産後うつ予防へ無料検診導入 10月から岡山県内16市町村
2018年9月26日 (水)配信山陽新聞
産後間もない母親が育児への不安から情緒不安定になる産後うつの予防や早期発見につなげようと、岡山県内の16市町村が10月から無料の産婦健診を導入する。子育て支援のため国が2017年度に助成制度を創設したのを受けた対応で、他の11市町村も来年4月以降に順次導入する予定。
10月から健診を行うのは、高梁、新見、備前、瀬戸内、赤磐、真庭市、和気、早島、里庄、鏡野、勝央、奈義、久米南、美咲、吉備中央町、西粟倉村。
健診は、産後うつになりやすい産後2週間と1カ月を目安に2回行う。医師や助産師が全県共通の質問票を使って抑うつ傾向を調べる。体の回復状況を検査し、子育ての悩みなども聞き取り、個別の支援が必要かどうかを判断する。
結果に基づき、市町村の保健師らが家庭を訪問するなどしてケアする。健診は自身が出産しなかった施設でも受けることができる。費用は1回当たり5千円で、全額を国と市町村が2分の1ずつ負担する。
産後うつはおよそ1割が経験するとされ、悪化すると虐待や育児放棄、自殺につながる恐れがある。厚生労働省研究班の調査(12~14年度)では、産後2カ月ごろまでに精神的な不調に陥る人が多く、特に産後2週間の時期に発症のリスクが高いという。
県内では年間、約1万5千人の新生児が誕生している。これまで母親の健診の時期や方法について統一の基準はなく、医療機関によって対応はまちまちだった。