貴景勝4度目V「絶対負けられない」熱海富士との決定戦制し逆転 全休明け大関Vは20年ぶり
<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館 大関貴景勝(27=常盤山)が、優勝決定戦の末、逆転で4場所ぶり4度目の優勝を飾った。
本割で4敗で並んでいた関脇大栄翔を撃破。先に敗れていた前頭熱海富士との優勝決定戦に勝った。 【写真】 貴景勝まさかの変化、はたき込みで熱海富士を破る 立ち会いで左に変化してのはたき込み。
場内からはため息も漏れたが、貴景勝は「絶対負けられない、強い気持ちでやりました。右差しを徹底して封じようと思った。ああいう形で決まるとは思わなかったですけど、きちっと集中して自分のやるべきことをやりました」と説明した。
先場所は両膝のけがで全休。今場所はかど番で迎えていた。かど番大関の優勝は、16年秋場所の豪栄道(現武隈親方)以来、7年ぶり9人目。全休明けの大関の優勝は、03年春場所の千代大海以来、20年ぶり2人目となった。
今場所は黒星から始まった。東前頭筆頭の北勝富士に、同体取り直しの末に敗れ、かど番脱出さえも危惧するファンもいた。だが2日目から5連勝して波に乗った。7、8日目に正代、翔猿に不覚を取ったが、9日目からは再び5連勝を飾り、難なくかど番を脱出した。
最終盤は一進一退の優勝争いとなった。13日目に、単独先頭だった前頭熱海富士との直接対決を制し、トップに並んだ。だが14日目に、負ければ来場所かど番と必死の新大関豊昇龍に敗れ、再び1差を追って、この日を迎えていた。自力優勝はなかったが、熱海富士が敗れたことで、再びめぐってきたチャンスを手にした。