故人とお別れのつもりが… ひつぎ内のドライアイスで中毒死
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ドライアイスをひつぎに敷き詰めた様子のイメージ=東京都千代田区で2023年9月21日午後4時33分、阿部絢美撮影
消費者庁と国民生活センターは21日、遺体の保冷目的で使われるドライアイスが気化した二酸化炭素を吸い込んで中毒死したと疑われる事故が少なくとも3件あったと発表した。
いずれも遺体を納めたひつぎのそばで発見されていた。
両者によると、消費者安全法に基づいて事故情報を登録している2010年以降、宮城、宮崎、沖縄の3県で3人が亡くなっていた。いずれも二酸化炭素中毒が疑われるという。
宮城県では、ドライアイスを敷き詰めた棺おけの小窓を開けたそばで70代の人が意識不明の状態で見つかった。宮崎と沖縄のケースは、ふたを開けた棺おけに人が顔を突っ込んだ状態で発見された。いずれも後に死亡が確認された。
空気中の二酸化炭素濃度は約0・04%だが、3%以上になるとめまいや頭痛などを起こし、5%で呼吸困難を発症。30%で即時に意識がなくなる。無色・無臭のため、濃度が高くても気づくのが難しい。
消費者庁などの調査によると、密閉されたひつぎ内の二酸化炭素濃度は最大90%に上昇。ひつぎのふたを開けても、50分が経過するまでは30%前後に保たれるため、中をのぞき込むと危険だという。 消費者庁は、葬儀などで故人とお別れをする際、ひつぎの中に長時間顔を入れず、室内を十分に換気するよう注意を呼び掛けた。【阿部絢美】