム公害問題
■今年も恒例の東邦亜鉛安中製錬所の視察会が4月6日(土)午前9時半から正午にかけて実施されました。昨年の第27回工場視察会には、筆者は生憎海外取材中だったために出られませんでした。なので、2年ぶりの参加となりました。


安中製錬所正門前の桜並木。

サクラは6分咲きといったところ。

集合場所の総合事務所棟。掲げられた環境スローガンはどうみても皮肉としか受け取れない。


午前9時10分ごろ到着し、9時半の開始まで1階の地元関係者控室で待機。隣の部屋が、安中緑の大地を守る会の弁護士らの控室。

<第28回東邦亜鉛安中製錬所視察会>
日時:2019年4月6日(土)09:30-
参加者(敬称略、順不同)
 東邦亜鉛:中島正宏(前半司会、安中製錬所事務部環境管理室次長)、森田英治(安中製錬所製造部部長)、秋山武郎(常務執行役員、安中製錬所所長)、大久保浩(執行役員、本社総務本部本部長)、吉村正晴(本社総務部部長)、眞田淡史(顧問弁護士)、石井光(本社環境安全部長)
 弁護団:4名(後半司会、弁護士)
 緑の大地を守る会:約20名(オブザーバーとして当会のほか高橋由信、櫻井ひろ江、金井久男ら3市議含む)。


9時半に会場の2階の第1会議室へ移動。↑

開催前の会場の様子。


東邦亜鉛本社関係者の紹介。

安中製錬所関係者の紹介。

安中緑の大地を守る会側の代表挨拶。

 工場側から配布された資料は次のとおりです。
(1)安中製錬所視察会のレジメ「ようこそ安中製錬所へ」
ZIP ⇒ 2019040628b.zip
(2)東邦亜鉛安中製錬所のパンフレット
ZIP ⇒
表紙・裏表紙:j.zip
沿革・モットー:201904122btvjoivbgj.zip
製錬工程図:201904123btvjoivzxj.zip



亜鉛精鉱成分

 視察会の構成は上記(1)の資料のとおり、例年と同じで、最初に総合事務管理棟の2階の第一会議室で双方の代表者が挨拶を好感し、見学ルートの説明と見学時の諸注意(構内撮影禁止、構内の素材や製品への接触や規制区域内への無断立入厳禁など)のあと、外で記念の集合写真を撮り、健脚コースと楽々コースの2班に分かれてマイクロバスに分乗し、いつものコースを巡り、戻ってから再び第一会議室に集まり、質疑応答、意見交換を行うというものです。

 初めに安中緑の大地を守る会の藤巻千浪会長が体調不良のため、藤巻岩男副会長から「円滑な質疑応答と意見交換の場になるよう互いに協力してやってきいきたいと思います」と代表挨拶があり、続いて製錬所を代表して秋山所長から「毎朝ラジオ体操をこの総合事務管理棟の屋上でやっていますが、昨日の朝は桜の花が一分咲き程度だったのに、本日はほぼ満開で、この日に合わせたかのようにきれいに咲いてくれました。これらの桜は昭和46年に、この総合事務所を建てた時に植えたものですが、以来半世紀にわたって咲き続けてきました。最近はちょっと先端が枯れっぽくなってきましたが。この視察会は平成4年から始まり、安中緑の大地を守る会と製錬所が年2回の定期協議会開催と、年1回の工場視察会を行う協定書、これを3年毎に更新して、今年が28回目の開催。地元の皆様と信頼関係を深めるため、また公害防止設備に関する相互理解などを目的に継続してまいりました。製錬所の操業面については淳緒に弑していますが、会社の業績は米中の貿易摩擦のあおりを受け、亜鉛価格の急落、さらには鉱山の不調が重なり赤字に転落を余儀なくされています。一方、環境面については年々厳しくなる法規制を問題なく遵守させていただいています。本日の工場視察会を通じて、これまでと同様に地元の皆様方のご指導、ご協力をいただきますようお願いいたしましてご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします」との発言がありました。

 次の同所森田製造部長から、見学コースについて、「例年と同じく製造工程の一部と公害防止設備を中心に案内したい」と説明がありました。また「昨年はかなりの災害が全国で多発したがこの周辺は平穏でおかげさまで操業面も順調い推移しました。幸い安心で安全かつ安定した操業に努めている状況をぜひ皆さんにご覧いただきたい」と述べて、「マイクロバスを1班の健脚コース、ワゴン車を2班の楽々コースに割り振り、1班は現場でバスを降りて視察していただくため、ヘルメットの着用をお願いしたい。最後に注意事項として、場内の写真撮影は遠慮いただき、カメラ等は場内には絶対に持ち込まないようご協力願いたい。また、場内の設備や備品には絶対に手を触れないように願いたい」とアドバイスがあり、そのあと、総合事務管理棟前の広場で工場と桜の木をバックに記念の集合写真を撮影した後、工場視察に向かいました。


記念の集合写真撮影後、マイクロバスに向かう参加者ら。↑

 視察コースは例年通りで、東邦亜鉛が鉱山法改正を機に住民に説明する前に作った一番上の産廃処分場には依然として何も投入されておらず(最初から必要性があったのか疑問。とりあえず鉱山法のどさくさに紛れて作っておこうという東邦亜鉛らしいやり方)、焙焼炉とロータリーキルンから排出される大量の排ガス(前者の亜硫酸ガスは硫酸工場から主に排出)の処理塔もこの28年間変わり映えしておらず、以前は見学コースに入っていた焙焼炉やロータリーキルンは最近では見学コースから外されています。

 今回の視察会では、当会がスクープした鉛・ヒ素入り有毒スラグ問題が起きているため、スラグ置き場への立ち入りを会社側がどうするのか最も注目されましたが、いつもと同様にスラグ置き場入り口の道路にバリケードが築かれ、遠くから目視するしかありませんでした。

 スラグ置き場では最大1万7000トンを収容できるとされていますが、遠目で見たところ、手前の半分の方だけにスラグが積みあがっており、奥のほうは空いている状態でした。珍しくスラグのある場所ではスラグからの発塵防止のためスプリンクラーで散水していましたが、普段もこのように細やかな対応をしているのかどうかは定かではありません。

 新電解工場(といってももう7年経過)では、内部も依然と比べると煤っぽくなっており、かなり使い込まれた観があります。製造部長に1トンの亜鉛製造辺りに必要な電力量を聞いたところ、製造工程トータルで約4000kwh、電解工程だけに限れば約3000kwhとのことで、同業他社が約3500kwhであるのに比べると省エネで上回っているのだということです。この技術をスラグからの鉛・ヒ素の除去にも投入してほしいものです。なお、カソード(陰極)板は薄いアルミ板ですが、アノード(陽極)板は銀を少量混ぜた鉛板で、サイズはざっと高さ140㎝、幅60㎝、厚さ1㎝程度です。説明よれば、これが電解槽ごとにカソード108枚+アノード1枚=合計109枚が配置され、それが片側に36槽ずつ両側に計72槽配置されているため、全部でアノード板は7,776枚使われていることになります。電解工程は1日24時間で2日間、計48時間通電しっぱなしで亜鉛をカソード板に電着させています。これを自動剥離機でカソード54枚を1度に処理し、剥離した亜鉛シートを次工程に自動ベルトコンベアで運んでいます。

 続いて電解工程後の溶解工程では、製鉄所の自動車用鋼板のメッキ用として1トンのインゴットを鋳造する様子と、亜鉛粉末の製造プラント、そして20㎏の小型インゴット鋳造ラインを視察しました。1トン鋳造工程では、最上段に亜鉛の大型溶解炉があり、中段には添加用のアルミの小型溶解炉がいくつかあり、地表の最下段に棺桶より二回りくらい大きい溶解槽がならび、出荷先の製鉄会社のハンドリングに見合った鋳型をつかっていました。20㎏インゴットの出荷先としては古河電気工業など大手以外にも、(株)三松(福岡県筑紫野市)、清水鍍研材(株)(大阪市東成区)など全国各地のユーザーのタグが目につきました。ふと上を見上げると屋根のスレートが古びているので、雨漏りがして溶解槽に落ちたら水蒸気爆発するのではないかと心配になり聞いてみたら、亜鉛の溶解槽は蓋が付いていて除塵をしたあと蓋を占めて鋳造するので雨滴が入る懸念はないそうです。

 そのあと、水処理工程を視察しましたが、前年と異なる点について、硫酸工場の脇に豪雨時の調整池(容量1万6千㎥)を増設したのだということです。道理で昨年後半、なにか工事をしている風情でした。また、東側のオサカベ自動車に近い水田に面したエリアで木を伐採して工事を進めていましたが、これは外部からの侵入防止のためのフェンス工事だということでした。

 そのあと、いつもであれば硫酸工場に向かうのですが、今回は昨年解体を終えたという旧電解工場の跡地をマイクロバスの中から視察しました。既に地面を舗装しており、スラグ置き場と同じくらいの1ヘクタールはあろうかという空間です。かねてから当会では、古くなった設備を片付けて、場所を有効活用し、工場が安易に外部に拡大しないよう釘をさしてきましたが、ようやくスクラップ・アンド・ビルドの考えを実行に移す気になったようです。また、ここを、地元の畑地対象の汚染土壌撤去・新鮮土客土のための公特事業で排出された重金属汚染土壌の受け入れスペースとして活用できると確信しました。おそらく東邦亜鉛側はそのような地元貢献は微塵も考慮していないことでしょうけど。

 最後に硫酸工場を視察しました。ここでは98%、95%、70%の各種濃・希硫酸や無水硫酸など硫酸製品を製造するプラントだけに、相変わらず錆びだらけの設備ですが、一部、配管など交換したのか、塗装し直したような箇所も見受けられました。

 1時間20分ほどの工場視察会を終えた一行は11時に再び総合事務管理棟に戻り、2階の第1回会議室に集いました。そして質疑応答が約1時間行われました。


視察会後の意見交換会冒頭で、会社側が公害防止の取り組み姿勢を報告。

 最初に恒例によって会社側から、行政からヒヤリングした本件公害特別対策に関する事業の進捗状況が報告されました。また、玄米中のカドミウム濃度についての行政による恒例の検査結果の受け売りの報告もありました。さらに、会社側がこの1年部品交換など修繕を行ってきた項目や、今年度の改修計画について発表がありました。ロータリーキルンのベアリング交換や、前年度に引き続き焙焼炉の炉壁の部分交換が予定されているとのことですが、大規模な設備の更新工事とはほどとおく、旧態依然とした公害防止機器は、今年度も継承されるようです。

 会社側が「環境ルールに則ってきちんと操業している」という説明に対して、公害訴訟原告弁護団も一言言っておくべきだと思ったことでしょう。高坂弁護士から、隣の高崎市箕郷町に大量に遺棄された有毒な鉛やヒ素を環境基準をはるかに超えて含むスラグの問題について、会社側に説明を求めるシーンが冒頭に展開されました。

 その際、驚くべきことに会社側は「事前に小川さんからこのことについての協議の申し入れを本日午後行うことになっている」として具体的な回答を避けるような発言があったため、当会から「詳細かつ具体的な協議は午後行うにしても、概要については会社側として、この場で説明することは可能なのではないでしょうか?」とコメントしました。

 このため、弁護団の方から、会社に対してこの場で回答できる範囲で説明してほしいと強く申し入れがありました。

 すると、環境安全部長が、K砕についての会社側としての考え方について説明をしました。この中で、K砕はスラグではないとする東邦亜鉛の自分勝手な論理について、当方にとって示唆を得られるような説明内容がありました。つまり、スラグは材料を溶融温度以上に上げてドロドロの状況になるところ、K砕はロータリーキルンの中で「蒸し焼き」状態で処理されることから、温度上昇が鉛の沸点まで上がることなくプロセスを完了するため、中に含まれている鉛などの沸点が高温の有害元素が大量にK砕の中身として残留してしまうのです。しかし、環境安全部長はK砕の由来を説明しただけで、今回の高崎市箕郷町での不法投棄の原因者が自らであることは認めようとしませんでした。


K砕の定義について説明する石井本社環境安全部長(以前日本鉱業協会に出向経験あり)と、心配そうに見つめる大久保執行役員。

 これに対して弁護団のメンバーらは、「箕郷町松之沢にある岡田工務店所有の大型ソーラー施設の増勢に数万トン単位のK砕が使われており、重金属による地下水汚染が周辺住民への脅威となっている」として「自主的になぜK砕の出荷先がそうした不法投棄をしたのか、実態把握のための調査をする意向は持っているのか」と会社側に質しました。ところが、会社側は「調査する予定はありません」として、公害企業の片りんを覗かせる始末でした。

 当会からは、K砕以外にも、降下ばいじん量について会社側に、県が計測した過去5年間のデータを提示し、「時折り突出した降下ばいじん量を記録する月が見られるが、この場合、会社側もダストジャーで独自に降下ばいじん量を計測しているはずだから、県の記録と突合させ、なぜそうした降下ばいじん量が急増したのか、原因究明と再発防止策を真剣に講じるべきだ」と指摘しました。会社側からは「どうしたら県の記録が入手できるのか?」などとする質問が出るかと思いきや、沈黙をしたままなので、当会から「情報公開をすれば14日以内に開示決定される。そのくらいの手間は惜しまず、公害防止対策のための努力をしてほしい」と申し入れました。

 他には、安中緑の大地を守る会の会員から、岩井における公特事業対象地2.5haのうち08haを対象に現況復旧方式で着手が予定されている件で、「排土した汚染土壌の処分地として、現在ある緑の大地を守る会の事務所および広場の敷地に、排土した重金属汚染土を集めて、盛り土をする案が浮上しているが、周辺に井戸があり、そこから畑作用に灌漑用水をくみ上げているため、汚染土を使って盛り土する際には、滲出した有害な汚染水が地下にしみ込まないように、遮水のための舗装やシートをぜひ施工してその上に汚染土を盛るなど、必要な対策をきちんと講じてほしい」と会社側に申し入れました。

 他のメンバーから、「この場は東邦亜鉛の視察会なので、公特事業に関する協議の場ではない」などと諫められていましたが、西岩井地区は筆者の住む北野殿を上回るほどのカドミウム汚染度の状況にあり、長年にわたり苦しめられた住民としては無理からぬ申し入れだと感じました。

 こうして今回の質疑応答は珍しく弁護団主導で会社側とのやりとりが行われ、最後に本社の執行役員から締めの挨拶があり、正午前に視察会が終了しました。


視察会の講評を述べる緑の大地を守る会事務局長。

最後に視察会終了を宣言する会社側司会者。

■その後、12時10分から13時30分まで、当会と会社の環境管理担当者ら2名との間で、別途懸案事項に関する協議を行いました。


午後の協議場所となった総合事務所1階事務部脇にある応接室。相変わらずドリル優子のカレンダーが壁にかけられている。公選法違反容疑で当会の告発を受け東京地検特捜部の事情聴取を受けたことはすでに忘却の彼方らしい。この分だと優子ワインもまたぞろ配り始めているかも。

どうやって調達したのかわからない天皇皇后両陛下のカレンダーも。

 この協議に先立ち当会からは、次の内容の質問事項を安中製錬所長宛にFAXで提出しておきました。

*****協議依頼書*****ZIP ⇒ 20190402mb.zip
                          2019年4月2日
〒379-0115 群馬県安中市中宿1443
東邦亜鉛株式会社安中製錬所
安中製錬所長兼機器部品事業部長
執行役員 秋山武郎様
(事務部 中島次長様、石井様気付)
FAX:027-382-4402
                〒379-0114 群馬県安中市のドン980
                碓氷川流域公害防除特別土地改良事業
                推進委員会本部役員(広報担当)
                     小川 賢
                電 話:090-5302-8312
                FAX:027-381-0364

  件名:4月6日視察会後の情報交換・共有にかかるご協議について(お願い)

拝啓 貴社ますますご清栄のほどお慶び申し上げます。
 さて、きたる2019年4月6日(土)午前9時30分から正午にかけて、御社貴所で毎年この時季に開催される安中緑の大地を守る会主催の恒例の第28回工場視察会に、今回もオブザーバーとして参加を予定しております。
 つきましては、この機会に、貴所をとりまくさまざまな事柄について、情報交換、情報共有を目的として質疑応答の機会を賜りたくお願い申し上げます。
 具体的には、工場視察会では時間的な余裕が見込めないため、誠に恐縮ですが、視察会後、昼休みを適宜挟んで、御社関係者の皆様方と、午後からご面談およびご協議の時間を頂戴できれば幸いに存じます。
 なお、事前にご面談時のご協議の項目について、別紙のとおりあらかじめご連絡いたしますので、できる限り事前にお調べいただき、当日の協議に臨んでいただけますと幸甚です。

                            敬具

別紙 協議希望項目リスト

=====別紙=====
別紙   協議希望項目リスト

0 <工場の操業について>
01 安中製錬所の最大製錬能力
02 貴所の過去1年間の鉱石搬入量
03 貴所の過去1年間の亜鉛、カドミウムなどのそれぞれの製品の生産量(=出荷量?)
04 貴所の過去1年間の銀滓、K砕、その他副生品等のそれぞれの発生量と出荷量
05 貴所が主に使用している鉱石の種別(閃亜鉛鉱、菱亜鉛鉱、ウルツ鉱、異極鉱、水亜鉛土・・・?)および主要鉱物成分パーセンテージ(硫黄%、鉄%、亜鉛%、鉛%、カドミウム%、銀%、その他成分%)
06 貴所が主に使用している鉱石の原産地
1 <K砕について>
11 貴社(および貴所)は、非鉄大手8社の一員として日本鉱業協会に加盟していますがの同協会のスラグ委員会のメンバーではないようです。我が国を代表する製錬所を有する貴社(および貴所)がなぜ日本鉱業協会スラグ委員会のメンバーに名を連ねておられないのか、その理由をお聞かせください。
12 K砕の定義(社内基準の有無)
13 貴所の過去1年間のK砕の出荷先とそれぞれの出荷量
14 これまで貴所が岡田工務店向けに出荷していたK砕の期間と数量
15 岡田工務店のある高崎市箕郷町の公有地・民有地など多数の土地に使用されていたK砕に関するご認識(箕郷町が高崎市に合併した平成18年以前のK砕の出荷状況を含む)
16 K砕に含まれている鉛やヒ素が土壌汚染対策法をはるかに超える基準値を示している事実についての貴所のご認識
17 K砕がなぜ鉛リッチ・ヒ素リッチになったのかについての原因についてのご認識(鉱石成分、製錬プロセスにおける考察を含む)
18 K砕に含まれる鉛、ヒ素、亜鉛など重金属の低減にむけた対策案と現状実施体制
2 <操業中の騒音について>
21 二年前の視察会の質疑応答の際にもお伝えしましたが、構内から外部に漏れる騒音が結構高いレベルにあるようです。北野殿の畑で農作業をしていると、ロータリーキルンの押込み送風機なのか相当やかましく聞こえます。騒音に対する現状と対策についてのご認識
3 <災害時の地元との連絡方法について>
31 地元北野度地区では私もメンバー一員の防災組織が編成されていますが、地震、噴火、豪雨・豪雪など異常気象時に貴所の安全・安定操業状況など緊急問合せ先窓口に関する情報(ご担当部署名・ご担当者・ご連絡先)
※尚、この他、現在地元で推進中の公特事業についても、情報交換および意見交換を致し度。
**********

■会社側からは、予め通告しておいた協議事項について、会社側(石井光・環境安全部長兼環境管理部長)からそれぞれの質問事項について、次の説明(●赤文字)がありました。

**********
01 安中製錬所の最大製錬能力
   ●(視察会におけるマイクロバスの中での製造部長の説明として)亜鉛地金年間生産能力についての経産省の許可は14万トン。これを12カ月で割った1万1667トンが月間最大精錬能力となる。
02 貴所の過去1年間の鉱石搬入量
   これは担当部署が違うので分からない。
03 貴所の過去1年間の亜鉛、カドミウムなどのそれぞれの製品の生産量(=出荷量?)
   ●これは担当部署が違うので分からない。
04 貴所の過去1年間の銀滓、K砕、その他副生品等のそれぞれの発生量と出荷量
   ●これは担当部署が違うので分からない。
05 貴所が主に使用している鉱石の種別(閃亜鉛鉱、菱亜鉛鉱、ウルツ鉱、異極鉱、水亜鉛土・・・?)および主要鉱物成分パーセンテージ(硫黄%、鉄%、亜鉛%、鉛%、カドミウム%、銀%、その他成分%)
   ●企業機密のため言えない。
06 貴所が主に使用している鉱石の原産地
   ●豪州の子会社が算出するエンデバー鉱とラスプ鉱を含め、11種類くらいあるが、豪州以外には南米からも購入している。国も含めそれ以上のことは言えない。
1 <K砕について>
11 貴社(および貴所)は、非鉄大手8社の一員として日本鉱業協会に加盟していますがの同協会のスラグ委員会のメンバーではないようです。我が国を代表する製錬所を有する貴社(および貴所)がなぜ日本鉱業協会スラグ委員会のメンバーに名を連ねておられないのか、その理由をお聞かせください。

   ●当社のK砕は、同業他社のスラグと異なり、言ってみればロータリーキルンによって「蒸し焼き」の形で生成される。内容物が全部溶融して互いに混じり合っている「スラグ」ではなく、内容物の一部が蒸発するものの、それらが混然一体となるわけではない。つまり、饅頭を「蒸す」という感じで、ここの原料が形状をとどめており、出来上がった外見は「おこし」(雷おこし)のような多孔質の物体。そのため、当社ではスラグとは一線を画していると判断して、スラグ委員会には加入していない。この状態は、すくなくとも20年前に諸先輩からこのようになっている(スラグ委員会非参加)ことを言い聞かされていた。
12 K砕の定義(社内基準の有無)
   ●スラグ委員会制定の基準マニュアルはここにあるが、当社のはスラグではないので、スラグ委員会の基準は適用されない。それ以上のことは言えない。
13 貴所の過去1年間のK砕の出荷先とそれぞれの出荷量
   ●契約先との契約内容で守秘義務が課せられているので言えない。
14 これまで貴所が岡田工務店向けに出荷していたK砕の期間と数量
   ●出荷先の具体的な名前については、そもそも契約先との契約内容で守秘義務が課せられているので一切言えない。
15 岡田工務店のある高崎市箕郷町の公有地・民有地など多数の土地に使用されていたK砕に関するご認識(箕郷町が高崎市に合併した平成18年以前のK砕の出荷状況を含む)
   ●出荷先の具体的な名前については、そもそも契約先との契約内容で守秘義務が課せられているので一切言えない。したがって、箕郷町の梅林公園などで高崎市と合併以前の平成18年以前にK砕が出荷されていたかどうかは、出荷先と数量も含めて言うことはできない。また、出荷先でどのように使用しているか、についても出荷先が判断したことであり、当社としては、調査の必要性は感じていない。
16 K砕に含まれている鉛やヒ素が土壌汚染対策法をはるかに超える基準値を示している事実についての貴所のご認識
   ●既に上述したとおり、K砕は「スラグではなく商品である」という認識であり、したがって、廃棄物ではないので、そうした(土壌汚染対策法などの法令)の定めた基準の適用を受ける対象にない。
17 K砕がなぜ鉛リッチ・ヒ素リッチになったのかについての原因についてのご認識(鉱石成分、製錬プロセスにおける考察を含む)
   ●上述のとおり、鉛やヒ素など特定の物質が基準に対してどうこう評価する立場にない。K砕の定義については、上述のとおりであり、一般に呼ばれている溶融した状態から生じるスラグとは別のものであり、蒸し焼きされた状態で生じたものである。また、原料となる鉱石の成分については、豪州子会社が産出する鉱石(原石は亜鉛含含量が5%程度。これを山元で1次選鉱して50%程度にしたものが精鉱)も、それぞれの鉱脈ごと、さらにその採掘ポイントで、成分は異なっている。船積みに際しては、1次選鉱後の精鉱をロット毎にサンプル分析して品質証明を付け、それが取引金額に反映され、出荷される。精鉱の含有量にはバラツキがあるため、一概に言えない。一例として本日配布した会社のカタログの「製錬工程図」の冒頭に掲げた「亜鉛精鉱成分」を参照願いたい
18 K砕に含まれる鉛、ヒ素、亜鉛など重金属の低減にむけた対策案と現状実施体制
   ●K砕について説明する。精鉱を焙焼炉に投入し燃焼させて、中に3割ほど含まれる硫黄を除去した焼鉱を希硫酸に浸けて溶かした際に、溶けきれずに沈殿した残渣をロータリーキルンに投入して1300度C程度まで昇温し焼成して、その後急冷するとこぶし大の塊が得られ、セメント製造ではこれをクリンカーと呼んでいる。これを破砕し、20㎜メッシュのふるいにかけてできたものを、当社ではこれは「スラグ」と呼ばず、クリンカーの頭文字の「K」をとって「K砕」という商品名を付けて呼んでいる。ちなみに希硫酸に溶け込んだ焼鉱中の亜鉛や鉄その他の成分を含む溶液は、次に酸化させて鉄分を分離し、さらに亜鉛の粉末を加えてカドミウム等を分離した後電解精錬工程に回している。
   【当方からお伝えしたコメント】
   焼鉱中に含まれている諸成分のうち、鉛の沸点は1749度C、ヒ素は613度C、亜鉛とカドミウムは767度C、水銀は357度C、銅は2562度C、金は2700度C、銀は2162度C、インジウムは2072度Cである。このうち金、銀、銅のほか、希硫酸に解け込みきれなかった鉛、亜鉛、ヒ素、水銀などはロータリーキルンで蒸し焼きにしても、鉛は蒸発せず、また、その他の元素成分も十分揮発しきれないので、K砕の中に含まれてしまうのではないか。このため、K砕にはとりわけ蒸発しなかった鉛が高濃度に含まれるのではないか。視察会で配布されたカタログに掲載された亜鉛精鉱成分例をみても、鉛が1%程度含まれており、豪州子会社のHPにもラスプ鉱には鉛がかなり含まれている旨の記載がある。よって、K砕は、安中製錬所から外部に出荷せず、安中貨物の戻りの便を活用して、小名浜まで運び、船で契島製錬所に搬入して鉛原料として活用するのが良策ではないのか。ぜひ、緊急かつ真剣に検討し実施願いたい。

2 <操業中の騒音について>
21 二年前の視察会の質疑応答の際にもお伝えしましたが、構内から外部に漏れる騒音が結構高いレベルにあるようです。北野殿の畑で農作業をしていると、ロータリーキルンの押込み送風機なのか相当やかましく聞こえます。騒音に対する現状と対策についてのご認識

   ●騒音については、定期的に計測し、環境法令に合致していることを確認している。上記の意見については、そのような意見が寄せられたということで、参考にさせていきたい。
3 <災害時の地元との連絡方法について>
31 地元北野度地区では私もメンバー一員の防災組織が編成されていますが、地震、噴火、豪雨・豪雪など異常気象時に貴所の安全・安定操業状況など緊急問合せ先窓口に関する情報(ご担当部署名・ご担当者・ご連絡先)

   ●担当部署:安中製錬所・環境管理室
    担 当 者:中島正宏次長
    連 絡 先:電話027-382-1551
※4/26ご本人からの変更要請に基づき修正)
**********

 また、現在地元で行政と住民地権者との間で推進中の公害防除特別対策事業(公特事業)について、当会からいくつか確認と申し入れをしました。

 そして以上のやり取りの概要についてまとめたものを文書にて、当会から東邦亜鉛安中製錬所長充てに4月8日付でFAXにて提出しておきました。
※東邦亜鉛安中製錬所長あて協議内容概要確認事項通知書 ZIP ⇒ 20190426r1mmfmfax.zip

■今回は、第28回目の安中製錬所工場視察会ということで、2年ぶりに参加しましたが、工場の操業内容とプロセスについて予備知識がないと、どこに問題や課題があるのかどうかは、なかなか判断しにくいところがあります。

 このため毎年継続的に参加していないと、事情が呑み込めず、しかも、わずか1時間余りのごく限られたエリア内のみの工場視察では、広大で複雑な安中製錬所の精錬事業の実態は把握しにくいのも当然です。

 今後は、さらに同社や同工場の関連情報のみならず、他の同業者の諸情報の収集にも努め、東邦亜鉛が再び汚染物質や有毒物質を環境中にばらまかないよう周辺住民として監視を強めてまいりたいと存じます。


工場視察会と当会との協議を終えて、再び操業モードに戻った会社側総合事務所と桜並木。↑

【ひらく会情報部】

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【群馬高専】アカハラ主犯の雑賀教授が沼津高専に「人事交流」異動

2019-04-11 23:34:00 | 群馬高専アカハラ問題
■甚大な被害を出したアカハラ事件の総括・解決が一切なされないまま令和時代の開幕を迎えようとしている群馬高専ですが、当会に寄せられた情報によりますと、アカハラ事件の主犯である電子情報工学科の雑賀洋平教授が、今年四月より静岡県の沼津高専に高専間人事交流で異動しているということのようです。

雑賀氏がその場しのぎに身を置いた沼津高専。Googleより。富士山の麓にあっては群馬県に引けをとらない豊かな自然に囲まれ、学生が勉学に励む環境としては申し分ないのだが……。

■情報によれば、身を置く場所が変わったとはいえあくまで一時的なものであり、アカハラのほとぼりが冷めればまた戻ってくる心積もりのようです。当会としては、「なぜ沼津なのか?」、「どの程度の期間いるのか?」、「沼津で何をするのか?」、とりあえず情報を得たいと考えました。何より、静岡県まで群馬の汚点の尻拭いに参加させるとは、群馬県民として赤面モノの恥というほかありません。

 まず、沼津高専のシラバス(https://syllabus.kosen-k.go.jp/Pages/PublicDepartments?school_id=22)を調べてみると、興味深いことがわかりました。本科(1年生~5年生)の方にはどの学科にも一切担当科目がなく、専攻科(環境エネルギー工学コース・新機能材料工学コース・医療福祉機器開発工学コース)の「画像処理工学」(専攻科2年前期選択科目)にしかその名前が見られません。

 もちろん、アカハラの根絶を願う当会としては、アカハラの拡散防止という観点から雑賀氏に講座など一切受け持たせない方が好ましいと考えているのはいうまでもありません。しかしそれを抜きにした視点から見れば、群馬からはるばる招聘しておきながら、あってもなくてもいいような講義ひとつを4か月程度のみ担当させているだけという、極めて不自然なことになっているのがわかります。

 まして年度後期に至ってはいったい何をさせるのかも不明という状況です。一方で研究環境は群馬に置いてきているはずですから、雑賀教授が果たしてどのような職務を全うするのか、想像もつきません。教授としての高い給料だけ貰って働きもしない「高専内ニート」などされては納税者としてたまったものではないのですが、沼津高専はいったい何を考えているのでしょうか。

■そうした事前調査のうえ、当会では情報収集のため4月11日の午前9時46分に沼津高専の人事係に電話し、同係の千田氏に聞き取りを行いました。やり取りは以下の通りです。

当会】貴校に4月から着任した雑賀洋平氏についてだが、高専間人事交流で任期付きで来ているという認識でいいのか? その期間は何年か?
人事係千田氏】その認識のとおりです。期間は1年間です。

当会】雑賀洋平氏については、貴校のどの学科(あるいは専攻科)の所属ということになっているのか?HPには一切情報を載せていないようだが。加えて、研究室といったものは与えられているのか?
人事係千田氏】特定の学科には所属しません。これは学校長と専攻科長(専攻科のトップ)とがそのように相談して決めた経緯があります。HPに不掲載の件は、自分としてはなぜなのか理由については聞かされていないので承知していません。研究室というか、ほかの教員と同じく教員室が1部屋与えられております。

当会】シラバスを確認したところ、専攻科の「画像処理工学」しか担当していないようだが、わざわざ招聘したにしては担当科目が少なすぎないか?しかも、当該科目のシラバスの詳細が掲載されていないのだが(注:現在は閲覧可)、閲覧できないのか?
人事係千田氏】シラバスについては学生課の所管なので、そちらにこの電話を回します。

当会】わざわざ群馬高専から招へいしたのに、画像処理工学(2単位)しか担当させないのはもったいないのではないか?
学生課小沢氏】上が決めたことなので、自分としてはコメントする立場にありません。当該科目のシラバスが閲覧できないというのは、ちょっと調べてみます。……(30秒後に)一部修正がかけられていたことから、非公開としていました。今、公開処理中なので、まもなく閲覧できるようになります。もし、まだ閲覧できていないようでしたら、連絡をください。

■上記のとおり、学校長と専攻科長が直々に特定学科への所属はさせないと決めていることや、あからさまに必要最小限の閑職しか割り当てていないところを見ると、明らかに沼津高専から腫れ物扱いされていることがわかります。とすると次の疑問は、そんな問題児をなぜ沼津高専は受け入れたのかということになります。

 想定される可能性のひとつは、雑賀氏の受け入れ先を探すうえで、沼津高専の校長が高専機構に対するポイント稼ぎのため進んで手を挙げたという場合です。もうひとつの可能性は、沼津高専に拒否権のない形で、雑賀氏を押し付けられたという場合です。いずれにしてもろくなものではありません。「高専間人事交流」のシステムについても、ある程度調べを入れる必要があるようです。

 また、そもそもこの1年間の逃避行の真意はいったい何なのかもいまいち定かではありません。「アカハラ事件のほとぼりを冷ますため」という解釈をする関係者もいるようですが、たった1年ではそこまで効果はなさそうにも見えます。まして、いつかは群馬に舞い戻らねばいけないのですから、その点でも問題を先送りにしているだけの悪手に見受けられます。

■当会として率直に感じるのは、雑賀氏はさっさと自らの罪を認めて、潔く関係者に謝罪し、潔く処分を受けて、「みそぎ」を済ませるしか救われる方法はないであろうということです。

 2017年の前期にも、一時的に休職して現実から逃げていたようですが、それでいったい何が解決したというのでしょう。今回の沼津高専への逃避行にしても、ただ静岡県にまで自らの恥を撒き散らすだけに終わるでしょう。最初から腫れ物扱いを受けて静岡の地で給料泥棒をするという惨めな生活を送って一片でも救われるのでしょうか。こうまでして何も問題が解決しないのですから、雑賀氏の選択はもっとも愚かなものと断ずるほかありません。

 当会としても、「許すまじアカハラ拡散」・「許すまじ税金無駄遣い」というオンブズマンとしてのスローガンのもと、両面の視点から「逃げ場なし」の執拗な追及を旨として、新たな局面に入った本問題を徹底的に追いたいと考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
コメント (16)
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デタラメな群馬県の林業行政…2月8日の保安林現地視察でコンプライアンス平然無視の実態報告(2)

2019-04-10 23:39:00 | 藤岡市内保安林を巡る行政犯罪
■保安林指定は、市、県、国がからむ手続きです。当然、お膝元の藤岡市行政も関与しています。そこできちんと手続きが行われたのかどうか、当会会員は大きな疑念を抱いています。

当会会員が設置した「立入禁止」の看板。


↑「立入禁止」の看板の裏に目印として敷設した杭。この杭を県の青木係長に確認してもらおうとしたが、拒否。ちなみにこの杭は当会会員が前の所有者との間で確認用に打設した杭のうちの一つ。

当会会員と前所有者との境界確認位置図。

<その3>
藤岡市は当会会員が所有する山林で群馬県が治山事業を行うため、当該山林の土地を保安林施設地区または保安林に指定する際に地権者である当会会員の承諾を得ないまま、「異議がないので、これを承諾します」と群馬県に回答した【刑法155条「公文書偽造」容疑

*****書類・保安林・申請書*****ZIP ⇒ img_20190223_0008w.zip
位置図
保安林指定調査図
平面図
土地所在図
縦断面図
横断面図
構造図
仕様図
計算図
展開図
参考図
(設計計算図1式)
  計     5
受益対象
範囲・種類
数量等

分類番号F-23-3開示又は非開示の区分
治山事業施行に伴う保安林(保安施設地区)の指定について
森林部長様(森林保全課)    平成9年8月4日
              藤岡森林事務所(森林環境課)
保安林指定調書      整理番号
森林所有者        権利の種類
住所・氏名
当該森林に関する登記の種類  権利者  住所・氏名
指定目的   土砂の流出の防備
面積  区分  不動産登記簿   実測又は見込
全面積
指定面積    要指定地の状況
指定施業要件として定めるべき内容規程第10条1項面積
                 規程第1条3項の特例面積
指定に対する関係者の意見 森林所有者等 承諾する。
             受益者    同意する。
             調査者 藤岡森林事務所 主任 佐藤淳
             調査  平成9年6月2日
             備考  平成9年3月27日 前橋地方法務局藤岡出張所 参号済
     保安林指定調書附属明細書
所在場所・森林所有者・登記済の権利・権利者・住所・氏名
立木の伐採方法   皆伐
     土地使用・保安林指定承諾書
藤岡市上日野字田本甲1051-1 山林面積16,056㎡ 保安林指定850㎥
平成9年5月9日 土地所有者(甲)住所 藤岡上日野1876-2 氏名 新井誠一
群馬県知事(乙)様 立会者 市(町村)長 藤岡市長 印 あり

*****違法行為の経緯*****
<藤岡市の市長・杜撰な保安林指定とダム工事>
●平成8年(ダム工事施工)
     ↓
●平成8年度 復旧治山事業・施工地・藤岡市上日野(亀穴)
       工種名 NO3 谷止工・施工主体 群馬県林務部
     ↓
●平成9年(土地承諾書)公文書 偽造
     ↓
●土地使用・保安林指定承諾書 藤岡市上日野矢掛乙1020-2山林保安林指定284㎡
群馬県が行う治山事業のため使用する上記の土地について、下記条項により承諾します。
平成9年5月9日土地所有者(甲)住所 藤岡市上日野1958番地 氏名 新井市栄
立会人(市長村)長 藤岡市長
     ↓
●平成19年(保安林指定)藤岡市役所秋山が土地の承諾にくる。
     ↓
●森第304-3号 平成22年3月8日 新井誠一様 群馬県知事 大澤正明(森林保全課)
        保安林の指定施行要件の変更について(通知)
     ↓
●平成22年(保安林指定)
     ↓
●平成20年3月5日付け森第304-17号で通知した保安林施行条件は、下記の通り
・変更(告示)年月日 平成22年1月8日
・告示番号  農林水産省第98号
・変更場所  別紙(保安林施工要件変更箇所一覧)のとおり
・変更内容  予定通知の通り(平成21年3月5日付森第304-37号通知)
     ↓
●平成11年(官報に記載)
     ↓
●平成11年10月27日 水曜日 官報 (号外第209号)
10に藤岡市上日野字矢掛乙1026-2と上日野字田本甲1051-1に保安林指定官報に表示
     ↓
●地権者は私 清水剛と新井誠一氏2名です。又、地権者の同意もなく保安林設定ができるのか行政側はコンプライアンスをまもり正しい対応をしてもらいたい。

*****藤岡市情報公開請求書*****ZIP ⇒ 2019022717134811125sj.zip
様式第1号(第2条関係)          平成30年11月25日
       藤 岡 市 情 報 公 開 請 求 書
                        平成25年 3月 1日
                             ↓
藤岡市情報公開条例第8 条の規定により、次のとおり情報の公開を請求します。H25.3.1
<公文書の件名又は情報の内容>
(公文書の件名又は知りたい事項を具体的に記入して下さい。)
上日野甲1051-1、1051-3、1051-4、1051-5、1051- 6、1051-7、1051-8、1051-9、1051-11、乙1051-1、乙1051-3、1051-2の山林に係る平成7年・平成12年・平成22年の森林簿 「字田本地内は甲1051 - 1 だけ」
上日野1233-2の山林に係る平成7年の森林簿←「平成8年購入清水剛になっている。」
上記の地番は平成6年購入、森林簿には清水剛の名義に記載されていない。
添付1、[藤岡市・作成]          添付2、[清水剛·作成]
98林班・小班・字・地番(群馬県作成)  98林班・小班・・地番(清水剛作成)
小班  大字  字  地番        小班  大字  字   地番
 9  上日野 田本 1051-1ホカ   9  上日野 田本 1051-11
12-1上日野 田本 甲1051-1   12-1上日野 田本 1051-8
14-1上日野 田本 甲1051-1   14-1上日野 田本 筆界未定地
22  上日野 田本 甲1442     22  上日野 田本 1051-8
49-2上日野 田本 丁1444ホカ   49-2上日野 田本 筆界未定
19  上日野 田本 甲1442     19  上日野 田本 乙1020-1
18  上日野 田本 丙1051     18  上日野 田本 乙1051-2
10  上日野 田本 甲1051-1   10  上日野 田本 1051-8
51  上日野 田本 乙14442    51  上日野 田本 筆界未定
52  上日野 田本  14449    52  上日野 田本 筆界未定
13  上日野 田本 甲1051-1   13  上日野 田本 筆界未定
12-3上日野 田本 甲1051-1   12-3上日野 田本 筆界未定
12-4上日野 田本 甲1051-1   12-4上日野 田本 筆界未定
12-6上日野 田本 甲1051-1   12-6上日野 田本 筆界未定
12-2上日野 田本 甲1051-1   12-2上日野 田本 筆界未定
12-5上日野 田本 甲1051-1   12-5上日野 田本 筆界未定
55  上日野 下田本甲1440-2   55  上日野 田本 筆界未定
54  上日野 下田本甲1440-2   54  上日野 田本 筆界未定
53  上日野 下田本甲1440-2   53  上日野 田本 筆界未定
56  上日野 下田本甲1440-2   56  上日野 田本 筆界未定
57  上日野 下田本丁1440ホカ   57  上日野 田本 筆界未定
58  上日野 田本 1051-1ホカ  58  上日野 田本 筆界未定
59  上日野 下田本1439      59  上日野 田本 筆界未定
60  上日野 下田本1439      60  上日野 田本 筆界未定
61  上日野 田本 1057-1    61  上日野 田本 筆界未定
62  上日野 田本 1057-1    62  上日野 田本 筆界未定
63  上日野 田本 1057-1ホカ  63  上日野 田本 筆界未定
64  上日野 田本 1057-1    64  上日野 田本 筆界未定
65  上日野 田本 1051-7ホカ  65  上日野 田本 筆界未定
66  上日野 田本 1039      66  上日野 田本 1051-3
67  上日野 田本 1058      67  上日野 田本 筆界未定
14-4上日野 田本 甲1056ホカ   15-4上日野 田本 筆界未定
14-2上日野 田本 1053      14-2上日野 田本 筆界未定
14-3上日野 田本 1047      14-3上日野 田本 1051-5
15  上日野 田本 1042      15  上日野 田本 1051-3
15  上日野 田本 1041      16  上日野 田本 1051-4
17  上日野 田本 1041      17  上日野 田本 1051-7
4   上日野 田本 1046      4   上日野 田本 1051-7
5   上日野 田本 甲1051-1   5   上日野 田本 1051-7
8   上日野 田本 甲1051-1   8   上日野 田本 1051-7
6-1 上日野 田本 1051-1    6-1 上日野 田本 1051-7
6-2 上日野 田本 1050      6-2 上日野 田本 1051-5
7   上日野 田本 1050      7   上日野 田本 筆界未定
49-2上日野 下田本丁1444ホカ   49-2上日野 田本 筆界未定
↑群馬県作成・[ 4 4 筆あり・ 3 5 筆が間違い。ほぼ正しいのは 9 筆]        ↑
清水 剛作成・[ 4 4 筆をトレーシングペーパーを使い何度も繰り返し小班を設定した。]↑
**********

■当会会員がこの問題に取り組んできた過程で、事実関係の確認の為入手してきた公図類があります。本来、公図は厳正に正しく作成され保管されていなければならないはずです。しかし、次に示す一連の公図を見る限り、6筆のはずの筆界未定地の地番が一時期、一筆になったりするなど、きわめて不可思議な経緯が見て取れます。


H30.12.18 古い公図の写し。筆界未定地が6筆から構成されていることがわかる。


昭和59年の公図の写し(平成6年にコピーしたもの)。これも、筆界未定地の記載が6筆となっており、6筆の記載文字が上図と一致していることが分かる。


法務局の公図。平成6年8月1日付の原図の写しを平成28年4月28日に前橋法務局高崎支局で交付されたもの。これも6筆の筆界未定地が明記されている。


藤岡市都市建設部土木課が平成31年2月13日に出力した図面。藤岡市が使っていた図面であるが、筆界未定地6筆のはずが、一筆の地番「コウ1051-1」と記載されている。当会会員によれば、「藤岡市はデタラメなこの図面を県に提出したことから、未だに群馬県は当該地を一筆だと思っている」という。一方、藤岡市は当該地の固定資産税を徴収していたので、すぐにこの図面がデタラメだと気付き、間違いを認めたという。


これが改ざんされた公図を示すもの。当該地はやはり一筆で描かれている。かつて市道だったところが洪水で流されてしまい、平成8年度の事業で砂防ダムを造ったが、ダムのある沢を隔てて、当該地の反対側(つまり左側=西側)は保安林指定になっていない。


改ざんされた上図を拡大したもの。藤岡市土木課作成で最近当会会員が入手した。当該地の地番が「甲1051-1」とあり、改ざんされていることが分かる。


「3912 上日野田本1051-1付近」の土地家屋図。この図面でも当該地の地番が「コウ1051-1」と描かれている。


同じく「38 上日野1051-5付近」の土地家屋図。藤岡市が、地番の間違いを認めて直した地図。間違いを認めたので一筆でなく、6筆の筆界未定地となっている。↑

■この問題は、林業行政の暗部をあぶり出すものであり、おそらくここだけではなく、ひろく群馬県内を始め、全国各地で、行政と森林組合が結託し、補助金の不正請求が行われているものと考えられます。

 ところで、この藤岡市の事件について、保安林事業を所管するのは国=農水省林野庁です。保安林手続きの過程で不正があれば当然国が率先して事の事実関係を調べて、不正があれば正さなければならないはずです。ところが当会会員が国に通報したところ、冷たくあしらわれたのだそうです。

<その4>
 当会会員は上記その1及びその3について保安林を管轄する農水省に違法行為を通報したところ「そのような間違いは行政ではしていない」と断言し通報を黙殺した【刑法60条「共同正犯」容疑】

 そこで当会では、農水省の治山課の専門官に3月5日に電話で問い合わせてみました。以下にその時のやり取りを詳述します。

*****電話メモ*****
件名:藤岡市清水剛氏が直面する保安林を巡る行政不正事件について
日 時:2019年3月5日(火曜日)午後1時11分から
相 手;(治山)農水省林野庁治山課 小川
聞き手:(当会)市民オンブズマン群馬 小川
内容:
当会:もしもし、お世話になります。
治山:えーと、私、農林水産省林野庁の治山課の小川ともうしますけれど・・。
当会:すいません、同じく小川と言います。この間、お留守、ご出張中にお電話をさせていただきまして、すいませんでした。
治山;はい、うかがっております。えーと、(2月)27日、木曜日にお電話をいただいた。
当会:そうです。そうです。あのう、藤岡の清水さんという方からいろいろ私のほうにもご相談があって。
治山:はい。
当会:えーとですね、まああのう、概要はもうご存知だと思うんですが、かいつまんで言うと、清水さんの所有している山が、不正に保安林の手続き、指定手続きを受けてしまって非常にお困りになっているということなんです。
治山:はい
当会:で、これ、なんとか善処していただきたいということで、多分ご相談の電話があったと思うんです。
治山:はい
当会:で、私の主催している市民団体に登録されているので、その代表の小川と言いますが、ご依頼があったので、私の方へも、「小川さん、林野庁の小川さんのほうに聞いてみてくれ」と、懇願をされまして。
治山:はい。
当会:すいませんが、お電話をこの間、させていただいたのですが、この件はいかがしたものでしょうかね。
治山:あのう、まあ、保安林の指定の手続き・・・の事務というのはですね、林野庁と、まあ、群馬県、県のほうですね、そのほうでやってまして、まあ、群馬県と藤岡市のほうでもそれぞれやりとりがあるようにきいているんですけれど。
当会:ええ。
治山:その手続きが適正に行われたか否か、についてご関心があるということでよろしいでしょうか。
当会:ええ、あのう、根本的には、原則としてはそうだとおもんですが、本人もいろいろお困りになって、あちこち相談しまくっておられるようなので、相談を受けた行政側としては、だから、どこがどういうふうに、こう、取りまとめているのがよくわからなくて、それがフィードバックされて、清水として、いったい、じゃあどこに相談していいのか、ということで、上級庁とおぼしき農水省の林野庁のほうに、ご相談という形で行ったと思うんですね。まあ、私の解釈ですけれども。
治山:はい。
当会:で、どうすれば良いのか、林野庁の、この間、小川さんに電話をしたら、「間違いはない」んだけれども、「もし間違いがあったら小川さんが、ご自身で責任をとる」ということをおっしゃったとか、言われています。
治山:そういう事は言わないと思わないけれども(苦笑)。
当会:聞き違いかもしれないけれども本人はそのように思っている。だから、それほどお困りになっているので、どこに、ご本人は、これは不正であり、文書偽造、事実と異なる書類が、回っているから、本人の知らないうちに勝手に、指定されて、ダムは作られるわ、森林は組合に勝手に伐採されるわと、いろいろ、こういうふうなことで、被害を受けたと言っている。
治山:うーん、まずですね、まあそのう、清水さまと我々の間で、同じもの、同じ事象、同じ手続きについて、まったく同じような理解をしているわけではないというところがあって、我々行政の理解を清水様のほうには何度も説明させていただいているところなんですけれど・・。
当会:ああ、そうですか。
治山:はい、なかなかすべてをご理解いただけていないようで。
当会:いやあもう、完全に頭の回路が、こういっては何ですが、大分今までの経緯で腹が立ったのかどうか、回路がかなり遮断されているので、これを解き起こすにはきちんと書面かなんかで分かりやすく言わないと、ご本人は納得できないと思うんですね。
治山:うーん、そうですね。それでちょっと、かいつまんで、簡単に説明しますと、我々は、そのう、行政の処分として、保安林の指定というのを行ったのは、えーと、平成11年、ということで、20年ほど前の話です。
当会:えー、官報の?
治山:17年から19年か、20年か、それほど前の話なんですね。
当会:そうですね。19年半くらいですね、11年10月に官報に載ったと言っていますからね。
治山:ええ、勿論、そのう、官報に載るまでに、その、さまざまな手続きが・・・、手続きと言うか内部処理で、・・あのう、処分ではないので内部処理でもあるんですけれども、あのう、森林所有者のかたとお話をするですとか、あるいは県と国との間で、所有のやり取りをするですとか、そういった手続きがあったうえで、官報に載るという形で処分が決定されるんですけれど、その当時において、そのう、平成11年当時に、どのような書類がやり取りがされ、その中で誤りがあったか、なかったか、というのは、多分、小川さまであればご理解できるかと思うんですけれども、あのう、全ての書類が保存されているわけでもない、というところから、ある程度、そのう、推測というのか、あのう、標準的な手続きはこうなっている、というような説明しかできない分はあるというものなんですね。
当会:本人は公図、昔の公図から、説き起こして、その地番が筆界未定地で記載されたのを、なにか、地番がひとつしかないような形でされていると、そのような類のことをおっしゃっていますけどね。
治山:うーん、ただですね。あのう、清水様がそもそも、この土地について、権利を取得されたっていうのは平成24年(←当会注:平成6年が正しい)でございますので、指定当時、平成17年段階において、清水様が関係する部分って、とくにないんですね。
当会:ああ・・、そういうことになるんですか。
治山:はい。で、当時の関係者の人たちに、その正しい手続きを踏んで、・・踏んだ結果、その保安林を指定する必要があるというふうに、我々として考えて指定をしたというところなんですね。
当会:ふーん。
治山:で、事後的に、その・・・事後的に取得して、また、筆界未定であるという事実に基づいて、清水さまがさまざまなご主張をされていることは承知しておりますけれど、平成17年当時の指定手続きに、なんらかの瑕疵があった、誤りがあったとは、我々は考えていないんです。
当会:で、それを、示す書類も、いわゆる保存期限を過ぎているのであいにく手元にもないと、こういうことですね。
治山:うーん、・・・ということもありますし。あのう、指定にあたっては、その前に、「ここを指定する予定ですよ」という、予定通知というのを出しまして、その予定告知、ちょっとそのへん、言葉がいろいろあって申し訳ないが、「ここをそろそろ保安林に指定するつもりですけれども、皆さんいいですか?」ということを、県の広報で、公告するという手続きがあるんですね。で、その段階で、「ちょっと指定されたら困るんだけど、というご意見をお持ちの方は言ってくださいね」というようなプロセスを踏んでいるんですね。で、逆を言うと、そのう、その保安林を指定することによって守られる人たちも、そろそろ指定してくれるんだ、僕らはしっかり守られるんだな、ということが、あのう、地域の人たちに理解されるというようなプロセスなんですね、まあ、広聴する、広報するということですね。
当会:ああ、なるほどね。
治山:で、そういったプロセスのタイミングでなんらかの意見があれば言っていただけるというようなプロセスを踏んでいるので、そのタイミングで何かあれば、言っていただきたかったというのが、正直なところなんです。
当会:その頃は、まあ、ご本人は、まだ当事者ではなかったと、こういうことですよね?
治山:あのう、当事者でなくても意見を出すことはできますので。
当会:ああそうですか。
治山:はい、利害関係を有する人であれば(意見を)出すことができるので。たとえば、その土地から見て、そのう、山の斜面の下に住んでいて、「土石が落ちてくる可能性があるので不安だ」、みたいな人も意見が出せる。そういった法的なプロセスを我々は措置しているので。
当会:うーん、まあ、広聴制度というやつですね。まあ、今でいうパブリックコメントというようなやつですよね。
治山:はい、そうです。それで一カ所一カ所指定するごとに、そういった手続きを経て指定しているので、それが、そういったプロセスが終わった後に・・、終わってから十数年経ってから、言われてしまってもね、というのが正直なところ。
当会:うーん。ただその、なんというかな、明らかに瑕疵があるというところについては、そのう、遡ってそれを修正、是正、あるいはそのう、錯誤による、なんというか元に戻すというかな、いわゆる法務局でやっているような措置というのは可能ではないのでしょうか。
治山:あのう、錯誤による指定というものが仮にあったとすれば、それは当然指定すべきではないものですので、それは当然取り消す必要があると思いますけれど、その、該当の箇所については特段錯誤というものは発見できませんでしたし。
当会:いまでも?
治山:今でもですね。で、指定すべきという理由は今でも有効であるというふうに考えておりますので。
当会:そうですか。なんというか対象地が全然違っているところだと本人がおっしゃっていまして、この間、2月の8日に、群馬県の森林保全課の担当者ら数名となんか立ち会ったらしいんですけれども。
治山:はい。
当会:あのう、場所の特定をしようと思ったら、そそくさと逃げられたといいって、また本人は怒っていましたけれどね。
治山:うーん。
当会:もう、これはあのう、個別具体的で、群馬県と藤岡市のほうに対して、まあ、清水さんが言っているわけで、これを小川さんにちょっと言うのはあれかもしれないけれども、まあ、そういった、依然として尾を引いているわけなので。
治山:うーん。
当会:相談を受けた私としてもね、ちょっとね、どうしたものかと思って、なにか妙案はないかなと思うんですけれども、どうしようもないんですかね? これ。
治山:うーん、あの・・・・保安林の場所が特定できなということは、あまりよろしい状態ではないというふうに我々も考えていますが、かといって保安林がまったくない、という状況ではない、という、あのう、まったくないということではないということではないというふうに思っている。
当会:何か、間違って谷川の反対のほうに指定したとかなんかね。そういう経緯もあると。これは清水さんのコメントですけどね。だから杭を打ったというところで、ここがそうでしょ、というところを、その筆界未定地にかかれた公図のところで、きちんと照合しようと思って、案内しようと思ったら、もう、そそくさと逃げられたと言っていますが。ご本人の相談を・・
治山:あのう、そこの部分ですね、すいません、別に清水さまがどうのとか、具体的な個所がどうの、というわけではないのですが・・
当会:一般論として、はい。
治山:一般論として言いますと、土地の杭というのは、両方、その、おなじ地番でなくて、地番Aと地番Bというものがあって、AとBの間に杭が入っていたとして、AとBの所有者が異なればAとBの間の杭を動かすということは民法上の罪にもなりますが、AとBの所有者が一緒であれば、AとBの間の杭を動かすということは当然できる、ということになっていますし、動かした後に法務局に、AとBの面積がこれだからこういうふうに変わりましたというふうに届け出ることも、測量さえすればできる、というふうになっておりますけれども、そのことと保安林として指定すべき区域、というのはあまり関係しないというふうに考えておりまして、この斜面、或いはこの谷間、について、一定程度の面積の区域、この範囲、この区域を指定すべきだということになれば、あのう、杭の場所はどうであろうと、そこを測量して、いろいろな区域について地番を特定して、筆の全部、あるいは一部について、必要なだけ指定するというのが我々の方針ですので。
当会:ああ、なるほど、そういうことなんですね。
治山:ですので、事後的に、そのう、所有者さんが、今の杭がここなんだから、みたいにおっしゃったとしても、保安林の区域というものが、事後的に変わるということは、ないんですね。
当会:なるほど、それで県の担当者のとった行動というものが少し、私としてはイメージ、今、していますけれどもね。
治山:まあ、ある一定の範囲では、想像されるとは思いますけれども、片岡さんにくっついて、ああ、片岡さんじゃねえや。清水さんにくっついて行って、杭を見たから、保安林の区域はここだといわれて、勝手に県の担当者も立ち会ったというような言質をとられたくないがために、行政官として身を守る行動として、行うということはありえると思うんですね。
当会:なるほどね。
治山:いつまでもそれをやり続けることが適正だとは思わないけれども、そういったこともあり得るのかなあ、とは想像しますけれどもね。
当会:一般論としてね。
治山:うーん。
当会:分かりました。あのう、私にとってもこれ、非常に自分が当事者。まあ、うちも山を持っていて保安林指定は、猫の額ほどのは一カ所あるんですけれどもね、ただ今回の清水さんのこの問題については私も、多岐にわたって詳しくないので、今の小川さんの説明を理解するのがやっとの状態なのですけれどね。
治山:ただそのう、保安林もですね、その必要のあるところを保安林にするという一方ですね、その森林所有者さんにとってみれば、そのう、固定資産税とかがタダになるとですとかいったような優遇もございますし、そういったところでメリットとデメリットのバランスの中で、その地域にとって必要な区域を保安林に指定するというものになっておりますので、あのう、なかなかその指定のタイミングでご理解が得られても、その、相続とか、ありはその、所有者さんが変わられることによってご理解が得られないこともあると言えば、あるんですけれども・・。ただただ、その、やはり、地域にとって必要な区域を必要最小限の範囲で指定しているというものですので、まああの、保安林を指定しないと、治山事業、あの、山を納める工事ですね。ダムの設置等も含めてですけれども、土砂災害に対する工事もできない、というところもございますので、そういった中で、地域で、そのう、治山事業が必票だったという背景もあって、あのう、ここの清水さまの、今現在ですね、清水様の持たれている土地について、保安林になっていることだ、というふうに理解をしておりますので。
当会:ええ、ええ、そうです。
治山:で、もともと、そのまあ、治山事業が地域にとってほんとに必要だったかみたいな話はあるのかもしれないですけれど、あのう、やっぱり地域で災害がこわいよ、災害が起きたらどうするんだ、みたいな議論の中で、必要だということで、やられた事業だというふうに我々は認識しておりますので。
当会:うーん。
治山:そういった意味で、その、おっしゃられる、やった場所について、持っている人に、場所と、その、なんというんですかね、外れ区に近いですけれども、ちょっと損したなと思う気持ちもあるのかもしれないですけど、それに森林として使っていただく、林業をやっていただく分には、特段差しさわりのあるような制限が掛かるわけでは無いので、その点はちょっとご理解いただければなあということで、私の方からも何度が清水様のほうには説明はさせていただいたんですけれども。
当会:ああ、そうですか。
治山:はい。
当会:これは、解除という分けにはいかないんですね。一度ダムを作ったりした経緯も平成9年にはあるようですけれども。
治山:うーん、そうですね、そこ、保安林の制度としてなんですけれど、森林状態を維持することによって、そのう、土砂の流出ですとか、水源の涵養ですとか、そういった機能が発揮するような制度になっておりまして、で、そのう、森林があってその下流に住んでいる人たちにとって、ここが森林であることによって、下流の人々の生活が守られている状態にある限りにおいては、その時には解除にはならないのかなと思う。で、もし仮に解除になるとすればですね、その、下流に住んでいる人たちが誰一人居なくなる、というような、保全対象の消滅というんですけれど、そこを引き続き、その、森林として維持する必要がなくなったような場合には解除することはあるんですけれど、あのう、河川下に人が住んでいてそこが勝手に開発されたりとか、切り開かれて、土砂が出ちゃうような状態になったら困るよという人たちが住んでいる限りにおいては、引き続き、その、公益的な機能を発揮し続けていただく必要があると思いますので。
当会:そうですか、まああのう、うちの周りもメガソーラーでもう森林がバサバサ切られて造成されていますけれども、そのなかに保安林は掛かっていないようですけれども、いろいろ森林としての地帯をすぐに解除して、下流に実際に水も流れたりして、水田に土砂が流れ込んだりして迷惑したんだけれど、その業者もシランプリで、いろいろ問題が起きているんですよね。
治山:うーん。
当会:だからまあ、一般論と実際の現実論ではいろいろ問題が発生しているんですけれどもね。
治山:うーん。やっぱり、特に守るべきところ、土砂が出たら、人命・財産にかかわるようなところっていうのは、保安林に指定して、メガソーラーじゃないですけれど、開発行為についてもしっかり規制する。その一方で、その、普通の森林についてまで、全部が全部、強い規制をかけるというのも、個人さんの財産に他逸してご利敵じゃないので問ところでちょっとばらんすぉとって運営していかなければならないということは、我々も常々感じておりますので。
当会:広聴制度をもう少しわかり易くしたほうがいいと思うんですけれどもね。うちの山でも、それは共有林なので、保安林指定というときには、村で数十名持っていた山がたまたま引っかかって、はがき一枚きましたけれどもね。別にそれは共有林なので特にパブリックコメントも出す必要もないとは私は思ったんですけれども、官報にぱっと載せたのをいちいちチェックする時間もないのでね。その辺は何かもっと良い方法がないかなとは、いつも思っているんですけれども。
治山:そこはちょっとすいません。ご意見として受け止めさせていただきます。
当会:そうですか、ありがとうございます。
治山:なかなか技術的に難しいところがあるので、考えていきたいと思います。
当会:山ほどそういった事案があるのでしょうが。
治山:全国ある中で、というところもあるので
当会:そうですね。すいません、とりあえず、私もこれ以上お聞きしてもちょっと頭の中で理解できないんですけれど、とりあえず・・・
治山:また、その清水様のほうに何らか、お話は有ると思うので、また相談したいことがあれば、私の方に(電話を)掛けていただければ、お答えをいたしますので。
当会:ありがとうございます。
治山:はい。
当会:えーと、治山課の小川さまでよろしいですね。
治山:はい、治山課の小川と申します。
当会:はい、了解しました。
治山:はい。お願いいたします。
当会:すいません、ご出張後のお忙しいところを、ありがとうございます。
治山:はい、よろしくお願いいたします。
当会:ありがとございます。失礼します。
治山:失礼いたします。
**********

■このように、行政というものは、国も県も市も、たとえ不正な手続きで行われた事務事業でも、いったん完了してしまったものを後から誤りを認めて、訂正し、謝罪し、損害が出たら賠償するということは決して行おうとはしません。それは過去にあった事例で、当時の担当者の不正行為が明白であっても、一貫して「正しかった。問題はない」という姿勢を貫こうとします。

 この事件でも、林野庁の専門官が、「調査をした結果、件の対応はルールどおりに為されており、なんら外部の指摘を受けるような問題点は見いだせなかった」という通り、行政マンの言動はすべて無謬性が根本にあるという考えから成り立っているようです。

■それにしても、地権者の承諾を得ないままでの保安林指定による無用な砂防ダム建設や、実体のない場所での間伐事業をでっち上げることで、多額の補助金が今も群馬県を始め全国各地で不正に支出されていると思うと、当会としても、今回の事件を奇貨として、真相究明と責任所在の明確化を通じて、再発防止を目指したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項おわり】

コメント
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